TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025071440
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-08
出願番号
2023181608
出願日
2023-10-23
発明の名称
セメントクリンカの製造方法及びセメント焼成設備
出願人
住友大阪セメント株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C04B
7/44 20060101AFI20250428BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】本発明によれば、セメント焼成設備の大規模な改造を行うことなく、セメント焼成設備で発生する燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の量を調整する、セメントクリンカの製造方法及びセメント焼成設備を提供する。
【解決手段】セメント原料の乾燥及び粉砕装置、サスペンションプレヒータ、ロータリーキルン及びクリンカクーラを備えるセメント焼成設備を用いるセメントクリンカの製造方法であって、前記サスペンションプレヒータを構成する特定のサイクロン集塵器が有する所定の調整手段により前記サイクロン集塵器の集塵効率を調整するセメントクリンカの製造方法、並びにセメント焼成設備である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セメント原料を乾燥及び粉砕して粉末原料とする乾燥及び粉砕装置、
前記粉末原料を予熱及びか焼するサスペンションプレヒータ、
前記予熱及びか焼された粉末原料を焼成し、セメントクリンカとするロータリーキルン、及び
前記セメントクリンカを冷却するセメントクリンカクーラを備えるセメント焼成設備を用いるセメントクリンカの製造方法であって、
前記サスペンションプレヒータが、
前記粉末原料をか焼するか焼炉を有し、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記か焼炉から排出されるか焼炉燃焼排ガスが通過するC系風路と、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記ロータリーキルンから排出されるキルン燃焼排ガスが通過するK系風路の、互いに異なる二つの風路と、
前記K系風路のサイクロン集塵器と、前記K系風路のサイクロン集塵器と同じ段の前記C系風路のサイクロン集塵器に前記か焼炉燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管K-Iと、
前記C系風路のサイクロン集塵器と、前記C系風路のサイクロン集塵器の一つ下段の前記K系風路のサイクロン集塵器に前記キルン燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管C-Iと、
前記K系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記か焼炉と、を連結する原料用導管K-IIと、
前記C系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記ロータリーキルンと、を連結する原料用導管C-IIと、
前記二つの風路の少なくとも一の風路が有する最上段のサイクロン集塵器に、前記粉末原料を供給する粉末原料供給機と、を有し、
前記二つの風路が有する最下段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器と、前記最下段より一つ上段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器とが、前記粉末原料の集塵効率の調整手段を有し、
前記調整手段により、前記サイクロン集塵器における集塵効率を調整する、
セメントクリンカの製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記最下段のサイクロン集塵器において、前記調整手段により集塵効率を低減させる請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項3】
前記最下段より一つ上段のサイクロン集塵器において、前記調整手段により集塵効率を上昇させる請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項4】
前記K系風路における、最下段から一つ上段のサイクロン集塵器を通過後の前記キルン燃焼排ガスの温度が、700℃以下である請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項5】
前記か焼炉燃焼排ガスから二酸化炭素を、二酸化炭素回収設備を用いて回収する請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項6】
少なくとも前記キルン燃焼排ガスを、前記セメント原料の乾燥に用いる、請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項7】
前記乾燥及び粉砕装置が、乾燥機器又は乾燥粉砕機器を有し、
少なくとも前記キルン燃焼排ガスを、前記乾燥機器又は乾燥粉砕機器に供給する、請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
【請求項8】
セメント原料を乾燥及び粉砕して粉末原料とする乾燥及び粉砕装置、
前記粉末原料を予熱及びか焼するサスペンションプレヒータ、
前記予熱及びか焼された粉末原料を焼成し、セメントクリンカとするロータリーキルン、及び
前記セメントクリンカを冷却するセメントクリンカクーラを備えるセメント焼成設備であって、
前記サスペンションプレヒータが、
