TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025087831
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2025035400,2023180993
出願日2025-03-06,2014-03-14
発明の名称低分子量絹組成物および絹組成物の安定化
出願人トラスティーズ オブ タフツ カレッジ
代理人個人,個人
主分類C07K 14/435 20060101AFI20250603BHJP(有機化学)
要約【課題】特定の特性および/または性質を有するある特定の絹フィブロイン組成物を提供すること。
【解決手段】一部の実施形態では、本開示は、低分子量組成物を提供する。一部の実施形態では、本開示は、活性な(例えば、生物学的な)作用物質または構成成分を含む絹フィブロイン組成物を提供する。一部の実施形態では、本開示は、活性な(例えば、生物学的な)作用物質または構成成分を含む低分子量絹フィブロイン組成物を提供する。一部の実施形態では、活性作用物質は、例えば、ある時間にわたって、かつ/またはある特定の条件もしくは事象に対して、絹組成物中で安定化される。一部の実施形態では、絹フィブロイン組成物中に存在する構成成分は、分析および/または特徴付けに供され得る。一部の実施形態では、絹フィブロイン組成物中に存在する構成成分は、組成物から回収され得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の低分子量絹フィブロイン組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
政府支援
本発明は、DARPAによって授与された認可番号SB112-005およびNIHによって授与された認可番号P41 EB002520の下での政府支援によって行われた。政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
背景
活性作用物質および/または生体試料の安定化およびその後の回収は、多くの用途の極めて重要なフィーチャであり、理由は、活性作用物質および/または生体試料が、周囲条件、例えば、温度、湿度、および/または光の変化に対して通常不安定で感受性であるためである。活性作用物質または生体試料が所与の反応にとって有用であると同定されていても、その適用は、プロセス条件下での長期安定性の欠如によって妨害されることが多い。
【0003】
活性作用物質(例えば、酵素、ワクチンを含めた治療用タンパク質、および/または生体試料(例えば、血液および/または血液構成成分))を安定化する様々な方法が利用および研究されており、これらとしては、コールドチェーン貯蔵、凍結乾燥、共有結合性固定化、およびセルロースベース技術がある。しかし、すべてのこれらの方法は、極度のエネルギー必要量、または活性作用物質および/もしくは生体試料の芳しくない回収率などの欠点を持つ。これらの欠点は、オンデマンドまたはポイントオブケア用途における選択肢をさらに制限する。したがって、処置、診断、検出、および/または分析のために、活性作用物質および/または生体試料(例えば、周囲条件における)を安定化し、安定化された試料から十分な量で様々な分析物を回収することを可能にすることができる改善された技術および/もしくは生成物、または新しい材料の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、新規かつ/または予想外の構造的および/または機能的特性および/または性質を有するある特定の絹フィブロイン組成物を提供する。本開示は、このような組成物を作製および/または使用する方法、ならびにこれらで構成され、またはこれらから構成される物品を提供する。一部の実施形態では、提供される組成物は、活性な(例えば、生物学的な)作用物質または構成成分を含む。一部の実施形態では、活性作用物質または構成成分は、例えば、絹フィブロインならびに/または特定の構造的および/もしくは機能的特性および/もしくは性質の項目を欠くその他は同等の条件と比較して、組成物中で安定化されている。
【0005】
とりわけ、本明細書に記載の様々な態様の実施形態は、低分子量絹フィブロインベース絹材料が、いくつかの用途に適したユニークな材料性質をもたらすという発見に端を発する。以下で詳細に記載するように、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン組成物は、慣例的な絹フィブロインベース材料と比較して明らかに異なる、または改善されたある特定の材料特性をもたらす。したがって、一態様では、ある範囲の分子量を有する絹フィブロイン断片の集団を含む低分子量絹フィブロイン組成物であって、集団中の絹フィブロイン断片の総数の15%以下が、200kDaを超える分子量を有し、集団中の絹フィブロイン断片の総数の少なくとも50%が、指定範囲内の分子量を有し、指定範囲は、約3.5kDaから約120kDaの間、または約5kDaから約125kDaの間であることを特徴とする、低分子量絹フィブロイン組成物が本明細書に提供されている。
【0006】
別の言い方をすれば、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン組成物は、ある範囲の分子量を有する絹フィブロイン断片の集団であって、集団中の絹フィブロイン断片の総モル数の15%以下が、200kDaを超える分子量を有し、集団中の絹フィブロイン断片の総モル数の少なくとも50%が、指定範囲内の分子量を有し、指定範囲は、約3.5kDaから約120kDaの間、または約5kDaから約125kDaの間であることを特徴とする、絹フィブロイン断片の集団を含み得る。
【0007】
低分子量絹フィブロイン組成物は、様々な形態で存在し得る。一部の実施形態では、低分子量絹フィブロイン組成物は、水溶液である。本発明者らは、とりわけ、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン溶液とともに組み込まれた、または混合された作用物質(例えば、それだけに限らないが、タンパク質、核酸、例えば、DNA、RNA、および/もしくはこれらの修飾体など、治療剤、ワクチン)、または試料(例えば、生体試料)は、広範囲の温度下である時間にわたって安定化され得ることを意外にも発見した。一部の実施形態では、低分子絹フィブロイン溶液とともに組み込まれた、または混合された作用物質または試料は、例えば、周囲条件(例えば、室温)および/または高温条件(例えば、60℃)を含めた様々な条件のいずれかの下で、ある時間、例えば、少なくとも24時間またはそれ超にわたって安定化され得る。
【0008】
