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公開番号2025089997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2024125895,2024549427
出願日2024-08-01,2023-09-26
発明の名称密閉型冷媒圧縮機およびその運転方法、並びにそれを用いた冷凍・冷蔵装置
出願人パナソニック株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類F04B 39/02 20060101AFI20250609BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】より低粘度の冷凍機油を用いて、さらに一層良好な成績係数(COP)の実現を図ることができる密閉型冷媒圧縮機等を提供する。
【解決手段】密閉型冷媒圧縮機は、密閉容器の内部に、40℃での動粘度が1.0mm2/s~2.5mm2/sの範囲内にある冷凍機油が貯留される。ピストン140の往復動するストローク量とピストン径との比が0.78~1.00の範囲内にある。ピストンの往復動により圧縮室内をシールする領域の長さを、ピストンのシール長さとする。ピストン径に対するピストン全長の比が、0.8~1.0の範囲内にあり、シール長さとピストン全長との比が、0.9~1.0の範囲内にある。さらに運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、ピストンの往復動する平均速度が0.31m/sを超えて設定される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
密閉容器と、
当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、
当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、
運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度が0.31m/sを超えて設定されており、
前記ピストンの往復動するストローク量(S)と前記ピストン径(D)との比S/Dが0.78~1.00の範囲内にあることを特徴とする、
密閉型冷媒圧縮機。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
密閉容器と、
当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、
当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、
運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度が0.31m/sを超えて設定されており、
前記ピストンが、その往復動により前記圧縮室内をシールする領域の長さを、シール長さ(L2)としたときに、
前記ピストン径(D)に対する前記ピストン全長(L1)の比L1/Dが、0.8~1.0の範囲内にあるとともに、
前記シール長さ(L2)と前記ピストン全長(L1)との比L2/L1が、0.9~1.0の範囲内にあることを特徴とする、
密閉型冷媒圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮要素は、軸部として、主軸および偏心軸を備えるクランクシャフトと、前記軸部を軸支する軸受部として、主軸を軸支する主軸受および前記偏心軸を軸支する偏心軸受と、を備え、
前記主軸における前記主軸受との摺動面が複数の面に分割されており、複数の前記摺動面の軸方向長さの合計を全摺動長さTtとしたときに、当該全摺動長さTtと前記主軸の外径Kとの比率Tt/Kが1.26以下である、
請求項1または2に記載の密閉型冷媒圧縮機。
【請求項4】
前記圧縮要素は、軸部として、主軸および偏心軸を備えるクランクシャフトと、前記軸部を軸支する軸受部として、主軸を軸支する主軸受および前記偏心軸を軸支する偏心軸受と、を備え、
前記主軸における前記主軸受との摺動面は、単一面であるか複数の面に分割されており、
前記摺動面が単一面である場合には、当該摺動面の軸方向長さを単一摺動長さTとしたとき、または、前記摺動面が複数の面に分割されている場合には、軸方向長さが最少である摺動面の当該軸方向長さを単一摺動長さTとしたときに、当該単一摺動長さTと前記主軸の外径Kとの比T/Kが0.51以下であり、
さらに、前記冷凍機油には、摺動性改質剤として、硫黄または硫黄を有する化合物を含有する、
請求項1または2に記載の密閉型冷媒圧縮機。
【請求項5】
密閉容器と、
当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、
当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、
前記ピストンの往復動するストローク量(S)と前記ピストン径(D)との比S/Dが0.78~1.00の範囲内にある、密閉型冷媒圧縮機において、
その運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度を0.31m/sを超えることを特徴とする、
密閉型冷媒圧縮機の運転方法。
【請求項6】
密閉容器と、
当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、
当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、
