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公開番号2025043930
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023151537
出願日2023-09-19
発明の名称スイッチング電源装置
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H02M 3/00 20060101AFI20250325BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ノイズ抑制効果の高いスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置100は、入力コンデンサCIN、出力コンデンサCOUT、スイッチング素子及びインダクタを含む電力変換回路3と、直流電源と電力変換回路3との間に設けられ、第1巻線と第2巻線とが一方向に旋回して直線状に整列巻きされるコア材を備えるコモンモードチョークコイルと、を備え、入力コンデンサCINと、コモンモードチョークコイルの相互インダクタンスMとを含む低周波帯域遮断フィルタLF及び相互インダクタンスMとコモンモードチョークコイルの浮遊容量CCとを含む高周波帯域遮断フィルタHFを備えた電気閉回路となるノイズ平衡化回路を構成する。ノイズ平衡化回路は、低周波帯域と低周波帯域とは異なる高周波帯域との夫々の周波数帯域において、スイッチング素子のスイッチング動作に起因して生じるノイズを相殺する。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
直流電源から入力される電圧を電力変換して負荷に供給するスイッチング電源装置であって、
入力コンデンサ、出力コンデンサ、スイッチング素子、及びインダクタを含む電力変換回路と、
前記直流電源と前記電力変換回路との間に設けられ、第1巻線と第2巻線とが一方向に旋回して直線状に整列巻きされるコア材を備えるコモンモードチョークコイルと、
を備え、
前記電力変換回路及び前記コモンモードチョークコイルは、
前記入力コンデンサと、前記コモンモードチョークコイルの相互インダクタンスと、を含む低周波帯域遮断フィルタ、及び、
前記相互インダクタンスと、前記コモンモードチョークコイルの浮遊容量と、を含む高周波帯域遮断フィルタ、
を備えた電気閉回路となるノイズ平衡化回路を構成し、
前記ノイズ平衡化回路は、低周波帯域と、当該低周波帯域とは異なる高周波帯域と、のそれぞれの周波数帯域において、前記スイッチング素子のスイッチング動作に起因して生じるノイズを相殺する、
スイッチング電源装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のスイッチング電源装置であって、
前記低周波帯域遮断フィルタは、前記電力変換回路から前記直流電源への30MHz以下の所定の周波数範囲内のノイズ成分の伝搬を抑制し、
前記高周波帯域遮断フィルタは、前記電力変換回路から前記直流電源への100MHz以上の所定の周波数範囲内のノイズ成分の伝搬を抑制する、
スイッチング電源装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コモンモードチョークコイルの自己共振周波数は、30MHz以上である、
スイッチング電源装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コア材は、アルミナ又はNi-Zn系フェライトを含む、
スイッチング電源装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コモンモードチョークコイルは、
前記第1巻線の巻き始めと巻き終わりとが離れており、前記第2巻線の巻き始めと巻き終わりとが離れている、
スイッチング電源装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コモンモードチョークコイルは、
前記第1巻線の巻き始めから巻き終わりまでの少なくとも1箇所以上において、前記コア材の中心軸に沿う方向に1.0ターン以上離れて巻回されており、前記第2巻線の巻き始めから巻き終わりまでの少なくとも1箇所以上において、前記コア材の中心軸に沿う方向に1.0ターン以上離れて巻回されている、
スイッチング電源装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コモンモードチョークコイルは、
前記第1巻線の巻き始めから巻き終わりまでの少なくとも1箇所以上において、前記コア材の中心軸に沿う方向に前記第2巻線を挟んで巻回されており、前記第2巻線の巻き始めから巻き終わりまでの少なくとも1箇所以上において、前記コア材の中心軸に沿う方向に前記第1巻線を挟んで巻回されている、
スイッチング電源装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記コモンモードチョークコイルは、
底面と直行する方向の断面において、前記第2巻線の巻き始めから2.0ターン以上3.0ターン未満の範囲内において、前記コア材の中心軸に沿う方向に前記第1巻線の巻き始めから1.0ターン以上2.0ターン未満の範囲を挟んで巻回されている、
スイッチング電源装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置であって、
前記電力変換回路及び前記コモンモードチョークコイルが実装される多層回路基板を備え、
前記多層回路基板は、絶縁性基材と、第1基準電位配線パターンと、第2基準電位配線パターンと、直流正極電位配線パターンと、入力正極電位配線パターンと、を含み、
前記第1基準電位配線パターン、前記第2基準電位配線パターン、前記直流正極電位配線パターン、及び前記入力正極電位配線パターンは、それぞれ前記絶縁性基材に設けられており、
前記第1巻線は、
一方端が第1基準電位配線パターンを通して前記直流電源の低電位側に接続され、他方端が第2基準電位配線パターンを通して前記負荷の低電位側に接続され、
前記第2巻線は、
一方端が直流正極電位配線パターンを通して前記直流電源の高電位側に接続され、他方端が入力正極電位配線パターンを通して前記電力変換回路の入力側に接続され、
前記絶縁性基材の平面に直交する方向から平面視でみて、前記電力変換回路は、前記第2基準電位配線パターンと重なる部分を有し、
前記絶縁性基材の平面に直交する方向から平面視でみて、前記第1基準電位配線パターンと重なる領域に、前記第2基準電位配線パターンが設けられておらず、
前記絶縁性基材の平面に直交する方向から平面視でみて、前記直流正極電位配線パターンと重なる領域に、前記入力正極電位配線パターンが設けられていない、
スイッチング電源装置。
【請求項10】
請求項9に記載のスイッチング電源装置であって、
