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公開番号2025033442
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139162
出願日2023-08-29
発明の名称ロータ及びステータ
出願人トヨタ紡織株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 1/22 20060101AFI20250306BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】鉄心片またはブロックのトルク変動を打ち消し合うことが可能であるとともに、容易に製造することができるロータ及びステータを提供する。
【解決手段】インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型のモータに適用され、複数枚のロータ側鉄心片13を回転積層して形成されるロータコア11を有するロータ10である。ロータコア11は、周方向において間隔をあけて複数設けられた磁石収容孔14を有している。磁石収容孔14には、磁石15が収容されている。ロータコア11のうち磁石収容孔14と当該磁石収容孔14の外周側に位置するロータコア11の外周面11aとの間の部分により、対象領域30が形成されている。複数の第1対象領域31には、第2対象領域41とは配置の異なる第1切欠33が設けられている。第1対象領域31と第2対象領域41とが、軸線方向において重なっている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型のモータに適用され、複数枚の鉄心片または前記鉄心片を複数枚積層して形成される複数のブロックを回転積層して形成されるロータコアを有するロータであって、
前記ロータコアは、前記ロータの周方向において間隔をあけて複数設けられた磁石収容孔を有しており、
前記磁石収容孔には、磁石が収容されており、
前記ロータコアのうち前記磁石収容孔と当該磁石収容孔の外周側に位置する前記ロータコアの外周面との間の部分を対象領域とするとき、
複数の前記対象領域の少なくとも1つには、他の前記対象領域とは形状または配置の異なる異形部が設けられており、
前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有する前記対象領域と、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有していない前記対象領域とが、前記ロータの軸線方向において重なっている、
ロータ。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記異形部は、前記鉄心片または前記ブロックを厚み方向に貫通しており、
前記異形部を有していない前記鉄心片または前記ブロックの前記対象領域は、前記軸線方向において前記異形部と重なる部分に平板状の一般部を有している、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記異形部は、前記鉄心片または前記ブロックの外周面に形成された切欠である、
請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記異形部は、前記鉄心片または前記ブロックに形成された貫通孔である、
請求項2に記載のロータ。
【請求項5】
前記ロータの周方向において互いに隣り合う一対の前記磁石収容孔は、前記ロータの径方向に延びる仮想直線を線対称の軸とするように設けられており、
一対の前記異形部が、前記仮想直線を線対称の軸とするように設けられている、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型のモータに適用され、複数枚の鉄心片または前記鉄心片を複数枚積層して形成される複数のブロックを回転積層して形成されるステータコアを有するステータであって、
前記ステータコアは、環状のヨークと、前記ヨークから前記ヨークの径方向に突出した複数のティースと、を有しており、
前記ティースには、コイルが巻回されており、
複数の前記ティースの少なくとも1つには、他の前記ティースとは形状または配置の異なる異形部が設けられており、
前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有する前記ティースと、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有していない前記ティースとが、前記ステータの軸線方向において重なっている、
ステータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ及びステータに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アウターロータ型のモータを構成するステータコアが記載されている。特許文献1に記載のステータコアは、複数枚のステータ鋼板を積層して構成される積層体であるとともに、筒状のロータの内部に配置されている。ステータ鋼板は、リング状のコアバックと、コアバックの径方向の外側に向かってコアバックから突出する複数のティースとを有している。また、ステータ鋼板は、各ティースの先端の中央部分に1つの凹部が設けられた第1ステータ鋼板と、各ティースの先端の中央部分に2つの凹部が設けられた第2ステータ鋼板とを有している。ステータコアを構成する第1ステータ鋼板及び第2ステータ鋼板には、ロータとの磁気相互作用によるトルク変動が生じる。第1ステータ鋼板及び第2ステータ鋼板による上記トルク変動が互いに打ち消し合うように、第1ステータ鋼板及び第2ステータ鋼板の凹部の形状及び配置が設定されている。