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公開番号
2025035463
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023142516
出願日
2023-09-01
発明の名称
バルーンカテーテルシステム
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
A61M
25/098 20060101AFI20250306BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】X線撮像装置でのX線透視下においてバルーンのどの部分を視認しているかを判別することができるバルーンカテーテルシステムを提供する。
【解決手段】外側樹脂チューブ11と、内側樹脂チューブ12と、バルーン31と、X線不透過マーカー40である第1マーカー41、第2マーカー42、および第3マーカー43と、を有するバルーンカテーテル1と、X線撮像装置50と、を備えたバルーンカテーテルシステムであって、長手方向x1において第3マーカー43は、第1マーカー41と第2マーカー42との間に位置しており、X線撮像装置50は、X線撮像装置50の撮像視野に第1マーカー41が含まれる第1視野と、X線撮像装置50の撮像視野に第2マーカー42が含まれる第2視野と、を有し、第1視野は撮像視野にさらに第3マーカー43を含み得るものであり、第2視野は撮像視野に第1マーカー41および第3マーカー43が含まれない。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
長手方向を有している外側樹脂チューブと、
前記外側樹脂チューブの内腔に配置されている内側樹脂チューブと、
前記外側樹脂チューブの遠位部に配置されており拡張および収縮が可能であるバルーンと、
前記バルーンの内方であって前記内側樹脂チューブの外側に配置されているX線不透過マーカーである第1マーカー、第2マーカー、および第3マーカーと、を有するバルーンカテーテルと、
X線を照射して透過したX線を撮像することができるX線撮像装置と、を備えたバルーンカテーテルシステムであって、
前記長手方向において前記第3マーカーは、前記第1マーカーと前記第2マーカーとの間に位置しており、
前記X線撮像装置は、前記X線撮像装置の撮像視野に前記第1マーカーが含まれる第1視野と、前記X線撮像装置の撮像視野に前記第2マーカーが含まれる第2視野と、を有し、
前記第1視野は、前記X線撮像装置の撮像視野にさらに前記第3マーカーを含み得るものであり、
前記第2視野は、前記X線撮像装置の撮像視野に前記第1マーカーおよび前記第3マーカーが含まれないバルーンカテーテルシステム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記第2視野は、前記X線撮像装置の撮像視野に他の前記X線不透過マーカーが含まれない請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項3】
前記第1マーカーは、前記第3マーカーよりも遠位側に位置しており、
前記第2マーカーは、前記第3マーカーよりも近位側に位置している請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項4】
前記バルーンは、直管部と、前記直管部よりも近位側に位置する近位側テーパー部と、前記直管部よりも遠位側に位置する遠位側テーパー部とを有し、
前記直管部は、前記長手方向における前記直管部の長さを3等分した領域であって、最も遠位側に位置している遠位領域と、最も近位側に位置している近位領域と、前記遠位領域よりも近位側かつ前記近位領域よりも遠位側に位置している中央領域と、を有しており、
前記第1マーカーは、前記遠位領域に配置され、
前記第2マーカーは、前記近位領域に配置され、
前記第3マーカーは、前記中央領域に配置されている請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項5】
前記第1マーカーは、前記直管部の遠位端が位置している場所に配置されており、
前記第2マーカーは、前記直管部の近位端が位置している場所に配置されている請求項4に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項6】
前記第3マーカーは、前記長手方向における前記バルーンの長さの中点よりも遠位側に位置している請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項7】
前記長手方向における前記バルーンの長さの中点と前記第3マーカーとの距離は、前記長手方向における前記第1マーカーと前記第3マーカーとの距離よりも小さい請求項6に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項8】
前記バルーンに対する前記第1マーカー、前記第2マーカー、および前記第3マーカーのそれぞれの位置は、前記バルーンが拡張している拡張状態と前記バルーンが収縮している収縮状態とで異なっている請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項9】
前記バルーンに対する前記第1マーカー、前記第2マーカー、および前記第3マーカーのそれぞれの位置は、前記バルーンが拡張している拡張状態と前記バルーンが収縮している収縮状態とで同じである請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
【請求項10】
複数の前記X線不透過マーカーは、前記長手方向において前記第1マーカーと前記第2マーカーとの間に位置している第4マーカーをさらに含んでおり、
