TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025034371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140702
出願日2023-08-31
発明の名称予兆検知装置、予兆検知方法、及び、予兆検知プログラム
出願人三菱重工業株式会社,学校法人東京理科大学
代理人SSIP弁理士法人
主分類G01H 17/00 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約【課題】様々な特性を有する燃焼振動の予兆を好適に検知する。
【解決手段】本願は、ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知装置に関する。本装置は、第1指標及び第2指標に基づいて予兆を検知する。第1指標は、燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す指標として算出される。第2指標は、燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す指標として算出される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知装置であって、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第1指標を算出するための第1指標算出部と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出するための第2指標算出部と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知するための予兆検知部と、
を備える、予兆検知装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記予兆検知部は、前記第1指標又は前記第2指標の過去データに分類モデルを適用することにより前記予兆に対応する分類を特定し、前記第1指標又は前記第2指標が前記分類に属するか否かに基づいて、前記予兆を検知する、請求項1に記載の予兆検知装置。
【請求項3】
前記第1指標算出部は、前記複数の多次元ベクトルに対応するリカレンスプロットに含まれる斜線構造を構成する回帰点の全回帰点に対する比率を示すパラメータとして、前記回帰性を示す前記第1指標を算出する、請求項1又は2に記載の予兆検知装置。
【請求項4】
前記第1指標算出部は、前記複数の多次元ベクトルに対応するリカレンスプロットに含まれる垂直構造又は水平構造を構成する回帰点の全回帰点に対する比率を示すパラメータとして、前記間欠性を示す前記第1指標を算出する、請求項1又は2に記載の予兆検知装置。
【請求項5】
前記第2指標算出部は、前記複数の時系列データから求められる秩序変数、前記複数の時系列データから求められるジョイントリカレンスプロットに含まれる斜線構造を形成する回帰点の全回帰点に対する比率を示すパラメータ、又は、前記複数の時系列データから求められるクロスリカレンスプロットに含まれる斜線構造を形成する回帰点の全回帰点に対する比率を示すパラメータの少なくとも1つとして、前記第2指標を算出する、請求項1又は2に記載の予兆検知装置。
【請求項6】
前記第2センサ及び前記第3センサは、前記燃焼器の中心軸に対して周方向に沿って配置される、請求項1又は2に記載の予兆検知装置。
【請求項7】
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知方法であって、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第1指標を算出する工程と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出する工程と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知する工程と、
を備える、予兆検知方法。
【請求項8】
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知プログラムであって、
コンピュータ装置に、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第2指標を算出する工程と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出する工程と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知する工程と、
を実行可能な、予兆検知プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、予兆検知装置、予兆検知方法、及び、予兆検知プログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼して生成される燃焼ガスによって駆動されるガスタービンでは、燃焼器において、突変傾向のある不安定な振動(突変振動)が生じることがある。このような突変振動は、振動増大が生じてから短時間でリミットサイクルに到達する。突変振動がリミットサイクルに到達すると、トリップに至ったり、機器に大きな負担がかける要因となり得る。
【0003】
