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公開番号2025095716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211957
出願日2023-12-15
発明の名称電池パック
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 50/204 20210101AFI20250619BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態に収納されている電池パック1に於いて、筐体2内の圧力上昇を検知することにより、電池セル4の発煙を検知する構成に於いて、誤検知の割合を低減する。
【解決手段】 電池パックに於いて、複数の電池セルがその積層方向に沿って複数の群に分けられ、各群g内にて電池セルの間に挟持されるスペーサ5は、それを挟持している電池セルの一方が発煙したときに電池セルの他方も連鎖して発煙するように電池セル間の熱の伝達を許すよう形成され、隣接する二つの群の境界に在る記電池セルの間に挟持されるスペーサ6は、それを挟持している電池セルの一方が発煙しても電池セルの他方が発煙しないように電池セル間の熱の伝達を遮断するよう形成され、圧力検知手段7が複数の電池セルが発煙したときの圧力上昇に相当する圧力上昇を検知したときに、電池セルの発煙が発生したと検知する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
筐体内にて複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態で収納された電池パックにして、前記筐体内の圧力上昇を検知する圧力検知手段を有し、前記電池セルのいずれかが発煙したとき、そのことを前記圧力検知手段による圧力上昇の検知により検知するよう構成された電池パックであって、前記複数の前記電池セルがその積層方向に沿って複数の群に分けられ、前記群の各々の内にて前記電池セルの間に挟持される前記スペーサは、該スペーサを挟持している前記電池セルの一方が発煙したときにそのスペーサを挟持している前記電池セルの他方も連鎖して発煙するようにそのスペーサを挟持している前記電池セル間の熱の伝達を許すよう形成され、前記群のうちの隣接する二つの群の境界に在る前記電池セルの間に挟持される前記スペーサは、該スペーサを挟持している前記電池セルの一方が発煙してもそのスペーサを挟持している前記電池セルの他方が発煙しないようにそのスペーサを挟持している前記電池セル間の熱の伝達を遮断するよう形成され、前記圧力検知手段が複数の前記電池セルが発煙したときの圧力上昇に相当する圧力上昇を検知したときに、前記電池セルの発煙が発生したと検知されるよう構成されている電池パック。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルを収納した電池パックに係り、より詳細には、電池パック内の電池セルの発煙(セル発煙)を検知するための構造に係る。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
電動車等の種々の機械器具に駆動用又は作動用として搭載される電池パックに於いては、複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態で収納されている(特許文献1)。ところで、かかる電池パック内の電池セルが何等かの要因、例えば、短絡による過大電流の発生、過充電など、で発煙した場合には、電池パックの使用停止と冷却等の処置を実行する必要がある。そこで、電池セルが発煙すると、電池パック内の圧力が高くなることを利用して、電池パック内の圧力が圧力センサにより監視され、有意な圧力の上昇が検出されたときには、それをもって、セル発煙が生じたと判定する構成が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-46013
特開2002-289265
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パック内に上記の如く複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態にある場合、通常、一つの電池セルが発熱して発煙したとき、その発熱・発煙が隣接する電池セルにて連鎖して発生しないように、電池セル間のスペーサは、発煙した電池セルの熱が容易には隣接した電池セルに伝達されない程度に断熱作用を有するよう形成される。従って、電池パック内で一つの電池セルが発煙したとき、そのことを圧力で検知するためには、一つの電池セルの発煙による圧力上昇に相当する圧力の上昇があったときに、セル発煙が生じたと判定することとなる。しかしながら、電池パック内の圧力は、熱膨張、外力入力、振動などによって正常の作動状態に於いても或る程度変動するので、一つの電池セルの発煙によって生じ得る圧力上昇幅が、正常の作動状態に於ける圧力変動幅と近い場合には、精度よくセル発煙による圧力上昇を検知することが困難となり得る(正常な範囲の圧力変動をセル発煙として誤検知する割合が高くなり得る。)
