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公開番号
2025068666
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2023178598
出願日
2023-10-17
発明の名称
燃料噴射量制御システムおよび燃料噴射量制御方法
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
F02D
41/30 20060101AFI20250422BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】予混合燃焼モードにおけるパイロット熱発生量の目標パイロット熱発生量からのずれを抑制することができる燃料噴射量制御システムおよび燃料噴射量制御方法を提供する。
【解決手段】燃料噴射量制御システムは、処理回路を備え、処理回路は、複数のシリンダのそれぞれが予混合燃焼モードで制御されている期間の所定のタイミングにおいて、複数のシリンダのうちの一部のシリンダについて予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに切り替える補正モードを実行し、補正モードにおいて、拡散モードにより燃料噴射量が制御される補正対象シリンダにおける第1目標パイロット燃料噴射量に対するパイロット燃料噴射に伴う熱発生率を取得し、補正対象シリンダへのパイロット燃料噴射量を補正する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のシリンダと、前記複数のシリンダのそれぞれに燃料を供給する複数のインジェクタとを有するエンジンの燃料噴射量制御システムであって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、前記複数のシリンダのそれぞれに対して、対応するシリンダ内に燃料と吸気とが個別に供給される拡散燃焼モードと、前記シリンダに供給される前に燃料が吸気と混合される予混合燃焼モードとを切り替えて制御可能であり、
前記複数のインジェクタのそれぞれは、
前記拡散燃焼モードにおいて対応するシリンダ内に燃料を噴射する第1インジェクタと、
前記予混合燃焼モードにおいて対応するシリンダに吸気を供給する吸気経路内に燃料を噴射する第2インジェクタと、
前記拡散燃焼モードにおいて前記第1インジェクタから主燃料噴射を行う前および前記予混合燃焼モードにおいて前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後にパイロット燃料噴射を行うために、対応するシリンダ内に燃料を噴射する第3インジェクタと、を含み、
前記処理回路は、
前記拡散燃焼モードにおいて、前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行った後に、前記第1インジェクタから主燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、
前記予混合燃焼モードにおいて、前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後に、前記給気経路内で吸気と混合された予混合燃料に着火するために前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、
前記処理回路は、
前記複数のシリンダのそれぞれが前記予混合燃焼モードで制御されている期間の所定のタイミングにおいて、前記複数のシリンダのうちの一部のシリンダについて前記予混合燃焼モードから前記拡散燃焼モードに切り替える補正モードを実行し、
前記補正モードにおいて、前記拡散モードにより燃料噴射量が制御される補正対象シリンダにおける第1目標パイロット燃料噴射量に対する前記パイロット燃料噴射に伴う熱発生率を取得し、
取得した前記熱発生率から前記補正対象シリンダにおける第1パイロット熱発生量を推定し、
前記第1目標パイロット燃料噴射量と前記予混合燃焼モードにおける第2目標パイロット燃料噴射量との相関関係から前記第1パイロット熱発生量を前記第2目標パイロット燃料噴射量に対する第2パイロット熱発生量に変換し、
前記第2目標パイロット燃料噴射量に対応付けられる目標パイロット熱発生量と前記第2パイロット熱発生量との差分に基づいて、前記第2パイロット熱発生量が前記目標パイロット熱発生量となるように前記補正対象シリンダへのパイロット燃料噴射量を補正する、燃料噴射量制御システム。
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【請求項2】
前記第3インジェクタは、前記第1インジェクタと共通のインジェクタである、請求項1に記載の燃料噴射量制御システム。
【請求項3】
前記処理回路は、前記補正モードにおいて前記補正対象シリンダを順次切り替える、請求項1または2に記載の燃料噴射量制御システム。
【請求項4】
前記処理回路は、
前記第1目標パイロット燃料噴射量を前記第2目標パイロット燃料噴射量と同じ値に設定し、
前記第2パイロット熱発生量を前記第1パイロット熱発生量と同じ値とする、請求項1または2に記載の燃料噴射量制御システム。
【請求項5】
前記処理回路は、
前記補正モードにおいて、前記補正対象シリンダの出口における排気温度を取得し、
前記排気温度が基準値以上になった場合に、前記補正対象シリンダに対応する前記第1インジェクタからの燃料噴射時期を進角する、請求項1または2に記載の燃料噴射量制御システム。
【請求項6】
前記処理回路は、
前記補正モードにおいて、前記補正対象シリンダの出口における排気温度を取得し、
