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公開番号2025086049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199846
出願日2023-11-27
発明の名称殺原虫速度の評価方法
出願人国立大学法人 長崎大学
代理人弁理士法人京都七条特許事務所,個人,個人
主分類C12Q 1/04 20060101AFI20250530BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】宿主細胞における乳酸脱水素酵素(LDH)活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度(rate of kill)の評価方法を提供すること。
【解決手段】宿主細胞におけるLDH活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度の評価方法であって、(i)被験物質の存在下で病原体が感染した宿主細胞を培養する工程、(ii)(i)で得られた培地に蛍光プローブ及び該プローブを基質とする還元酵素を添加する工程、(iii)(ii)で得られた培地の蛍光強度を測定する工程を含む、評価方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
宿主細胞においてLDH活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度の評価方法であって、
(i)被験物質の存在下で病原体が感染した宿主細胞を培養する工程、
(ii)(i)で得られた培地に蛍光プローブ及び該プローブを基質とする還元酵素を添加する工程、
(iii)(ii)で得られた培地の蛍光強度を測定する工程
を含む、評価方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
工程(i)と工程(ii)との間に培地を凍結させる工程と、該凍結させた培地を融解させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(i)の培養期間が96時間以下である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(i)の培養時間が48時間以下である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記LDHが病原体由来である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記病原体がマラリア原虫である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プローブを基質とする還元酵素がニトロレダクターゼである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記蛍光プローブがNCOU1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、宿主細胞のLDH活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度の評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化の加速に伴い、様々な感染症のまん延が懸念されている。まん延が懸念される感染症としては、例えば、蚊が媒介する感染症である、マラリア、デング熱、ジカ熱、西ナイル熱、チクングニア熱、黄熱などが挙げられ、多くは熱帯や亜熱帯の病気として知られてきた。
【0003】
例えば、マラリアは、現在年間約2億人の発症者、及び約40万人の死亡者が発生している。死亡者の多くは5歳以下の子供や、妊婦であることから、その治療や予防における薬剤選択肢が極めて限られている。例えば、5歳以下の子供や妊婦のマラリア予防のため、スルファドキシンとピリメタミンが併用されているが、薬剤耐性マラリアの少ない地域に使用が制限されており、また有効性も十分ではない。また、マラリア治療においては、アルテミシニンを中心とした併用療法(ACT)が現在広く用いられているが、東南アジアを中心にアルテミシニン耐性マラリアが広がりつつある。さらに、既存治療薬は1日1回~2回の投与を3日以上続ける必要があるため、服薬を完遂できない場合に薬剤耐性が発生するリスクになると考えられている。
【0004】
上述したような薬剤耐性のリスク等は、マラリア以外の感染症についても同様であり、感染症の治療薬や予防薬(例:抗マラリア薬)の開発においては即効性の高い薬剤が求められている。
【0005】
感染症の治療薬等の開発に関して、例えば、抗マラリア薬では、in vitroでの薬剤の殺原虫率評価法としてはParasite Reduction Ratio (PRR) assayが確立されているが、遠心分離による薬剤除去及び原虫の希釈系列作製を5日間続けて行う必要がある。さらに判定まで28日間の長期培養を必要とするためスループットが低く、現状では、多数の化合物を一度に評価することが困難である(非特許文献1)。また、既存の評価方法では、感染症の病原体に対する即効性が高い(殺原虫速度の早い)薬剤を選択的に取得することが困難であるため、たとえ有効濃度が低い化合物を創生・選択できたとしても、薬剤耐性を有する病原体の出現をコントロールするには至っていない(特許文献1及び2)。そのため、感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度(rate of kill)を評価することのできる方法の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2013/118606
国際公開第2012/002180
【非特許文献】
【0007】
Laura M. Sanz, et al., PLoS ONE February 2012 Volume 7 Issue 2 e30949
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、宿主細胞において乳酸脱水素酵素(LDH)活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度(rate of kill)の評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、宿主細胞においてLDH活性を上昇させる感染症の病原体(例:マラリア原虫)に対する薬剤の既存の評価方法について、たとえ該方法で有効濃度が低い化合物を創生・選択できたとしても、殺原虫速度(rate of kill)が低ければ薬剤耐性を有する病原体が出現する原因になるという点にまず着目した。そこで、本発明者らは感染症によるLDH活性の上昇を評価するために、蛍光プローブと該プローブを基質とする還元酵素を用いることを着想した。
【0010】
本発明者らは、該着想について鋭意研究を進めたところ、LDH活性を上昇させる感染症の病原体であるマラリア原虫(赤内期)の殺原虫率(rate of kill)を従来法よりも短時間で評価し得るという知見を得た。該知見に基づいて、研究を進めたところ、マラリア原虫に対して即効性の高い化合物ではParasite Reduction Ratio(PRR)曲線と増殖阻害曲線(rate of kill)が高い相関を示すことを見出した。本発明者らは、さらに研究を推し進め、PRR曲線と増殖阻害曲線の乖離を数値化したAUC(Area Under the Curve)%が、殺原虫率を考慮した構造活性相関に適した指標であることも見出した。これらの結果から、蛍光プローブと該プローブを基質とする還元酵素を用いて、宿主細胞においてLDH活性を上昇させる感染症の病原体に対する薬剤の殺原虫速度(rate of kill)の評価が可能であることが明らかとなった。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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