TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025092559
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2025051805,2023166294
出願日2025-03-26,2020-09-28
発明の名称HBVワクチン及びHBVを治療する方法
出願人ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
代理人個人,個人
主分類C07K 14/02 20060101AFI20250612BHJP(有機化学)
要約【課題】HBVワクチン及びHBVを治療する方法を提供する。
【解決手段】ヒトにおける1つ以上のB型肝炎ウイルス(HBV)抗原に対する防御免疫応答を誘発するのに有用なポリペプチドが提供される。本明細書に記載される免疫原性ポリペプチドは、1つ以上のB型肝炎ウイルス(HBV)抗原に対するヒトにおける予防的及び/又は治療的免疫応答を誘発することができる。一般に、本明細書に記載の免疫原性ポリペプチドは、ワクチン抗原において、及び患者に存在する感染性HBVにおいて同一であるエピトープに対する応答を誘導するために、HBVタンパク質の高度に保存された部分を含有すると同時に、保存が不十分な領域を除外し、それによって、患者の感染性HBV株に存在しないエピトープを標的とする免疫優位なT細胞応答を誘発することを回避する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月30日に出願された米国仮出願第62/908,494号の利益を、米国特許法119条(e)の下で主張するものであり、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 11,000 文字)【0002】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2020年9月4日に作成された当該ASCIIコピーは、1324_PF_SL.txtと名付けられ、296,675バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
機能的硬化の主要なマーカであるHBV表面抗原(sAg)の消失率を改善するために、ワクチン接種を使用して慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染症の患者を治療する数々の試みがなされてきた。そのような試みには、組換えタンパク質(Dikici,et al.,J Gastroenterol Hepatol.(2003)18(2):218-22;Pol,et al.,J Hepatol.(2001)34(6):917-21;Vandepapeliere,et al.,Vaccine (2007)25(51):8585-97;Yalcin,et al.,J Clin Gastroenterol.(2003)37(4):330-5;Al-Mahtab,Hepatol Int.(2013)7(4):981-9;Hoa,et al.,Antimicrob Agents Chemother.(2009)53(12):5134-40;及びYalcin,et al.,Infection.(2003)31(4):221-5)、組換えDNA(Mancini-Bourgine,et al.,Hepatology.(2004)40(4):874-82;Yang,et al.,World J Gastroenterol.(2017)23(2):306-17;Yang,et al.,J Viral Hepat.(2012)19(8):581-93;Yoon,et al.,Liver Int.(2015)35(3):805-15;Cavenaugh,et al.,PLoS One.(2011)6(2):e14626;及びGodon,et al.,Mol Ther.(2014)22(3):675-84)、樹状細胞(Luo,et al.,Vaccine.(2010)28(13):2497-504;及びWei,et al.,Int Immunopharmacol.(2015)27(2):238-43)、酵母ベクター(Gane.et al.,J Hepatol.(2019)Epub 2019/07/16.doi:10.1016/j.jhep.2019.06.028.PubMed PMID:31306680)、及びいくつかのウイルスベクター(Cavenaugh,et al.,supra;及びZoulim,et al.,Hum Vaccin Immunother.(2019)Epub 2019/08/03.doi:10.1080/21645515.2019.1651141.PubMed PMID:31373537)を用いたワクチン接種を含まれる。これらの数々の試みにもかかわらず、現在まで、慢性HBV感染症(CHB)において一貫した利益を示した治療的ワクチン接種アプローチはない。以前のワクチンアプローチの欠点が、以前のワクチンアプローチの失敗を明白にし得る。
そのような欠点としては、抗原設計及び使用されるワクチン技術における制限が挙げられる。最適な抗原は、HBVタンパク質の高度に保存された部分を含み、保存が不十分な領域を除外することになるが、これは、高度に保存された領域が、ワクチン抗原及び治療患者に存在するウイルスにおいて同一であるエピトープに対する応答を誘導し得る一方、保存が不十分な領域は、患者の感染ウイルス株に存在しないエピトープに対して免疫優位なT細胞応答を引き起こし得るためである(Swadling,et al.,Vaccines(Basel).(2016)4(3).Epub 2016/08/05.doi:10.3390/vaccines4030027.PubMed PMID:27490575)。しかしながら、いくつかの先行するワクチンには、これらの基準を満たさない抗原設計が使用された(Yalcin,et al.,J Clin Gastroenterol.(2003)37(4):330-5;Hoa,et al.,supra;Yalcin,et al.,Infection.(2003)31(4):221-5;Mancini-Bourgine,et al.,supra;Yang,et al.,J Viral Hepat.(2012)19(8):581-93;Cavenaugh,et al.,supra;Godon,et al.,supra;Gane.et al.,supra;及びObeng-Adjei,et al.,Cancer Gene Ther.(2013)20(12):652-62)。更に、多くの先行するワクチンは、ウイルス特異的CD4

T細胞、CD8

