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公開番号
2025037669
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-18
出願番号
2023144739
出願日
2023-09-06
発明の名称
金属不純物の回収方法および回収装置
出願人
オルガノ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B01D
15/00 20060101AFI20250311BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】有機溶媒中の金属不純物を安定して良好に回収する。
【解決手段】有機溶媒中の金属不純物を回収する金属不純物の回収方法は、吸着体に試料液として有機溶媒を通液し、試料液中の金属不純物を吸着体に捕捉する工程と、試料液を通液した後の吸着体に水およびガスの少なくとも一方を置換流体として流し、吸着体内に残存する試料液を置換流体で置換する工程と、置換流体を流した後の吸着体に溶離液を通液し、吸着体に捕捉された金属不純物を溶離液に溶離させて回収する工程と、を含み、吸着体が、イオン交換基およびキレート基の少なくともいずれかを有する乾燥ゲル粉末と熱可塑性樹脂粉末とを含有する混合粉末の焼結体からなる多孔質成形体である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
有機溶媒中の金属不純物を回収する金属不純物の回収方法であって、
吸着体に試料液として前記有機溶媒を通液し、前記試料液中の前記金属不純物を前記吸着体に捕捉する工程と、
前記試料液を通液した後の前記吸着体に水およびガスの少なくとも一方を置換流体として流し、前記吸着体内に残存する前記試料液を前記置換流体で置換する工程と、
前記置換流体を流した後の前記吸着体に溶離液を通液し、前記吸着体に捕捉された前記金属不純物を前記溶離液に溶離させて回収する工程と、を含み、
前記吸着体が、イオン交換基およびキレート基の少なくともいずれかを有する乾燥ゲル粉末と熱可塑性樹脂粉末とを含有する混合粉末の焼結体からなる多孔質成形体である、金属不純物の回収方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記乾燥ゲル粉末が、強酸性カチオン交換樹脂を含み、
前記熱可塑性樹脂粉末が、超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1に記載の金属不純物の回収方法。
【請求項3】
前記試料液を通液する工程が、溶媒供給ラインを通じてユースポイントに供給される前記有機溶媒の一部を前記試料液として取り出して前記吸着体に通液することを含む、請求項1または2に記載の金属不純物の回収方法。
【請求項4】
前記試料液を通液する工程が、前記吸着体に通液された前記試料液を精製部材に引き続き通液して精製し、該精製した試料液を前記溶媒供給ラインに戻すことを含む、請求項3に記載の金属不純物の回収方法。
【請求項5】
有機溶媒中の金属不純物を回収する金属不純物の回収装置であって、
前記有機溶媒中の前記金属不純物を捕捉する吸着体と、
前記吸着体に試料液として前記有機溶媒を通液させる試料液通液手段と、
前記吸着体に水およびガスの少なくとも一方を置換流体として供給する置換流体供給手段と、
前記吸着体に溶離液を通液させる溶離液通液手段と、を有し、
前記吸着体が、イオン交換基およびキレート基の少なくともいずれかを有する乾燥ゲル粉末と熱可塑性樹脂粉末とを含有する混合粉末の焼結体からなる多孔質成形体である、金属不純物の回収装置。
【請求項6】
前記乾燥ゲル粉末が、強酸性カチオン交換樹脂を含み、
前記熱可塑性樹脂粉末が、超高分子量ポリエチレンを含む、請求項5に記載の金属不純物の回収装置。
【請求項7】
前記試料液通液手段が、前記有機溶媒をユースポイントに供給する溶媒供給ラインに接続され、前記溶媒供給ラインを流れる前記有機溶媒の一部を前記試料液として取り出して前記吸着体に通液するサンプリングラインを有する、請求項5または6に記載の金属不純物の回収装置。
【請求項8】
前記サンプリングラインのうち前記吸着体の下流側と前記溶媒供給ラインとを接続し、前記吸着体に通液された前記試料液を前記溶媒供給ラインに返送する返送ラインと、
