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公開番号2025069701
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179590
出願日2023-10-18
発明の名称学習用データの生成方法、推論モデルの生成方法、演算装置、およびコンピュータプログラム
出願人日本光電工業株式会社
代理人弁理士法人信栄事務所
主分類G06N 20/00 20190101AFI20250423BHJP(計算;計数)
要約【課題】被観測パラメータについて十分な数の時系列データの確保が困難な環境下においても、生体情報を推論する推論モデルの推論精度の低下を抑制する。
【解決手段】生体情報を推論する推論モデル23の機械学習に用いられる学習用データTRが生成される。前記生体情報を得るための被観測パラメータについて複数の時点において生体から取得された複数の観測値を含む元データセットORが受け付けられる。前記複数の時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより、第一補間データセットIT1が生成される。前記複数の時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより、第二補間データセットIT2が生成される。第一補間データセットIT1と第二補間データセットIT2を含むように、学習用データTRが生成される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを演算装置により生成する方法であって、
前記生体情報を得るための被観測パラメータについて第一時点において生体から取得された第一観測値と当該第一時点と異なる第二時点において当該生体から取得された第二観測値を含む元データセットを受け付け、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより第一補間データセットを生成し、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより第二補間データセットを生成し、
前記第一補間データセットと前記第二補間データセットを含むように、前記学習用データを生成する、
学習用データの生成方法。
続きを表示（約 1,600 文字）【請求項２】
前記第一の方法と前記第二の方法は、補間方法の種別が異なる、
請求項１に記載の学習用データの生成方法。
【請求項３】
前記機械学習に与える影響の大きさに対応する重み付け係数を前記第一補間データセットと前記第二補間データセットに付与し、
前記第一補間データセットに付与される前記重み付け係数と前記第二補間データセットに付与される前記重み付け係数は異なる、
請求項１に記載の学習用データの生成方法。
【請求項４】
前記重み付け係数は、前記元データセットに含まれる観測値の単位時間当たりの数に応じて変更される、
請求項３に記載の学習用データの生成方法。
【請求項５】
前記重み付け係数は、前記元データセットに含まれる観測値の変動幅に応じて変更される、
請求項３に記載の学習用データの生成方法。
【請求項６】
前記重み付け係数は、前記推論モデルの性能評価結果に基づいて変更される、
請求項３に記載の学習用データの生成方法。
【請求項７】
請求項１から６のいずれか一項に記載の方法により生成された学習用データを用いて前記推論モデルを演算装置により生成する方法であって、
前記第二時点よりも後に取得された前記被観測パラメータの観測値を正解とする教師あり学習を実行し、
前記被観測パラメータについて異なる時点で取得された複数の観測値の入力に対し、前記生体情報として前記被観測パラメータの未観測値を推論するように構成する、
推論モデルの生成方法。
【請求項８】
請求項１から６のいずれか一項に記載の方法により生成された学習用データを用いて前記推論モデルを演算装置により生成する方法であって、
前記第二時点以降に前記被観測パラメータに係るイベントが発生したか否かを正解とする教師あり学習を実行し、
前記被観測パラメータについて異なる時点で取得された複数の観測値の入力に対し、前記生体情報として前記イベントの発生確率を推論するように構成する、
推論モデルの生成方法。
【請求項９】
請求項１から６のいずれか一項に記載の方法により生成された学習用データを用いて前記推論モデルを演算装置により生成する方法であって、
前記第二時点以降に取得された前記被観測パラメータとは別の被観測パラメータの観測値を正解とする教師あり学習を実行し、
前記被観測パラメータについて異なる時点で取得された複数の観測値の入力に対し、前記生体情報として前記別の被観測パラメータの観測値を推論するように構成する、
推論モデルの生成方法。
【請求項１０】
生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを生成する演算装置であって、
前記生体情報を得るための被観測パラメータについて第一時点において生体から取得された第一観測値と当該第一時点と異なる第二時点において当該生体から取得された第二観測値を含む元データセットを受け付けるインタフェースと、
第一補間データセットと第二補間データセットを含むように、前記学習用データを生成するプロセッサと、
を備えており、
前記第一補間データセットは、前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより生成され、
前記第二補間データセットは、記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより生成される、
演算装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを演算装置により生成する方法に関連する。本開示は、当該推論モデルの生成方法、当該演算装置、および当該演算装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
続きを表示（約 2,900 文字）【背景技術】
【０００２】
