TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025076342
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024185691
出願日2024-10-22
発明の名称ロイコキニザリン類の製造方法および製造装置
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類C07C 45/67 20060101AFI20250508BHJP(有機化学)
要約【課題】簡便で操作性に優れ、環境にもやさしい、キニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法および装置を提供することである。
【解決手段】還元剤および貴金属固体触媒を用いて、キニザリン類からロイコキニザリン類を製造する、ロイコキニザリン類の製造方法である。前記貴金属は、白金、パラジウム、コバルト、金から選択されるとよく、前記貴金属固体触媒は、触媒担体にナノ粒子の金属を担持させた触媒でもよい。前記還元剤として、アルコール又は水素を用いたり、有機溶媒の存在下で反応させたりしてもよい。また、前記貴金属固体触媒を触媒カートリッジ3に収容し、キニザリン類を含む有機溶媒と前記還元剤を触媒カートリッジ3に導入して、ロイコキニザリン類を連続的に製造してもよい。このような製造装置を用いることもできる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
還元剤および貴金属固体触媒を用いて、下記式(1)で表されるキニザリン類から下記式(2)で表されるロイコキニザリン類を製造する、ロイコキニザリン類の製造方法。(下記式(1)、(2)において、Rは、水素または置換基(一つもしくは二つ)である。)
TIFF
2025076342000025.tif
43
170
TIFF
2025076342000026.tif
43
170
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記貴金属は、白金、パラジウム、コバルト、金から選択される、少なくとも1種である、請求項1に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項3】
前記貴金属固体触媒は、触媒担体にナノ粒子の金属を担持させた触媒である、請求項1または請求項2に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項4】
前記触媒担体は、カーボン、アルミナ、シリカ、ジメチルポリシラン-アルミナ複合体担体から選択される、請求項3に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項5】
前記貴金属固体触媒は、貴金属以外の遷移金属を含む、請求項3に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項6】
前記還元剤は、アルコール又は水素である、請求項1または請求項2に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項7】
前記還元剤は、アルコール又は水素である、請求項3に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項8】
有機溶媒の存在下で反応させる、請求項1または請求項2に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項9】
有機溶媒の存在下で反応させる、請求項3に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【請求項10】
有機溶媒の存在下で反応させる、請求項6に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法に関し、具体的には、貴金属固体触媒の存在下、キニザリン類を水素化還元することでロイコキニザリン類を製造する方法および製造装置に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
ロイコキニザリン類は、顔料、染料、生理活性物質、医薬品、レドックスフロー電池材料等の原料や中間体として多くの用途がある化合物である。例えば、キニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法として、以下の方法がある。
【0003】
非特許文献1-3には、化学量論量の還元剤と化学量論量の塩基を用いてキニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法が開示されている。還元剤として亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)(Na
2
S
2
O
4
)を用い、塩基として炭酸カリウムを用いる方法(非特許文献1)、還元剤として亜ジチオン酸ナトリウムを用い、塩基として炭酸ナトリウムを用いる方法(非特許文献2)、還元剤として亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)(Na
2
S
2
O
4
)を用い、塩基として水酸化ナトリウムを用いる方法(非特許文献3)などがある。
【0004】
また、非特許文献4-5には、化学量論量の金属と化学量論量の酸を用いてキニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法が開示されている。金属として塩化錫を用い、酸として塩酸を用いる方法(非特許文献4)、金属としてアルミニウムを用い、酸として酢酸と塩化インジウムを用いる方法(非特許文献5)などがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
G. Zagotto et al. “New 1,4-anthracene-9,10-dione derivatives as potential anticancer agents” IL Farmaco 55 (2000) pp.1–5.
Bin Shan et al. “A new kind of H-acid monoazo-anthraquinone reactive dyes with surprising colour” Dyes and Pigments 123 (2015) pp.44-54.
