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公開番号2025062868
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172220
出願日2023-10-03
発明の名称墨出しシステム及び墨出し方法
出願人大和ハウス工業株式会社
代理人個人,個人
主分類G01C 15/02 20060101AFI20250408BHJP(測定;試験)
要約【課題】墨出し装置の位置を推定するにあたって、建物の設計図データを有効に利用可能な墨出しシステムを提供する。
【解決手段】墨出しシステムは、建物Bの施工現場内で墨出し装置1の位置を推定し、墨出し装置1によって墨出し作業を行う。墨出しシステムは、建物の設計情報と、建物の設計基準となる複数の基準対象部位(逃げ墨交点P)の情報とを含む「設計図データ」を生成する。また、建物内に設置された測量装置100によって、建物内に存在する複数の基準対象部位(逃げ墨交点P)の情報を含む「測量データ」を生成する。そして、「設計図データ」に含まれる複数の基準対象部位の情報と、「測量データ」に含まれる実際の複数の基準対象部位の情報とに基づいて、建物内における墨出し装置1の位置を推定する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定し、前記墨出し装置によって墨出し作業を行うための墨出しシステムであって、
前記墨出しシステムは、
前記建物の設計情報と、前記建物の設計基準となる複数の基準対象部位の情報とを含む前記建物の設計図データを生成し、
前記建物の施工現場内に設置された測量装置によって、前記建物の施工現場内に存在する複数の基準対象部位の情報を含む前記建物の測量データを生成し、
前記設計図データに含まれる前記複数の基準対象部位の情報と、前記測量データに含まれる実際の前記複数の基準対象部位の情報とに基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定することを特徴とする墨出しシステム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記墨出しシステムは、
前記複数の基準対象部位の情報として複数の逃げ墨の交点の情報を含む前記設計図データを生成し、
前記測量装置によって、前記複数の基準対象部位の情報として前記建物の施工現場内に描かれた複数の逃げ墨の交点の情報を含む前記測量データを生成し、
前記設計図データに含まれる前記複数の逃げ墨の交点の情報と、前記測量データに含まれる実際の前記複数の逃げ墨の交点の情報とをもとに前記建物内における座標系を一致させ、
前記座標系において前記測量装置で測量された前記墨出し装置の位置情報に基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の墨出しシステム。
【請求項3】
前記墨出しシステムは、
前記建物の所定の空間における全ての逃げ墨の交点の情報を含む前記設計図データを生成し、前記設計図データを前記墨出し装置に向けて送信し、
前記測量装置によって前記建物の所定の空間における少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報を含む前記測量データを生成し、前記測量データを前記墨出し装置に向けて送信し、
前記墨出し装置は、
前記測量データに含まれる前記少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報と、前記設計図データに含まれる前記全ての逃げ墨の交点の中から対応する少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報とをもとに前記建物内における座標系を一致させ、
前記座標系において前記測量装置で測量された前記墨出し装置の位置情報に基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定することを特徴とする請求項2に記載の墨出しシステム。
【請求項4】
前記墨出しシステムは、
前記建物の設計基準となる基準墨の情報と、前記逃げ墨の情報と、前記複数の逃げ墨の交点の情報と、新たにマーキングする墨出しの情報とを含む前記設計図データを生成し、
前記設計図データを加工して、前記基準墨の情報と、前記逃げ墨の情報と、前記複数の逃げ墨の交点の情報と、前記墨出しの情報とを含み、文字コードによって表現される加工設計図データを生成し、
前記設計図データを記憶部に記憶し、前記加工設計図データを前記墨出し装置に向けて送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の墨出しシステム。
【請求項5】
前記墨出し装置と、前記測量装置と、を備え、
前記墨出し装置は、装置本体部に取り付けられ、前記測量装置によって検出される検出対象物をさらに有し、
前記測量装置は、前記墨出し装置に搭載された前記検出対象物を検出し、検出結果に基づいて前記墨出し装置の位置情報を測量し、
前記墨出しシステムは、
前記施工現場内における前記墨出し装置の位置を推定し、
