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公開番号
2025035965
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2023184652
出願日
2023-10-27
発明の名称
ファブリペロー干渉フィルタ
出願人
浜松ホトニクス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
26/00 20060101AFI20250306BHJP(光学)
要約
【課題】第1電極と第2電極との間の初期距離が精度良く確保されたファブリペロー干渉フィルタを提供する。
【解決手段】ファブリペロー干渉フィルタ1は、第1反射膜50と、第2反射膜60と、第1反射膜50を支持している第1層10と、Z軸方向における一方の側において第1層10上に積層された第2層20と、を備える。第2層20は、第2基板21と、第2電極22と、を含む。第1層10は、光透過部材14と、支持部材15と、半導体層12と、を含む。半導体層12は、光透過部材14上に配置された電極部16と、支持部材15上に配置された支持部17と、電極部16と支持部17とを接続している弾性変形部18と、を含む。電極部16は、第1電極19である。半導体層12には、電極部16の表面16a及び弾性変形部18の表面18aが支持部17の表面17aよりもZ軸方向における他方の側に位置するように、凹部が形成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
第1反射膜と、
光透過領域において、空間を介して前記第1反射膜と向かい合っている第2反射膜と、
第1電極を含み、前記第1反射膜及び前記第2反射膜が互いに向かい合っている第1方向に移動可能な可動部において前記第1反射膜を支持している可動層と、
前記第1方向における一方の側において前記可動層上に積層された配線層と、を備え、
前記配線層は、
基板と、
前記基板に対して前記可動層側に配置されており、前記第1方向において空間を介して前記第1電極と向かい合っている第2電極と、を含み、
前記可動層は、
前記可動部を構成している光透過部材と、
前記第1方向から見た場合に前記光透過領域を包囲している支持部材と、
前記光透過部材及び前記支持部材に対して前記配線層側に配置された半導体層と、を含み、
前記半導体層は、
前記光透過部材上に配置されており、前記第1電極が設けられた又は前記第1電極である電極部と、
前記第1方向から見た場合に前記光透過領域を包囲しており、前記支持部材上に配置された支持部と、
前記電極部と前記支持部とを接続している弾性変形部と、を含み、
前記半導体層は、前記支持部における前記配線層側の接合面において前記基板と接合されており、
前記半導体層には、前記電極部における前記配線層側の表面及び前記弾性変形部における前記配線層側の表面が前記支持部の前記接合面よりも前記第1方向における他方の側に位置するように、前記配線層側に開口する凹部が形成されている、ファブリペロー干渉フィルタ。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記基板は、ガラス基板であり、
前記半導体層は、シリコン層である、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
【請求項3】
前記基板における前記可動層側の表面は、平坦面である、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
【請求項4】
前記第1電極と前記第2電極との間に電位差が発生していない状態において、前記第1電極と前記第2電極との間の距離は、前記凹部の深さよりも小さい、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
【請求項5】
前記第1方向における前記他方の側において前記可動層上に積層されており、前記第2反射膜を支持している固定層を更に備える、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
【請求項6】
前記凹部は、ドライエッチングによって形成された凹部である、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
【請求項7】
前記凹部の側面は、前記第1方向から見た場合に前記支持部材における内側の側面よりも外側に位置している、請求項1に記載のファブリペロー干渉フィルタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