前記返送ラインに設けられ、前記溶媒供給ラインに返送される前記試料液を精製する精製部材と、をさらに有する、請求項7に記載の金属不純物の回収装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属不純物の回収方法および回収装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体などの電子デバイスの製造プロセスでは、高度に精製された有機溶媒が用いられている。有機溶媒に含まれる金属不純物は、微量であってもデバイスの特性に大きな影響を与えることから、その濃度を厳しく管理することが求められている。そのために、有機溶媒中の微量の金属不純物を高精度に分析することが求められている。特に、有機溶媒中の金属不純物濃度が、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)などの分析装置の検出限界を下回るような低濃度であっても、高精度に分析することが求められている。
【0003】
そのような低濃度の金属不純物を分析する方法として、ボトルにサンプリングした試料液を加熱して濃縮し、試料液中の金属不純物濃度を高めた上で、濃縮した試料液中の金属不純物を分析する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。しかしながら、この方法では、加熱による濃縮倍率に限界があり、十分な感度を得るためには大量の試料液をサンプリングする必要がある。また、試料液の加熱濃縮は開放環境下で行われるため、コンタミネーションのリスクが高くなってしまう。これに対し、特許文献3には、試料液中の金属不純物を濃縮して採取する方法として、モノリス状有機多孔質イオン交換体などのイオン交換体に試料液を通液し、イオン交換体で金属不純物を捕捉して濃縮する方法が記載されている。この濃縮法は、濃縮効率が高く、濃縮工程でのコンタミネーションのリスクも低い点で、超純水製造の分野において好適に用いられており、これを有機溶媒にも適用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-141721号公報
特開2002-5799号公報
国際公開第2019/221186号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、イオン交換体、特にモノリス状有機多孔質イオン交換体を用いた濃縮法を有機溶媒に適用しても、以下の理由により、有機溶媒中の金属不純物を良好に回収することができず、分析精度が低下するおそれがある。すなわち、モノリス状有機多孔質イオン交換体は、水湿潤状態において有機溶媒を通液すると収縮(または膨潤)する一方、有機溶媒で湿潤された状態において水を通水すると膨潤(または収縮)することがある。このような性質により、有機溶媒中の金属不純物を回収するためにモノリス状有機多孔質イオン交換体を繰り返し使用すると、その回収工程の合間に超純水などによる洗浄が行われることで、膨潤と収縮が繰り返されることになる。その結果、モノリス状有機多孔質イオン交換体が劣化して捕捉性能が徐々に低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、有機溶媒中の金属不純物を安定して良好に回収することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の金属不純物の回収方法は、有機溶媒中の金属不純物を回収する金属不純物の回収方法であって、吸着体に試料液として有機溶媒を通液し、試料液中の金属不純物を吸着体に捕捉する工程と、試料液を通液した後の吸着体に水およびガスの少なくとも一方を置換流体として流し、吸着体内に残存する試料液を置換流体で置換する工程と、置換流体を流した後の吸着体に溶離液を通液し、吸着体に捕捉された金属不純物を溶離液に溶離させて回収する工程と、を含み、吸着体が、イオン交換基およびキレート基の少なくともいずれかを有する乾燥ゲル粉末と熱可塑性樹脂粉末とを含有する混合粉末の焼結体からなる多孔質成形体である。
【0008】
また、本発明の金属不純物の回収装置は、有機溶媒中の金属不純物を回収する金属不純物の回収装置であって、有機溶媒中の金属不純物を捕捉する吸着体と、吸着体に試料液として有機溶媒を通液させる試料液通液手段と、吸着体に水およびガスの少なくとも一方を置換流体として供給する置換流体供給手段と、吸着体に溶離液を通液させる溶離液通液手段と、を有し、吸着体が、イオン交換基およびキレート基の少なくともいずれかを有する乾燥ゲル粉末と熱可塑性樹脂粉末とを含有する混合粉末の焼結体からなる多孔質成形体である。
【0009】
このような金属不純物の回収方法および回収装置によれば、吸着体として、膨潤や収縮の影響が少ない多孔質成形体を用いることで、繰り返しの使用に対しても捕捉性能を良好に維持することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によれば、有機溶媒中の金属不純物を安定して良好に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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