前記設計図データに基づいて墨出しのマーキング位置を特定し、
前記墨出し装置の位置の情報と、前記マーキング位置の情報とに基づいて前記墨出し装置を走行させてマーキングさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の墨出しシステム。
【請求項6】
建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定し、前記墨出し装置によって墨出し作業を行うための墨出し方法であって、
前記建物の設計情報と、前記建物の設計基準となる複数の基準対象部位の情報とを含む前記建物の設計図データを生成することと、
前記建物の施工現場内に設置された測量装置によって、前記建物の施工現場内に存在する複数の基準対象部位の情報を含む前記建物の測量データを生成することと、
前記設計図データに含まれる前記複数の基準対象部位の情報と、前記測量データに含まれる実際の前記複数の基準対象部位の情報とに基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定すること、を実行することを特徴とする墨出し方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、墨出しシステム及び墨出し方法に係り、特に、建物の施工現場内で墨出し装置によって墨出し作業を行うための墨出しシステム及び墨出し方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、建物の施工現場内を走行し、施工現場内において各種施工作業の基準位置を示す基準線(墨出し線)を床面または壁面等にマーキングする墨出しシステムが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に記載の墨出しシステムでは、建物の設計情報を記憶し、建物の「設計情報」と、測量装置によって測量された墨出し装置の「測量情報」とに基づいて、施工現場内における墨出し装置の位置を推定する。そして、上記設計情報に基づいてマーキング位置を特定し、墨出し装置の位置の情報と、マーキング位置の情報とに基づいて墨出し装置を走行させてマーキング作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平4-39709号公報
特開2017-15523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2のような墨出しシステムでは、建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定するにあたって、建物の設計図データを有効に利用することが求められていた。例えば、「設計上の既知点」の情報と、測量装置によって測量される「実際の既知点の情報」とをもとに建物内の座標系を一致させることで、建物内における墨出し装置の位置を推定するところ、設計図データを有効に利用して墨出し作業を効率良く行うことが求められていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定するにあたって、建物の設計図データを有効に利用することが可能な墨出しシステム及び墨出し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の墨出しシステムによれば、建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定し、前記墨出し装置によって墨出し作業を行うための墨出しシステムであって、前記墨出しシステムは、前記建物の設計情報と、前記建物の設計基準となる複数の基準対象部位の情報とを含む前記建物の設計図データを生成し、前記建物の施工現場内に設置された測量装置によって、前記建物の施工現場内に存在する複数の基準対象部位の情報を含む前記建物の測量データを生成し、前記設計図データに含まれる前記複数の基準対象部位の情報と、前記測量データに含まれる実際の前記複数の基準対象部位の情報とに基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定すること、により解決される。
上記構成により、建物の施工現場内で墨出し装置の位置を推定するにあたって、建物の設計図データを有効に利用可能な墨出しシステムを実現できる。
詳しく述べると、上記墨出しシステムでは、建物の設計情報と、複数の基準対象部位の情報とを含む「設計図データ」を生成する。そして、「設計図データ」に含まれる複数の基準対象部位の情報と、「測量データ」に含まれる実際の複数の基準対象部位の情報とに基づいて、墨出し装置の位置を推定する。
このように、「設計図データ」に建物の設計基準となる複数の基準対象部位の情報を組み込むことで、当該基準対象部位の情報を墨出し装置の位置推定に利用するほか、その後の施工作業に利用することが可能となる。また、「設計図データ」に複数の基準対象部位の情報を組み込むことで、複数の基準対象部位の中から任意の基準対象部位の情報を用いて実際の基準対象部位の情報と一致させることができる(設計上の座標と、測量上の座標との座標系を一致させることができる)。