T細胞、及び抗体応答の完全な組み合わせを誘導することに失敗している(Dikici,et al.,supra;Pol,et al.,supra;Vandepapeliere,et al.,supra;Yalcin,et al.,J Clin Gastroenterol.(2003)37(4):330-5;Al-Mahtab,supra;Hoa,et al.,supra;Yalcin,et al.,Infection.(2003)31(4):221-5;Mancini-Bourgine,et al.,supra;Yang,et al.,J Viral Hepat.(2012)19(8):581-93;Gane.et al.,supra;及びZoulim,et al.,supra)。これらの免疫成分は、慢性HBV感染症の治癒に特に重要であり、CD8

T細胞は、チンパンジーの急性HBV感染症におけるウイルスクリアランスを担う主要なエフェクタ細胞であることが示されている(Thimme,et al.,J Virol.(2003)77(1):68-76)。加えて、HBV表面抗原(HBsAg)に結合する抗体は、HBsAgクリアランスを促進し、残留HBVの広がりを防ぐ。更に、治療効果を達成するのに高度の免疫応答が必要であると考えられるが、多くの先行するCHBワクチンでは、そのような強力な応答を誘発することができていない(Mancini-Bourgine,et al.,supra;Yang,et al.,J Viral Hepat.(2012)19(8):581-93;Cavenaugh,et al.,supra;Gane.et al.,supra;及びZoulim,et al.,supra)。最後に、いくつかの先行するCHBワクチン抗原は、商業規模のワクチン製造を可能にするのに送達ベクター中で十分に安定していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Dikici,et al.,J Gastroenterol Hepatol.(2003)18(2):218-22
Pol,et al.,J Hepatol.(2001)34(6):917-21
Vandepapeliere,et al.,Vaccine (2007)25(51):8585-97
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、例えば、投与時にヒトにおける免疫応答を誘導又は誘発することができる、トランケート型B型肝炎ウイルス(HBV)ポリメラーゼポリペプチドが提供される。いくつかの実施形態では、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチドは、不活性化逆転写酵素ドメイン及び不活性化RNase Hを含み、末端タンパク質(TP)ドメインの全て及びスペーサードメインの全て又は一部を含まない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、長さが600アミノ酸以下、例えば、595、590、585、580、575、570、565、560、555、550、545、540、又は535アミノ酸以下である。いくつかの実施形態では、逆転写酵素ドメインは、YMDDモチーフ(配列番号97)を含まず、RNase Hドメインは、AELLモチーフ(配列番号98)を含まない。いくつかの実施形態では、逆転写酵素ドメイン内のYMDDモチーフ(配列番号97)は、YMHD(配列番号99)に変異し、RNase Hドメイン内のAELLモチーフ(配列番号:98)は、AHLL(配列番号100)に変異する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、HBV遺伝子型A、B、C、又はD由来である。いくつかの実施形態では、(a)ポリペプチドは、HBV遺伝子型B由来であり、配列番号50のポリペプチド配列(例えば、配列は、除去若しくは欠失されるか、又は包含されない)、又は配列番号50のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない、あるいは(b)ポリペプチドは、HBV遺伝子型D由来であり、配列番号51のポリペプチド配列、又は配列番号51のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない。いくつかの実施形態では、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチドは、配列番号13~14のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号13~14のうちのいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなる。
【0006】
別の態様では、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドが提供される。いくつかの実施形態では、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドは、N末端からC末端の順番で、末端タンパク質(TP)ドメイン、不活性化逆転写酵素ドメイン、及び不活性化RNase Hを含み、変異ポリペプチドは、スペーサードメインの全て又は一部を含まない。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、長さが800アミノ酸以下、例えば、795、790、785、780、775、770、765、760、755、750、745、740、735、730、725、720、715、710、又は705アミノ酸以下である。いくつかの実施形態では、逆転写酵素ドメインは、YMDDモチーフ(配列番号97)を含まず、RNase Hドメインは、AELLモチーフ(配列番号98)を含まない。いくつかの実施形態では、逆転写酵素ドメイン内のYMDDモチーフ(配列番号97)は、YMHD(配列番号99)に変異し、RNase Hドメイン内のAELLモチーフ(配列番号:98)は、AHLL(配列番号100)に変異する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、HBV遺伝子型A、B、C、又はD由来である。