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公開番号2025063392
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172527
出願日2023-10-04
発明の名称塩基検出用長鎖ssDNAプライマー
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12Q 1/686 20180101AFI20250409BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】蛍光標識塩基伸長反応法においてキャピラリー電気泳動(CE)シーケンサの分析範囲を拡張することによって多項目の標的核酸の同時検出を実現するため、使用する長鎖の一本鎖(ss)DNAプライマーを合成するための方法及び手段を提供すること。
【解決手段】100~700塩基長の長鎖一本鎖DNA(ssDNA)プライマーを合成する方法であって、前記ssDNAプライマーの鎖長を決定する鎖長決定配列が付加されたフォワードプライマーと5'末端に標的認識配列に相補的な配列が付加されたリバースプライマーとを用いて、鋳型における標的核酸に非特異的な非標的配列を含む領域を増幅することにより、前記鎖長決定配列、前記非標的配列、及び前記標的認識配列を含む二本鎖DNA断片を調製する工程、前記二本鎖DNA断片から、3'末端に前記標的認識配列を有するssDNAを回収する工程を含む方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
100~700塩基長の長鎖一本鎖DNA(ssDNA)プライマーを合成する方法であって、
前記ssDNAプライマーの鎖長を決定する鎖長決定配列が付加されたフォワードプライマーと5'末端に標的認識配列に相補的な配列が付加されたリバースプライマーとを用いて、鋳型における標的核酸に非特異的な非標的配列を含む領域を増幅することにより、前記鎖長決定配列、前記非標的配列、及び前記標的認識配列を含む二本鎖DNA断片を調製する工程、
前記二本鎖DNA断片から、3'末端に前記標的認識配列を有するssDNAを回収する工程
を含む方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記リバースプライマーがさらに5'末端に修飾を有し、
前記回収工程において、前記5'末端の修飾を利用して、前記二本鎖DNA断片から、3'末端に前記標的認識配列を有するssDNAを回収する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記5'末端の修飾がビオチン修飾を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フォワードプライマーがさらに5'末端にヌクレアーゼ耐性構造を有し、
前記回収工程において、5'末端から3'末端へのDNA分解活性を有するヌクレアーゼを利用して、前記二本鎖DNA断片から、3'末端に前記標的認識配列を有するssDNAを回収する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ヌクレアーゼ耐性構造が脱リン酸化構造を含み、前記ヌクレアーゼがlambdaエクソヌクレアーゼを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ssDNAプライマーが、200塩基長を超える塩基長である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法により合成された長鎖ssDNAプライマーを含む、塩基伸長反応及び電気泳動による遺伝子分析に使用するための試薬。
【請求項8】
被検核酸に対して、請求項1に記載の方法により合成された長鎖ssDNAプライマーと、蛍光色素を有する基質とを用いた塩基伸長反応を行う工程、
前記塩基伸長反応の反応物を電気泳動に供する工程、
前記電気泳動の移動度と前記蛍光色素に基づいて標的核酸を検出する工程
を含む遺伝子分析方法。
【請求項9】
前記長鎖ssDNAプライマーが、複数の標的核酸のための複数の長鎖ssDNAプライマーを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
標的核酸が、一塩基多型(SNP)を含む、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鎖長200merを超える一本鎖DNA(ssDNA)プライマー及びその合成方法に関する。また本発明は、かかるssDNAプライマーを用いた遺伝子分析方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ゲノムには多様な個体差が存在しており、それらゲノム配列の違いは疾患や薬剤応答の指標として有用なバイオマーカである。そのため、診断及び臨床においてゲノム配列における変異を低コストで検出することが必要とされている。
【0003】
ゲノム変異の検出方法は主として、PCRによる検出、シーケンサを用いた塩基配列解析、1塩基伸長反応解析法(特許文献1)が用いられている。
【0004】
蛍光標識1塩基伸長反応法は電気泳動の移動度を遺伝子識別の指標とするため、使用するプライマー長の長さを調整したり、それらプライマーに移動度を変更する標識を付すことによって信号が検出される位置を変えて、多項目の変異を同時に検出することが可能である。なお、検出対象の遺伝子又は変異に応じて、1塩基伸長ではなく複数塩基の伸長によって、その遺伝子又は変異を検出することも可能である。非特許文献1では、26 plex(26種の変異)の同時検出がなされているが、分析に利用されている範囲はキャピラリー電気泳動(CE)シーケンサの分析域のうちの~120 bpの領域である。CEシーケンサは50~600 bp(機器によっては~700 bp)の範囲で1塩基の鎖長差を分離する精度をもっているが、既存の蛍光標識1塩基伸長反応法はCEシーケンサの検出鎖長域の一部の利用に留まっている。
【0005】
CEシーケンサの検出鎖長域が制限されている原因の1つは、プライマーとして使用されるオリゴDNAの化学合成において>200bpの合成が困難であることにある。この課題の解決には、Meagheら(非特許文献2)のように核酸以外の標識による移動度補正も有効であるが、これらの高分子を純度の高い重合度で多種類合成することは容易ではない。
【0006】
また蛍光標識1塩基伸長反応法による塩基計測においては鋳型として用いるPCR産物がノイズ信号の要因となることが、この方法に使用されるキットABI PRISM(登録商標) SNaPshot
TM
Multiplex Kitの添付プロトコールのトラブルシューティングの項目に記載されている。一般にマルチプレックスPCRの増幅サイズは200 bp程度が目安とされている(非特許文献3)。特に今後遺伝子検査の重要な標的試料である液体生検に含まれるセルフリーDNAの鎖長は167bp程度(非特許文献4)であり、液体生検を試料としたPCR増幅産物は200bp程度の断片長となる。蛍光標識1塩基伸長反応法において、プライマー化学合成の限界長付近はこのPCR増幅産物由来のノイズ信号領域と重なるためにその利用が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許第5,888,819号
【非特許文献】
【0008】
Coutinho1 et, al., PLOS ONE, 9(3):e923292, 2014年
Meagher et, al., Anal. Chem., 79(5):1848-1854, 2007年
Thornton B. et al., Biochem Mol Biol Educ. 39(2):145-154, 2011年
Lapin, M. et al., J. Transl. Med. 16(1):300, 2018年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
蛍光標識1塩基伸長反応法による塩基計測でマルチプレックス数(同時に検出可能な項目数)を向上させるには、化学合成による制限である200 merと鋳型となるPCR産物の目安長である200 bpを超えたプライマーの合成が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
既存の蛍光標識1塩基伸長反応法(さらには1塩基伸長反応に限定されない蛍光標識塩基伸長反応法)の多項目化を目的として長鎖ssDNAプライマーの合成について鋭意開発を行った結果、鎖長が>200 merである長鎖ssDNAプライマーの合成法とその塩基検出能の有用性を見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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