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公開番号2025077616
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189946
出願日2023-11-07
発明の名称水電解制御装置、水電解システムおよび水電解方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C25B 15/023 20210101AFI20250512BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】適切な水電解を実現できる水電解制御装置を実現する。
【解決手段】供給された水を電気分解する複数の電気分解部1における、各々の端子電圧Vs1~Vs4を計測する電圧計測部152と、端子電圧のバラツキの度合いを表す電圧バラツキ値Valを出力する電圧バラツキ計算部153と、複数の時点で計測した電圧バラツキ値の差分値DValを計算する差分計算部154と、差分値が所定の閾値Dthを超えたか否かを判定する電圧バラツキ評価部155と、電圧バラツキ評価部155における判定結果が肯定(DVal>Dth)である場合に、電解電流Iまたは補機121における吐出流量Fもしくは吐出圧力Pを変化させる動作指令部156と、を水電解制御装置150に備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
補機の吐出した水が供給され、電源部から電解電流が供給され、電気的に直列に接続され、供給された水を電気分解する複数の電気分解部における、各々の端子電圧を計測する電圧計測部と、
前記端子電圧のバラツキの度合いを表す電圧バラツキ値を出力する電圧バラツキ計算部と、
複数の時点で計測した前記電圧バラツキ値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が所定の閾値を超えたか否かを判定する電圧バラツキ評価部と、
前記電圧バラツキ評価部における判定結果が肯定である場合に、前記電解電流または前記補機における吐出流量もしくは吐出圧力を変化させる動作指令部と、を備える
ことを特徴とする水電解制御装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記動作指令部は、前記電解電流の指令値である電流指令値、前記吐出流量の指令値である流量指令値、または前記吐出圧力の指令値である圧力指令値のうち何れかである制御パラメータをステップ状に変化させるものであり、
前記電圧バラツキ評価部は、前記制御パラメータがステップ状に変化された時点から所定の第1の待機時間が経過した第1の時点における前記電圧バラツキ値を、前記第1の時点から前記第1の待機時間よりも長い第2の待機時間が経過した第2の時点における前記電圧バラツキ値から減算した値を前記差分値とする
ことを特徴とする請求項1に記載の水電解制御装置。
【請求項3】
前記動作指令部は、前記電源部が前記電解電流の供給を開始したタイミングにおける前記電圧バラツキ値を、その後の前記電圧バラツキ値から減算した値を前記差分値とする
ことを特徴とする請求項1に記載の水電解制御装置。
【請求項4】
前記動作指令部は、前記制御パラメータの変動幅を、前記電解電流、前記吐出流量または前記吐出圧力の定格値の6%以上かつ16%以下の値に設定し、前記制御パラメータのランプ時間を10秒以内に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の水電解制御装置。
【請求項5】
前記動作指令部は、前記電解電流、前記吐出流量または前記吐出圧力が、対応する定格値を超える期間を生じさせ、かつ、前記電解電流、前記吐出流量および前記吐出圧力の各平均値が、各々対応する前記定格値以下になるように前記制御パラメータを設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の水電解制御装置。
【請求項6】
電気的に直列に接続され、供給された水を電気分解する複数の電気分解部と、
前記電気分解部に供給する水を吐出する補機と、
前記電気分解部に対して電解電流を供給する電源部と、
水電解制御装置と、を備え、
前記水電解制御装置は、各々の前記電気分解部における各々の端子電圧を計測する電圧計測部と、
前記端子電圧のバラツキの度合いを表す電圧バラツキ値を出力する電圧バラツキ計算部と、
複数の時点で計測した前記電圧バラツキ値の差分値を計算する差分計算部と、
前記差分値が所定の閾値を超えたか否かを判定する電圧バラツキ評価部と、
前記電圧バラツキ評価部における判定結果が肯定である場合に、前記電解電流または前記補機における吐出流量もしくは吐出圧力を変化させる動作指令部と、を備える
ことを特徴とする水電解システム。
【請求項7】
電気的に直列に接続され、供給された水を電気分解する複数の電気分解部と、
前記電気分解部に供給する水を吐出する補機と、
前記電気分解部に対して電解電流を供給する電源部と、
水電解制御装置と、を備える水電解システムに適用される水電解方法であって、
前記水電解制御装置が、
各々の前記電気分解部における各々の端子電圧を計測する電圧計測過程と、
前記端子電圧のバラツキの度合いを表す電圧バラツキ値を出力する電圧バラツキ計算過程と、