前記長手方向における前記第3マーカーと前記第4マーカーとの距離は、前記長手方向における前記第1マーカーと前記第3マーカーとの距離よりも小さい請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテルとX線撮像装置とを備えたバルーンカテーテルシステムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
血管や臓器の病変に対し開腹手術を伴わずに行う低侵襲な治療法として、カテーテルを四肢や鼠径部等の血管、胆管等の消化管といった生体内管腔から挿入して病変部まで送達し、狭窄病変の治療や血管内に造影剤や薬剤を投与する処置や検査を行うカテーテル治療が広く行われている。
【0003】
体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。このような血管の狭窄部を治療する方法の一つとして、バルーンカテーテルやステントを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)がある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法である。また、血管形成術は、透析のためのシャント部に発生した狭窄の治療等にも用いられる。
【0004】
また、胆石や腫瘍等によって胆管が閉塞することや、胆管内で胆汁の流れが阻害されることにより、胆汁が胆管内に停滞し、細菌感染を引き起こす場合がある。胆汁の細菌感染は胆管炎を招き、さらに細菌を含んだ胆汁が肝臓を通って全身の血液中に流入すると敗血症を引き起こすおそれがある。このような場合、胆管内から胆汁を排出する処置が必要となり、胆管内にカテーテルを挿入し、経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)や内視鏡的胆管ドレナージ(ERBD)等が行われる。
【0005】
特許文献1には、近位側から伝えられる押込力を遠位側まで伝達できるバルーンカテーテルについて記載されている。該バルーンカテーテルは、バルーンと、前記バルーンを拡張するための流体を供給する拡張ルーメンを構成する筒状のアウターシャフトと、前記拡張ルーメンと連通する制御孔を有する開口制御部と、前記開口制御部の前記制御孔と当接可能な押圧部を有するコアワイヤと、ガイドワイヤを挿通させるためのガイドワイヤルーメンを内部に有するインナーシャフトと、前記インナーシャフトの遠位端に形成された先端側ガイドワイヤポートと、前記インナーシャフトの近位端に形成された後端側ガイドワイヤポートと、を備え、前記後端側ガイドワイヤポートは、前記アウターシャフトの前記開口制御部に形成されていることが開示されている。
【0006】
特許文献2には、使用中に位置の特定または識別を行うことができるバルーンカテーテルについて記載されている。該バルーンカテーテルは、シャフトと、前記シャフトに取り付けられるとともに内部を有する膨張可能なバルーンと、前記バルーンの前記内部において前記カテーテルの長手方向軸線に沿って間隔が隔てられた少なくとも3つのX線不透過性マーキングとを備え、第1のX線不透過性マーキングを隣接する第2のX線不透過性マーキングから離間させる第1の距離は、前記第2のX線不透過性マーキングを隣接する第3のX線不透過性マーキングから離間させる第2の距離とは異なっていることが開示されている。
【0007】
特許文献3には、プッシャビリティに優れ、キンクを防止することができるバルーンカテーテルについて記載されている。該バルーンカテーテルは、アウターシャフトと、前記アウターシャフトの先端に接続されたバルーンと、前記アウターシャフトの後端に接続されたハブと、ガイドワイヤルーメンを形成する樹脂チューブであって、前記アウターシャフトの側面においてその後端がガイドワイヤポートとして開口し、前記バルーンの先端部にその先端部が固定されて、その先端が開口するインナーチューブと、ストレート部と縮径部とを有するコアワイヤとを備えてなり、前記コアワイヤは、前記アウターシャフトの内周面に固着されているとともに、前記コアワイヤのストレート部が前記アウターシャフトの内周面と前記インナーチューブの外周面との間に圧入されており、前記コアワイヤのストレート部が圧入されている部分における前記アウターシャフトの横断面が楕円形状に変形していることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2015-013207号公報
特表2015-527123号公報
特開2016-083279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~3に記載されているような従来のカテーテルは、バルーンが配置されている部分にX線不透過のマーカーが設けられていることにより、X線撮像装置を用いたX線透視下において生体内管腔でのバルーンの位置を確認することが可能である。生体内管腔においてバルーンの位置が確認できることにより、バルーンの位置やバルーンが配置されている生体内管腔の状態を確認しながら狭窄部の拡張等の処置を確実に行うことができ、また、手技時間の短縮を図ることもできる。しかし、カテーテルの長手方向におけるバルーンの大きさがX線撮像装置の撮像視野の大きさよりも大きい場合、X線透視下によってバルーンのどの部分を確認しているかをすぐに判別することが困難であり、手技時間の短縮や手技の手間を軽減するという観点から改善の余地があった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、X線撮像装置でのX線透視下においてバルーンのどの部分を視認しているかを判別することができるバルーンカテーテルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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