特許ウォッチ

公開番号2025093460
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209128
出願日2023-12-12
発明の名称熱交換器及び熱交換器の製造方法
出願人マレリ株式会社
代理人弁理士法人後藤特許事務所
主分類F28F 9/02 20060101AFI20250617BHJP(熱交換一般)
要約【課題】熱交換器のろう付けを安定的に行うことを可能とすることを目的とする。
【解決手段】熱交換器10は、内側底部40と内側底部40の両側部に立設される内側壁部42とを有した内側部材30を備える。熱交換器10は、外側底部52と外側底部52の両側部に立設され端部が内側壁部42の外側に配置される外側壁部54とを有した外側部材32を備える。熱交換器10は、外側底部52に沿ってタンク20の幅方向Wに延在する外側梁部70と、内側底部40に沿って幅方向Wに延在する内側梁部72と、外側梁部70の端部と内側梁部72の端部とを連結する一対の連結部74とを有した支持部材34を備える。支持部材34は、内側壁部42に対向する内側対向部位74Aよりも外側壁部54に対向する外側対向部位74Bの剛性が高く、外側対向部位74Bよりも外側梁部70の長さ方向中央部81の剛性が低い。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
中空状のタンクを備える熱交換器であって、
前記タンクの長さ方向に延在する内側底部と、前記内側底部の両側部に立設される内側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成される内側部材と、
前記内側底部と対向した状態で前記長さ方向に延在する外側底部と、前記外側底部の両側部に立設され端部が前記内側壁部の外側に配置される外側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成され前記内側部材の外周を覆って前記タンクを形成する外側部材と、
前記内側底部又は前記外側底部のいずれかに連結される複数のチューブと、
前記外側底部に沿って前記タンクの幅方向に延在する外側梁部と、前記内側底部に沿って前記幅方向に延在する内側梁部と、前記外側梁部の端部と前記内側梁部の端部とを連結する一対の連結部と、を有して環状に形成され、前記内側部材と前記外側部材との内側に配置される支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、前記内側壁部に対向する内側対向部位よりも前記外側壁部に対向する外側対向部位の剛性が高く、前記外側対向部位よりも前記外側梁部の長さ方向中央部の剛性が低い、
熱交換器。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
請求項１に記載の熱交換器であって、
前記外側対向部位には、前記タンクの外側へ向けて突出する突起が設けられ、
前記突起は、前記外側壁部に形成された穴に入り込んでいる、
熱交換器。
【請求項３】
請求項１又は請求項２に記載の熱交換器であって、
前記外側梁部の長さ方向中央部と前記外側底部との間には、間隙が形成されているか、若しくは当該間隙にろう材が充填されている、
熱交換器。
【請求項４】
中空状のタンクを備える熱交換器を製造する熱交換器の製造方法であって、
前記熱交換器は、
前記タンクの長さ方向に延在する内側底部と、前記内側底部の両側部に立設される内側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成される内側部材と、
前記内側底部と対向した状態で前記長さ方向に延在する外側底部と、前記外側底部の両側部に立設され端部が前記内側壁部の外側に配置される外側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成され前記内側部材の外周を覆って前記タンクを形成する外側部材と、
前記外側底部に沿って前記タンクの幅方向に延在する外側梁部と、前記内側底部に沿って前記幅方向に延在する内側梁部と、前記外側梁部の端部と前記内側梁部の端部とを連結する一対の連結部と、を有して環状に形成され、前記内側部材と前記外側部材との内側に配置される支持部材と、
を備え、
前記支持部材の前記外側梁部と前記外側部材の前記外側底部との一方は、他方に向かって円弧状に突出する円弧部を有し、
前記内側部材に前記支持部材を組み付ける工程と、
前記支持部材の前記外側梁部が前記外側部材に当接するように前記支持部材が組み付けられた前記内側部材を前記外側部材に挿入する工程と、
前記外側部材の前記外側底部に対向する前記外側梁部の長さ方向中央部を前記外側梁部の両端部よりも先行して前記外側底部に押し当てて前記外側梁部を変形させ、前記内側壁部と対向する前記支持部材の内側対向部位を外側に変位させながら前記内側部材を前記外側部材に組み付ける工程と、