これにより、ステータコアのトルク変動が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-171802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のステータコアを含む従来のモータコアの積層体を構成する鋼板(以下、鉄心片という)は、プレス装置によって形成される。特許文献1に記載のステータコアのように、凹部の形状や配置が異なる複数種類の鉄心片を形成する場合には、鉄心片の種類毎に当該鉄心片をプレス加工するパンチを準備する必要がある。このため、モータコアの製造工程が煩雑になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのロータは、インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型のモータに適用され、複数枚の鉄心片または前記鉄心片を複数枚積層して形成される複数のブロックを回転積層して形成されるロータコアを有するロータであって、前記ロータコアは、前記ロータの周方向において間隔をあけて複数設けられた磁石収容孔を有しており、前記磁石収容孔には、磁石が収容されており、前記ロータコアのうち前記磁石収容孔と当該磁石収容孔の外周側に位置する前記ロータコアの外周面との間の部分を対象領域とするとき、複数の前記対象領域の少なくとも1つには、他の前記対象領域とは形状または配置の異なる異形部が設けられており、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有する前記対象領域と、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有していない前記対象領域とが、前記ロータの軸線方向において重なっている。
【0006】
同構成によれば、複数の対象領域におけるステータとロータとの磁気相互作用によるトルク変動は、異形部の有無によって異なる。このため、異形部を有する対象領域と異形部を有していない対象領域とでは、互いに異なるトルク変動が生じるようになる。上記構成によれば、鉄心片またはブロックのうち異形部を有する対象領域と、鉄心片またはブロックのうち異形部を有していない対象領域とが、ロータの軸線方向において重なっている。このため、同一の形状を有する複数枚の鉄心片または複数のブロックを回転積層することで、互いに異なるトルク変動特性を有する鉄心片またはブロックが積層される。これにより、積層される鉄心片同士またはブロック同士によって、鉄心片またはブロックのトルク変動を打ち消し合うことが可能となる。したがって、形状や配置が互いに異なる複数種類の鉄心片を積層する場合と比べて、ロータを容易に製造することができる。
【0007】
また、上記課題を解決するためのステータは、インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型のモータに適用され、複数枚の鉄心片または前記鉄心片を複数枚積層して形成される複数のブロックを回転積層して形成されるステータコアを有するステータであって、前記ステータコアは、環状のヨークと、前記ヨークから前記ヨークの径方向に突出した複数のティースと、を有しており、前記ティースには、コイルが巻回されており、複数の前記ティースの少なくとも1つには、他の前記ティースとは形状または配置の異なる異形部が設けられており、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有する前記ティースと、前記鉄心片または前記ブロックのうち前記異形部を有していない前記ティースとが、前記ステータの軸線方向において重なっている。
【0008】
同構成によれば、複数のティースにおけるステータとロータとの磁気相互作用によるトルク変動は、異形部の有無によって異なる。このため、異形部を有するティースと異形部を有していないティースとでは、互いに異なるトルク変動が生じるようになる。上記構成によれば、鉄心片またはブロックのうち異形部を有するティースと、鉄心片またはブロックのうち異形部を有していないティースとが、ステータの軸線方向において重なっている。このため、同一の形状を有する複数枚の鉄心片または複数のブロックを回転積層することで、互いに異なるトルク変動特性を有する鉄心片またはブロックが積層される。これにより、積層される鉄心片同士またはブロック同士によって、鉄心片またはブロックのトルク変動を打ち消し合うことが可能となる。したがって、形状や配置が互いに異なる複数種類の鉄心片を積層する場合と比べて、ステータを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、モータの断面図である。
図2は、図1の対象領域を中心としたモータの断面図である。
図3は、本実施形態、比較例1、及び比較例2のロータのトルク変動と時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
図4は、第1変更例のロータコアを示す平面図である。
図5は、第2変更例のロータコアを示す平面図である。
図6は、第3変更例の対象領域を中心としたモータの断面図である。
図7は、第4変更例の対象領域を中心としたモータの断面図である。
図8は、第5変更例の対象領域を中心としたモータの断面図である。
図9は、第6変更例のステータの第1切欠及び第2切欠を中心としたモータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1~図3を参照して、ロータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、モータは、ロータ10とステータ20とを備えている。モータは、インナーロータ型であり、且つ磁石埋め込み型である。
(【0011】以降は省略されています)

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