前記排気温度が基準値以上になった場合に、前記補正対象シリンダに対応する前記第1インジェクタからの主燃料噴射量を減らす、請求項1または2に記載の燃料噴射量制御システム。
【請求項7】
複数のシリンダと、前記複数のシリンダのそれぞれに燃料を供給する複数のインジェクタとを有するエンジンの燃料噴射量制御方法であって、
前記複数のシリンダのそれぞれに対して、対応するシリンダ内に燃料と吸気とが個別に供給される拡散燃焼モードと、前記シリンダに供給される前に燃料が吸気と混合される予混合燃焼モードとを切り替えて制御可能であり、
前記複数のインジェクタのそれぞれは、
前記拡散燃焼モードにおいて対応するシリンダ内に燃料を噴射する第1インジェクタと、
前記予混合燃焼モードにおいて対応するシリンダに吸気を供給する吸気経路内に燃料を噴射する第2インジェクタと、
前記拡散燃焼モードにおいて前記第1インジェクタから主燃料噴射を行う前および前記予混合燃焼モードにおいて前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後にパイロット燃料噴射を行うために、対応するシリンダ内に燃料を噴射する第3インジェクタと、を含み、
前記燃料噴射量制御方法は、
前記拡散燃焼モードにおいて、前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行った後に、前記第1インジェクタから主燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、
前記予混合燃焼モードにおいて、前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後に、前記給気経路内で吸気と混合された混合燃料に着火するために前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、
前記複数のシリンダのそれぞれが前記予混合燃焼モードで制御されている期間の所定のタイミングにおいて、前記複数のシリンダのうち一部のシリンダについて前記予混合燃焼モードから前記拡散燃焼モードに切り替える補正モードを実行し、
前記補正モードにおいて、前記拡散モードにより燃料噴射量が制御される補正対象シリンダにおける第1目標パイロット燃料噴射量に対する前記パイロット燃料噴射に伴う熱発生率を取得し、
取得した前記熱発生率から前記補正対象シリンダにおける第1パイロット熱発生量を推定し、
前記第1目標パイロット燃料噴射量と前記予混合燃焼モードにおける第2目標パイロット燃料噴射量との相関関係から前記第1パイロット熱発生量を前記第2目標パイロット燃料噴射量に対する第2パイロット熱発生量に変換し、
前記第2目標パイロット燃料噴射量に対応付けられる目標パイロット熱発生量と前記第2パイロット熱発生量との差分に基づいて、前記第2パイロット熱発生量が前記目標パイロット熱発生量となるように前記補正対象シリンダへのパイロット燃料噴射量を補正する、燃料噴射量制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、デュアルフューエルエンジンの燃料噴射量制御システムおよび燃料噴射量制御方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
デュアルフューエルエンジンの燃料噴射に関する制御態様として、エンジンのシリンダ内に燃料と吸気とが個別に供給される拡散燃焼モードと、シリンダに供給される前に燃料が吸気と混合される予混合燃焼モードとが存在する。拡散燃焼モードにおいては、主燃料噴射を行う前にパイロット燃料噴射が行われることがある。同様に、予混合燃焼モードにおいても、混合気がシリンダ内に導入された後にシリンダ内へのパイロット燃料噴射が行われる。
【0003】
エンジンが複数のシリンダを有する場合、複数のシリンダ間の燃焼ばらつきを抑制することが安定的かつ効率的な運転を行うために重要である。燃焼ばらつきの要因には、パイロット燃料噴射に伴う熱発生量が目標パイロット熱発生量からずれることが含まれる。
【0004】
下記特許文献1には、拡散燃焼モードにおいてパイロット燃料噴射に伴う熱発生量の目標パイロット熱発生量からのずれを抑制するための方法が記載されている。すなわち、特許文献1には、パイロット燃料噴射時の熱発生率を計測し、当該熱発生率からパイロット熱発生量を算出して、当該パイロット熱発生量が目標パイロット熱発生量になるようにパイロット燃料噴射量を補正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-148410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方法を予混合燃焼モードにそのまま適用することはできない。予混合燃焼モードでは、パイロット燃料噴射による熱が発生した直後から予混合燃料の熱発生が始まるため、パイロット燃料噴射による熱発生率と予混合燃料による熱発生率とを明確に区別することが困難である。
【0007】