前記多層回路基板は、第1配線層と第2配線層とを有し、
前記絶縁性基材の平面に直交する方向から平面視でみて、前記第1配線層に設けられた第1基準電位配線パターンと前記第2配線層に設けられた第1基準電位配線パターンとが重なり、
前記絶縁性基材の平面に直交する方向から平面視でみて、前記第1配線層に設けられた第2基準電位配線パターンと前記第2配線層に設けられた第2基準電位配線パターンとが重なる、
スイッチング電源装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
車載バッテリーの直流電力(以下、「DC」とも称する)を電圧変換して、車載機器の負荷に電力を供給するスイッチング電源装置の需要が拡大している。近年、スイッチング周波数の高周波化や、車載機器で扱う信号の高速化に伴い、高周波帯域(例えば30~1000MHz)におけるコモンモードノイズ問題が顕在化している。例えば、電源線からのEMI(Electromagnetic Interference)放射の抑制が可能なプリント多層回路基板に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2017/006552号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、低周波帯域(例えば0.15MHz~30MHz)のコモンモードノイズ対策として、一般的にコモンモードチョークコイルが用いられる。このような構成において、コモンモードチョークコイルの浮遊容量を通して高周波ノイズが流出する場合がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ノイズ抑制効果を高めたスイッチング電源装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面のスイッチング電源装置は、直流電源から入力される電圧を電力変換して負荷に供給するスイッチング電源装置であって、入力コンデンサ、出力コンデンサ、スイッチング素子、及びインダクタを含む電力変換回路と、前記直流電源と前記電力変換回路との間に設けられ、第1巻線と第2巻線とが一方向に旋回して直線状に整列巻きされるコア材を備えるコモンモードチョークコイルと、を備え、前記電力変換回路及び前記コモンモードチョークコイルは、前記入力コンデンサと、前記コモンモードチョークコイルの相互インダクタンスと、を含む低周波帯域遮断フィルタ、及び、前記相互インダクタンスと、前記コモンモードチョークコイルの浮遊容量と、を含む高周波帯域遮断フィルタ、を備えた電気閉回路となるノイズ平衡化回路を構成し、前記ノイズ平衡化回路は、低周波帯域と、当該低周波帯域とは異なる高周波帯域と、のそれぞれの周波数帯域において、前記スイッチング素子のスイッチング動作に起因して生じるノイズを相殺する。
【0007】
この構成では、スイッチング素子のスイッチング動作によって発生した低周波ノイズは、低周波帯域遮断フィルタによって閉じ込められ、直流電源に伝導する低周波ノイズは抑制される。また、スイッチング素子のスイッチング動作によって発生した高周波ノイズは、高周波帯域遮断フィルタによって閉じ込められ、直流電源に伝導する高周波ノイズは抑制される。そして、連続的に発生するノイズの位相は一定ではないので、電気閉回路に閉じ込められることで、互いに相殺される。これにより、スイッチングノイズの直流電源および外部への放射を効果的に抑制し、直流電源へのノイズ伝搬によるコモンモードノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ノイズ抑制効果を高めたスイッチング電源装置を提供することができる。特に、スイッチング素子のスイッチング動作に起因して発生するノイズを熱エネルギーに変えて電力損失にするのではなく、ノイズ発生源においてノイズの発生を相殺してノイズを抑制することにより、電力変換回路の高効率化を図ることができる。また、コモンモードチョークコイルが効果的にノイズ抑制に作用する周波数帯域(0.15MHz~30MHz)と同時に、高周波帯域(100MHz~1000MHz)に対しても効果的にノイズ抑制を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、スイッチング電源装置の概略構成を示す図である。
図2は、電力変換回路の一例を示す概略構成図である。
図3は、電力変換回路の変形例を示す概略構成図である。
図4は、スイッチング電源装置の概略断面図である。
図5は、従来例のコモンモードチョークコイルを用いた構成におけるノイズの伝搬経路を示す図である。
図6は、実施形態に係るコモンモードチョークコイルの一例を示す斜視図である。
図7は、第3負方向に見たコモンモードチョークコイルの平面図である。
図8は、第2正方向に見たコモンモードチョークコイルの側面図である。
図9は、第3正方向に見たコモンモードチョークコイルの平面図である。
図10は、第2負方向に見たコモンモードチョークコイルの側面図である。
図11は、巻芯部の中心軸、第1巻線の1.0ターンの箇所、及び第2巻線の1.0ターンの箇所を含むコモンモードチョークコイルの一部断面図である。
図12は、実施形態に係るコモンモードチョークコイルを用いた等価回路構成を示す図である。
図13は、実施形態に係るコモンモードチョークコイルの周波数特性の一例を示す図である。
図14は、実施形態に係るコモンモードチョークコイルを用いたスイッチング電源装置の効果説明図である。
図15Aは、実施形態1に係るスイッチング電源装置の概略上面視図である。
図15Bは、実施形態1に係るスイッチング電源装置の概略上面透視図である。
図15Cは、実施形態1に係るスイッチング電源装置のA-A’線に沿う概略断面図である。
図16Aは、実施形態2に係るスイッチング電源装置の概略上面視図である。
図16Bは、実施形態2に係るスイッチング電源装置の概略上面透視図である。
図16Cは、実施形態2に係るスイッチング電源装置のA-A’線に沿う概略断面図である。
図17Aは、実施形態3に係るスイッチング電源装置の概略上面視図である。
図17Bは、実施形態3に係るスイッチング電源装置の概略上面透視図である。
図17Cは、実施形態3に係るスイッチング電源装置のA-A’線に沿う概略断面図である。
図18は、実施形態に係るスイッチング電源装置の効果説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施形態に係るスイッチング電源装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では、実施形態1と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
(【0011】以降は省略されています)

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