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公開番号2025044745
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023152494
出願日2023-09-20
発明の名称転がり疲労強度試験装置
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01M 13/04 20190101AFI20250326BHJP(測定;試験)
要約【課題】転がり疲労強度試験において、評価材の着脱によるピッチング強度のばらつきを伴うことなく評価材の断面曲線を得ることができる転がり疲労強度試験装置を提供することを目的とする。
【解決手段】この転がり疲労強度試験装置は、第1回転駆動機構と、相手材と、第2回転駆動機構と、荷重負荷機構と、ピッチング検知部と、制御部と、粗さ測定器1000とを備える。粗さ測定器1000は、評価材1の第1回転面111をなぞる触針1300と、触針1300を保持し、触針1300の変動に基づいて第1回転面111の断面曲線を得る測定器本体1100と、第1回転駆動機構に、測定器本体1100を相対位置及び相対向きが調整可能に支持させる基台1200とを有する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
中心線の周りに形成された第1回転面を有する評価材の転がり疲労強度を評価する試験装置であって、
前記評価材を保持し、前記中心線と同軸である第1回転軸線回りに前記評価材を回転させる第1回転駆動機構と、
第2回転軸線を中心とする第2回転面を有する相手材と、
前記第1回転軸線に対して前記第2回転軸線が平行をなすように前記相手材を保持し、前記第2回転軸線回りに前記相手材を回転させる第2回転駆動機構と、
前記第1回転面と前記第2回転面とを互いに対向させた状態で互いに逆回転させながら、前記第1回転駆動機構及び前記第2回転駆動機構間を相対的に接近離間させる荷重負荷機構と、
前記評価材の前記第1回転面に生じたピッチングを検知するピッチング検知部と、
前記第1回転駆動機構、前記第2回転駆動機構、及び前記荷重負荷機構を制御する制御部と、
前記評価材の表面粗さを測定する粗さ測定器と、
を備え、
前記粗さ測定器が、
前記評価材の前記第1回転面をなぞる触針と、
前記触針を保持し、前記触針の変動に基づいて前記第1回転面の断面曲線を得る測定器本体と、
前記第1回転駆動機構に、前記測定器本体を相対位置及び相対向きが調整可能に支持させる基台と、
を有する
ことを特徴とする転がり疲労強度試験装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記測定器本体を、
前記第1回転軸線と平行なX方向に位置調整する第1調整部と、
前記X方向に対して直交し、鉛直方向であるZ方向に位置調整する第2調整部と、
前記X方向及び前記Z方向の両方に直交する水平方向であるY方向に位置調整する第3調整部と、
前記X方向と前記Y方向と前記Z方向とを含む座標軸の、平面視での、前記第1回転軸線に対する傾きを調整する第4調整部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり疲労強度試験装置。
【請求項3】
前記触針が、
前記測定器本体に支持されて水平方向に延在する水平部と、
前記水平部の先端から前記第1回転軸線に向かって屈曲した走査部と、
からなるL字形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり疲労強度試験装置。
【請求項4】
前記触針が、前記第1回転軸線の延在方向の途中位置において、前記評価材の前記第1回転面に接した状態で前記第1回転駆動機構を回転させることにより、前記第1回転面を周方向になぞる
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり疲労強度試験装置。
【請求項5】
前記相手材の前記第2回転面の直径Dが4mm~200mmであり、
前記逆回転を行いながら、前記荷重負荷機構による荷重を前記相手材から前記評価材に負荷する転がり疲労強度試験時において、
前記第2回転面及び前記第1回転軸線間の距離xが2mm~100mmであり、
前記荷重が0.2kN~15kNの範囲内となるように前記制御部が前記荷重負荷機構を制御し、
前記制御部が、前記第1回転駆動機構、前記第2回転駆動機構、及び前記荷重負荷機構を制御することで、
下記(式1)で算出される前記評価材のすべり率σ
12
を、-300%~-60%または60%~100%とし、
下記(式2)により算出される焼付き評価パラメータS

を9.00以下とする
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の転がり疲労強度試験装置。
σ
12
=[%]=(2×π×R
11
×u

/60-2×π×R
21
×u

/60)/(2×π×R
11
×u

/60) ・・・(式1)


=A(σ
12
/100)

・・・(式2)

11
:前記第1回転面の前記第1回転軸線からの半径[mm]

21
:前記第2回転面の前記第2回転軸線からの半径[mm]


:前記評価材の回転速度[rpm]


:前記相手材の回転速度[rpm]
A:前記評価材の前記相手材との接触面の接触面積[mm


【請求項6】
前記評価材における前記相手材と接触する接触面、および、前記相手材における前記評価材と接触する接触面の二乗平均平方根粗さRqが1.00μm以下であり、
前記転がり疲労強度試験時に、前記制御部が、前記第1回転駆動機構、前記第2回転駆動機構、及び前記荷重負荷機構を制御することで、
下記(式3)から算出される降伏パラメータR