Tais Arthur Correa et al. “Synthesis of 1,4-Anthracene-9,10-dione Derivatives and Their Regulation of Nitric Oxide, IL-1β and TNF-αin Activated RAW264.7 Cells” Chemical Biology and Drug Design 2013, 82, pp.463–467.
RAJENDRA P. MASKEYa et al.“Parimycin:Isolation and Structure Elucidation of a Novel Cytotoxic 2,3-Dihydroquinizarin Analogue of γ-Indomycinone from a Marine Streptomycete Isolate” THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS VOL.55 NO.12 DEC. 2002, pp.1031-1035.
Chunyan Wang et al.“A new InCl3-catalyzed reduction of anthrones and anthraquinones by using aluminum powder in aqueous media” Tetrahedron 63 (2007) pp.5071–5075.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した化学量論量の還元剤と化学量論量の塩基を用いる方法や化学量論量の金属と化学量論量の酸を用いる方法では、これら酸や塩基、化学量論量の試薬由来の副生成物が生じやすく、生成物の精製操作が煩雑になる、またこれらの試薬等の消費量と廃棄物の量が多いなどの問題があり、操作性、経済性、環境面等の観点から問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、簡便で操作性に優れ、環境にもやさしい、キニザリン類からロイコキニザリン類を製造する方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、貴金属固体触媒の存在下、水素化還元によってキニザリン類からロイコキニザリン類を容易に製造できることを見いだした。本発明によれば、触媒を用いることによって化学量論量の還元剤や塩基等を使う方法に比べて、試薬の量を大幅に減らすことが可能になる。また、触媒は、固体触媒であることから、使用後も再使用、リサイクルが可能であり環境にも優しい。
【0009】
具体的には、本発明は、下記に記載のロイコキニザリン類の製造方法に関する。
(1)還元剤および貴金属固体触媒を用いて、下記式(1)で表されるキニザリン類から下記式(2)で表されるロイコキニザリン類を製造する、ロイコキニザリン類の製造方法。(下記式(1)、(2)において、Rは、水素または置換基(一つもしくは二つ)である。)
TIFF
2025076342000002.tif
43
170
TIFF
2025076342000003.tif
43
170
(2)前記貴金属は、白金、パラジウム、コバルト、金から選択される、少なくとも1種である、前記(1)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(3)前記貴金属固体触媒は、触媒担体にナノ粒子の金属を担持させた触媒である、前記(1)または前記(2)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(4)前記触媒担体は、カーボン、アルミナ、シリカ、ジメチルポリシラン-アルミナ複合体担体から選択される、前記(3)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(5)前記貴金属固体触媒は、貴金属以外の遷移金属を含む、前記(3)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(6)前記還元剤は、アルコール又は水素である、前記(1)または前記(2)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(7)前記還元剤は、アルコール又は水素である、前記(3)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(8)有機溶媒の存在下で反応させる、前記(1)または前記(2)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(9)有機溶媒の存在下で反応させる、前記(3)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(10)有機溶媒の存在下で反応させる、前記(6)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(11)前記貴金属固体触媒を触媒反応器に収容し、前記キニザリン類を含む有機溶媒と前記還元剤を前記触媒反応器に導入して、ロイコキニザリン類を連続的に製造する、前記(8)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(12)前記貴金属固体触媒を触媒反応器に収容し、前記キニザリン類を含む有機溶媒と前記還元剤を前記触媒反応器に導入して、ロイコキニザリン類を連続的に製造する、前記(9)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(13)前記貴金属固体触媒を触媒反応器に収容し、前記キニザリン類を含む有機溶媒と前記還元剤を前記触媒反応器に導入して、ロイコキニザリン類を連続的に製造する、前記(10)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(14)Rは、水素または置換基が一つであり、かつRがつく炭素は2位である、前記(1)または前記(2)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
