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公開番号2025058458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168402
出願日2023-09-28
発明の名称排ガスの臭気評価方法、セメント原料の使用方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G01N 33/38 20060101AFI20250402BHJP(測定;試験)
要約【課題】セメント原料を加熱した際に生じる排ガスの臭気を、実態に近い値として評価することを可能にする方法を提供する。
【解決手段】臭気評価方法は、第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第一臭気指数に関する情報と、第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第二臭気指数に関する情報とを準備する工程(a)と、第一セメント原料と第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第三臭気指数を、第一セメント原料と第二セメント原料との混合比率、第一臭気指数、第二臭気指数に基づく演算によって推定する工程(b)とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第一臭気指数に関する情報と、前記第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第二臭気指数に関する情報とを準備する工程(a)と、
前記第一セメント原料と前記第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第三臭気指数を、前記第一セメント原料と前記第二セメント原料との混合比率、前記第一臭気指数、及び前記第二臭気指数に基づく演算によって推定する工程(b)とを有することを特徴とする、排ガスの臭気評価方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記第一臭気指数は、セメントキルンに付設されたプレヒータ内における加熱環境下で、前記第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数であり、
前記第二臭気指数は、前記プレヒータ内における加熱環境下で、前記第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数であることを特徴とする、請求項1に記載の排ガスの臭気評価方法。
【請求項3】
前記工程(a)は、
前記第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスのにおいをにおいセンサを用いて計測して第一計測値を得る工程(a1)と、
前記第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスのにおいをにおいセンサを用いて計測して第二計測値を得る工程と(a2)と、
予め登録されていた、においセンサによる計測値と臭気指数との相対関係に基づいて、前記第一計測値に対応する臭気指数の値である前記第一臭気指数と、前記第二計測値に対応する臭気指数の値である前記第二臭気指数とを導出する工程(a3)とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の排ガスの臭気評価方法。
【請求項4】
第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第一臭気指数に関する情報と、前記第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第二臭気指数に関する情報とを準備する工程(a)と、
前記第一セメント原料と前記第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第三臭気指数を、前記第一セメント原料と前記第二セメント原料との混合比率、前記第一臭気指数、及び前記第二臭気指数に基づく演算によって推定する工程(b)と、
前記第三臭気指数に基づく評価値と所定閾値とを対比し、前記評価値が前記所定閾値以下である場合には、前記第三セメント原料をセメントキルンに付設されたプレヒータの上部から投入する工程(c)とを有することを特徴とする、セメント原料の使用方法。
【請求項5】
前記工程(c)において、前記評価値が前記所定閾値を上回る場合には、前記評価値が前記所定閾値以下となるように前記混合比率を変更した上で、前記第三セメント原料を前記プレヒータ上部から投入することを特徴とする、請求項4に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項6】
前記第二臭気指数が前記第一臭気指数より高く、
前記工程(c)において、前記評価値が前記所定閾値を上回る場合には、前記評価値が前記所定閾値以下となるように、前記第一セメント原料に対する前記第二セメント原料の相対比率を低下させることで前記混合比率を変更した上で、前記第三セメント原料を前記プレヒータの上部から投入し、
前記第二セメント原料を前記プレヒータの下部から投入する工程(d)を更に有することを特徴とする、請求項4に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項7】
前記第一セメント原料は、原料工程において調合された調合原料からなり、
前記第二セメント原料は、廃棄物からなることを特徴とする、請求項6に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項8】
前記第一臭気指数は、前記プレヒータ内における加熱環境の模擬環境下で、前記第一セメント原料を加熱した際に発生するガスの臭気指数であり、
前記第二臭気指数は、前記模擬環境下で、前記第二セメント原料を加熱した際に発生するガスの臭気指数であることを特徴とする、請求項4~7のいずれか1項に記載のセメント原料の使用方法。
【請求項9】
前記工程(a)は、
前記第一セメント原料を加熱した際に発生するガスのにおいをにおいセンサを用いて計測して第一計測値を得る工程(a1)と、
前記第二セメント原料を加熱した際に発生するガスのにおいをにおいセンサを用いて計測して第二計測値を得る工程と(a2)と、
予め登録されていた、においセンサによる計測値と臭気指数との相対関係に基づいて、前記第一計測値に対応する臭気指数の値である前記第一臭気指数と、前記第二計測値に対応する臭気指数の値である前記第二臭気指数とを導出する工程(a3)とを含むことを特徴とする、請求項4~7のいずれか1項に記載のセメント原料の使用方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスの臭気を評価する方法に関し、特にセメント原料を加熱した際に生じる排ガスの臭気評価方法に関する。また、本発明は、前記評価方法を用いた、セメント原料の使用方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、持続可能な社会の実現に向けて、廃棄物をセメント原料の一部に利用する取り組みが行われている。具体的な例としては、石灰石や粘土を含み、セメント工場において原料ミルによって粉砕等が施されて得られる原料(以下、「セメント主原料」と呼ぶ。)に、廃棄物からなる原料(以下、「リサイクル原料」と呼ぶ。)を混合させて、セメントキルン内に投入し、焼成されている。
【0003】
しかしながら、廃棄物の多様化や、これに伴い廃棄物を燃焼することで生じる副生成物の多様化に起因して、セメントキルン排ガスに含まれる臭気が高まることが懸念される。排ガス中の臭気の原因物質は、一部のリサイクル原料に含まれる炭素分や有機分が揮発、又は燃焼して発生したものである。よって、排ガスの臭気を管理・監視する観点からは、リサイクル原料に含まれる炭素分や有機分による、臭気への影響度を評価することが重要である。
【0004】
下記特許文献1には、セメント原料を加熱して発生する特定悪臭物質(22物質)を定量して臭気データを得た後、その特定悪臭物質の臭気指数相当値および使用原単位から排ガス臭気への影響度を試算する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6135371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、昨今のリサイクル原料の多様化に伴い、セメントキルン排ガスの臭気は上記の22種類の特定悪臭物質以外の物質に由来して発生することが想定される。言い換えれば、排ガスの臭気は、においを有する、言い換えれば、嗅覚閾値を超える臭気を有する、多種多様な物質が複数混合した「複合臭」として存在する。したがって、特許文献1の技術で評価した値では、実態の臭気強さにそぐわないことが考えられる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、セメント原料を加熱した際に生じる排ガスの臭気を、従来と比較して、実態に近い値として評価することを可能にする方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、上記方法を用いて得られた、排ガスの臭気の評価結果に基づいて、セメント原料を加熱した際に生じる排ガスの臭気を、閾値以下に抑制することを可能にする、セメント原料の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る排ガスの臭気評価方法は、
第一セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第一臭気指数に関する情報と、前記第一セメント原料とは異なる材料からなる第二セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第二臭気指数に関する情報とを準備する工程(a)と、
前記第一セメント原料と前記第二セメント原料とが混合されてなる第三セメント原料を加熱した際に発生する排ガスの臭気指数である第三臭気指数を、前記第一セメント原料と前記第二セメント原料との混合比率、前記第一臭気指数、及び前記第二臭気指数に基づく演算によって推定する工程(b)とを有することを特徴とする。
【0010】
「臭気指数」は、人間の嗅覚に基づいてにおいの強さを数値化した値である。臭気指数の測定方法の例としては、「臭気指数算定の方法」として、平成7年環境庁告示第63号に規定されている。より詳細な例としては、同告示別表に記載された「三点比較式臭袋法」を利用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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