従って、このような突変振動は早い段階で回避されることが望ましい。しかしながら、突変振動において、リミットサイクルに達するまでの振動増大は短時間に行われるため、実際に振動増大を検知した後の制御では突変振動を回避できないおそれがある。そのため、突変振動の回避のためには、突変振動の発生時より十分に先立ってその予兆を検知することが必要である。例えば特許文献1には、ガスタービンが備える複数の燃焼器にそれぞれ設けられたセンサから取得された物理量間の相関を示すパラメータに基づいて、複数の燃焼器に連成して発生する燃焼振動の予兆を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-162397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、複数の燃焼器に連成して発生する数100Hzの周波数帯を有する燃焼振動の予兆を検知対象としており、単一の燃焼器のみで発生する他の周波数帯における燃焼振動の予兆を検知することができない。近年、ガスタービンでは、水素ガスのような燃焼速度が大きな燃料の使用が検討されている。水素ガスは、従来、燃料として用いられていた天然ガス等に比べて燃焼速度が大きいため、燃焼器で形成される火炎の長さが短くなり、より高い周波数帯の燃焼振動が生じやすくなる。
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、様々な特性を有する燃焼振動の予兆を好適に検知可能な予兆検知装置、予兆検知方法、及び、予兆検知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る予兆検知装置は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知装置であって、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第1指標を算出するための第1指標算出部と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出するための第2指標算出部と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知するための予兆検知部と、
を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る予兆検知方法は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知方法であって、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第1指標を算出する工程と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出する工程と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知する工程と、
を備える。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係る予兆検知プログラムは、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に生じる振動の予兆を検知するための予兆検知プログラムであって、
コンピュータ装置に、
前記燃焼器に設置された第1センサから取得される時系列データに含まれる複数のデータをベクトル成分とする複数の多次元ベクトル間の回帰性、又は、前記複数の多次元ベクトル間の間欠性の少なくとも一方を示す第1指標を算出する工程と、
前記燃焼器の互いに異なる位置にそれぞれ設置された第2センサ及び第3センサから取得される複数の時系列データ間の同期性を示す第2指標を算出する工程と、
前記第1指標及び前記第2指標に基づいて、前記予兆を検知する工程と、
を実行可能である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、様々な特性を有する燃焼振動の予兆を好適に検知可能な予兆検知装置、予兆検知方法、及び、予兆検知プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

三菱重工業株式会社
炉設備
2日前
三菱重工業株式会社
炭化炉
3日前
三菱重工業株式会社
検査装置
3日前
三菱重工業株式会社
気体軸受
4日前
三菱重工業株式会社
摺動システム
3日前
三菱重工業株式会社
部材の延命方法
2日前
三菱重工業株式会社
シール塗布方法
9日前
三菱重工業株式会社
ひずみ計測方法
9日前
三菱重工業株式会社
回転機械の組立体
3日前
三菱重工業株式会社
被修理部の修理方法
4日前
三菱重工業株式会社
エアロゾル捕集装置
3日前
三菱重工業株式会社
バッテリ交換システム
13日前
三菱重工業株式会社
試験装置及び試験方法
3日前
三菱重工業株式会社
バッテリ交換システム
13日前
三菱重工業株式会社
加工器具及び加工方法
3日前
三菱重工業株式会社
船舶、船舶の運航方法
2日前
三菱重工業株式会社
原子炉格納容器の冷却装置
3日前
三菱重工業株式会社
原子炉格納容器の冷却装置
9日前
三菱重工業株式会社
シンブル集合体および原子炉
10日前
三菱重工業株式会社
検査装置、及び検査システム
9日前
三菱重工業株式会社
誘導システムおよび誘導方法
9日前
三菱重工業株式会社
液浸冷却装置及びその制御方法
16日前
三菱重工業株式会社
熱移送デバイス、及び回路基板
3日前
三菱重工業株式会社
熱交換器用プレート、及び熱交換器
9日前
三菱重工業株式会社
変換器、変換ユニット、及び収納盤
9日前
三菱重工業株式会社
補修装置、補修システム及び補修方法
9日前
三菱重工業株式会社
制御装置、制御方法およびプログラム
9日前
三菱重工業株式会社
制御装置、制御方法およびプログラム
10日前
三菱重工業株式会社
ポータブルサーバシステム、及び移動体
13日前
三菱重工業株式会社
バーナガンおよびバーナガンの連結方法
9日前
三菱重工業株式会社
水素吸蔵材料、水素放出・貯蔵システム
3日前
三菱重工業株式会社
冷却構造体、及び、冷却構造体の製造方法
3日前
三菱重工業株式会社
三次元造形方法、および、三次元造形装置
3日前
三菱重工業株式会社
押し付け装置、処理装置、及び処理システム
9日前
三菱重工業株式会社
侵食評価方法、侵食評価装置及びプログラム
4日前
三菱重工業株式会社
設計支援装置、設計支援方法、及びプログラム
10日前
続きを見る