を0.85以下とする、
ことを特徴とする請求項5に記載の転がり疲労強度試験装置。


=Dτ
xy
’/D

・・・(式3)
Dτ
xy
’=2×Dτ
xy
・・・(式4)
ここで、


:前記評価材の共役最大せん断応力τ
xy
が発生する、前記評価材の前記接触面からの深さ位置Dτ
xy
を用いて上記(式4)から算出されるDτ
xy
’と、前記評価材の有効硬化層深さD

と、により算出される降伏パラメータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり疲労強度試験装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、歯車に使用される表面硬化鋼の転がり疲労強度(ピッチング強度)は、二円筒転がり疲労試験で評価されることが多い。二円筒転がり疲労試験は、ローラ状の試験片と、相手方のローラとを接触させ、接触面の面圧や各ローラの回転数を制御して、試験片の転がり疲労を評価する試験である。
【0003】
例えば、特許文献1では、試験片である直径が26mmの小ローラと、直径が130mmでありクラウニングが150mmの大ローラと、を用い、すべり率を80%、小ローラの回転数を1000rpm、面圧を2800MPaまたは3000MPaとしてピッチング強度の測定が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-132936号公報
【非特許文献】
【0005】
中原一郎、材料力学下巻、養賢堂、東京(1971)、116-132頁
徳田昌敏、機械設計、Vol.24、No.12(1980)、26-30頁
Tedric A. Harris, "Rolling Bearing Analysis", John Wiley & Sons Inc., p.110-143.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電動車が登場して市場でシェアを増やしつつある。電動車では、従来型のガソリンエンジン車に比べ、歯車にかかる負荷(面圧、回転数、すべり率など)が高くなる傾向があり、歯車の素材となる鋼にも高強度が求められる。その結果、電動車の歯車として用いられる鋼材を評価する場合には、より高い負荷をかけて試験を行う必要が生じている。
【0007】
従来から用いられている二円筒転がり疲労試験において、高強度材の転がり疲労強度を高負荷下で評価する場合、試験中に焼付きが発生することがある。そのため、適切な試験結果が得られなくなる、あるいは焼付きを避けるために試験時の回転速度を下げざるを得ず、長期間を要する試験となるといった課題があった。
【0008】
このような歯車材の評価は、二円筒転がり疲労試験によりピッチング強度を求めることで行われる。具体的な手順としては、まず、試験片である評価材を、相手材を備える試験装置に取り付ける。そして、評価材の回転面と相手材の回転面とを互いに接触させた状態で互いに逆回転させる。さらに、評価材に対して相手材から加える荷重を適切な値に維持することで、評価材の接触部に対して負荷をかける。そして、所定時間の経過後、一旦、試験を中止して評価材を試験装置から取り外し、相手材との接触部における断面曲線や表面粗さを測定する。
測定後、再度、評価材を試験装置に取り付けて同様の手順を行うことで、評価材の接触部に改めて負荷をかける。しかし、測定時に評価材を試験装置から一旦外してしまう関係上、外す前における評価材の回転面の接触位置と相手材の回転面の接触位置との相対位置関係が崩れてしまう。評価材の接触部における断面曲線や表面粗さの測定は大変デリケートであるため、相対位置関係の僅かなずれが測定結果に大きなばらつきを生じさせる一因となる。そこで、このようなピッチング強度のバラつきを生じることなく断面曲線を測定できる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、転がり疲労強度試験において、評価材の着脱によるピッチング強度のばらつきを伴うことなく評価材の断面曲線を得ることができる転がり疲労強度試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]本発明の一態様に係る転がり疲労強試験装置は、
中心線の周りに形成された第1回転面を有する評価材の転がり疲労強度を評価する試験装置であって、
前記評価材を保持し、前記中心線と同軸である第1回転軸線回りに前記評価材を回転させる第1回転駆動機構と、
第2回転軸線を中心とする第2回転面を有する相手材と、
前記第1回転軸線に対して前記第2回転軸線が平行をなすように前記相手材を保持し、前記第2回転軸線回りに前記相手材を回転させる第2回転駆動機構と、
前記第1回転面と前記第2回転面とを互いに対向させた状態で互いに逆回転させながら、前記第1回転駆動機構及び前記第2回転駆動機構間を相対的に接近離間させる荷重負荷機構と、
前記評価材の前記第1回転面に生じたピッチングを検知するピッチング検知部と、
前記第1回転駆動機構、前記第2回転駆動機構、及び前記荷重負荷機構を制御する制御部と、
前記評価材の表面粗さを測定する粗さ測定器と、
を備え、
前記粗さ測定器が、
前記評価材の前記第1回転面をなぞる触針と、
前記触針を保持し、前記触針の変動に基づいて前記第1回転面の断面曲線を得る測定器本体と、
前記第1回転駆動機構に、前記測定器本体を相対位置及び相対向きが調整可能に支持させる基台と、
を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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