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公開番号2025079183
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191709
出願日2023-11-09
発明の名称ロータ、モータ及びロータの製造方法
出願人株式会社IHI
代理人個人,個人,個人
主分類H02K 1/2733 20220101AFI20250514BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】性能低下を抑制し、性能を適切に発揮させることを可能にする。
【解決手段】本開示のロータは、回転軸線周りに回転可能なシャフトと、シャフトの外周面を覆う筒状のボンド磁石と、繊維強化樹脂により構成され、ボンド磁石の外周面を覆う筒状のアーマリングと、シャフトの外周面を覆い、回転軸線の軸方向におけるボンド磁石の端面に対面する位置に設けられる環状のエンドリングと、を備え、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の一方には、軸方向に延在する溝が形成され、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の他方は、溝に嵌合する突起を有する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
回転軸線周りに回転可能なシャフトと、
前記シャフトの外周面を覆う筒状のボンド磁石と、
繊維強化樹脂により構成され、前記ボンド磁石の外周面を覆う筒状のアーマリングと、
前記シャフトの外周面を覆い、前記回転軸線の軸方向における前記ボンド磁石の端面に対面する位置に設けられる環状のエンドリングと、を備え、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の一方には、前記軸方向に延在する溝が形成され、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の他方は、前記溝に嵌合する突起を有する、
ロータ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アーマリングは、前記エンドリングである第1のエンドリングと、前記第1のエンドリングとは別の第2のエンドリングとの間に設けられ、前記軸方向に沿って前記第1のエンドリングから離間している、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記ボンド磁石の一部は、前記溝の内部に位置する、請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項4】
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の一方には、前記溝である第1の溝と、前記第1の溝とは別の第2の溝とが形成され、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の他方は、前記突起である第1の突起と、前記第1の突起とは別の第2の突起とを有する、請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項5】
前記第1の溝と前記第2の溝とは、回転軸線に対して対称の位置に形成されている、請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の一方には、前記溝である第1の溝が形成されており、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の他方には、前記第1の溝とは別の第2の溝が形成されており、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の他方は、前記突起である第1の突起を有し、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の一方は、前記第1の突起とは別の第2の突起を有する、請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のロータと、
前記ロータを囲むように配置されたステータと、を備える、モータ。
【請求項8】
繊維強化樹脂により構成されるアーマリングの内周面及び環状のエンドリングの外周面の一方に、回転軸線の軸方向に延在する溝を形成する工程と、
前記アーマリングの内周面及び前記エンドリングの外周面の他方に、突起を形成する工程と、
回転軸線周りに回転可能なシャフトの外周面を覆うように前記アーマリングを配置する工程と、
前記軸方向における前記アーマリングの端部において、前記シャフトの外周面を覆うように前記エンドリングを配置し、前記突起を前記溝に嵌合させる工程と、
前記シャフトの外周面を覆うように、前記アーマリング及び前記エンドリングに囲まれた空間内にボンド磁石を射出成形する工程と、