【0007】
このとき、前記墨出しシステムは、前記複数の基準対象部位の情報として複数の逃げ墨の交点の情報を含む前記設計図データを生成し、前記測量装置によって、前記複数の基準対象部位の情報として前記建物の施工現場内に描かれた複数の逃げ墨の交点の情報を含む前記測量データを生成し、前記設計図データに含まれる前記複数の逃げ墨の交点の情報と、前記測量データに含まれる実際の前記複数の逃げ墨の交点の情報とをもとに前記建物内における座標系を一致させ、前記座標系において前記測量装置で測量された前記墨出し装置の位置情報に基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定すると良い。
上記構成により、施工現場に予め描かれた逃げ墨(逃げ墨の交点)を利用して、墨出し装置の位置を推定できる。そうすることで、設計上の座標と、測量上の座標との座標系を一致させるために新たな既知点を設けることが不要になる。
また、「設計図データ」に逃げ墨(逃げ墨の交点)の情報を組み込むことで、墨出し装置の位置推定のほか、その後の施工作業において逃げ墨の情報を含む設計図データを利用することができる。また、「設計図データ」において逃げ墨の線と、他の線分とを識別することができる。
【0008】
このとき、前記墨出しシステムは、前記建物の所定の空間における全ての逃げ墨の交点の情報を含む前記設計図データを生成し、前記設計図データを前記墨出し装置に向けて送信し、前記測量装置によって前記建物の所定の空間における少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報を含む前記測量データを生成し、前記測量データを前記墨出し装置に向けて送信し、前記墨出し装置は、前記測量データに含まれる前記少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報と、前記設計図データに含まれる前記全ての逃げ墨の交点の中から対応する少なくとも2点の逃げ墨の交点の情報とをもとに前記建物内における座標系を一致させ、前記座標系において前記測量装置で測量された前記墨出し装置の位置情報に基づいて、前記建物内における前記墨出し装置の位置を推定すると良い。
上記のように、「設計図データ」に所定の空間における全ての逃げ墨の情報を組み込むことで、測量装置が施工現場内において測量予定であった既知点(任意の逃げ墨の交点)を測量できなかった場合でも、代わりの既知点(別の逃げ墨の交点)を利用して測量することができる。そして、代わりの既知点同士をもとに座標系を一致させることができる。例えば、施工現場内に資材等が置かれていると、もともと測量する予定であった既知点を測量装置が測量できない場合がある。
また上記のように「設計図データ」に全ての逃げ墨の情報を組み込むことで、ある区画における墨出し作業が行えなかった場合でも、他の区画における墨出し作業の準備を行い、墨出し作業を先に進めることができる。
【0009】
このとき、前記墨出しシステムは、前記建物の設計基準となる基準墨の情報と、前記逃げ墨の情報と、前記複数の逃げ墨の交点の情報と、新たにマーキングする墨出しの情報とを含む前記設計図データを生成し、前記設計図データを加工して、前記基準墨の情報と、前記逃げ墨の情報と、前記複数の逃げ墨の交点の情報と、前記墨出しの情報とを含み、文字コードによって表現される加工設計図データを生成し、前記設計図データを記憶部に記憶し、前記加工設計図データを前記墨出し装置に向けて送信すると良い。
上記構成により、建物の基準墨の情報と、逃げ墨の情報と、複数の逃げ墨の交点の情報と、新たにマーキングする墨出しの情報とを含む「設計図データ」を生成し、記憶部に記憶しておくことができる。当該「設計図データ」をその後の施工作業に利用できる。
また、「設計図データ」を加工した、文字コードで表現される「加工設計図データ」を生成し、「加工設計図データ」を墨出し装置に送信できる。そうすることで、墨出し装置が、データ処理の負荷を減らして墨出し作業を行うことができる。
【0010】
このとき、前記墨出しシステムは、前記墨出し装置と、前記測量装置と、を備え、前記墨出し装置は、装置本体部に取り付けられ、前記測量装置によって検出される検出対象物をさらに有し、前記測量装置は、前記墨出し装置に搭載された前記検出対象物を検出し、検出結果に基づいて前記墨出し装置の位置情報を測量し、前記墨出しシステムは、前記施工現場内における前記墨出し装置の位置を推定し、前記設計図データに基づいて墨出しのマーキング位置を特定し、前記墨出し装置の位置の情報と、前記マーキング位置の情報とに基づいて前記墨出し装置を走行させてマーキングさせると良い。
上記構成により、墨出しシステムが、施工現場内における墨出し装置の位置を推定し、「加工設計図データ」に基づいて墨出しのマーキング位置を特定し、墨出し装置の位置の情報と、マーキング位置の情報とに基づいて墨出し装置を走行させてマーキングさせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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