特許ウォッチ

公開番号2025081659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025028860,2022578262
出願日2025-02-26,2022-01-18
発明の名称車両用前照灯
出願人株式会社小糸製作所
代理人個人
主分類B60Q 1/14 20060101AFI20250520BHJP(車両一般)
要約【課題】本発明は、蒸発現象に起因する自車両の前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供する。
【解決手段】ロービームの配光パターンを変更可能な第1灯具ユニットと、ハイビームを形成する光の配光パターンを変更可能な第2灯具ユニットと、対向車95を検出する検出部と、制御部と、を備え、制御部は、対向車95が検出される場合に、対向車95が検出されない場合と比べて、ロービームの配光パターンの上下方向において対向車95と重なりロービームのカットオフラインの一部を含む所定領域175に照射される第1灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、第1灯具ユニットを制御し、対向車95が検出されない場合と比べて、第2灯具ユニットから出射する光の配光パターンのうち対向車95と重なり所定領域175に接続される特定領域に照射される第2灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、第2灯具ユニットを制御する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項１】
ロービームの配光パターンを変更可能な灯具ユニットと、
少なくとも一部が前記ロービームより上方に位置し前記ロービームのカットオフラインに接続される領域に照射され前記ロービームとによってハイビームを形成する光の配光パターンを変更可能な別の灯具ユニットと、
対向車を検出する検出部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、ライトスイッチで前記ハイビームの出射が選択されている状態において前記検出部によって前記対向車が検出される場合に、前記対向車が検出されない場合と比べて、前記ロービームの配光パターンのうち上下方向において前記対向車と重なり前記ロービームの前記カットオフラインの一部を含む所定領域に照射される前記灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、前記灯具ユニットを制御し、前記対向車が検出されない場合と比べて、前記別の灯具ユニットから出射する光の配光パターンのうち前記対向車と重なり前記所定領域に接続される特定領域に照射される前記別の灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする車両用前照灯。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
前記制御部は、車両から前記対向車までの距離が所定の距離を超える場合に、前記所定領域に照射される前記灯具ユニットからの光の全光束量が、前記対向車が検出されない場合と同じになるように、前記灯具ユニットを制御し、前記特定領域に照射される前記別の灯具ユニットからの光の全光束量が、前記対向車が検出されない場合と同じになるように、前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項３】
前記制御部は、前記灯具ユニットからの光が前記所定領域に非照射となるように、前記灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項４】
前記制御部は、前記別の灯具ユニットからの光が前記特定領域に非照射となるように、前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項５】
前記検出部は、先行車も検出し、
前記制御部は、前記ライトスイッチで前記ハイビームの出射が選択されている状態において前記検出部によって前記先行車が検出される場合に、前記先行車が検出されない場合と比べて、前記別の灯具ユニットから出射する光の配光パターンのうち前記先行車と重なる領域に照射される前記別の灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項６】
前記制御部は、前記所定領域の全体と前記特定領域の一部とが互いに重なるように、前記灯具ユニット及び前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項７】
前記制御部は、前記所定領域の下縁が前記特定領域の下縁より下方に位置するように、前記灯具ユニット及び前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項８】
前記制御部は、前記所定領域に照射される前記灯具ユニットからの光の減光量、及び、前記特定領域に照射される前記別の灯具ユニットからの光の減光量の少なくとも一方が、前記対向車までの距離が小さいほど徐々に多くなるように、前記灯具ユニット及び前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。
【請求項９】
前記制御部は、前記所定領域に照射される前記灯具ユニットからの光の減光量、及び、前記特定領域に照射される前記別の灯具ユニットからの光の減光量の少なくとも一方が、前記対向車までの距離が小さいほど段階的に多くなるように、前記灯具ユニット及び前記別の灯具ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用前照灯。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用前照灯に関する。
続きを表示（約 1,200 文字）【背景技術】
【０００２】
自動車用ヘッドライトに代表される車両用前照灯では、出射する光の配光パターンを変更可能なものが知られている。下記特許文献１には、出射する光の配光パターンをロービームの配光パターンと市街地用の配光パターンとに変化させることができる車両用前照灯が開示されている。この市街地用の配光パターンは、ロービームの配光パターンが左右方向に引き延ばされたような配光パターンである。
【０００３】
特開２０１２－１４６６２１号公報
【発明の概要】
【０００４】
ところで、自車両の前照灯からの光と対向車の前照灯からの光とが交錯する位置に人等といった運転者が注意すべき対象物がある場合、運転者が当該対象物を視認し難くなることがある。この現象は、蒸発現象と称されることがあり、自車両の前照灯から出射する光がロービームや上記特許文献１に記載される市街地用の配光パターンの光であっても生じることがある。このため、運転者が人等の注意すべき対象物を蒸発現象によって視認し難くなることを抑制したいとの要請がある。
【０００５】
そこで、本発明は、蒸発現象に起因する自車両の前方の視認性の低下を抑制し得る車両用前照灯を提供することを目的とする。
【０００６】
上記目的の達成のため、本発明の車両用前照灯は、ロービームの配光パターンを変更可能な灯具ユニットと、前記ロービームが照射される領域において蒸発現象が生じる要件を満たす蒸発領域を検出する検出部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出部によって前記蒸発領域が検出される場合に、前記蒸発領域が検出されない場合と比べて、前記ロービームの配光パターンのうち前記蒸発領域の少なくとも一部と重なる所定領域に照射される前記灯具ユニットからの光の全光束量が少なくなるように、前記灯具ユニットを制御することを特徴とするものである。
【０００７】
上記の蒸発領域は、ロービームが照射される領域において蒸発現象によって視認し難い対象物及び当該対象物の影の少なくとも一方と重なる領域である。この車両用前照灯では、所定領域に照射される灯具ユニットからの光の全光束量が少なくならない場合と比べて、蒸発領域の少なくとも一部が暗くなり、自車両の運転者が蒸発領域の少なくとも一部を視認し易くし得る。従って、この車両用前照灯によれば、上記の場合と比べて、蒸発現象によって視認し難い人等の対象物を視認し易くし得、蒸発現象に起因する自車両の前方の視認性の低下を抑制し得る。
【０００８】
前記所定領域は、前記蒸発領域の全体と重なることとしてもよい。
【０００９】
このような構成にすることで、蒸発領域の全体を視認し易くし得る。
【００１０】
前記所定領域は、前記蒸発領域の少なくとも一部を左右方向に横切ることとしてもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許