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公開番号
2025058904
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2024118404
出願日
2024-07-24
発明の名称
オーステナイト系ステンレス鋼及び耐水素性部材
出願人
大同特殊鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250401BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】優れた耐水素脆性、高強度及び加工性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及びこれを用いた耐水素性部材を提供すること。
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼は、C≦0.10mass%、Si≦0.50mass%、3.0≦Mn≦8.0mass%、P≦0.30mass%、S≦0.30mass%、7.0≦Ni≦12.0mass%、18.0≦Cr≦28.0mass%、1.0≦Mo≦3.0mass%、0.03≦V≦0.50mass%、0.0003≦B≦0.0300mass%、0.0001≦Ca≦0.0300mass%、0.35≦N≦0.80mass%、及び、0.001≦Co≦1.00mass%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。前記オーステナイト系ステンレス鋼は、粗大合金炭窒化物の数密度が3×10
5
個/mm
2
以下である。耐水素性部材は、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の構成を備えたオーステナイト系ステンレス鋼。
(1)前記オーステナイト系ステンレス鋼は、
C≦0.10mass%、
Si≦0.50mass%、
3.0≦Mn≦8.0mass%、
P≦0.30mass%、
S≦0.30mass%、
7.0≦Ni≦12.0mass%、
18.0≦Cr≦28.0mass%、
1.0≦Mo≦3.0mass%、
0.03≦V≦0.50mass%、
0.0003≦B≦0.0300mass%、
0.0001≦Ca≦0.0300mass%、
0.35≦N≦0.80mass%、及び、
0.001≦Co≦1.00mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
(2)前記オーステナイト系ステンレス鋼は、粗大合金炭窒化物の数密度が3×10
5
個/mm
2
以下である。
但し、「粗大合金炭窒化物」とは、円相当径が1000nm超の合金炭窒化物をいう。
続きを表示(約 520 文字)
【請求項2】
W≦2.0mass%、
Zr≦0.20mass%、及び、
Ta≦0.50mass%
からなる群から選ばれる少なくとも1つをさらに含む請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項3】
25℃において測定された引張強さが690MPa以上である請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項4】
オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が8.0未満である請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項5】
25℃において測定された破断絞りが30%以上である請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼からなる耐水素性部材。
【請求項7】
前記オーステナイト系ステンレス鋼は、溶体化処理ままの状態である部分を含む請求項6に記載の耐水素性部材。
【請求項8】
突合せ溶接部を有し、25℃において測定された、前記突合せ溶接部の溶接ままでの引張強さが690MPa以上である請求項6に記載の耐水素性部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼及び耐水素性部材に関し、さらに詳しくは、強度及び耐水素脆化特性に優れたオースンテナイト系ステンレス鋼、及び、これを用いた耐水素性部材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、水素を燃料とする燃料電池自動車、及び、燃料電池自動車に水素を供給する水素ステーションの開発が進められている。燃料電池自動車や水素ステーションなどに用いられる各種の機器(以下、これらを総称して「高圧水素ガス用機器」ともいう)は、高圧の水素ガス環境下で使用されるため、これらの機器に用いられる材料には、優れた耐水素脆化特性が求められている。ステンレス鋼(特に、Ni当量を高めたオーステナイト系ステンレス鋼)は、耐水素脆化特性に優れており、この種の用途に適している。
【0003】
オーステナイト系ステンレス鋼の中でも、SUS316Lは、耐水素脆化特性に優れた材料として知られている。現在、高圧ガス保安法に定められる自動車用圧縮水素容器基準において、耐水素脆化特性に優れるステンレス鋼として、SUS316Lが認定されている。しかしながら、SUS316Lは強度が低いため、SUS316Lを高圧水素ガス用機器の構造部材に用いる場合には、厚肉に設計する必要がある。その結果、機器の大型化や高重量化が避けられないという問題がある。燃料電池自動車の軽量化、水素ステーションのコンパクト化、及び、水素ステーションでの高圧操業を実現するためには、これらの用途に使用されるステンレス鋼の強度は、高い方が好ましい。
【0004】
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)所定量のC、Si、Mn、Cr、Ni、V、N、及び、Alを含有し、残部がFe及び不純物からなり、
(b)2.5Cr+3.4Mn<300Nを満たす
高圧水素ガス用ステンレス鋼が開示されている。
【0005】
同文献には、
(A)オーステナイト系ステンレス鋼の高強度化には、Nによる固溶強化が最も有効であり、N添加量の増加と共に強度は向上するが、延性及び靱性は低下する点、及び、
(B)2.5Cr+3.4Mn<300Nを満たすように成分を調整すると、引張強度が高くなり、しかも伸びも大きくなる点
が記載されている。
【0006】
特許文献2には、
(a)所定量のC、Si、Mn、Cr、Ni、Al、N、並びに、V及びNbのうちの少なくとも1種を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
(b)引張強さが800MPa以上であり、
(c)結晶粒度番号が8番以上であり、
(d)最大径が50~1000nmである合金炭窒化物の含有量が0.4個/μm
2
以上である
高圧水素ガス用オーステナイトステンレス鋼が開示されている。
【0007】
同文献には、
(A)窒素を固溶元素として活用すると、ステンレス鋼の高強度化は可能であるが、積層欠陥エネルギーが低くなるために、水素環境脆化に対する耐久性が低下する点、
(B)鋼中にV及び/又はNbを添加すると、固溶化熱処理時に微細な合金炭化物が析出し、ピンニング効果により結晶粒が微細化する点、及び、
(C)結晶粒を微細化させると、高窒素鋼の水素環境脆化に対する抵抗性を高めることができる点
が記載されている。
【0008】
特許文献3には、
(a)所定量のC、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Mo、N、Nb、及び、Vを含有し、残部がFe及び不純物からなり、
(b)15≦12.6C+1.05Mn+Ni+15Nを満たし、
(c)結晶粒度番号が8.0未満であり、
(d)引張強度が690MPa以上である
オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【0009】
同文献には、
(A)結晶粒度番号を8.0以下にすると、優れた被削性が得られる点、
(B)C、N、Mn、Niは、いずれも、オーステナイト安定化元素であり、これらの元素の含有量を最適化すると、オーステナイトが安定化し、結晶粒が粗大であっても、耐水素脆性が高くなる点、及び、
(C)1.0%以上のMoを添加すると、結晶粒度番号が8.0未満であっても、高い引張強度が得られる点
が記載されている。
【0010】
さらに、特許文献4には、
(a)所定量のC、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、N、Mo、V、及び、Nbを含有し、残部がFe及び不純物からなり、
(b)結晶粒度番号が6.0以上であり、
(c)引張強度が800MPa以上であり、
(d)引張強度の最大値と最小値の差が50MPa以下であり、
(e)円相当径が1000nmを超える合金炭窒化物の個数が10個/mm
2
以上であり、
(f)結晶粒度番号の最大値と最小値との差が1.5以下である
オーステナイト系ステンレス鋼材が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)
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