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公開番号2025075613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186905
出願日2023-10-31
発明の名称超電導線、超電導線の製造方法並びに超電導線を用いた超電導線コイル、磁気共鳴画像装置、核磁気共鳴装置、及び核融合炉
出願人JX金属株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類H01B 12/06 20060101AFI20250508BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】耐疲労特性が向上された超電導線を提供すること。
【解決手段】基材、超電導層、及び安定化層を含む超電導線であって、前記安定化層が圧延銅箔を含み、前記圧延銅箔が再結晶粒を有する超電導線。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材、超電導層、及び安定化層を含む超電導線であって、前記安定化層が圧延銅箔を含み、前記圧延銅箔が再結晶粒を有する超電導線。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記圧延銅箔の超電導線の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、再結晶粒の面積の割合が50%以上である、請求項1に記載の超電導線。
【請求項3】
前記再結晶粒がCube方位を有する結晶粒を含む、請求項1に記載の超電導線。
【請求項4】
前記圧延銅箔の超電導線の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、Cube方位を有する結晶粒の面積の割合が30%以上である、請求項3に記載の超電導線。
【請求項5】
基材と超電導層とを有する積層体に、接合層を介して、再結晶粒を有する圧延銅箔を設ける超電導線の製造方法。
【請求項6】
基材と超電導層とを含む積層体と、接合層を有する圧延銅箔とを準備する工程、及び
前記接合層を有する圧延銅箔を加熱して、前記積層体に接合する工程
を含み、
前記圧延銅箔は、前記加熱により再結晶粒を有する圧延銅箔となることを特徴とする超電導線の製造方法。
【請求項7】
前記接合層ははんだを有する請求項5に記載の超電導線の製造方法。
【請求項8】
圧延銅箔であって、220℃で30秒間加熱した場合に、再結晶粒を含むことを特徴とする圧延銅箔。
【請求項9】
220℃で30秒間加熱した場合に、圧延銅箔の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、再結晶粒の面積の割合が50%以上となる、請求項8に記載の圧延銅箔。
【請求項10】
220℃で30秒間加熱した場合に、Cube方位を有する結晶粒を含む、請求項8に記載の圧延銅箔。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線、超電導線の製造方法並びに超電導線を用いた超電導線コイル、磁気共鳴画像装置、核磁気共鳴装置、及び核融合炉に関する。とりわけ、本発明は、高温超電導ケーブルの線材として好適に用いることができる超電導線、超電導線の製造方法並びに当該超電導線を用いた超電導線コイル、磁気共鳴画像装置、核磁気共鳴装置、及び核融合炉に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
超電導線は、臨界温度以下の温度に冷却されると電気抵抗がゼロになる超電導現象を活用した電線材料であり、超電導線を捲回することにより作製される超電導線コイルに通電すると、コイルの軸方向に強い磁束が発生するので、磁気発生装置に好適に用いることができる。典型的には、磁気共鳴画像(MRI)装置、核磁気共鳴(NMR)装置、及び核融合炉において、超電導線が使用されている。
【0003】
特許文献1(特開2014-216412号公報)には、基材上に中間層と酸化物超電導層と金属安定化層を備えた酸化物超電導線材からなる高温超電導コイルを用い、酸化物超電導層に対する通電電流を設定して高温超電導コイルを運転する際、常電導転移時に酸化物超電導層を劣化させることなく金属安定化層に流し得る最大電流以下の電流を通電電流として運転することを特徴とする高温超電導コイルの運転方法が記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2008-060074号公報)には、基板と、超電導層と、安定化層とをこの順に含む薄膜超電導線材と、安定化層上に少なくともSnとBiを含む鉛フリーの半田を介して形成された導電テープ材とを有する複合化超電導線材が記載されている。導電テープは厚さ100μmの無酸素銅からなるテープを用いたことが記載されている。
【0005】
特許文献3(特開2015-198009号公報)には、基材の主面上に中間層及び酸化物超電導層が形成された酸化物超電導積層体と、酸化物超電導積層体の外周に形成された保護層と、保護層上に形成された安定化層とを備え、保護層が、少なくとも酸化物超電導層の主面を覆うように形成されたAg又はAg合金からなる第1の保護層と、基材の主面とは反対側の裏面を少なくとも覆うように形成されたAg又はAg合金からなる第2の保護層を含み、安定化層が、第1の保護層と第2の保護層の少なくとも一部を覆って設けられ、酸化物超電導層と中間層の間の剥離強度より、基材と第2の保護層の間の剥離強度が小さくされた酸化物超電導線材が記載されている。酸化物超電導導体に対して、片面に厚さ2~4μmのSnめっき層を有する無酸素銅箔を用い、加熱加圧ロールを用いてC字型に折り曲げ成形しながら酸化物超電導導体の周囲を囲んで安定化層を形成したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-216412号公報
