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公開番号
2025088354
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2023203017
出願日
2023-11-30
発明の名称
ディジタル保護制御システムおよびディジタル保護制御方法
出願人
株式会社日立製作所
代理人
藤央弁理士法人
主分類
H02H
3/02 20060101AFI20250604BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】MUとIEDが分離した保護制御システムにおいて、MUのサンプリング周期とIEDが実行する処理の周期とが異なる場合に、IEDとして所望の特性が得られない場合がある。
【解決手段】ディジタル保護制御システムであって、第1のディジタルフィルタと、第2のディジタルフィルタと、保護制御演算部と、を有し、第1のディジタルフィルタは、電力系統の計測値を第1のサンプリング周波数でサンプリングした第1のデータが入力されると、第1のデータから第1のサンプリング周波数における折り返し成分を除去して第2のサンプリング周波数でサンプリングした第2のデータを出力し、第2のディジタルフィルタは、第2のデータが入力されると、入力された第2のデータに含まれる電力系統の低次高調波成分を除去し、保護制御演算部は、低次高調波成分を除去した第2のデータに基づいて、電力系統の保護制御処理を行い、その結果を出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ディジタル保護制御システムであって、
第1のディジタルフィルタと、第2のディジタルフィルタと、保護制御演算部と、を有し、
前記第1のディジタルフィルタは、電力系統の計測値を第1のサンプリング周波数でサンプリングした第1のデータが入力されると、前記第1のデータから前記第1のサンプリング周波数における折り返し成分を除去して第2のサンプリング周波数でサンプリングした第2のデータを出力し、
前記第2のディジタルフィルタは、前記第2のデータが入力されると、入力された前記第2のデータに含まれる前記電力系統の低次高調波成分を除去し、
前記保護制御演算部は、前記低次高調波成分を除去した前記第2のデータに基づいて、前記電力系統の保護制御処理を行い、その結果を出力することを特徴とするディジタル保護制御システム。
続きを表示(約 2,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のディジタル保護制御システムであって、
前記第1のディジタルフィルタは、処理のタイミングに応じてフィルタ係数を切り換える機能を有する非再帰型ディジタルフィルタによって構成されることを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載のディジタル保護制御システムであって、
前記第1のディジタルフィルタは、複数の遅延手段と、複数の乗算手段と、加算手段と、フィルタ係数メモリと、を有し、
前記複数の遅延手段は、直列に接続され、前記第1のデータが入力され、
前記複数の乗算手段の各々は、前記複数の遅延手段に入力されるデータ及び前記複数の遅延手段の各々から出力されるデータに対する乗算を行い、
前記加算手段は、前記複数の乗算手段の出力を加算し、
前記フィルタ係数メモリは、複数のフィルタ係数群を保持し、
前記複数のフィルタ係数群の各々は、前記複数の乗算手段によって乗算される複数の係数を含み、
前記第1のディジタルフィルタは、入力されるデータの位相に応じて前記複数の乗算手段に適用する前記フィルタ係数群を選択することを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載のディジタル保護制御システムであって、
前記複数の遅延手段の各々の遅延量は、前記第1のサンプリング周波数の周期であり、
前記フィルタ係数メモリは、前記複数のフィルタ係数群として、前記第1のサンプリング周波数の周期と前記第2のサンプリング周波数の周期との最小公倍数を前記第2のサンプリング周波数の周期で除した値と同数のフィルタ係数群を保持し、
前記複数のフィルタ係数群の各フィルタ係数は、前記第1のディジタルフィルタが、前記第1のサンプリング周波数と前記第2のサンプリング周波数のうち低い方のナイキスト周波数以上の帯域を阻止域とする低域通過フィルタとして動作するように決定され、
前記第1のディジタルフィルタは、前記第2のサンプリング周波数の周期ごとに、前記複数のフィルタ係数群のうち前記複数の乗算手段に適用するフィルタ係数群を切り換えることを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載のディジタル保護制御システムであって、
通信手段と、シリアル/パラレル変換手段と、コーディング手段と、同期制御手段と、プロセッサと、プログラムメモリと、ワークメモリと、をさらに有し、
前記通信手段は、前記第1のサンプリング周波数でサンプリングされ、ディジタル変換された前記電力系統の計測値のデータを、前記通信手段に接続されたネットワークを介して、シリアル信号として受信し、
前記シリアル/パラレル変換手段は、前記シリアル信号をパラレル信号に変換し、
前記コーディング手段は、前記パラレル信号を所定のコードで変換し、
前記同期制御手段は、前記ネットワークに接続されたマスタクロックと時刻同期をして前記ディジタル保護制御システム内の各部への制御信号を送信し、
前記第1のディジタルフィルタには、前記コーディング手段によって変換されたデータが前記第1のデータとして入力され、
前記第1のディジタルフィルタは、前記同期制御手段から受信した前記制御信号のタイミングに従って、前記乗算手段に適用するフィルタ係数群を切り換え、
前記第2のディジタルフィルタ及び前記保護制御演算部は、前記プロセッサが前記プログラムメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現されることを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載のディジタル保護制御システムであって、
前記第2のディジタルフィルタは、前記電力系統の周波数を含む所定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタ、低域通過フィルタ又は低域通過ノッチフィルタであることを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載のディジタル保護制御システムであって、