医療臨床の現場で医療従事者の臨床判断を代替または支援するために機械学習技術を用いて生成された推論モデルが知られている。例えば、非特許文献１は、生体から取得された被観測パラメータの時系列データに基づいて、特定の生体情報を推論するモデルを開示している。特定の生体情報の例としては、当該被観測パラメータの将来値（時系列予測モデルとしての使用）、院内死亡確率（分類モデルとしての使用）、集中治療室（ＩＣＵ）の残存滞在時間（回帰モデルとしての使用）などが挙げられる。非特許文献１は、心拍数などの頻繁に取得される非観測パラメータに対しては当該推論モデルが優れた性能を示す一方、白血球数などの断続的に取得される（十分な数の時系列データを確保できない）非観測パラメータに対しては当該推論モデルが良好な性能を示さないことを報告している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００３】
G. Harerimana, et al. "A Multi-Headed Transformer Approach forPredicting the Patient’s Clinical Time-Series Variables From Charted VitalSigns", IEEE Access (Volume 10), 105993-106004, October 3, 2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
被観測パラメータについて十分な数の時系列データの確保が困難な環境下においても、生体情報を推論する推論モデルの推論精度の低下を抑制することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本開示により提供される一態様例は、生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを演算装置により生成する方法であって、
前記生体情報を得るための被観測パラメータについて第一時点において生体から取得された第一観測値と当該第一時点と異なる第二時点において当該生体から取得された第二観測値を含む元データセットを受け付け、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより第一補間データセットを生成し、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより第二補間データセットを生成し、
前記第一補間データセットと前記第二補間データセットを含むように、前記学習用データを生成する。
【０００６】
本開示により提供される一態様例は、生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを生成する演算装置であって、
前記生体情報を得るための被観測パラメータについて第一時点において生体から取得された第一観測値と当該第一時点と異なる第二時点において当該生体から取得された第二観測値を含む元データセットを受け付けるインタフェースと、
第一補間データセットと第二補間データセットを含むように、前記学習用データを生成するプロセッサと、
を備えており、
前記第一補間データセットは、前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより生成され、
前記第二補間データセットは、記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより生成される。
【０００７】
本開示により提供される一態様例は、生体情報を推論する推論モデルの機械学習に用いられる学習用データを生成する演算装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記演算装置は、
前記生体情報を得るための被観測パラメータについて第一時点において生体から取得された第一観測値と当該第一時点と異なる第二時点において当該生体から取得された第二観測値を含む元データセットを受け付け、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を第一の方法で補間することにより第一補間データセットを生成し、
前記第一時点と前記第二時点の間の期間において前記被観測パラメータの少なくとも一つの値を前記第一の方法と異なる第二の方法で補間することにより第二補間データセットを生成し、
前記第一補間データセットと前記第二補間データセットを含むように、前記学習用データを生成する。
【０００８】
一般に、学習用データに含まれるデータ量（観測値の数）が多いほど、生成される推論モデルによる推論精度の低下を抑制できる。他方、例えば腋下温は、臨床医療の現場では数時間に一度といった頻度で測定されることが一般的であり、被観測パラメータについて十分な数の観測値を含む時系列データの確保が困難な場合もありうる。しかしながら、上記の各態様例に係る構成によれば、元データセットに含まれる観測値の数が少なくても、補間処理を通じて学習用データに含まれるデータ量を水増しできる。加えて、補間方法が相違する複数の補間データセットを含むように学習用データが生成されるので、特定の補間方法に依拠することに起因して生じうる水増し傾向の偏りを抑制できる。したがって、被観測パラメータについて十分な数の時系列データの確保が困難な環境下においても生体情報を推論する推論モデルの推論精度の低下を抑制できる。
【０００９】
したがって、本開示により提供される一態様例は、上記の方法により生成された学習用データを用いて前記推論モデルを演算装置により生成する方法であって、
前記第二時点よりも後に取得された前記被観測パラメータの観測値を正解とする教師あり学習を実行し、
前記被観測パラメータについて異なる時点で取得された複数の観測値の入力に対し、前記生体情報として前記被観測パラメータの未観測値を推論するように構成する。
【００１０】
本開示により提供される一態様例は、上記の方法により生成された学習用データを用いて前記推論モデルを演算装置により生成する方法であって、
前記第二時点以降に前記被観測パラメータに係るイベントが発生したか否かを正解とする教師あり学習を実行し、
前記被観測パラメータについて異なる時点で取得された複数の観測値の入力に対し、前記生体情報として前記イベントの発生確率を推論するように構成する。
（【００１１】以降は省略されています）

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