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公開番号
2025069921
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-01
出願番号
2024125788
出願日
2024-08-01
発明の名称
アルロースエピマー化酵素発現カセットおよびこれを用いたアルロース製造方法
出願人
テサン・コーポレイション
,
DAESANG CORPORATION
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/61 20060101AFI20250423BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】培養初期にはアルロース酵素の発現量が低いためコリネバクテリウム属の宿主微生物の生長阻害を誘導せず、コリネバクテリウム属宿主微生物の対数増殖期以降の停滞期にアルロース酵素を高発現させることができるアルロースエピマー化酵素発現カセットおよびその用途を提供する。
【解決手段】本発明の一例は、アルロースエピマー化酵素をコードするポリヌクレオチドおよびこれと作動可能に連結され、コリネバクテリウム属菌株において、前記アルロースエピマー化酵素の発現を調節するプロモーターを含むアルロースエピマー化酵素発現カセットを提供する。前記プロモーターは、特定の塩基配列から構成される。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
アルロースエピマー化酵素をコードするポリヌクレオチドおよびこれと作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットであって、
前記プロモーターは、配列番号1の塩基配列、配列番号9の塩基配列、配列番号10の塩基配列または配列番号11の塩基配列から構成されたことを特徴とする、アルロースエピマー化酵素発現カセット。
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【請求項2】
前記アルロースエピマー化酵素は、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridiun scindens)、トレポネーマ・プリミティア(Treponema primitia)、エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)またはルミノコッカス・トロクエス(Ruminococcus torques)に由来するものである、請求項1に記載のアルロースエピマー化酵素発現カセット。
【請求項3】
前記アルロースエピマー化酵素は、配列番号3のアミノ酸配列から構成されるものである、請求項1に記載のアルロースエピマー化酵素発現カセット。
【請求項4】
前記アルロースエピマー化酵素をコードするポリヌクレオチドは、配列番号2の塩基配列から構成されるものである、請求項1に記載のアルロースエピマー化酵素発現カセット。
【請求項5】
前記発現カセットは、複製起点(replication origin)、目的タンパク質遺伝子をクローニングするためのマルチクローニングサイト(Multi clonig site、MCS)、転写ターミネーター配列(transcription termination sequence)および選択マーカー(selection marker)からなる群より選択される1種以上の配列をさらに含むものである、請求項1に記載のアルロースエピマー化酵素発現カセット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の発現カセットが挿入された組換え発現ベクター。
【請求項7】
図3のベクトルマップを有するものである、請求項6に記載の組換え発現ベクター。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の発現カセットまたは前記発現カセットが挿入された組換え発現ベクターの導入によりコリネバクテリウム属宿主菌株が形質転換されたものである、組換えコリネバクテリウム属菌株。
【請求項9】
前記コリネバクテリウム属宿主菌株は、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)およびコリネバクテリウム・エフィシェンス(Corynebacterium efficiens)からなる群より選択されるものである、請求項8に記載の組換えコリネバクテリウム属菌株。
【請求項10】
果糖含有溶液に請求項9に記載の組換えコリネバクテリウム属菌株を添加し反応させる段階を含む果糖からアルロースを製造する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルロースエピマー化酵素発現カセットなどに関するものであって、より詳しくは、培養初期にはアルロース酵素の発現量が低いため、コリネバクテリウム属宿主微生物の生長阻害を誘導せず、コリネバクテリウム宿主微生物の対数増殖期以降、停滞期にアルロース酵素を高発現させることができるアルロースエピマー化酵素発現カセット、これを含む組換えコリネバクテリウム属菌株およびこれを用いたアルロース製造方法などに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
D-アルロース(D-allulose)は、果糖(fructose)の3位炭素のエピマー(epimer)であって、D-プシコース(D-psicose)とも呼ばれる。アルロースは、砂糖と比較したとき、70%の甘未度を有するが(Oshima、2006)、エネルギーは0.3%しかないたえ、ダイエット食品の低カロリー甘味料として適用可能な機能性単糖類である(Matsuo et al.,2002)。また、アルロースは、グルコースの吸収を抑制し、血糖抑制作用をする機能があるため、糖尿病患者向け食品、痩身用食品などに応用することができ、肝臓での脂質合成に関与する酵素活性を抑制する機能があり、腹部脂肪蓄積が抑制される得るため、健康食品などの様々な機能性食品などに用いられ得る(Matsuo et al.、2001; Iida et al.、2008; Hayashi et al.、2010; Hossain et al.、2011)。前記のような特徴によりアルロースは、砂糖を代替できる良いソースであるが、自然界にごく稀に存在する単糖類である希少糖に属するため、食品産業に適用するためにはアルロースを効率的に生産する方法が必要である。