前記第1のディジタルフィルタと、前記第2のディジタルフィルタと、前記保護制御演算部と、を有する保護制御ユニットと、
ネットワークを介して前記保護制御ユニットに接続される複数のマージングユニットと、
前記ネットワークに接続されるグランドマスタクロックと、を有し、
前記各マージングユニットは、前記電力系統の計測値を、前記第1のサンプリング周波数でサンプリングし、ディジタル変換して、前記ネットワークを介して前記保護制御ユニットに送信し、
前記各マージングユニット及び前記保護制御ユニットは、前記グランドマスタクロックと同期情報を交換することによって同期した時刻に基づいて、それぞれ、前記サンプリング及び前記第1のディジタルフィルタの動作を制御することを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項8】
ディジタル保護制御システムであって、
ディジタルフィルタと、保護制御演算部と、を有し、
前記ディジタルフィルタは、電力系統の計測値を第1のサンプリング周波数でサンプリングした第1のデータが入力されると、前記第1のデータから前記第1のサンプリング周波数における折り返し成分と、前記第1のデータに含まれる前記電力系統の低次高調波成分と、を除去して、第2のサンプリング周波数でサンプリングした第2のデータを出力し、
前記保護制御演算部は、前記第2のデータに基づいて、前記電力系統の保護制御処理を行い、その結果を出力することを特徴とするディジタル保護制御システム。
【請求項9】
ディジタル保護制御システムが実行するディジタル保護制御方法であって、
前記ディジタル保護制御システムは、第1のディジタルフィルタと、第2のディジタルフィルタと、保護制御演算部と、を有し、
ディジタル保護制御方法は、
前記第1のディジタルフィルタが、電力系統の計測値を第1のサンプリング周波数でサンプリングした第1のデータを入力されると、前記第1のデータから前記第1のサンプリング周波数における折り返し成分を除去して第2のサンプリング周波数でサンプリングした第2のデータを出力する手順と、
前記第2のディジタルフィルタが、前記第2のデータを入力されると、入力された前記第2のデータに含まれる前記電力系統の低次高調波成分を除去する手順と、
前記保護制御演算部が、前記低次高調波成分を除去した前記第2のデータに基づいて、前記電力系統の保護制御処理を行い、その結果を出力する手順と、を含むことを特徴とするディジタル保護制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル保護制御システムに係り、特に、異なったサンプリングレートでサンプリングされたアナログ入力量のデ-タを所望のサンプリングレートのデ-タに変換して保護制御演算を実施するに好適なディジタル保護制御システムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
電力系統を構成する送電線、母線、変圧器、発電機に発生する短絡、地絡故障等の故障の除去のために、それぞれの要素毎に設置した保護装置が、守備範囲内に発生した故障に対して動作して、故障点を含む電力系統の区間を遮断器にて切り離している。
【0003】
保護装置では、系統の状態を示す電圧、電流信号を取り込み、ディジタル値に変換した後に、ディジタル演算機能を使ってソフトウェア処理で系統事故を判別している。
【0004】
現在のディジタル保護制御システムでは、アナログ信号からディジタルデータへの変換を電気角3.75°で行ない、ディジタルフィルタで保護制御演算に不要な低次高調波信号成分を除去後、電気角30°毎に保護制御演算用のデータを生成し、保護とシーケンス処理を実行することが一般的に行われている。これらの演算により、正確な保護制御処理が行えることから、多くの変電所に適用され、電力系統の安定運用に貢献している。
【0005】
一方、ディジタル通信技術を活用したディジタル保護制御システムとして、マージングユニット(以下MUと称す)と呼ばれるアナログ入力部と、保護制御演算部(以下IEDと称す)とに分け、その間をプロセスバスと呼ばれるディジタル通信で接続してシステムを構築するディジタル変電所にシステム構成へ進展し、省配線化やディジタル化に向けた標準化が進んでいる。
【0006】
このディジタル変電所では、前述したように、MUとIEDに機能が分離するため、異なるベンダの製品間で接続することもあることから、システムを構築する際には、この間のインタフェースが重要な項目となる。
【0007】
このMUとIED間の通信インタフェース、特に、MU内で行うアナログサンプル値(以下SVと称す)を生成する部分において、どのようなサンプリンング周波数(サンプリングレート)を採用するかが、ベンダ間で重要な仕様事項になる。国内では電気角3.75°サンプリングが一般的でありベンダ間で統一されているが、IEC61850やIEC61869といった国際規格に従って製作されたMUでは電気角4.5°が標準的なサンプリング周波数として定められている。
【0008】
このため、これまで国内仕様と異なったサンプリングレートのデータを送出するMUと単純に組み合わせた場合、所望の特性を満たせないという課題が生じる。また、サンプリングレートを国際規格に合わせるには、電気角30°ベースの保護制御演算アルゴリズムを変更する必要が生じる。このような背景から、IED内で受信したSV値から、既存の演算アルゴリズムに必要なサンプリングレートにデータを補正して処理する構成が提案されている。
【0009】
国際公開第2018/042587号(特許文献1)では、IEDにおいて、MUからSVデータを受信した後、サンプリングレートを上げるアップコンバージョン部を設けて、SVデータを高サンプリングレートにして補間(前値補間)し、その後、時系列データから変更可能な任意のサンプル時刻のデータ点を周期的に取り出すことによって、保護リレー演算を行う低サンプリングレートの時系列データを生成する方法が提案されている。
【0010】
電気協同研究 第71巻第1号(非特許文献1)では、保護リレーのアルゴリズムを海外メーカで主流の4.5°サンプリングに合わせる場合、リレーアルゴリズムの再設計、再検証のための膨大な労力が必要であることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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