(15)無置換のロイコキニザリン類とアルデヒドとから、または、無置換のロイコキニザリン類と不飽和カルボニル化合物とから、2位に置換基を有するキニザリン類を合成して、これを原料化合物として用いて、2位に置換基を有するロイコキニザリン類を製造する、前記(14)に記載のロイコキニザリン類の製造方法。
【0010】
また、本発明は、下記に記載のロイコキニザリン類の製造装置に関する。
(16)前記(11)に記載の方法を実行するためのロイコキニザリン類の製造装置であって、前記キニザリン類を含む有機溶媒の供給路と、前記還元剤の供給路と、前記貴金属固体触媒を収容する本体と、前記有機溶媒と前記還元剤の供給路に接続する供給口と、反応生成物であるロイコキニザリン類の排出口とを有する、触媒反応器と、前記排出口に接続する、前記反応生成物の排出路とを備えた、ロイコキニザリン類の製造装置。
(17)前記(12)に記載の方法を実行するためのロイコキニザリン類の製造装置であって、 前記キニザリン類を含む有機溶媒の供給路と、前記還元剤の供給路と、前記貴金属固体触媒を収容する本体と、前記有機溶媒と前記還元剤の供給路に接続する供給口と、反応生成物であるロイコキニザリン類の排出口とを有する、触媒反応器と、前記排出口に接続する、前記反応生成物の排出路とを備えた、ロイコキニザリン類の製造装置。
(18)前記(13)に記載の方法を実行するためのロイコキニザリン類の製造装置であって、前記キニザリン類を含む有機溶媒の供給路と、前記還元剤の供給路と、前記貴金属固体触媒を収容する本体と、前記有機溶媒と前記還元剤の供給路に接続する供給口と、反応生成物であるロイコキニザリン類の排出口とを有する、触媒反応器と、前記排出口に接続する、前記反応生成物の排出路とを備えた、ロイコキニザリン類の製造装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体
1か月前
花王株式会社
ポリアミド系ポリマー
1か月前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
1か月前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
1か月前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
5日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
1か月前
花王株式会社
新規ピリジニウム化合物
1か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体の製造方法
1か月前
国立大学法人京都大学
細胞質送達ペプチド
1か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
1か月前
石原産業株式会社
シアノイミダゾール系化合物の製造方法
2か月前
ダイキン工業株式会社
SF5含有シラン化合物
26日前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
1か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
1か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
4日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、発光デバイス
2か月前
石原産業株式会社
シクラニリプロールの製造中間体の製造方法
2か月前
オリザ油化株式会社
新規化合物及びその用途
1か月前
株式会社トクヤマ
精製第4級アンモニウム化合物水溶液の製造方法
17日前
株式会社レゾナック
C2化合物の製造方法
2か月前
国立医薬品食品衛生研究所長
新規ペプチド
1か月前
国立大学法人鳥取大学
ストロビルリンA類縁体化合物
1か月前
国立大学法人京都大学
新規アミド化反応
1か月前
上野製薬株式会社
6-置換-2-ナフトエ酸アリルエステル
1か月前
大阪ガスケミカル株式会社
フルオレン化合物及びその製造方法
3日前
日産化学株式会社
アリールテトラヒドロピリジン化合物及び有害生物防除剤
1か月前
国立大学法人高知大学
ギ酸の製造方法
2か月前
セーレン株式会社
安定性に優れたセリシン組成物
1か月前
スガイ化学工業株式会社
アミノアレーンアミド誘導体の製造方法
16日前
住友ゴム工業株式会社
錯体の製造方法
2か月前
スガイ化学工業株式会社
ジナフトフラン誘導体およびその製造方法
1か月前
国立大学法人京都大学
含窒素スピロ環化合物の製法及びその化合物
25日前
合肥利夫生物科技有限公司
5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
4日前
純正化学株式会社
カルボン酸エステルの製造方法
1か月前
東京応化工業株式会社
ポリ酸塩又はその混合物
3日前
学校法人神奈川大学
化合物、それを含んでなる光触媒、及び水素の製造方法
1か月前
続きを見る