いくつかの実施形態では、(a)ポリペプチドは、HBV遺伝子型A由来であり、配列番号42若しくは46のポリペプチド、又は配列番号42若しくは46のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない、(b)ポリペプチドは、HBV遺伝子型B由来であり、配列番号43若しくは47のポリペプチド、又は配列番号43若しくは47のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない、(c)ポリペプチドは、HBV遺伝子型C由来であり、配列番号44若しくは48のポリペプチド、又は配列番号44若しくは48のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない、あるいは(d)ポリペプチドは、HBV遺伝子型D由来であり、配列番号45若しくは49のポリペプチド、又は配列番号45若しくは49のうちのいずれか1つと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含まない。いくつかの実施形態では、トランケート型HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドは、配列番号5~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号5~12のうちのいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドは、HBVコアポリペプチドを更に含む(例えば、HBVコアポリペプチドを含む融合タンパク質である)。いくつかの実施形態では、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドは、N末端からC末端の順番で、HBVコアポリペプチド及び本明細書に記載されるようなHBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、トランケート型HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチドは、配列番号19~26のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号19~26のうちのいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなる。
【0007】
更なる態様では、HBVコア-sAg融合タンパク質が提供される。いくつかの実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、N末端からC末端の順番で、HBVコアポリペプチド及びHBV小型表面抗原(sAg)ポリペプチドを含む。様々な実施形態では、コアポリペプチドは、HBV遺伝子型B又はC由来であり、sAgポリペプチドは、HBV遺伝子型C由来である。いくつかの実施形態では、コアポリペプチドは、HBV遺伝子型D由来であり、sAgポリペプチドは、HBV遺伝子型D由来である。いくつかの実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、(a)配列番号65のアミノ酸配列、又は配列番号65と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるコアポリペプチド、並びに配列番号3のアミノ酸配列、又は配列番号3と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるsAgポリペプチド、あるいは、(b)配列番号66のアミノ酸配列、又は配列番号66と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるコアポリペプチド、並びに配列番号4のアミノ酸配列、又は配列番号4と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるsAgポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コアポリペプチドは、位置12に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、及び位置67に対応するアミノ酸位置のアスパラギン(N)残基を含み、位置番号は、配列番号65又は配列番号66を基準にしている。いくつかの実施形態では、sAgポリペプチドは、位置68に対応するアミノ酸位置のイソロイシン(I)残基を含み、位置番号は、配列番号3又は配列番号4を基準にしている。いくつかの実施形態では、sAgポリペプチドは、位置53に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、位置68に対応するアミノ酸位置のイソロイシン(I)残基、位置125に対応するアミノ酸位置のスレオニン(T)残基、位置127に対応するアミノ酸位置のプロリン(P)残基、位置161に対応するアミノ酸位置のフェニルアラニン(F)残基、位置200に対応するアミノ酸位置のチロシン(Y)残基、位置210に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、及び位置213に対応するアミノ酸位置のロイシン(L)残基のうちの1つ以上を含み、位置番号は、配列番号3又は配列番号4を基準にしている。様々な実施形態では、sAgポリペプチドは、プレS1ポリペプチドを含まない。様々な実施形態では、sAgポリペプチドは、プレS2ポリペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、sAgポリペプチドは、配列番号79~83のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号79~83のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるHBV pre-S2ポリペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、sAgポリペプチドは、HBVプレS1ポリペプチド及びHBVプレS2ポリペプチドの両方を含まない。いくつかの実施形態では、sAgポリペプチドは、配列番号84~88のいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号84~88のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列を含むか又は該配列からなるHBVプレS1-プレS2ポリペプチドを含まない。様々な実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、HBVコアポリペプチド及びHBV sAgポリペプチドに作動可能に結合され、HBVコアポリペプチドとHBV sAgポリペプチドとの間に位置付けられた切断可能リンカーを含む。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、2A切断可能リンカーペプチドである。