前記外側底部又は前記内側底部のいずれかに複数のチューブを組み付ける工程と、
前記内側部材と前記外側部材と前記支持部材と前記チューブとをろう付けする工程と、
を含む、
熱交換器の製造方法。
【請求項５】
請求項４に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記支持部材の前記内側対向部位を外側に変位させる際に前記連結部に設けられた突起を前記外側部材に形成された穴に挿入する、
熱交換器の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、熱交換器及び熱交換器の製造方法に関するものである。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、熱交換器が開示されている。熱交換器のタンク本体は、断面Ｕ字状のチューブプレートと断面Ｕ字状のタンクプレートとによって形成されている。
【０００３】
チューブプレートに形成された爪部は、折曲され、タンクプレートの係止孔に係止される。これにより、チューブプレートとタンクプレートとは結合され、タンク本体が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１０－０８５０２５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載の熱交換器にあっては、チューブプレートの爪部を塑性変形させてタンク本体を形成するので、チューブプレートとタンクプレートとの接続部分の隙間は、爪部の折り曲げ状態によって変化する。チューブプレートとタンクプレートとの接続部分の隙間が変化すると、タンク本体のろう付け性が悪化する虞がある。
【０００６】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、熱交換器のろう付けを安定的に行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明のある態様によれば、熱交換器は、中空状のタンクを備える熱交換器であって、前記タンクの長さ方向に延在する内側底部と、前記内側底部の両側部に立設される内側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成される内側部材と、前記内側底部と対向した状態で前記長さ方向に延在する外側底部と、前記外側底部の両側部に立設され端部が前記内側壁部の外側に配置される外側壁部と、を有して断面略Ｕ字状に形成され前記内側部材の外周を覆って前記タンクを形成する外側部材と、前記内側底部又は前記外側底部のいずれかに連結される複数のチューブと、前記外側底部に沿って前記タンクの幅方向に延在する外側梁部と、前記内側底部に沿って前記幅方向に延在する内側梁部と、前記外側梁部の端部と前記内側梁部の端部とを連結する一対の連結部と、を有して環状に形成され、前記内側部材と前記外側部材との内側に配置される支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記内側壁部に対向する内側対向部位よりも前記外側壁部に対向する外側対向部位の剛性が高く、前記外側対向部位よりも前記外側梁部の長さ方向中央部の剛性が低い。
【発明の効果】
【０００８】
上記態様において、タンクは、内側部材と外側部材と内側部材及び外側部材の内側に配置された支持部材とによって形成されている。外側部材の外側壁部の端部は、内側部材の内側壁部の外側に配置されている。内側壁部の内側には、支持部材の内側対向部位が配置され、内側部材の内側壁部と外側部材の外側壁部との接合状態が維持される。
【０００９】
このため、チューブプレートの爪部を塑性変形させてチューブプレートとタンクプレートとを結合しタンクを形成する場合と比較して、内側部材及び外側部材で形成される熱交換器は、外側部材と内側部材との間に生じ得る隙間の変化を抑制することが可能となる。これにより、熱交換器は、内側部材及び外側部材のろう付けを安定的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
図１は、本発明の実施形態に係る熱交換器の正面図である。
図２は、熱交換器のタンクの要部を示す斜視図である。
図３は、図２におけるIII－III断面図である。
図４は、図３の断面を示す図である。
図５は、タンクの端部を示す図である。
図６は、組み付け前の支持部材を示す正面図である。
図７は、本発明の熱交換器の製造工程を示す説明図である。
図８は、図７に続く製造工程を示す説明図である。
図９は、図８に続く製造工程を示す説明図である。
図１０は、図９に続く製造工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許