【0003】
アルロースを生産する代表的な生物学的方法としては、果糖をD-アルロース3-エピマー化酵素と直接反応させて、アルロースへ転換する方法と、細胞内酵素としてD-アルロース3-エピマー化酵素を生産する菌株の菌体と果糖を反応させて、アルロースへ転換する方法がある。前記D-アルロース3-エピマー化酵素を生産する菌株としてD-アルロース3-エピマー化酵素発現カセットの導入により形質転換された組換え菌株を用い、一般に宿主細胞として大腸菌を用いる。しかし、形質転換された組換え大腸菌は、GRAS(Generally Recognized As Safe)菌株でないため、食品素材を生産する菌株として使用するには適合でない。これを解決べくGRAS(Generally Recognized As Safe)菌株であるコリネバクテリウム属菌株に適したD-アルロース3-エピマー化酵素発現カセットの開発が必要である。
【0004】
例えば、大韓民国登録特許公報第10-1656063号には、コリネバクテリウム属菌株の形質転換に適したD-アルロース3-エピマー化酵素発現カセットおよびこれを用いてD-アルロースを生産する方法が開示されている。前記先行技術にて使用している転写プロモーターは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)菌株の全長塩基配列に存在するスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)(sod))のみならず、ペプチドメチオニンスルホキシドレダクターゼ(Pepteide methionine sulfoxide reductase)(MsrA))遺伝子全部を発現する領域をいずれも含むため、前記転写プロモーターを含む発現カセットを使用すると意図しなかった逆方向の転写が起こるおそれがあり、さらには目的タンパク質発現の低下または非効率的なエネルギー消耗によって細胞成長に悪影響を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術的背景の下で導出されたものであり、本発明の目的は、培養初期にはアルロース酵素の発現量が低いため、コリネバクテリウム属の宿主微生物の生長阻害を誘導せず、コリネバクテリウム属宿主微生物の対数増殖期以降の停滞期にアルロース酵素を高発現させることができるアルロースエピマー化酵素発現カセットおよびその多様な用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者は、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)ATCC 13032菌株のゲノムDNA(genomic DNA)からスーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide dismutase)(sod))遺伝子発現のための200bp長さのプロモーター部位をクローニングし、前記プロモーター部位をアルロースエピマー化酵素と順次連結させ、発現カセットを作製した後、これを組換えシャトルベクターに挿入し、組換えアルロースエピマー化酵素発現ベクターを作製した。それから、組換えアルロースエピマー化酵素発現ベクターをGRAS(Generally Recognized As Safe)菌株であるコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)に導入し、形質転換させ、組換えコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)菌株を作製した。組換えコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)菌株を培養した結果、対数増殖期および停滞期の生長速度は、野生型コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)菌株と類似し、対数増殖期以降の停滞期から環境的ストレスによりD-アルロース3-エピマー化酵素を高発現する点を確認し、本発明を完成した。
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の一例は、アルロースエピマー化酵素をコードするポリヌクレオチドおよびこれと作動可能に連結されたプロモーターを含むアルロースエピマー化酵素発現カセットを提供する。前記プロモーターは、配列番号1の塩基配列、配列番号9の塩基配列、配列番号10の塩基配列または配列番号11の塩基配列から構成される。
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の一例は、アルロースエピマー化酵素発現カセットが挿入された組換え発現ベクターを提供する。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の一例は、アルロースエピマー化酵素発現カセットまたは前記発現カセットが挿入された組換え発現ベクターの導入によりコリネバクテリウム属宿主菌株が形質転換されたものである、組換えコリネバクテリウム属菌株を提供する。
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の一例は、果糖含有溶液に組換えコリネバクテリウム属菌株を添加し反応させる段階を含む果糖からアルロースを製造する方法を提供する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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