特開2008-060074号公報
特開2015-198009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
超電導線は通常、保護のために絶縁樹脂で被覆された状態で使用される。絶縁樹脂で被覆された超電導線をコイル状にして使用する場合、絶縁樹脂と超電導線との熱膨張差により、低温と常温を繰り返すと、超電導線の安定化層の厚み方向に圧縮応力と伸長応力が繰り返し付与される。そのため、安定化層が応力により疲労し、破壊される恐れがある。したがって、超電導線の安定化層に適した、耐疲労特性の高い銅箔を提供することが求められる。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、一実施形態において、耐疲労特性が向上された超電導線及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明は別の実施形態において、このような超電導線を用いた超電導線コイル、磁気共鳴画像装置、核磁気共鳴装置、及び核融合炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が鋭意検討した結果、超電導線の安定化層として、再結晶粒を含む圧延銅箔を用いることにより、安定化層の厚み方向において繰り返して発生する圧縮応力と伸長応力に起因する微細なクラックの進展を抑制することができ、上記課題を解決できることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
【0010】
[1]
基材、超電導層、及び安定化層を含む超電導線であって、前記安定化層が圧延銅箔を含み、前記圧延銅箔が再結晶粒を有する超電導線。
[2]
前記圧延銅箔の超電導線の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、再結晶粒の面積の割合が50%以上である、[1]に記載の超電導線。
[3]
前記再結晶粒がCube方位を有する結晶粒を含む、[1]に記載の超電導線。
[4]
前記圧延銅箔の超電導線の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、Cube方位を有する結晶粒の面積の割合が30%以上である、[3]に記載の超電導線。
[5]
基材と超電導層とを有する積層体に、接合層を介して、再結晶粒を有する圧延銅箔を設ける超電導線の製造方法。
[6]
基材と超電導層とを含む積層体と、接合層を有する圧延銅箔とを準備する工程、及び
前記接合層を有する圧延銅箔を加熱して、前記積層体に接合する工程
を含み、
前記圧延銅箔は、前記加熱により再結晶粒を有する圧延銅箔となることを特徴とする超電導線の製造方法。
[7]
前記接合層ははんだを有する[5]に記載の超電導線の製造方法。
[8]
圧延銅箔であって、220℃で30秒間加熱した場合に、再結晶粒を含むことを特徴とする圧延銅箔。
[9]
220℃で30秒間加熱した場合に、圧延銅箔の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、再結晶粒の面積の割合が50%以上となる、[8]に記載の圧延銅箔。
[10]
220℃で30秒間加熱した場合に、Cube方位を有する結晶粒を含む、[8]に記載の圧延銅箔。
[11]
220℃で30秒間加熱した場合に、長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、Cube方位を有する結晶粒の面積の割合が30%以上である、[10]に記載の圧延銅箔。
[12]
圧延銅箔であって、200℃で8秒間加熱した場合に、再結晶粒を含むことを特徴とする圧延銅箔。
[13]
200℃で8秒間加熱した場合に、圧延銅箔の長さ方向に平行で、且つ、厚さ方向に平行な断面において、再結晶粒の面積の割合が50%以上となる、[12]に記載の圧延銅箔。
[14]
接合層と、[8]~[13]のいずれか1項に記載の圧延銅箔とを有する接合層付き圧延銅箔。
[15]
[8]~[14]のいずれか1項に記載の圧延銅箔と、基材と超電導層とを含む積層体とを準備する工程、及び
前記圧延銅箔と前記積層体を、接合層を介して加熱により接合する工程
を含む超電導線の製造方法。
[16]
[15]に記載の超電導線の製造方法により製造された超電導線を用いて、超電導線コイルを製造する方法。
[17]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の超電導線を有する超電導線コイル。
[18]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の超電導線を有する磁気共鳴画像装置。
[19]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の超電導線を有する核磁気共鳴装置。
[20]
[1]~[4]のいずれか1項に記載の超電導線を有する核融合炉。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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