前記粉末原料をか焼するか焼炉を有し、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記か焼炉から排出されるか焼炉燃焼排ガスが通過するC系風路と、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記ロータリーキルンから排出されるキルン燃焼排ガスが通過するK系風路の、互いに異なる二つの風路と、
前記K系風路のサイクロン集塵器と、前記K系風路のサイクロン集塵器と同じ段の前記C系風路のサイクロン集塵器に前記か焼炉燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管K-Iと、
前記C系風路のサイクロン集塵器と、前記C系風路のサイクロン集塵器の一つ下段の前記K系風路のサイクロン集塵器に前記キルン燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管C-Iと、
前記K系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記か焼炉と、を連結する原料用導管K-IIと、
前記C系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記ロータリーキルンと、を連結する原料用導管C-IIと、
前記二つの風路の少なくとも一の風路が有する最上段のサイクロン集塵器に、前記粉末原料を供給する粉末原料供給機と、を有し、
前記二つの風路が有する最下段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器と、前記最下段より一つ上段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器とが、前記粉末原料の集塵効率の調整手段を有する、
セメント焼成設備。
【請求項9】
さらに、前記か焼炉燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収設備を備える請求項8に記載のセメント焼成設備。
【請求項10】
前記乾燥及び粉砕装置が、乾燥機器又は乾燥粉砕機器を有し、
少なくとも前記キルン燃焼排ガスを、前記乾燥機器又は乾燥粉砕機器に供給する排ガス供給配管を有する、請求項8に記載のセメント焼成設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、セメントクリンカの製造方法及びセメント焼成設備に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化への関心が高まり、大気中への二酸化炭素の放出量の削減が求められている。発電所、焼却炉、セメント工場、製鉄所、工場設備等の各種設備において、操業により発生する二酸化炭素を含む排ガスの大気中への放出量を低減するために、排ガス中の二酸化炭素を分離回収することが検討されている。とりわけ、セメント工場における二酸化炭素の放出量の削減は重要な課題として捉えられている。
【0003】
一般的なセメント工場の構成としては、例えば特許文献1に開示されている構成、すなわちセメント原料を高温ガスと熱交換して予熱するプレヒータと、セメント原料を焼成してセメントクリンカとするセメント焼成炉と、セメントクリンカと熱交換して高温となった空気の一部をセメント焼成炉のバーナ燃焼用空気として導く冷却装置と、二酸化炭素を吸収する吸収液を貯留した吸収塔及び吸収液を加熱することにより二酸化炭素を揮発させる再生塔と、前記プレヒータからの排ガスを前記再生塔を経由して加熱源として利用してから前記吸収塔に導く排ガス導入管と、を備えるセメント製造設備が挙げられる。
【0004】
上記サスペンションプレヒータとしては、例えば特許文献2に示される、複数の集塵器により構成される複数の風路の各々に、複数の独立した熱ガスを流し、一方前記複数の集塵器の最上部の集塵器に通じる風路から粉末状物質を投入し、前記集塵器に順次通過させて、最下段の集塵器の下部から排出させる構造を有する加熱装置が知られている。
【0005】
また、特許文献3には、セメントクリンカ原料を予熱するためのサイクロン式予熱装置と、前記予熱されたセメントクリンカ原料を焼成してセメントクリンカを得るロータリーキルンと、前記ロータリーキルンの前流側に配設される、セメントクリンカ原料の脱炭酸を促進するか焼炉と、セメントクリンカ原料を前記予熱装置からか焼炉に供給するための予熱原料供給路と、セメントクリンカを冷却するクリンカクーラと、前記ロータリーキルンで生じる排ガスを前記予熱装置を経由した後に排出するキルン排ガス排出路と、を含み、前記か焼炉で生じた炭酸ガス含有排ガスを排出するか焼炉排ガス排出路と、酸素濃度を高めた支燃性ガスの供給装置及び支燃性ガスをか焼炉と、前記炭酸ガス含有排ガスから消石灰含有原料を回収する第一の回収手段と、か焼炉排ガス供給路の第一の回収手段より後流側で、炭酸ガス含有排ガスの一部を支燃性ガスに合流させるか焼炉排ガス供給路と、を含むセメントクリンカ製造システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平59-110485号公報
特開昭55-22322号公報
特開2022-148255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されるセメント焼成設備は、セメント原料を高温ガスと熱交換して予熱するプレヒータから排出される排ガスを、再生塔を経由して加熱源として利用してから吸収塔に導くことで、セメント製造設備で生ずる排ガスの熱エネルギーを利用して排ガスから二酸化炭素を安価に除去しようとする設備である。しかし、排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度が低いため、二酸化炭素を回収する設備、すなわち吸収塔及び再生塔の規模が大型化するため、この点で改良の余地がある。
【0008】