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、口蹄疫ウイルス(F2A)、ウマ鼻炎Aウイルス(E2A)、ブタテシオウイルス-1(P2A)及びトセアアシグナウイルス(T2A)から選択される2A切断可能リンカーペプチドである。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、ブタテシオウイルス-1(P2A)リンカーである。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号56)、APVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号57)、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号58)、若しくはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号59)のアミノ酸配列、又はATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号56)、APVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP(配列番号57)、QCTNYALLKLAGDVESNPGP(配列番号58)、若しくはEGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号59)と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、ATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号56)、又はATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号56)と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、切断可能リンカーのN末端とHBVコアポリペプチドのC末端とに作動可能に結合され、位置付けられた、可撓性リンカー及び/又はフューリン認識/切断部位を含む。いくつかの実施形態では、フューリン認識/切断部位は、RAKR(配列番号60)、REKR(配列番号61)、及びRRKR(配列番号62)から選択されたアミノ酸配列を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、可撓性リンカーは、ポリグリシン配列又はポリアラニン配列を含む。いくつかの実施形態では、可撓性リンカーは、AA、AAA、AAY、GG、GGG、GGS、GSG、及びGGGSから選択されるポリグリシン配列又はポリアラニン配列(配列番号63)を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、長さが450アミノ酸以下、例えば、445、440、435、430、425、420、415、又は410アミノ酸以下である。いくつかの実施形態では、コア-sAg融合タンパク質は、配列番号38~41のうちのいずれか1つ、例えば、配列番号41のアミノ酸配列、又は配列番号38~41のうちのいずれか1つ、例えば、配列番号41と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である配列を含むか又は該配列からなる。いくつかの実施形態では、融合ポリペプチドは、位置12に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、位置67に対応するアミノ酸位置のアスパラギン(N)残基、位置74に対応するアミノ酸位置のバリン(V)残基、位置97に対応するアミノ酸位置のフェニルアラニン(F)残基、位置249に対応するアミノ酸位置のトレオニン(T)残基、位置250に対応するアミノ酸位置のトレオニン(T)残基、位置317に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、位置318に対応するアミノ酸位置のセリン(S)残基、位置326に対応するアミノ酸位置のアルギニン(R)残基、位置338に対応するアミノ酸位置のチロシン(Y)残基、位置363に対応するアミノ酸位置のグリシン(G)残基、及び位置372に対応するアミノ酸位置のアラニン(A)残基のうちの1つ以上を含み、位置番号は、配列番号41を基準にしている。様々な実施形態では、コア-sAg融合ポリペプチドは、X、プレコア、プレS1、及びプレS2からなる群から選択されるHBVタンパク質由来のアミノ配列又はその断片を含まない。
【0008】
免疫原性HBVポリペプチドに関して、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような、HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、又はコア-sAg融合タンパク質は、N末端シグナルペプチド又はリーダー配列を更に含む。様々な実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、血清タンパク質、サイトカイン、ケモカイン、シャペロンタンパク質、インバリアントタンパク質、及びタンパク質をリソソーム区画に方向付けるタンパク質から選択されるソースタンパク質由来である。様々な実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、コロニー刺激因子2(CSF2、GM-CSF)、組織型プラスミノゲン活性化因子(PLAT、t-PA)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7、MCP-3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド10(CXCL10、IP-10)、カテニンベータ1(CTNNB1)、CD74(p33;DHLAG;HLADG;Ia-ガンマ、インバリアント鎖)、血清アルブミン(ALB)、ポリユビキチンB/C(UBB/UBC)、カルレティキュリン(CALR)、水泡性口内炎ウイルスGタンパク質(VSV-G)、リソソーム膜タンパク質1(LAMP-1)、及びリソソーム膜タンパク質2(LAMP-2)から選択されるソースタンパク質由来である。いくつかの実施形態では、シグナルペプチド又はリーダー配列は、配列番号67~78のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、又は配列番号67~78のうちのいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である配列から選択される。