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公開番号2025087335
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201913
出願日2023-11-29
発明の名称スイッチギヤ取替工事工法
出願人中国電力株式会社
代理人弁理士法人光陽国際特許事務所
主分類H02B 3/00 20060101AFI20250603BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】配変用変圧器の2次側設備として用いられるスイッチギヤを取り替える当たり、配変用変圧器の3次側に需要者が接続されている場合に、3次側の需要者に対して1回の停電だけでスイッチギヤを取り換えることができ、既設の配変用変圧器200を用いて3次回路の需要者に送電可能なスイッチギヤ取替工事工法を提供する。
【解決手段】既設のスイッチギヤに接続されている配電線電力ケーブル212を切り離すと共に配変用変圧器200を停電状態にして3次側を停電させ、この停電状態において既設のスイッチギヤ210の配変2次箱211を切り離して新設の配変2次箱230を接続した後に、配変用変圧器200の3次側への送電を再開し、その上で既設の配変2次箱211を除く既設箱を撤去し、新設の配変2次箱230を除く新設箱を据付け、新設のスイッチギヤ240の隣接する新設箱を母線接続すると共に配電線電力ケーブル212を接続する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
配変用変圧器の１次側の送電系統から２次側の配電系統へ２次側に設けられたスイッチギヤを介して電力を供給すると共に、前記配変用変圧器の３次側からも電力を供給するようにしている電力系統の前記スイッチギヤを取り替えるためのスイッチギヤ取替工事工法であって、
既設の前記スイッチギヤに接続されている配電線電力ケーブルを切り離すと共に、前記配変用変圧器を停電状態にして前記３次側を停電させる停電状態形成ステップと、
この停電状態形成ステップの停電状態において前記既設のスイッチギヤの配変２次箱を切り離して新設のスイッチギヤの配変２次箱を接続する配変２次箱取替えステップと、
前記配変用変圧器の停電状態を解除して前記配変用変圧器の３次側への送電を再開する３次側送電再開ステップと、
前記既設のスイッチギヤの配変２次箱を除く既設箱を撤去し、前記新設のスイッチギヤの配変２次箱を除く新設箱を据付ける新設箱据付ステップと、
前記新設のスイッチギヤの隣り合う新設箱を母線接続すると共に前記新設のスイッチギヤに前記配電線電力ケーブルを接続する電力供給可能状態形成ステップと、
を具備することを特徴とするスイッチギヤ取替工事工法。
続きを表示（約 250 文字）【請求項２】
前記新設の配変２次箱には、前記配変用変圧器の２次側に接続された計器用変圧器を介して保護継電器が設けられていることを特徴とする請求項１記載のスイッチギヤ取替工事工法。
【請求項３】
前記電力供給可能状態形成ステップによる前記配電線電力ケーブルを接続した後に、前記新設のスイッチギヤの試充電が行われ、この試充電においては、前記新設の配変２次箱の遮断器で保護遮断するようトリップ回路が一時的に変更されていることを特徴とする請求項１又は２記載のスイッチギヤ取替工事工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、配電用の設備として使用されるスイッチギヤを取り替えるために有用なスイッチギヤ取替工事工法に関し、特に、配変用変圧器の３次側からも需要者に電力を供給している場合に有用なスイッチギヤ取替工事工法に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
スイッチギヤは、電力の開閉や制御等を行う開閉装置であり、金属製のキャビネット内に遮断器や変成器、母線等が収納されている。このようなスイッチギヤは、配変用変圧器の２次側に接続される配変２次箱、所内で使う電力や各継電器等の計器に使う電圧を供給する所内ＧＰＴ箱、母線と他の変圧器の２次盤からの母線とを連絡する母連箱、配電線を介して電力需要地に配電する複数の配電線箱を備える。
【０００３】
このようなスイッチギヤは、所定期間（例えば、３０年）使用した場合には、経年劣化等で故障の可能性が懸念されるため、故障に至らないうちにバンク単位（変圧器単位）でスイッチギヤ（既設箱）を取り替えるようにしている。
【０００４】
スイッチギヤの取替え工事にあたっては、工事対象箇所の主回路を電路から切り離して停電する必要がある。ところが、配変用変圧器の３次側（３次回路）から電力を供給している需要者がある場合には、この３次側の需要者への安定した電力供給に配慮する必要がある。
【０００５】
図１は、２つのバンク（第１バンクＡ、第２バンクＢ）が母線１０に連結されている電気所の簡単な配線結線図の例であるが、それぞれのバンクＡ、Ｂの配変用変圧器１００、２００の１次側に１次遮断器１０１、２０１が設けられ、配変用変圧器１００,２００の２次側に、２次遮断器１０２,２０２を備えた配変２次箱（主変２次箱や配変２次盤ともいう）１１１，２１１と、この配変２次箱１１１，２１１を介して配変用変圧器１００，２００に接続された他の箱体（所内ＧＰＴ箱、母連箱、配電線箱など）と、により構成されたスイッチギヤ１１０、２１０が設けられ、このスイッチギヤ１１０，２１０の配電線箱に電力需要地に配電する配電線電力ケーブル１１２，２１２が接続されている。
【０００６】
また、この例では、第２バンクの配変用変圧器２００の３次側（３次回路）に特別高圧電線路２２１を介して特別高圧（２２ｋＶ）の需要者に電力を供給するようにしている。
【０００７】
なお、１１は、第１バンクＡ（配変用変圧器１００）と第２バンクＢ（配変用変圧器２００）とを連結する母線１０に設けられた母線連絡用遮断器であり、２２２は、特別高圧電線路２２１に設けられた３次遮断器である。
【０００８】
このような構成において、配変用変圧器の２次側のスイッチギヤに接続される配電線は、配変用変圧器やスイッチギヤを停電させた場合でも、逆送を行うことにより安定した電力供給を確保することが可能となるが、配変用変圧器の３次側（３次回路）から電力を供給している需要者は、２２ｋＶ等の特別高圧の需要者であり、その殆どが専用線であるため、スイッチギヤの取替工事に伴う停電作業時においては、隣接する変圧器や近隣の変電所から送電することが困難な場合が多い。また、スイッチギヤの更新に伴う作業においては、それなりの作業時間を要することから、停電が長時間に及ぶことになれば、特別高圧の需要家との停電交渉が難航することが想定される。
【０００９】
そこで、従来においては、２次側に接続されているスイッチギヤ２１０をバンク単位で取り換える（更新する）作業を行う場合、図７に示されるように、移動変圧器３００や移動電力ケーブル３０１、３０２を用いた仮供給対策を行いながら３次回路への送電を確保しつつスイッチギヤ２１０の取替工事を実施するようにしていた。
【００１０】
具体的には、図８～図１１に示されるように、先ず、配変用変圧器とスイッチギヤを停電させる（ステップＳ１０１、図９（ａ））。
（【００１１】以降は省略されています）

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