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公開番号2025032796
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138272
出願日2023-08-28
発明の名称液体中の微粒子の捕捉方法及び検出方法、並びに微粒子の捕捉装置
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 61/58 20060101AFI20250305BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】液体中の微粒子の検出などのために微粒子を捕捉するときに、捕捉に要する時間を短縮する。
【解決手段】液体中の微粒子を捕捉する捕捉方法は、液体を第1のろ過膜11に対して第1の方向で通液して第1のろ過膜11の表面に微粒子61を集積させる濃縮工程と、濃縮工程ののち、第1の方向とは逆方向となる第2の方向で第1のろ過膜11に剥離液を通液し、第1のろ過膜11を透過した剥離液を第1のろ過膜11とは異なる第2のろ過膜12に通液し、第1のろ過膜11から微粒子61を剥離させて第2のろ過膜21の表面に捕捉する回収工程と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体中の微粒子を捕捉する捕捉方法であって、
前記液体を第1のろ過膜に対して第1の方向で通液して前記第1のろ過膜の表面に前記微粒子を集積させる濃縮工程と、
前記濃縮工程ののち、前記第1の方向とは逆方向となる第2の方向で前記第1のろ過膜に剥離液を通液し、前記第1のろ過膜を透過した前記剥離液を前記第1のろ過膜とは異なる第2のろ過膜に通液し、前記第1のろ過膜から前記微粒子を剥離させて前記第2のろ過膜の表面に捕捉する回収工程と、
を有する捕捉方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記第1のろ過膜は限外ろ過膜または精密ろ過膜であり、前記濃縮工程において、全量透過形態で前記第1のろ過膜に前記液体を通液する、請求項1に記載の捕捉方法。
【請求項3】
前記回収工程において前記第1のろ過膜に振動を加える、請求項1または2に記載の捕捉方法。
【請求項4】
前記第2のろ過膜は微粒子捕捉用ろ過膜であり、前記回収工程において、全量透過形態で前記第2のろ過膜に前記剥離液を通液する、請求項1または2に記載の捕捉方法。
【請求項5】
前記剥離液は、アルカリ側に調整された機能水である、請求項1または2に記載の捕捉方法。
【請求項6】
前記剥離液のpHは10以上である、請求項5に記載の捕捉方法。
【請求項7】
液体中の微粒子を検出する検出方法であって、
前記液体に対して請求項1または2に記載の捕捉方法を実施し、その後、前記第2のろ過膜の表面に捕捉されている前記微粒子を観察装置によって観察して前記微粒子を検出する、検出方法。
【請求項8】
前記第1のろ過膜は、限外ろ過膜または精密ろ過膜であって、前記第2のろ過膜の有効膜面積よりも大きな有効膜面積を有し、
前記第2のろ過膜は、検出しようとする微粒子の粒径と同等の孔径の細孔を有する膜であり、請求項7に記載の検出方法。
【請求項9】
液体中の微粒子を捕捉する捕捉装置であって、
第1のろ過膜と、
第2のろ過膜と、
を備え、
前記液体を前記第1のろ過膜に対して第1の方向で通液して前記第1のろ過膜の表面に前記微粒子を集積させ、そののち流路を切り替えることによって前記第1の方向とは逆方向となる第2の方向で前記第1のろ過膜に剥離液を通液させて前記第1のろ過膜を透過した前記剥離液を前記第2のろ過膜に通液させ、前記剥離液により前記第1のろ過膜から剥離した前記微粒子を前記第2のろ過膜の表面に捕捉する捕捉装置。
【請求項10】
前記第1のろ過膜に振動を加える加振器をさらに備える、請求項9に記載の捕捉装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中の微粒子の計測に関し、特に、液体中の微粒子を捕捉する方法と、捕捉した微粒子を検出する方法と、微粒子を捕捉する捕捉装置とに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造や医薬品の製造などにおいて使用される超純水を製造する超純水製造システムは、原水から一次純水を製造する一次純水製造システムと、一次純水から超純水を製造するサブシステムとを備えていることが一般的である。サブシステムでは紫外線酸化装置、イオン交換装置などの種々の機器が直列に配置されており、一次純水がこれらの機器によって順次処理されることによって超純水が製造される。製造された超純水はユースポイントに供給されるが、超純水の供給経路においてユースポイントの直前には、微粒子除去を目的として限外ろ過膜装置(UF)あるいは精密ろ過膜装置(MF)などの膜ろ過装置が配置される。
【0003】
