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公開番号2025063826
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2024117089
出願日2024-07-22
発明の名称希土類ボンド磁石用コンパウンド及びそれを用いた希土類ボンド磁石の製造方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類H01F 1/08 20060101AFI20250409BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】バインダが溶融した状態における流動性が高い希土類ボンド磁石用コンパウンドを提供する。
【解決手段】希土類ボンド磁石用コンパウンド(10)は、希土類磁石粉末(11)と樹脂製のバインダ(12)を混練したものであって、前記希土類磁石粉末が、D50が240μm以上380μm未満である粗粉(111)と、D50が35μm以下である微粉(112)を混合したものであって、該希土類磁石粉末の全体の粒度分布におけるD90とD10の比であるD90/D10が28以上37以下である。ここでD50、D90、D10はそれぞれ、レーザー回折・散乱法により測定した粉末の粒径に関する積算分布(或る粒径よりも小さい粒子が粉末全体に占める体積(重量に比例)の割合)が50%、90%、10%となるときの粒径をいう。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
希土類磁石粉末と樹脂製のバインダを混練したものであって、
前記希土類磁石粉末が、D50が240μm以上380μm未満である粗粉と、D50が35μm以下である微粉を混合したものであって、該希土類磁石粉末の全体の粒度分布におけるD90とD10の比であるD90/D10が28以上37以下である
ことを特徴とする希土類ボンド磁石用コンパウンド。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記希土類磁石粉末がSmFeN系の材料から成る、請求項1に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
【請求項3】
前記希土類磁石粉末が扁平な形状を有する扁平粒子から成る、請求項1又は2に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
【請求項4】
前記バインダが熱可塑性樹脂から成る、請求項1又は2に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
【請求項5】
前記バインダが温度310℃において25Pa・s以下の粘度を有する、請求項1又は2に記載の希土類ボンド磁石用コンパウンド。
【請求項6】
D50が240μm以上380μm未満である粗粉と、D50が35μm以下である微粉を混合したものであって、該希土類磁石粉末の全体の粒度分布におけるD90とD10の比であるD90/D10が28以上37以下である希土類磁石粉末とバインダを混練することにより希土類ボンド磁石用コンパウンドを作製するコンパウンド作製工程と、
前記希土類ボンド磁石用コンパウンドに混練された前記バインダを溶融させたうえで成形型内に射出する射出成形工程と
を有する希土類ボンド磁石の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素を主な構成元素として含有する希土類磁石の粉末とバインダ(結合剤)を混練して成る希土類ボンド磁石用コンパウンド、及び該コンパウンドを用いた希土類ボンド磁石の製造方法に関する。本発明で対象とする希土類磁石には、希土類元素(R)と鉄(Fe)と窒素(N)を主な構成元素とするRFeN系希土類磁石、希土類元素と鉄を主な構成元素とするRFe系希土類磁石、希土類元素と鉄と硼素(B)を主な構成元素とするRFeB系希土類磁石、希土類元素とコバルト(Co)を主な構成元素とするRCo系(RCo
5
系、R
2
Co
17
系)希土類磁石等が挙げられる。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ボンド磁石は一般に、磁石粉末と樹脂製のバインダを混練する(両者を混合した後、又は混合しつつ、該バインダの融点よりも高い温度に加熱した状態で練る)ことによりボンド磁石コンパウンド(以下、「コンパウンド」と略記する)を作製し、該コンパウンドを加熱することでバインダを溶融させ、成形型内で固化させることにより製造される。成形の方法には圧縮成形、押出成形、射出成形等があるが、これらのうち射出成形は、製造可能なボンド磁石の形状の自由度が高いという特長を有する。
【0003】
射出成形によりボンド磁石を製造する場合、成形型内に射出する際のコンパウンドの流動性が低いと、成形型内の全体にコンパウンドが行き亘らず、所定の形状のボンド磁石を得ることができない。そのため、高い流動性を有するコンパウンドが求められている。
【0004】
特許文献1には、RFeN系希土類磁石の粉末と、バインダと、カップリング剤とを混練した希土類ボンド磁石用コンパウンドを用いて希土類ボンド磁石を製造することが記載されている。一般に、カップリング剤は、バインダが溶融した状態において磁石粉末の粒子の表面に付着しつつバインダの分子と化学結合することにより、磁石粉末の粒子が、溶融したバインダに伴って流動し易くなるように作用する。カップリング剤には種々の材料から成るものがあるが、特許文献1では、一般式R
(4-n)
-Si-X
(n)
(但し、Rは炭化水素基あるいは官能基を有する1種又は2種以上の有機基、Xは加水分解性基(アルコキシ基、グリコール基、等)、nは1~3の範囲内の整数)で表されるシランカップリング剤が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-092262号公報
【非特許文献】
【0006】
嶺岸明生,"スラリーのレオロジーの基礎 粒子径・粒子形状・ゼータ電位の関係",[online],2018年2月19日,スペクトリス株式会社,[2023年10月4日検索],インターネット<URL:https://www.materials-talks.jp/files/20180226142620_0.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンパウンドの流動性は、カップリング剤の有無やカップリング剤の種類のみならず、種々の条件により変化する。場合によってはカップリング剤を添加したにも関わらず、却ってコンパウンドの流動性が低下してしまうこともある。本発明が解決しようとする課題は、カップリング剤の有無に関わらず、バインダが溶融した状態における流動性が高い希土類ボンド磁石用コンパウンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る希土類ボンド磁石用コンパウンドは、希土類磁石粉末と樹脂製のバインダを混練したものであって、
前記希土類磁石粉末が、D50が240μm以上380μm未満である粗粉と、D50が35μm以下である微粉を混合したものであって、該希土類磁石粉末の全体の粒度分布におけるD90とD10の比であるD90/D10が28以上37以下である
ことを特徴とする。
【0009】
本発明において「D50」は、レーザー回折・散乱法により測定した粉末の粒径に関する積算分布(或る粒径よりも小さい粒子が粉末全体に占める体積(重量に比例)の割合)が50%となる粒径をいう。同様に、「D90」及び「D10」はそれぞれ、積算分布が90%及び10%となる粒径をいう。
【0010】
本発明に係る希土類ボンド磁石用コンパウンドでは、希土類磁石粉末として、それぞれD50として上記範囲を有する、互いに粒径の異なる粗粉と微粉を混合したものを用いる。一般に、粉末と液体を混合したスラリーにおいて、均一な粒径の粒子から成る粉末よりも、粒径の異なる粒子を含有する粉末を用いる方が、スラリーの粘度が低下することが知られている(例えば非特許文献1参照)が、本発明では粗粉と微粉を混合したうえでさらに、混合後の希土類磁石粉末全体におけるD90/D10が28以上37以下となるようにする。これにより、他の粒度分布を有する希土類磁石粉末を用いる場合よりも、バインダが溶融した状態における希土類ボンド磁石用コンパウンドの流動性を高くすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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