第1基板と、第1基板上に積層された第2基板と、第2基板上に積層された第3基板と、第1基板における第2基板側の表面上に配置された第1反射膜と、空間を介して第1反射膜と向かい合うように第2基板における第1基板側の表面上に配置された第2反射膜と、第2基板における第3基板側の表面上に配置された第1電極と、空間を介して第1電極と向かい合うように第3基板における第2基板側の表面上に配置された第2電極と、を備えるファブリペロー干渉フィルタであって、第1基板、第2基板及び第3基板のそれぞれがガラス基板であり、第2基板において第2反射膜及び第1電極を支持している部分が、第1反射膜と第2反射膜との間の距離を変化させるための可動部として構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-224995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなファブリペロー干渉フィルタでは、第1電極及び第2電極が空間を介して互いに向かい合うように、第2基板側に開口する凹部が第3基板に形成されている。しかし、第3基板がガラス基板であるため、ファブリペロー干渉フィルタの製造時に第3基板に凹部を精度良く形成することが困難であり、その結果、製造されたファブリペロー干渉フィルタでは、第1電極と第2電極との間の初期距離(第1電極と第2電極との間に電位差が発生していない状態での第1電極と第2電極との間の距離)が所望の値からずれるおそれがある。なお、第2基板もガラス基板であるため、ファブリペロー干渉フィルタの製造時に第2基板に凹部を精度良く形成することも困難である。
【0005】
本発明は、第1電極と第2電極との間の初期距離が精度良く確保されたファブリペロー干渉フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファブリペロー干渉フィルタは、[1]「第1反射膜と、光透過領域において、空間を介して前記第1反射膜と向かい合っている第2反射膜と、第1電極を含み、前記第1反射膜及び前記第2反射膜が互いに向かい合っている第1方向に移動可能な可動部において前記第1反射膜を支持している可動層と、前記第1方向における一方の側において前記可動層上に積層された配線層と、を備え、前記配線層は、基板と、前記基板に対して前記可動層側に配置されており、前記第1方向において空間を介して前記第1電極と向かい合っている第2電極と、を含み、前記可動層は、前記可動部を構成している光透過部材と、前記第1方向から見た場合に前記光透過領域を包囲している支持部材と、前記光透過部材及び前記支持部材に対して前記配線層側に配置された半導体層と、を含み、前記半導体層は、前記光透過部材上に配置されており、前記第1電極が設けられた又は前記第1電極である電極部と、前記第1方向から見た場合に前記光透過領域を包囲しており、前記支持部材上に配置された支持部と、前記電極部と前記支持部とを接続している弾性変形部と、を含み、前記半導体層は、前記支持部における前記配線層側の接合面において前記基板と接合されており、前記半導体層には、前記電極部における前記配線層側の表面及び前記弾性変形部における前記配線層側の表面が前記支持部の前記接合面よりも前記第1方向における他方の側に位置するように、前記配線層側に開口する凹部が形成されている、ファブリペロー干渉フィルタ」である。
【0007】
上記[1]記載のファブリペロー干渉フィルタでは、可動層において、光透過部材及び支持部材に対して配線層側に半導体層が配置されており、電極部、支持部及び弾性変形部を含む半導体層が、支持部における配線層側の接合面において配線層の基板と接合されており、電極部における配線層側の表面及び弾性変形部における配線層側の表面が支持部の接合面よりも第1方向における他方の側に位置するように、配線層側に開口する凹部が半導体層に形成されている。ここで、例えばガラス基板に比べると、半導体層には凹部を精度良く形成することが可能である。そのため、配線層の基板の材料に依らず、第1電極と第2電極との間の初期距離が所望の値からずれるのを抑制することができる。よって、上記[1]記載のファブリペロー干渉フィルタは、第1電極と第2電極との間の初期距離が精度良く確保されたものとなる。
【0008】
本発明のファブリペロー干渉フィルタは、[2]「前記基板は、ガラス基板であり、前記半導体層は、シリコン層である、上記[1]に記載のファブリペロー干渉フィルタ」であってもよい。当該[2]記載のファブリペロー干渉フィルタによれば、ガラス基板に比べて加工性に優れたシリコン基板に凹部を形成すればよいため、第1電極と第2電極との間の初期距離が所望の値からずれるのをより確実に抑制することができる。
【0009】
本発明のファブリペロー干渉フィルタは、[3]「前記基板における前記可動層側の表面は、平坦面である、上記[1]又は[2]に記載のファブリペロー干渉フィルタ」であってもよい。当該[3]記載のファブリペロー干渉フィルタによれば、配線層の基板の材料に依らず、半導体層に凹部を形成するだけで、第1電極と第2電極との間の初期距離が所望の値からずれるのを抑制することができる。
【0010】
本発明のファブリペロー干渉フィルタは、[4]「前記第1電極と前記第2電極との間に電位差が発生していない状態において、前記第1電極と前記第2電極との間の距離は、前記凹部の深さよりも小さい、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のファブリペロー干渉フィルタ」であってもよい。当該[4]記載のファブリペロー干渉フィルタによれば、可動部の可動範囲が制限されることになるため、弾性変形部が損傷するのを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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