特許文献3に開示されるセメントクリンカ製造システムは、新設する場合には有効なシステムとなり得る。しかし、例えば既設のセメント焼成設備において適用しようとすると、キルン排ガス及びか焼炉の排ガスを排出するための排出路並びに原料供給路等の配管の改造、また、か焼炉等の機器の改造といったセメント焼成設備の大規模な改造が必要となる。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、セメント焼成設備の大規模な改造を行うことなく、セメント焼成設備で発生する燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の量の調整を図る、セメントクリンカの製造方法及びセメント焼成設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のセメントクリンカの製造方法を提供する。
1.セメント原料を乾燥及び粉砕して粉末原料とする乾燥及び粉砕装置、
前記粉末原料を予熱及びか焼するサスペンションプレヒータ、
前記予熱及びか焼された粉末原料を焼成し、セメントクリンカとするロータリーキルン、及び
前記セメントクリンカを冷却するセメントクリンカクーラを備えるセメント焼成設備を用いるセメントクリンカの製造方法であって、
前記サスペンションプレヒータが、
前記粉末原料をか焼するか焼炉を有し、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記か焼炉から排出されるか焼炉燃焼排ガスが通過するC系風路と、
前記粉末原料を捕集する3段以上のサイクロン集塵器、及び前記3段以上のサイクロン集塵器を順に連結するガス流路を有し、前記ロータリーキルンから排出されるキルン燃焼排ガスが通過するK系風路の、互いに異なる二つの風路と、
前記K系風路のサイクロン集塵器と、前記K系風路のサイクロン集塵器と同じ段の前記C系風路のサイクロン集塵器に前記か焼炉燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管K-Iと、
前記C系風路のサイクロン集塵器と、前記C系風路のサイクロン集塵器の一つ下段の前記K系風路のサイクロン集塵器に前記キルン燃焼排ガスを供給するガス流路と、を連結する原料用導管C-Iと、
前記K系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記か焼炉と、を連結する原料用導管K-IIと、
前記C系風路の最下段のサイクロン集塵器と、前記ロータリーキルンと、を連結する原料用導管C-IIと、
前記二つの風路の少なくとも一の風路が有する最上段のサイクロン集塵器に、前記粉末原料を供給する粉末原料供給機と、を有し、
前記二つの風路が有する最下段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器と、前記最下段より一つ上段のサイクロン集塵器の少なくとも一のサイクロン集塵器とが、前記粉末原料の集塵効率の調整手段を有し、
前記調整手段により、前記サイクロン集塵器における集塵効率を調整する、
セメントクリンカの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
構築素材又は原材
21日前
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
1か月前
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
8日前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
今日
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
2か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
2か月前
花王株式会社
吹付工法
4日前
株式会社田中建設
製造プラント
1か月前
東ソー株式会社
焼結体のリサイクル方法
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物
29日前
花王株式会社
水硬性組成物
15日前
日本特殊陶業株式会社
接合体
2か月前
株式会社田中建設
固化材の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
赤色焼結体及びその製造方法
2か月前
株式会社竹中工務店
コンクリート部材
1か月前
デンカ株式会社
コンクリート用組成物
1か月前
デンカ株式会社
コンクリート用組成物
1か月前
三井住友建設株式会社
複合構造体
2か月前
花王株式会社
吹付用水硬性組成物
2日前
花王株式会社
水硬性組成物用分散剤
7日前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
2か月前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
2か月前
三井住友建設株式会社
水硬性硬化体
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物用起泡剤
1か月前
花王株式会社
水硬性粉体の製造方法
9日前
株式会社竹中工務店
建設部材の塩分除去方法
2か月前
大光炉材株式会社
パッチング用耐火物
4日前
デンカ株式会社
接地抵抗低減剤
9日前
株式会社エフコンサルタント
コンクリートの施工方法
1か月前
東ソー株式会社
焼結体、粉末、成形体、及び、仮焼体
1か月前
個人
漆喰材の製造方法、および、漆喰材
1か月前
東レ株式会社
炭素シートおよびガス拡散電極の製造方法
4日前
株式会社トクヤマ
塩化カリウムの回収方法
1か月前
株式会社MARUWA
アルミナジルコニア焼結板
1か月前
花王株式会社
粘土含有石膏スラリー用分散剤
1日前
株式会社トクヤマ
窒化アルミニウムグリーン体の製造方法
2か月前
続きを見る
他の特許を見る