一部の実施形態では、低分子量絹フィブロイン組成物は、固体状態形態、例えば、絹フィブロイン物品であり得る。絹フィブロイン物品の例として、それだけに限らないが、フィルム、シート、ゲルまたはヒドロゲル、メッシュ、マット、不織マット、布地、スキャフォールド、チューブ、スラブまたはブロック、繊維、粒子、粉末、3次元構築物、インプラント、発泡体またはスポンジ、針、凍結乾燥物品、およびこれらの任意の組合せを挙げることができる。一部の実施形態では、絹フィブロイン物品は、生体吸収性のインプラント、組織スキャフォールド、縫合糸、補強材料、医療用デバイス、コーティング、構成材料、創傷包帯材、組織シーラント、布地、織物製品、およびこれらの任意の組合せであり得る。
【0009】
一部の実施形態では、低分子量絹フィブロイン物品は、さらなる処理のために低分子量絹フィブロイン溶液中に容易に再構成される。一部の実施形態では、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン物品は、水溶液中で少なくとも5%またはそれ超の溶解性を有し得る。すなわち、低分子量絹フィブロイン物品の総重量または体積の少なくとも5%またはそれ超が水溶液中に溶解または再構成し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン物品は、水溶液中で例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ超を含めた5%超またはそれ超の溶解性を有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン物品は、室温で可溶性であり得、または再構成され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の低分子量絹フィブロイン物品は、室温で脱イオン水などの水中で可溶性であり得、または再構成され得る。一部の実施形態では、低分子量絹フィブロイン物品は、オンデマンド用途で使用され得る。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書に記載の低分子絹フィブロイン物品は、参照絹フィブロイン組成物(例えば、慣例的な絹フィブロインベース材料)と比べて、水溶液中で増強された溶解性を有し得る。一部の実施形態では、水溶液中の低分子絹フィブロイン物品の溶解性は、参照絹フィブロイン組成物の溶解性と比較して、少なくとも約5%またはそれ超増強され得る。例えば、水溶液中の低分子絹フィブロイン物品の溶解性は、参照絹フィブロイン組成物の溶解性と比較して、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、またはそれ超を含めた5%超またはそれ超増強され得る。一部の実施形態では、水溶液中の低分子絹フィブロイン物品の溶解性は、参照絹フィブロイン組成物の溶解性と比較して、少なくとも約1.1倍またはそれ超増強され得る。例えば、水溶液中の低分子絹フィブロイン物品の溶解性は、参照絹フィブロイン組成物の溶解性と比較して、例えば、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、またはそれ超を含めた1.1倍超またはそれ超増強され得る。一部の実施形態では、水溶液は、水であり得る。一部の実施形態では、水溶液は、緩衝液、例えば、それだけに限らないが、リン酸緩衝液であり得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
1か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
6日前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
15日前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
18日前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
29日前
四国化成工業株式会社
テレフタル酸化合物およびその利用
29日前
四国化成工業株式会社
イソフタル酸化合物およびその利用
29日前
株式会社カネカ
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
28日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
15日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
15日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
19日前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
20日前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
14日前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
21日前
住友ベークライト株式会社
フェノールの製造方法
12日前
出光興産株式会社
プロピレンの製造方法
22日前
日産化学株式会社
新規な縮合ヘテロ環アミド化合物及び有害生物防除剤
21日前
花王株式会社
新規アルデヒド化合物
21日前
個人
低分子化生物資源の製造方法および製造装置
7日前
大阪ガスケミカル株式会社
フルオレン化合物及びその製造方法
1か月前
信越化学工業株式会社
藻類発生抑制剤組成物
26日前
学校法人明治大学
化合物及び有機半導体材料
27日前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
18日前
合肥利夫生物科技有限公司
5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
1か月前
東京応化工業株式会社
ポリ酸塩又はその混合物
1か月前
丸善石油化学株式会社
ブテンオリゴマーの製造方法
6日前
サンアプロ株式会社
スルホニウム塩及び酸発生剤
8日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
ロイコキニザリン類の製造方法および製造装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
金属有機構造体及びその製造方法
14日前
三井化学株式会社
ジオール化合物、樹脂、ポリカーボネート樹脂および光学成形体
7日前
国立大学法人北海道大学
ヒストンH3-H4オクタソームの試験管内再構築法
1か月前
株式会社トクヤマ
トリアゾリンジオン付加体の精製方法および製造方法
14日前
株式会社トクヤマ
トリアゾリンジオン付加体の精製方法および製造方法
14日前
東ソー株式会社
縮環ジアマンタン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子
26日前
クミアイ化学工業株式会社
ニトロソ化合物の製造方法
1か月前
続きを見る