近年、超純水では、その水質への要求が厳しくなってきている。例えば半導体装置の製造に用いる超純水に含まれる微粒子は、半導体製品の歩留まりに直接的な影響を与える。そのため、超純水に含まれる微粒子に関し、粒径と濃度の双方について厳しい管理が要求されており、一例として、微粒子の濃度、すなわち単位体積の超純水に含まれる微粒子の個数を規定値以下に制御することが求められることがある。純水または超純水中の微粒子の検出方法として、例えばJIS(日本産業規格)K0554-1995「超純水中の微粒子測定方法」に規定された直接検鏡法が知られている。この方法では、まず、純水または超純水をろ過膜によってろ過することによりろ過膜上に微粒子を捕捉し、その後、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などの観察装置を用いてろ過膜を観察し、ろ過膜に捕捉されている微粒子を検出する。検出対象の微粒子の粒径よりも小さな孔径を有するろ過膜を使用することにより、粒径の小さな微粒子を検出することができる。微粒子の捕捉に用いられるろ過膜は、捕捉しようとする微粒子の粒径の下限値と同等の孔径の細孔を有している。ろ過膜ではその細孔の孔径のばらつきが小さいことが求められるので、例えば、金属の陽極酸化によって生じる孔や、ポリマー材料に対して重粒子線などを照射し、その後、エッチングによって孔径を拡大した孔がろ過膜における細孔として用いられる。
【0004】
直接検鏡法では、微粒子数の検出の信頼性を確保するためには、ろ過膜上に最初から存在している微粒子の個数と同等の個数あるいはそれ以上の個数の微粒子をろ過膜上に捕捉することが望ましく、そのためには十分な量の超純水または純水をろ過膜に通水させなければならない。また、検出対象の微粒子の粒径が小さくなるほど、孔径の小さなろ過膜を使用しなければならず、ろ過膜における圧力損失が増大する。微粒子の捕捉に用いられるろ過膜では、その細孔の孔径のばらつきを小さくするために上述したような特殊な方法で細孔を形成するので、ろ過膜における細孔の面密度を大きくすることができず、その分、さらに圧力損失が大きくなる。これらのことから、粒径の小さな微粒子の検出には、微粒子検出の対象となる純水または超純水を長時間にわたってろ過する必要がある。直接検鏡法におけるろ過時間を短くするための試みとして、特許文献1は、遠心ろ過器を用いてろ過を行うことを開示している。特許文献1に記載された技術では、ろ過膜はカートリッジに保持され、カートリッジとろ過膜とによって液体が滞留する液室が構成される。このようなカードリッジを回転部に取り付けることによって、液室内の液体に対してろ過膜に向かう遠心力が作用し、ろ過膜を透過する液体の流量が増加し、その結果、ろ過に要する時間を短縮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-55240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
直接検鏡法により微粒子の検出を行う場合、対象とする微粒子の粒径が小さいほど、また、微粒子数の定量下限が小さいほど、微粒子を捕捉するためのろ過に要する時間が長くなる。特許文献1に記載されたように遠心ろ過器を用いても、ろ過には長時間を要する。ろ過時間が長くなれば、直接検鏡法によって微粒子を検出するために要する時間も長くなる。半導体装置の製造に用いる超純水では、例えば粒径が10nm以上の微粒子を数個/mLのレベルで管理することが求められており、この管理に際しては、微粒子の検出結果を速やかに得られることが要求されている。したがって、直接検鏡法による微粒子の検出を行うときは、微粒子の捕捉のためのろ過時間を短縮することが求められている。ろ過時間の短縮のためには、短時間で大量の液体を処理してその液体に含まれる微粒子を捕捉することが必要である。
【0007】
本発明の目的は、液体に含まれる微粒子を短時間で捕捉することができる捕捉方法と、この捕捉方法を用いて微粒子を検出する検出方法と、微粒子を捕捉する捕捉装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の捕捉方法は、液体中の微粒子を捕捉する捕捉方法であって、液体を第1のろ過膜に対して第1の方向で通液して第1のろ過膜の表面に微粒子を集積させる濃縮工程と、濃縮工程ののち、第1の方向とは逆方向となる第2の方向で第1のろ過膜に剥離液を通液し、第1のろ過膜を透過した剥離液を第1のろ過膜とは異なる第2のろ過膜に通液し、第1のろ過膜から微粒子を剥離させて第2のろ過膜の表面に捕捉する回収工程と、を有する。なお、第1のろ過膜での通液方向における第1の方向及び第2の方向とは、液中の微粒子をろ過し除去する方向で第1のろ過膜に通液するときの流れの方向が第1の方向とし、第1の方向とは逆となる流れの方向を第2の方向とするものである。すなわち、一般的なろ過膜を第1のろ過膜として使用する場合であれば、そのろ過膜の入口側膜面から、ろ過膜内を通って、出口側膜面に向かう方向が第1の方向であり、ろ過膜の出口側膜面から、ろ過膜内を通って、入口側膜面に向かう方向が第2の方向である。
【0009】
本発明の一態様の検出方法は、液体中の微粒子を検出する検出方法であって、液体に対して上述した態様の捕捉方法を実施し、その後、第2のろ過膜の表面に捕捉されている微粒子を観察装置によって観察して微粒子を検出する。
【0010】
本発明の一態様の捕捉装置は、液体中の微粒子を捕捉する捕捉装置であって、第1のろ過膜と、第2のろ過膜と、を備え、液体を第1のろ過膜に対して第1の方向で通液して第1のろ過膜の表面に微粒子を集積させ、そののち流路を切り替えることによって第1の方向とは逆方向となる第2の方向で第1のろ過膜に剥離液を通液させて第1のろ過膜を透過した剥離液を第2のろ過膜に通液させ、剥離液により第1のろ過膜から剥離した微粒子を第2のろ過膜の表面に捕捉する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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