を含む、ロータの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ロータ、モータ及びロータの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ロータに関する技術を開示する。このロータは、軸部材の周囲に複数の磁極を形成して構成されている。複数の磁極は、磁性部材の粉末及びバインダとしての樹脂が混合された成形材料が周囲に複数の磁石が配設される金型内に注入成形されることにより形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-7998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるようなロータにおいて、磁極の周囲にはアーマリングが配置される。繊維強化樹脂により構成されているアーマリングは、金属により構成されているアーマリングと異なり、エンドリングとの接続に焼き嵌めが適さない場合があり、エンドリングとが適切に接続できない場合がある。この要因により、ロータが高速回転するときにロータを構成する部材同士が適切に接続できず、ボンド磁石からシャフトへのトルクの伝達効率が低下する場合がある。このようなトルクの伝達効率の低下は、ロータの出力効率の低下を招き得るため、ロータの性能低下の要因となり得る。
【0005】
本開示は、性能低下を抑制し、性能を適切に発揮させることが可能なロータ、モータ、及び、ロータの製造方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係るロータは、回転軸線周りに回転可能なシャフトと、シャフトの外周面を覆う筒状のボンド磁石と、繊維強化樹脂により構成され、ボンド磁石の外周面を覆う筒状のアーマリングと、シャフトの外周面を覆い、回転軸線の軸方向におけるボンド磁石の端面に対面する位置に設けられる環状のエンドリングと、を備え、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の一方には、軸方向に延在する溝が形成され、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の他方は、溝に嵌合する突起を有する。
【0007】
本開示のロータでは、ボンド磁石からシャフトへのトルクの伝達は、ボンド磁石の外周面とアーマリングの内周面との間に生じる摩擦力を利用して行われる。この摩擦力は、これらの面に作用する垂直抗力に比例する。ここで、ボンド磁石の回転によりボンド磁石に遠心力が働くことで、アーマリングを回転軸線の回転径方向の外側に押圧することとなる。これにより、上述の垂直抗力が大きくなるため、ボンド磁石の外周面とアーマリングの内周面との間に生じる摩擦力が大きくなり、ボンド磁石の外周面とアーマリングの内周面との間に滑りが生じにくくなる。この摩擦力は、アーマリングと接続するエンドリングに伝わる。ここで、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面が、互いに嵌合する溝及び突起を有している。突起が周面に形成された溝に嵌合することにより、突起の側面が溝の側面に対して周方向に対向するため、突起に対する溝の周方向の相対移動が規制される。つまり、溝及び突起は、エンドリングに対するアーマリングの周方向の滑り止め(回転止め)として機能する。これにより、アーマリングの内周面とエンドリングの外周面との間に周方向の滑りが発生する事態を抑制でき、アーマリングからエンドリングへのトルクの伝達効率の低下を抑制できる。その結果、ロータの性能低下を抑制し、性能を適切に発揮させることが可能となる。
【0008】
いくつかの態様において、アーマリングは、エンドリングである第1のエンドリングと、第1のエンドリングとは別の第2のエンドリングとの間に設けられ、軸方向に沿って第1のエンドリングから離間していてもよい。この場合、アーマリング、第1のエンドリング及び第2のエンドリングは、ボンド磁石の材料が注入される空間を適切に覆うことができる。また、熱膨張するボンド磁石によりアーマリングに対して軸方向の力が掛かる場合であっても、アーマリングは、突起を溝に嵌合させたまま第1のエンドリングに向かって移動又は伸張することができる。よって、アーマリングが第1のエンドリングと第2のエンドリングとの間に設けられる場合にボンド磁石の熱膨張が生じたとしても、アーマリングとエンドリングとの接続が維持されるため、トルクの伝達効率の低下を抑制できる。
【0009】
いくつかの態様において、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の一方には、溝である第1の溝と、第1の溝とは別の第2の溝とが形成され、アーマリングの内周面及びエンドリングの外周面の他方は、突起である第1の突起と、第1の突起とは別の第2の突起とを有してもよい。この場合、ボンド磁石が回転することに伴ってアーマリングが回転する場合に、第1の溝及び第1の突起のみに回転の力が集中することが抑制され、当該回転の力を複数の溝及び複数の突起に分散させることができる。
【0010】
本開示の一形態に係るモータは、上述したいずれかのロータと、ロータを囲むように配置されたステータと、を備える。このモータは上述したいずれかのロータを備えるので、上述したように、ボンド磁石からアーマリングを介してシャフトへのトルクの伝達が行われる。また、アーマリングとエンドリングとの接続が適切に維持されることで、周方向においてエンドリングに対するアーマリングの滑りが発生する事態を抑制できる。その結果、ロータ及びモータの性能低下を抑制し、ロータ及びモータの性能を適切に発揮させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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