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明の主な課題は、複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態に収納されている電池パックに於いて、電池パックの圧力上昇を検知することにより、セル発煙を検知する構成に於いて、誤検知の割合をできるだけ低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、筐体内にて複数の電池セルがスペーサを挟んで積層された状態で収納された電池パックにして、前記筐体内の圧力上昇を検知する圧力検知手段を有し、前記電池セルのいずれかが発煙したとき、そのことを前記圧力検知手段による圧力上昇の検知により検知するよう構成された電池パックであって、前記複数の前記電池セルがその積層方向に沿って複数の群に分けられ、前記群の各々の内にて前記電池セルの間に挟持される前記スペーサは、該スペーサを挟持している前記電池セルの一方が発煙したときにそのスペーサを挟持している前記電池セルの他方も連鎖して発煙するようにそのスペーサを挟持している前記電池セル間の熱の伝達を許すよう形成され、前記群のうちの隣接する二つの群の境界に在る前記電池セルの間に挟持される前記スペーサは、該スペーサを挟持している前記電池セルの一方が発煙してもそのスペーサを挟持している前記電池セルの他方が発煙しないようにそのスペーサを挟持している前記電池セル間の熱の伝達を遮断するよう形成され、前記圧力検知手段が複数の前記電池セルが発煙したときの圧力上昇に相当する圧力上昇を検知したときに、前記電池セルの発煙が発生したと検知されるよう構成されている電池パックによって達成される。
【0007】
上記の構成に於いて、「電池パック」とは、既に述べた如く、電動車又はその他の機械器具に、その駆動用又は作動用として搭載される、筐体の内部に電池セルを収容したものである。筐体は、この分野で通常使用される形式の筐体であってよい。また、電池セルは、この分野で通常使用される任意の形式の電池セルであってよく、通常の態様にて、スペーサを挟んで積層されていてよい。「圧力検知手段」は、筐体内の圧力上昇を検知可能な任意の手段であってよく、典型的には、任意の形式の圧力センサであってよい。
【0008】
そして、本発明の構成の特徴とするところは、上記の如く、積層された複数の電池セルがその積層方向に沿って、複数の群に分けられ、各群内にて、電池セル間に挟持されるスペーサは、その断熱性能を低く、即ち、該スペーサを挟持している電池セルの一方が発煙したときにそのスペーサを挟持している電池セルの他方も連鎖して発煙するように熱の伝達を許すように形成する一方、隣接する群のそれぞれの境界に在る電池セル間に挟持されるスペーサは、その断熱性能を高く、即ち、該スペーサを挟持している電池セルの一方が発煙してもそのスペーサを挟持している電池セルの他方が発煙しないようにそのスペーサを挟持している電池セル間の熱の伝達を遮断するよう形成される。要すれば、本発明の電池パックに於いては、積層された電池セルの各々の間に介在するスペーサは、電池セルの群の境目に於いて、断熱性能が高くされ、電池セルの群内では、断熱性能が低くされる。即ち、スペーサの断熱性能は、電池セルの積層方向に沿って適当な間隔にて、その一方の側の電池セルが発煙してもその熱が他方の側の電池セルに伝達しないように高められ、その他のスペーサの断熱性能は、その一方の側の電池セルが発煙するとその熱が他方の側の電池セルに伝達し、他方の側の電池セルが連鎖して発煙を生ずるようにされる。
【0009】
上記のようにスペーサの断熱性能を設定すると、何等かの理由で或る電池セルが発熱して発煙すると、それと同じ群に属する電池セルも連鎖して発熱し発煙することとなるので、かかる発煙による圧力上昇が、一つの電池セルのみが発煙する場合よりも、顕著となり、正常な作動状態に於ける圧力変動との差異が明確となる。そこで、上記の如く、圧力検知手段を、複数の電池セルが発煙したときの圧力上昇に相当する圧力上昇を検知したときに、電池セルの発煙が発生したと検知するよう構成することで、セル発煙をより精度よく検知することが可能となる。
【0010】
上記の本発明の構成に於いて、一つの電池セルの発煙に連鎖して発煙する電池セル数は、その数の電池セルが発煙することで生ずる圧力上昇幅が、正常な作動状態に於ける圧力変動幅を有意に超えていればよい。従って、各群内の電池セルの数は、その群内の全ての電池セルが発煙したときに予想される圧力上昇幅が正常な作動状態に於ける圧力変動幅を有意に超える数に設定されてよい。しかしながら、各群内の電池セルの数は、その群内の全てのセルが発煙しても発熱量が過剰とならないように、例えば、電池パック外に火が出るほどよりも充分に少なくなるように設定される。典型的には、2つ又は3つ程度の電池セルが同時に発煙すれば、これによる圧力上昇幅は、正常な作動状態に於ける圧力変動幅を越えるので、各群内の電池セルの数は、2乃至4程度であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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