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公開番号2025084465
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198386
出願日2023-11-22
発明の名称金属有機構造体及びその製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C07F 3/06 20060101AFI20250527BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、高いガス吸着性を有するRHO型のトポロジーを有するMOFを高収率で製造する手段を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、亜鉛のカチオンである金属イオンと、2-エチルイミダゾール(2-EtIm)又はモノカルボン酸のアニオンである配位子とからなり、2-EtImアニオンの一部がモノカルボン酸アニオンによって置換されたRHO型のトポロジーを有する金属有機構造体に関する。本発明の別の一態様は、前記特徴を有する金属有機構造体の製造方法に関する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
亜鉛のカチオンである金属イオンと、2-エチルイミダゾール(2-EtIm)又はモノカルボン酸のアニオンである配位子とからなり、2-EtImアニオンの一部がモノカルボン酸アニオンによって置換されたRHO型のトポロジーを有する金属有機構造体。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
モノカルボン酸が、安息香酸又は酢酸である、請求項1に記載の金属有機構造体。
【請求項3】
配位子におけるモノカルボン酸のアニオンの存在率が、配位子の総モル数に対して1から20 mol%の範囲である、請求項1に記載の金属有機構造体。
【請求項4】
亜鉛化合物と2-エチルイミダゾール(2-EtIm)とモノカルボン酸とを、溶媒の存在下でメカノケミカル反応させる、メカノケミカル反応工程
を含む、請求項1に記載の金属有機構造体の製造方法。
【請求項5】
メカノケミカル反応が、ボールミルを用いて原料を混合することを含む、請求項4に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属有機構造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
金属有機構造体(以下、「MOF」とも記載する)は、金属と有機配位子とからなる結晶性の多孔質材料である。使用される金属及び有機配位子の組み合わせにより、MOFの孔径及び表面形状等の性質を分子レベルで設計することができる。MOFは、例えば、ガス貯蔵材料、不均一触媒及び導電性材料等への適用が期待される。
【0003】
例えば、非特許文献1は、メカノケミカル反応による、亜鉛のカチオンである金属イオンと、2-エチルイミダゾール(2-EtIm)のアニオンである配位子とからなるRHO型のトポロジーを有するZn(2-EtIm)
2
のMOFの合成方法を記載する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
P. J. Beldonら, Angew.Chem.Int. Ed. 第49巻, p. 9640-9643(2010年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、メカノケミカル反応によってRHO型のトポロジーを有するZn(2-EtIm)
2
のMOFを製造する方法が知られている。しかしながら、従来技術の方法の場合、原料である亜鉛化合物の有機溶媒に対する低い溶解性に起因して収率が低いという課題が存在した。また、従来技術の方法で製造されるMOFは、ガス吸着性に改善の余地が存在した。
【0006】
それ故、本発明は、高いガス吸着性を有するRHO型のトポロジーを有するMOFを高収率で製造する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した。本発明者らは、メカノケミカル反応によるMOFの製造において、原料である亜鉛化合物及び2-エチルイミダゾールにモノカルボン酸を添加することにより、2-エチルイミダゾールの一部がモノカルボン酸で置換された構造を有するRHO型のトポロジーを有するMOFを高収率で得ることができることを見出した。本発明者らは、前記知見に基づき、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様及び実施形態を包含する。
(実施形態1) 亜鉛のカチオンである金属イオンと、2-エチルイミダゾール(2-EtIm)又はモノカルボン酸のアニオンである配位子とからなり、2-EtImアニオンの一部がモノカルボン酸アニオンによって置換されたRHO型のトポロジーを有する金属有機構造体。
(実施形態2) モノカルボン酸が、安息香酸又は酢酸である、実施形態1に記載の金属有機構造体。
(実施形態3) 配位子におけるモノカルボン酸のアニオンの存在率が、配位子の総モル数に対して1から20 mol%の範囲である、実施形態1又は2に記載の金属有機構造体。
(実施形態4) 亜鉛化合物と2-エチルイミダゾール(2-EtIm)とモノカルボン酸とを、溶媒の存在下でメカノケミカル反応させる、メカノケミカル反応工程
を含む、実施形態1から3のいずれかに記載の金属有機構造体の製造方法。
(実施形態5) メカノケミカル反応が、ボールミルを用いて原料を混合することを含む、実施形態4に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、高いガス吸着性を有するRHO型のトポロジーを有するMOFを高収率で製造する手段を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の生成物の粉末のX線回折パターンを示す。横軸は、2θ値(°)を、縦軸は、強度(a.u.)を示す。また、100 rpm、200 rpm、300 rpm、400 rpm又は500 rpmは、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数を示す。RHO型、ANA型又はZnOは、RHO型 Zn(2-EtIm)
2
、ANA型 Zn(2-EtIm)
2
、及びZnOの計算による線回折パターンのシミュレーション結果を示す。
実施例2の生成物の粉末のX線回折パターンを示す。横軸は、2θ値(°)を、縦軸は、強度(a.u.)を示す。また、100 rpm、200 rpm、300 rpm、400 rpm又は500 rpmは、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数を示す。RHO型、ANA型又はZnOは、RHO型 Zn(2-EtIm)
2
、ANA型 Zn(2-EtIm)
2
、及びZnOの計算による線回折パターンのシミュレーション結果を示す。
実施例3の生成物の粉末のX線回折パターンを示す。横軸は、2θ値(°)を、縦軸は、強度(a.u.)を示す。また、100 rpm、200 rpm、300 rpm、400 rpm又は500 rpmは、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数を示す。RHO型、ANA型又はZnOは、RHO型 Zn(2-EtIm)
2
、ANA型 Zn(2-EtIm)
2
、及びZnOの計算による線回折パターンのシミュレーション結果を示す。
実施例4の生成物の粉末のX線回折パターンを示す。横軸は、2θ値(°)を、縦軸は、強度(a.u.)を示す。また、100 rpm、200 rpm、300 rpm、400 rpm又は500 rpmは、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数を示す。RHO型、ANA型又はZnOは、RHO型 Zn(2-EtIm)
2
、ANA型 Zn(2-EtIm)
2
、及びZnOの計算による線回折パターンのシミュレーション結果を示す。
実施例及び比較例の生成物の総重量に対するRHO型のMOFの存在率を示す。横軸は、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数(rpm)であり、縦軸は、RHO型のMOFの存在率(重量%)である。
実施例1から4及び比較例1から4の生成物のN
2
吸脱着等温線の測定によって決定されたN
2
吸着量を示す。横軸は、製造時の遊星型ボールミル装置の回転数(rpm)であり、縦軸は、N
2
吸脱着等温線の測定によって決定された、N
2
相対圧力が50%におけるN
2
吸着量(mL (STP)・g
-1
)である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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