特許ウォッチ

公開番号2025092343
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2024052496
出願日2024-03-27
発明の名称乗物用シート及び乗物
出願人テイ・エステック株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類B60N 2/14 20060101AFI20250612BHJP(車両一般)
要約【課題】障害物による回転の妨げが抑制され、使用者の利便性の良い乗物用シートを提供する。
【解決手段】乗物用シートは、シートクッションと、シートクッションを上下方向軸線回りに回転させる回転装置と、座面角を通常位置から前上がり方向及び前下がり方向に向けて変更するための座面角変更装置と、回転装置及び座面角変更装置を制御する制御装置とを有する。制御装置は、シートクッションの回転角度に基づいて座面角変更装置を制御して座面角を変更するように構成される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
使用者の臀部を下方から支持するシートクッションを有し、乗物のフロアに設けられた乗物用シートであって、
前記乗物の上下方向の回転軸線回りに前記シートクッションを回転させる回転装置と、
前記乗物のフロア面と前記シートクッションの着座面とがなす角度である座面角を通常位置から前上がり方向及び前下がり方向に向けて変更するための座面角変更装置と、
前記シートクッションを回転させるべき回転角度を設定するための入力装置と、
前記入力装置により設定され、又は所定のイベントの発生時に設定される前記回転角度を実現するように前記回転装置を駆動する制御装置とを有し、
前記制御装置が、前記シートクッションの前記回転角度に基づいて前記座面角変更装置を制御して前記座面角を変更するように構成された、乗物用シート。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
前記シートクッションを回転させたときに障害となるべき障害物を検出して検出結果を前記制御装置に出力する物体センサを更に有し、
前記制御装置は、前記障害物が検出された場合には、前記シートクッションを回転させる際に、前記障害物との接触を防ぐのに必要な角度をもって前記座面角を変更する、請求項１に記載の乗物用シート。
【請求項３】
前記制御装置は、前記シートクッションを略一定速度で回転させ、かつ前記座面角を連続的に変更することにより前記障害物との接触を回避する、請求項２に記載の乗物用シート。
【請求項４】
前記制御装置は、前記シートクッションの回転中に前記座面角を変更する、請求項１に記載の乗物用シート。
【請求項５】
前記制御装置は、前記シートクッションの前記回転角度が所定値以下の場合、前記座面角を変更しない、請求項１に記載の乗物用シート。
【請求項６】
前記制御装置は、前記シートクッションの前記回転角度が大きいほど、前記座面角の絶対値を大きくする、請求項１に記載の乗物用シート。
【請求項７】
前記シートクッションに設けられた着座センサを更に有し、
前記制御装置は、前記着座センサからの信号を受信して、前記シートクッションに前記使用者が着座しているか否かを判定するように構成され、
前記制御装置は、前記シートクッションを回転させる時、前記シートクッションへの前記使用者の着座の有無に応じて前記座面角を調整する、請求項１に記載の乗物用シート。
【請求項８】
前記制御装置は、前記シートクッションを回転させる時、前記シートクッションに前記使用者が着座していると判定した場合は、前記シートクッションに前記使用者が着座していないと判定した場合に比べて、前記座面角の変更量を小さくする、請求項７に記載の乗物用シート。
【請求項９】
前記シートクッションに着座した前記使用者の体型に関する情報を検出して検出結果を前記制御装置に出力する車室内監視装置を更に有し、
前記制御装置は、前記車室内監視装置の前記検出結果に基づいて、前記使用者の前記体型を判定するように構成され、
前記制御装置は、前記シートクッションを回転させる時、前記使用者の前記体型に基づいて前記座面角を調整する、請求項７に記載の乗物用シート。
【請求項１０】
請求項１に記載の乗物用シートを有する乗物であって、
前記使用者が乗降するためのドアと、
前記ドアの開閉状態を検出して検出結果を前記制御装置に出力するドアセンサとを有し、
前記制御装置は、前記ドアセンサの前記検出結果に基づき前記ドアの前記開閉状態を判定するように構成され、
前記制御装置は、前記ドアが閉状態から開状態に変位したと判定すると、前記シートクッションを前下がりの状態に変更する、乗物。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、上下方向軸線回りに回転可能な乗物用シートと、その乗物用シートを有する乗物とに関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
例えば、特許文献１には、シートを上下方向軸線回りに回転可能な乗物用シートが開示されている。シートを回転させることにより、乗物に乗車した者が、互いに向き合って会話をしたり、シートを窓に向けて景色を楽しんだりできるシート配置が可能となる。
【０００３】
また、特許文献２には、シートを回転させる時、シートバックを前傾させるとともに、シートクッションを前上がりの状態にすることにより、障害物によるシートの回転の妨害を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１９－００６１５２号公報
特開２０２４－０２２４５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献１に記載の発明では、障害物に衝突してシートの回転が妨げられる可能性が高かった。特許文献２に記載の発明では、クッションシートを大きく前上がりの状態にするため、乗員が着座した状態や、シートクッションに荷物を置いた状態ではシートを回転させることができず、また、大きくシートクッションを傾けるために時間がかかり、使用者の利便性が損なわれた。
【０００６】
本発明は、以上の背景に鑑み、障害物による回転の妨げが抑制され、使用者の利便性の良い乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、使用者の臀部を下方から支持するシートクッション（４）を有し、乗物（Ｖ）のフロア（３）に設けられた乗物用シート（１）であって、前記乗物の上下方向の回転軸線回りに前記シートクッションを回転させる回転装置（８）と、前記乗物のフロア面（Ｒ）と前記シートクッションの着座面（Ｓ）とがなす角度である座面角（θ）を通常位置から前上がり方向及び前下がり方向に向けて変更するための座面角変更装置（１１）と、前記シートクッションを回転させるべき回転角度を設定するための入力装置（１４）と、前記入力装置により設定され、又は所定のイベントの発生時に設定される前記回転角度を実現するように前記回転装置を駆動する制御装置（１６）とを有し、前記制御装置が、前記シートクッションの前記回転角度に基づいて前記座面角変更装置を制御して前記座面角を変更するように構成される。
【０００８】
この態様によれば、シートクッションの回転時に座面角が変更されることにより、シートクッションが回転中に障害物に衝突することが抑制される。また、回転角度に基づいての座面角が設定されるため、過度に座面角が変更されて時間がかかったり、着座している使用者に不快感を与えたりすることが抑制され、使用者の利便性が向上する。
【０００９】
上記の態様において、前記シートクッション（４）を回転させたときに障害となるべき障害物（５２）を検出して検出結果を前記制御装置に出力する物体センサ（１９）を更に有し、前記制御装置（１６）は、前記障害物が検出された場合には、前記シートクッションを回転させる際に、前記障害物との接触を防ぐのに必要な角度をもって前記座面角を変更しても良い。
【００１０】
この態様によれば、障害物を検出して、その障害物を避けるのに必要なだけ座面角を変更することにより、シートクッションの回転の阻害が抑制されるとともに、過度の座面角の変更が抑制されて使用者の利便性が向上する。
（【００１１】以降は省略されています）

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