運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度が0.31m/sを超えて設定されており、
前記ピストンが、その往復動により前記圧縮室内をシールする領域の長さを、シール長さ(L2)としたときに、
前記ピストン径(D)に対する前記ピストン全長(L1)の比L1/Dが、0.8~1.0の範囲内にあるとともに、
前記シール長さ(L2)と前記ピストン全長(L1)との比L2/L1が、0.9~1.0の範囲内にある、密閉型冷媒圧縮機において、
その運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度を0.31m/sを超えることを特徴とする、
密閉型冷媒圧縮機の運転方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の密閉型冷媒圧縮機と、放熱器と、減圧装置と、吸熱器と、を含み、これらを配管によって環状に連結した冷媒回路を備えることを特徴とする、
冷凍・冷蔵装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫、エアーコンディショナー等に使用される密閉型冷媒圧縮機と、当該密閉型冷媒圧縮機の運転方法と、当該密閉型冷媒圧縮機を用いた冷凍・冷蔵装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から化石燃料の使用を少なくする入力電力を小さくし高効率な密閉型冷媒圧縮機の開発が進められている。密閉型冷媒圧縮機の入力電力を小さくするには、運転周波数を小さくすることが有効な手段である。
【0003】
一方、高効率については冷凍能力/入力電力で表される成績係数(COP)は密閉型冷媒圧縮機の効率を表す指標である。成績係数(COP)を向上させるために、例えば、より低粘度のオイル(冷凍機油、潤滑油)を用いることが提案されている。例えば、特許文献1には、密閉容器の内部に貯留するオイルの粘度をVG3以上でVG8以下とすることにより高効率化を図る冷媒圧縮機を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2008-531896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年では、成績係数(COP)のより一層の向上を図るために、冷凍機油をより一層低粘度化することが検討されている。例えば、引用文献1に開示される冷媒圧縮機では、オイル(冷凍機油)の粘度として、前記の通りVG3~VG8の範囲内が挙げられているが、近年では、VG3以下の冷凍機油の使用も検討されている。しかしながら、より低粘度の冷凍機油を用いて摺動損失をさらに低減させるだけでは、成績係数(COP)のより一層の向上を図るためには十分ではない。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、より低粘度の冷凍機油を用いて、さらに一層良好な成績係数(COP)の実現を図ることができる密閉型冷媒圧縮機およびその運転方法、並びにこれを用いた冷凍・冷蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る密閉型冷媒圧縮機は、前記の課題を解決するために、密閉容器と、当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときには、前記ピストンの往復動する平均速度が0.31m/sを超えて設定されている構成であればよい。
【0008】
前記構成によれば、密閉型冷媒圧縮機の運転周波数が16r/s以上35r/s以下であるときに、ピストンの往復動の平均速度(ピストン平均速度)の下限を設定している。これにより、密閉型冷媒圧縮機の運転速度が相対的に低速であっても、ピストン平均速度は相対的に高速とすることができる。そのため、冷凍機油として、より一層低粘度化(40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内に設定)された低粘度オイルを用いても、高速に往復動するピストンにより、圧縮室との間に良好な油膜を形成することができる。その結果、ピストンおよび圧縮室からの冷媒ガスの漏れを良好に抑制することが可能になる。そのため、低粘度オイルを冷凍機油として用いたときに、密閉型冷媒圧縮機の成績係数(COP)をより一層向上させることができる。
【0009】
また、本開示に係る密閉型冷媒圧縮機は、前記の課題を解決するために、密閉容器と、当該密閉容器内に貯留される、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある冷凍機油と、当該密閉容器内に収容され、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、を備え、前記ピストンの往復動するストローク量(S)と前記ピストン径(D)の比S/Dが0.78~1.00の範囲内にある構成であってもよい。
【0010】
前記構成によれば、冷凍機油として、40℃での動粘度が1.0mm
2
/s~2.5mm
2
/sの範囲内にある低粘度オイルを用いたときに、前記の比S/Dを所定範囲内に設定にしている。これにより、ストローク量(S)を相対的に大きくすることができるので、ピストン平均速度を相対的に大きくすることができる。そのため、冷媒ガスの漏れ量を良好に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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