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公開番号2025041219
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-26
出願番号2023148383
出願日2023-09-13
発明の名称固形バイオマス燃料、固形バイオマス炭およびその製造法
出願人株式会社ユニオンコーヒーロースターズ
代理人個人
主分類C10L 5/44 20060101AFI20250318BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】
廃棄されるコーヒー豆外皮(シルバースキン)から得た固形バイオマス燃料さらに該バイオマス燃料を炭化させた固形バイオマス炭およびその製造法を提供する。
【解決手段】
固形バイオマス炭は、コーヒー生豆の焙煎時に剥離されたコーヒー豆外皮からなり、該コーヒー豆外皮は薄皮状から微粉状に粉砕されてからリグニンを0.1~3%を加え、加熱加圧によって押出成形した後に、さらに炭焼き窯内で無酸素状態で高温加熱されて炭化させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コーヒー生豆の焙煎時に剥離されたコーヒー豆外皮からなり、該コーヒー豆外皮は薄皮状から微粉状に粉砕されており、さらにリグニンを0.1~3%を加え、加熱加圧によって押出成形している固形バイオマス燃料。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
コーヒー生豆の焙煎時に剥離されたコーヒー豆外皮からなり、該コーヒー豆外皮は薄皮状から微粉状に粉砕されており、さらにリグニンを0.1~3%を加え、加熱加圧によって押出成形した後に、さらに炭焼き窯内で無酸素状態で高温加熱されて炭化している固形バイオマス炭。
【請求項3】
コーヒー生豆の焙煎時において、請求項2記載の固形バイオマス炭を炭焼き式の焙煎機の熱源に用いることでカーボンニュートラルを達成する際に、該固形バイオマス炭の燃焼時に煤煙が殆ど発生しない。
【請求項4】
コーヒー生豆の焙煎時に剥離されたコーヒー豆外皮を回収し、リグニンまたは他の結着促進材を溶解した水溶液を薄皮状のコーヒー豆外皮に散布することによってリグニンまたは他の結着促進材を0.1~3%添加し、該コーヒー豆外皮を薄皮状から微粉状に粉砕してから、さらに該コーヒー豆外皮を加熱加圧で押出成形することによってペレット状などに固形化する固形バイオマス燃料の製造法。
【請求項5】
コーヒー生豆の焙煎時に剥離されたコーヒー豆外皮を回収し、リグニンまたは他の結着促進材を溶解した水溶液を薄皮状のコーヒー豆外皮に散布することによってリグニンまたは他の結着促進材を0.1~3%添加し、該コーヒー豆外皮を薄皮状から微粉状に粉砕してから、さらに該コーヒー豆外皮を加熱加圧で押出成形することによってペレット状などに固形化した後に、炭焼き窯内で無酸素状態で約800℃まで高温加熱し、不要な有機物を一酸化炭素として排出することによって炭化させる固形バイオマス炭の製造法。
【請求項6】
リグニンまたは他の結着促進材を溶解した水溶液の散水率がコーヒー豆外皮に対して10~15%である請求項4または5の製造法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通常は廃棄されるコーヒー豆外皮から得た固形バイオマス燃料さらに該バイオマス燃料を炭化させた固形バイオマス炭およびその製造法に関し、この固形バイオマス炭を炭焼き式の焙煎機の熱源として燃焼させることでカーボンニュートラル実現の一助とする。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地球において自然環境を維持するために、環境破壊を阻止しうるカーボンニュートラルを達成することは非常に重要である。コーヒーは世界の各地において普段に大量に飲まれる常用飲料であるため、焙煎時に除去されるコーヒー豆を被う薄皮つまりシルバースキンである多量の外皮(チャフ)を有効利用できると実に有益である。このコーヒー豆外皮を原料としてバイオマス燃料やバイオマス炭を得ることができれば、これらを燃やして出る二酸化炭素は、コーヒーノキが生長過程に吸収した二酸化炭素と同量で温室効果ガスを増やすことにはならないというカーボンニュートラルを実現できる。
【0003】