様々な実施形態では、本明細書に記載されるような、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、及び/又はコア-sAg融合タンパク質は、組換え生産されるか又は化学合成され得る。様々な実施形態では、本明細書に記載されるような、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、及び/又はコア-sAg融合タンパク質は、ヒトにおける免疫応答(例えば、CD8+及び/又はCD4+T細胞の膨張及び/又は活性化、HBVポリメラーゼ、HBVコア、及びHBV sAgのうちの1つ以上に結合する及び/又は中和する抗体の産生)を誘導、促進、又は刺激することができる。様々な実施形態では、本明細書に記載されるような、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、及び/又はコア-sAg融合タンパク質は、ヒトにおけるHBVに対する免疫応答(例えば、HBV感染を防止する、HBV感染の進行を遅らせる、HBV感染を阻止する、及び/又はHBV感染から回復させる)を誘導、促進、又は刺激することができる。様々な実施形態では、本明細書に記載されるような、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、及び/又はコア-sAg融合タンパク質は、単球由来の樹状細胞(DC)、CD8+T細胞、及びCD4+T細胞から選択される1つ以上の細胞型の増殖及び/又は活性化を誘導、促進、又は刺激することができる。
【0009】
更なる態様では、本明細書に記載されるような、免疫原性HBVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。例えば、本明細書に記載されるような、トランケート型HBVポリメラーゼポリペプチド、HBVポリメラーゼ欠失変異ポリペプチド、又はコア-sAg融合タンパク質のうちの1つ以上をコードするポリヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、cDNA、mRNA、自己増幅RNA(SAM)、自己複製RNA、又は自己増幅レプリコンRNA(RepRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、自己複製又は自己増幅アルファウイルスレプリコンを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号27~37、例えば、配列番号37及び配列番号89~94、例えば、配列番号29、89、90、若しくは92のうちのいずれか1つの核酸配列、又は配列番号27~37、例えば、配列番号37及び配列番号89~94、例えば、配列番号29、89、90、若しくは92のうちのいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一である核酸配列を含むか又は該配列からなる。
【0010】
別の態様では、本明細書に記載されるような、免疫原性HBVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのうちの1つ以上を含む脂質ナノ粒子(LNP)が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体
2か月前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
1か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体の製造方法
2か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
17日前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
29日前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
26日前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
1か月前
国立大学法人京都大学
細胞質送達ペプチド
2か月前
四国化成工業株式会社
イソフタル酸化合物およびその利用
1か月前
四国化成工業株式会社
テレフタル酸化合物およびその利用
1か月前
ダイキン工業株式会社
SF5含有シラン化合物
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
11日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
26日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
26日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
2か月前
株式会社カネカ
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
1か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
2か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
1か月前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
25日前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
2日前
株式会社トクヤマ
精製第4級アンモニウム化合物水溶液の製造方法
1か月前
出光興産株式会社
プロピレンの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
1か月前
住友ベークライト株式会社
フェノールの製造方法
23日前
日産化学株式会社
新規な縮合ヘテロ環アミド化合物及び有害生物防除剤
1か月前
花王株式会社
新規アルデヒド化合物
1か月前
個人
低分子化生物資源の製造方法および製造装置
18日前
株式会社トクヤマ
有機ケイ素化合物の製造方法
9日前
大阪ガスケミカル株式会社
フルオレン化合物及びその製造方法
1か月前
学校法人明治大学
化合物及び有機半導体材料
1か月前
信越化学工業株式会社
藻類発生抑制剤組成物
1か月前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
29日前
スガイ化学工業株式会社
アミノアレーンアミド誘導体の製造方法
1か月前
続きを見る