複数の時点で計測した前記電圧バラツキ値の差分値を計算する差分計算過程と、
前記差分値が所定の閾値を超えたか否かを判定する電圧バラツキ評価過程と、
前記電圧バラツキ評価過程における判定結果が肯定である場合に、前記電解電流または前記補機における吐出流量もしくは吐出圧力を変化させる動作指令過程と、を実行する
ことを特徴とする水電解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解制御装置、水電解システムおよび水電解方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
低炭素社会の実現に向けて、化石燃料を利用する火力発電に代わり、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)を利用する発電が活発に行われている。しかし、再エネによる電力は、自然現象に起因して変動が大きいため、そのままでは系統電力の代替にすることは困難であり、また、系統を不安定にする要因にもなる。そこで、再エネによる電力を用いて水の電気分解を行い、水素を生成し、貯蔵し、燃料(発電目的も含む)として利用するグリーン水素が提案されている。
【0003】
水の電気分解は、水電解セルと呼ばれる最小の構成単位を複数、電気的に直列に積み上げた電解スタック(以下単に「スタック」ともいう)と、スタックに電力を供給し制御する電源装置と、スタックに水を供給するポンプや水素の圧縮機などの補機等と、を備える水電解システムにより行う。電解システムを用いてグリーン水素を生成する方式は、従来の化石燃料から水素を生成するグレー水素と比較してコストが高くなる。このため、グリーン水素の市場拡大には、コスト削減が重要である。コストには、水を水素に変える電気代である運転コストと、水電解システム自体の設備コストと、が含まれる。
【0004】
このうち運転コストは、長時間システムを稼働している場合に支配的な要素となってくる。すなわち、より少ない電力量で同じ水素量を生成できる水電解システムが優位となる。システムに必要な電力は、補機への電力も無視できないが、電解スタックに投入される電力が支配的である。電解スタックに投入される電力は、水素生成量をほぼ反映する電解電流と、電流を維持するのに必要な電解電圧との積で表される。このため、同量の水素を生成するために必要な電力は、電解電圧の低減に依存している。
【0005】
従って、電解電圧の低減は、システムの運転コストの低減につながる。電解電圧の低減は、水電解システムの一つの差別化要素となる。一方、設備コストは電解スタック、電源装置、補機等の導入コストにより決定される。特に電解スタックはその他の構成物と比べて寿命が短いため、一定運転期間中の交換回数×単価が支配的になる。交換回数を減らすには、その劣化を抑止して長寿命化を図ることが望ましい。この劣化抑止を備えたシステムも差別化要素となる。
【0006】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「[課題]水電解装置において、水電解セル内の水不足による膜電極接合体の劣化や水電解装置の効率低下を抑制する技術を提供する。[解決手段]水の電気分解によって酸素と水素を生成する水電解装置であって、膜電極接合体を含み、水を電気分解する水電解セルと、水電解セルに水を供給する水供給部と、膜電極接合体のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、膜電極接合体のインピーダンスを用いて水電解セル内の水の量を推定し、推定された推定水量を用いて、水電解セルへの水の供給量を調整するように水供給部を制御する制御部と、を備える。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-143346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した技術において、一層適切な水電解を実現したいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、適切な水電解を実現できる水電解制御装置、水電解システムおよび水電解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明の水電解制御装置は、補機の吐出した水が供給され、電源部から電解電流が供給され、電気的に直列に接続され、供給された水を電気分解する複数の電気分解部における、各々の端子電圧を計測する電圧計測部と、前記端子電圧のバラツキの度合いを表す電圧バラツキ値を出力する電圧バラツキ計算部と、複数の時点で計測した前記電圧バラツキ値の差分値を計算する差分計算部と、前記差分値が所定の閾値を超えたか否かを判定する電圧バラツキ評価部と、前記電圧バラツキ評価部における判定結果が肯定である場合に、前記電解電流または前記補機における吐出流量もしくは吐出圧力を変化させる動作指令部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、適切な水電解を実現できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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