コーヒーは全世界において常用飲料であることにより、コーヒー生豆の生産量は膨大である。コーヒー生豆はコーヒーノキから採取されるコーヒーチェリーの種子のことであり、パーチメントを脱穀して精製しただけの生の状態である。通常、生産地からはコーヒー生豆の状態で出荷され、消費地において焙煎されてコーヒー豆となる。薄皮状のコーヒー豆外皮つまりシルバースキンは、コーヒー生豆を工業的に大量に焙煎する時に、焙煎温度140~185℃でコーヒー生豆から剥離され、排気ガスとともに空中に浮遊する。
【0004】
薄皮状のコーヒー豆外皮は、例えば、コーヒー生豆を1日25トン前後焙煎すると約200kgにも達し、従来ではコーヒー豆外皮を再使用されることなく、そのまま廃棄されることが多い。薄皮状のコーヒー豆外皮は、日々の発生量が大量であるのでその廃棄処分の費用が相当にコスト高になり、このためにコーヒー豆外皮の廃棄コストを省き、可能ならばコーヒー豆外皮を有効再利用することが望ましい。
【0005】
一例として、特開2005-35401号では、コーヒー豆外皮の有効利用のために、該外皮を細断、粉砕しさらに抽出によってカフェイン組成物を製造し、該カフェイン組成物を化粧料や飲食品に適量添加すると、該カフェイン組成物が抗菌性や抗酸化性などの作用を発揮する。このカフェイン組成物は、通常化粧料に用いる油脂類、ロウ類、脂肪酸類、界面活性剤類、アルコール類、エステル類などとともに配合し、化粧品、飲食品、医薬品、抗酸化剤として用いる。これらの製品では、カフェイン組成物を所定量含有させる以外は通常の方法で製造できる。
【0006】
この種の提案をコーヒー豆外皮からコーヒーチェリーやコーヒー生豆の範囲まで拡大するならば、特許第3375566号は多孔質炭の製造法に関し、その原材料である天然有機材料には木、竹、果殻を含み、該天然有機材料を高圧で圧縮してその組織を緻密化した後に熱分解して炭化させる。また、特表2019-502013号はコーヒー抽出残渣(WCG)から固形バイオ燃料を製造する手段を示し、インスタントコーヒーを製造する際に排出される毎年数百万トンのコーヒー抽出残渣を有効利用する。水分を含むコーヒー抽出残渣には充填剤や結着剤などを加え、プレスによってペレットやブリケット状に成形し、バイオ燃料としてバイオマスボイラーシステムで燃焼させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-35401号公報
特許第3375566号公報
特表2019-502013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コーヒー生豆を工業的に大量に焙煎すると、現実には、薄皮状のコーヒー外皮がコーヒー生豆から剥離され、空中に浮遊するので排気ダクトで収拾してから回収して単に廃棄していた。薄皮状のコーヒー豆外皮は日々の発生量がかなり多量であるので、その廃棄処分の費用が相当に高くなってしまい、コーヒー生豆の処理に関する提案は多少あっても、薄皮状のコーヒー豆外皮に関する提案は殆ど無く、しかも実用的に有効なものは全く存在しない。
【0009】
特開2005-35401号は、バイオマス燃料に関する発明ではなく、コーヒー豆外皮を細断、粉砕しさらに抽出によってカフェイン組成物を製造し、該カフェイン組成物は化粧料や飲食品に適量加える添加剤である。このカフェイン組成物が抗菌性や抗酸化性などの作用を有するとしても、その作用がどの態様でどの程度機能するかは依然として不明であり、味覚や肌への影響などを考慮することを要するうえに、化粧料や飲食品への添加による副作用の有無も座視できない。
【0010】
一方、薄皮状のコーヒー豆外皮の再利用に関するものではないが、特許第3375566号ではコーヒーチェリーのような果殻を高圧で圧縮して炭化させる。薄皮状のコーヒー豆外皮は、硬質の繊維組織を有する果殻ではないので、乾燥したコーヒー外皮を単に高圧で圧縮してもその繊維組織が緻密化できず、この方法をコーヒー外皮に転用することはできない。また、特表2019-502013号ではコーヒー抽出残渣から固形バイオ燃料を製造する際に、水分を含むコーヒー抽出残渣に充填剤や結着剤などを加えてペレット状などに成形する。この固形燃料は、バイオマスボイラーシステムで燃焼させるので用途が限定されるうえに、コーヒー抽出残渣のように固形物体であるとプレスだけで成形できるけれども、コーヒー豆外皮は乾燥した薄皮体であるから、単にプレスだけでペレット状などに成形することはできない。
(【0011】以降は省略されています)

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