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公開番号2025036115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024105554
出願日2024-06-28
発明の名称プラスチックレンズ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 3/00 20060101AFI20250306BHJP(光学)
要約【課題】本発明の目的は、生産性に優れ、耐久性がより向上したプラスチックレンズを提供することにある。
【解決手段】レンズ本体と、レンズ本体の少なくとも一方面の光学有効面を覆うアンダーコート層と、アンダーコート層をレンズ本体とは反対側から覆う反射防止層と、を備えたプラスチックレンズであって、レンズ本体は耐熱アクリル系樹脂を含み、アンダーコート層はケイ素酸化物SiOx(1<x<2)からなり、アンダーコート層の波長500nmにおける屈折率は1.60以上1.70以下であり、アンダーコート層の厚みは300nm超1000nm未満であることを特徴とするプラスチックレンズ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
レンズ本体と、前記レンズ本体の少なくとも一方面の光学有効面を覆うアンダーコート層と、前記アンダーコート層を前記レンズ本体とは反対側から覆う反射防止層と、を備えたプラスチックレンズであって、
前記レンズ本体は耐熱アクリル系樹脂を含み、
前記アンダーコート層はケイ素酸化物SiO

(1<x<2)からなり、
前記アンダーコート層の波長500nmにおける屈折率は1.60以上1.70以下であり、
前記アンダーコート層の厚みは300nm超1000nm未満である
ことを特徴とするプラスチックレンズ。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記アンダーコート層の厚みは300nm超800nm以下である、請求項1に記載のプラスチックレンズ。
【請求項3】
前記反射防止層は、高屈折率材料からなる高屈折率膜と低屈折率材料からなる低屈折率膜とが交互に積層したものであり、
前記高屈折率材料は、酸化チタン及び酸化ジルコニウムのいずれか1種類以上であり、
前記低屈折率材料は、前記アンダーコート層よりも波長500nmにおける屈折率が低いケイ素酸化物である、請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ。
【請求項4】
前記耐熱アクリル系樹脂はガラス転移温度が116℃以上である、請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ。
【請求項5】
前記耐熱アクリル系樹脂は構造中に環構造を有する構造単位を含み、
前記環構造を有する構造単位が、環状イミド構造単位、芳香族ビニル構造単位、脂環式ビニル構造単位、及びラクトン環構造単位からなる群から選択される1種類以上を含み、
前記耐熱アクリル系樹脂における前記環構造を有する構造単位の割合が15質量%以上である、請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるアクリル系樹脂は、その高い透明性、低複屈折性、光安定性などの観点から、光学材料などとして使用されている。例えば、特許文献1には、PMMA基材の表面に反射防止膜が成膜されたプラスチックレンズが開示されている。
また、近年、高温高湿等の過酷環境下で使用され、従来よりも強い耐久品質が求められる監視カメラや車載カメラ等の部材へのアクリル系樹脂の適用のニーズから、耐熱性に優れるアクリル系樹脂が開発されつつある。例えば、特許文献2には、耐熱性に優れるアクリル系樹脂を基材として用いたプラスチックレンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-273601号公報
国際公開第2023/074597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂基材への成膜方法について、蒸着等の乾式成膜法と比較して、湿式成膜法では成膜面の形状精度が大きく劣ることが一般的に知られている。本発明者等による検討の結果、特許文献2に記載のプラスチックレンズでは、アクリル系樹脂からなる基材と反射防止層との間に湿式成膜法によってハードコート層が形成されているため、高度な面形状の制御が求められる用途には対応できないことが明らかとなった。加えて、レンズ基材の成形工程と反射防止層の成膜工程との間にハードコートの塗布・乾燥・硬化工程が必要となるため、生産性に劣るという問題点もある。
一方、特許文献1に記載のプラスチックレンズは、乾式成膜法である真空蒸着法によって基材表面に反射防止膜が成膜されているが、基材のPMMAの耐熱性が低いため、車載カメラ等で求められる耐久品質には十分に対応することができないという問題点がある。近年は、このようなより強い耐久品質が車載用途以外でも幅広く求められつつあり、基材と反射防止膜の両方で耐久性を高める必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、生産性に優れ、耐久性がより向上したプラスチックレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
レンズ本体と、前記レンズ本体の少なくとも一方面の光学有効面を覆うアンダーコート層と、前記アンダーコート層を前記レンズ本体とは反対側から覆う反射防止層と、を備えたプラスチックレンズであって、
前記レンズ本体は耐熱アクリル系樹脂を含み、
前記アンダーコート層はケイ素酸化物SiO

(1<x<2)からなり、
前記アンダーコート層の波長500nmにおける屈折率は1.60以上1.70以下であり、
前記アンダーコート層の厚みは300nm超1000nm未満である
ことを特徴とするプラスチックレンズ。
[2]
前記アンダーコート層の厚みは300nm超800nm以下である、[1]に記載のプラスチックレンズ。
[3]
前記反射防止層は、高屈折率材料からなる高屈折率膜と低屈折率材料からなる低屈折率膜とが交互に積層したものであり、
前記高屈折率材料は、酸化チタン及び酸化ジルコニウムのいずれか1種類以上であり、
前記低屈折率材料は、前記アンダーコート層よりも波長500nmにおける屈折率が低いケイ素酸化物である、[1]又は[2]に記載のプラスチックレンズ。
[4]
前記耐熱アクリル系樹脂はガラス転移温度が116℃以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
[5]
前記耐熱アクリル系樹脂は構造中に環構造を有する構造単位を含み、
前記環構造を有する構造単位が、環状イミド構造単位、芳香族ビニル構造単位、脂環式ビニル構造単位、及びラクトン環構造単位からなる群から選択される1種類以上を含み、
前記耐熱アクリル系樹脂における前記環構造を有する構造単位の割合が15質量%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生産性に優れ、耐久性がより向上したプラスチックレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態のプラスチックレンズの一例(平凸レンズ)について、光軸Zに平行で光軸Zを含む断面を示す概略図である。
図2(a)は、抵抗加熱型の蒸着源を有する代表的な蒸着装置の模式構成図(正面図)であり、図2(b)は電子ビーム加熱型の蒸着源を有する代表的な蒸着装置の模式構成図(正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
なお、以下において、本実施形態のプラスチックレンズに含まれる耐熱アクリル系樹脂をなす重合体を構成する構成単位のことを「~単量体単位」、及び/又は複数の該「~単量体単位」を含む「~構造単位」という。
また、かかる「~単量体単位」の構成材料のことを、「単位」を省略して、単に「~単量体」と記載する場合もある。
【0010】
<プラスチックレンズ>
本実施形態のプラスチックレンズは、両凸レンズ、平凸レンズ、メニスカスレンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、平面レンズ、シリンドリカルレンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ、レンズアレイ、マイクロレンズアレイ、プリズムレンズ等のいずれであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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