本開示は上記課題に鑑みなされたものであり、予混合燃焼モードにおけるパイロット熱発生量の目標パイロット熱発生量からのずれを抑制することができる燃料噴射量制御システムおよび燃料噴射量制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る燃料噴射量制御システムは、複数のシリンダと、前記複数のシリンダのそれぞれに燃料を供給する複数のインジェクタとを有するエンジンの燃料噴射量制御システムであって、処理回路を備え、前記処理回路は、前記複数のシリンダのそれぞれに対して、対応するシリンダ内に燃料と吸気とが個別に供給される拡散燃焼モードと、前記シリンダに供給される前に燃料が吸気と混合される予混合燃焼モードとを切り替えて制御可能であり、前記複数のインジェクタのそれぞれは、記拡散燃焼モードにおいて対応するシリンダ内に燃料を噴射する第1インジェクタと、前記予混合燃焼モードにおいて対応するシリンダに吸気を供給する吸気経路内に燃料を噴射する第2インジェクタと、前記拡散燃焼モードにおいて前記第1インジェクタから主燃料噴射を行う前および前記予混合燃焼モードにおいて前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後にパイロット燃料噴射を行うために、対応するシリンダ内に燃料を噴射する第3インジェクタと、を含み、前記処理回路は、前記拡散燃焼モードにおいて、前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行った後に、前記第1インジェクタから主燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、前記予混合燃焼モードにおいて、前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後に、前記給気経路内で吸気と混合された予混合燃料に着火するために前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、前記処理回路は、前記複数のシリンダのそれぞれが前記予混合燃焼モードで制御されている期間の所定のタイミングにおいて、前記複数のシリンダのうちの一部のシリンダについて前記予混合燃焼モードから前記拡散燃焼モードに切り替える補正モードを実行し、前記補正モードにおいて、前記拡散モードにより燃料噴射量が制御される補正対象シリンダにおける第1目標パイロット燃料噴射量に対する前記パイロット燃料噴射に伴う熱発生率を取得し、取得した前記熱発生率から前記補正対象シリンダにおける第1パイロット熱発生量を推定し、前記第1目標パイロット燃料噴射量と前記予混合燃焼モードにおける第2目標パイロット燃料噴射量との相関関係から前記第1パイロット熱発生量を前記第2目標パイロット燃料噴射量に対する第2パイロット熱発生量に変換し、前記第2目標パイロット燃料噴射量に対応付けられる目標パイロット熱発生量と前記第1目標パイロット燃料噴射量に対応付けられる目標パイロット熱発生量と前記第2パイロット熱発生量との差分に基づいて、前記第2パイロット熱発生量が前記目標パイロット熱発生量となるように前記補正対象シリンダへのパイロット燃料噴射量を補正する。
【0009】
本開示の他の態様に係る燃料噴射量制御方法は、複数のシリンダと、前記複数のシリンダのそれぞれに燃料を供給する複数のインジェクタとを有するエンジンの燃料噴射量制御方法であって、前記複数のシリンダのそれぞれに対して、対応するシリンダ内に燃料と吸気とが個別に供給される拡散燃焼モードと、前記シリンダに供給される前に燃料が吸気と混合される予混合燃焼モードとを切り替えて制御可能であり、前記複数のインジェクタのそれぞれは、前記拡散燃焼モードにおいて対応するシリンダ内に燃料を噴射する第1インジェクタと、前記予混合燃焼モードにおいて対応するシリンダに吸気を供給する吸気経路内に燃料を噴射する第2インジェクタと、前記拡散燃焼モードにおいて前記第1インジェクタから主燃料噴射を行う前および前記予混合燃焼モードにおいて前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後にパイロット燃料噴射を行うために、対応するシリンダ内に燃料を噴射する第3インジェクタと、を含み、前記燃料噴射量制御方法は、前記拡散燃焼モードにおいて、前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行った後に、前記第1インジェクタから主燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、前記予混合燃焼モードにおいて、前記第2インジェクタから主燃料噴射を行った後に、前記給気経路内で吸気と混合された混合燃料に着火するために前記第3インジェクタからパイロット燃料噴射を行うように前記複数のインジェクタを制御し、前記複数のシリンダのそれぞれが前記予混合燃焼モードで制御されている期間の所定のタイミングにおいて、前記複数のシリンダのうち一部のシリンダについて前記予混合燃焼モードから前記拡散燃焼モードに切り替える補正モードを実行し、前記補正モードにおいて、前記拡散モードにより燃料噴射量が制御される補正対象シリンダにおける第1目標パイロット燃料噴射量に対する前記パイロット燃料噴射に伴う熱発生率を取得し、取得した前記熱発生率から前記補正対象シリンダにおける第1パイロット熱発生量を推定し、前記第1目標パイロット燃料噴射量と前記予混合燃焼モードにおける第2目標パイロット燃料噴射量との相関関係から前記第1パイロット熱発生量を前記第2目標パイロット燃料噴射量に対する第2パイロット熱発生量に変換し、前記第2目標パイロット燃料噴射量に対応付けられる目標パイロット熱発生量と前記第2パイロット熱発生量との差分に基づいて、前記第2パイロット熱発生量が前記目標パイロット熱発生量となるように前記補正対象シリンダへのパイロット燃料噴射量を補正する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、予混合燃焼モードにおけるパイロット熱発生量の目標パイロット熱発生量からのずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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