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公開番号2025032616
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023137999
出願日2023-08-28
発明の名称燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人桐朋
主分類H01M 8/04828 20160101AFI20250305BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】燃料電池スタックからの排水を適切に行う。
【解決手段】燃料電池スタック12が湿潤状態であると判定部146により判定された場合には、制御部142は、停止時発電中に、第1排水モードでの排水を実行し、燃料電池スタック12が湿潤状態でないと判定部146により判定された場合には、制御部142は、停止時発電中に、第2排水モードでの排水を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化剤ガスと燃料ガスとによって発電する複数の発電セルを備える燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給器と、
前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスが流通する供給路と、
前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスが流通する排出路と、
前記燃料電池スタックの温度であるスタック温度を検出する温度センサと、
前記酸化剤ガス供給器を制御する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
前記制御装置は、
発電停止の指示を取得してから所定の条件が満たされるまで前記発電セルによる発電を継続する停止時発電を行う制御部と、
前記停止時発電前の前記スタック温度を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記スタック温度に少なくとも基づいて、前記燃料電池スタックが湿潤状態であるか否かを判定する判定部と、を備え、
前記制御部は、前記停止時発電中に、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに第1流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第1排水モードでの排水と、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに前記第1流量より少ない第2流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第2排水モードでの排水とのいずれか一方を選択的に実行可能であり、
前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であると前記判定部により判定された場合には、前記制御部は、前記停止時発電中に、前記第1排水モードでの排水を実行し、
前記燃料電池スタックが前記湿潤状態でないと前記判定部により判定された場合には、前記制御部は、前記停止時発電中に、前記第2排水モードでの排水を実行する、燃料電池システム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記判定部は、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であるか否かを、前記スタック温度と、前記燃料電池スタックの出力電流値とに基づいて判定する、燃料電池システム。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
前記判定部は、
前記停止時発電の開始前に、前記スタック温度と、前記出力電流値とを取得し、
前記スタック温度が所定の温度閾値未満であり、且つ、前記出力電流値が所定の電流閾値未満である場合に、前記燃料電池スタックが湿潤見込み状態であると判定し、前記停止時発電の開始前に前記湿潤見込み状態が所定時間に達した場合に、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であると判定する、燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記発電セルは、
電解質膜とアノード電極とカソード電極とを備える構造体と、
前記構造体を挟む一対のセパレータと、
を備え、
各々の前記セパレータは、
前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスが流通する反応ガス流路と、
前記反応ガス流路を囲むシール部と、
前記反応ガス流路の流路幅方向端部と前記シール部との間に形成され、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスのバイパスを抑制するバイパス抑制部と、
を備える、燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記判定部は、前記第1排水モードでの排水中に、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であるか否かを更に判定し、
前記燃料電池スタックが前記湿潤状態でなくなったと前記第1排水モードでの排水中に前記判定部により判定された場合に、前記制御部は、前記第1排水モードでの排水から前記第2排水モードでの排水に切り替える、燃料電池システム。
【請求項6】
請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1排水モードでの排水の実行時間である第1実行時間を計測し、
前記第1実行時間に基づいて、前記第2排水モードでの排水の実行時間である第2実行時間を決定し、
前記第2実行時間の間、前記第2排水モードでの排水を実行する、燃料電池システム。
【請求項7】
請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1排水モードでの排水の実行時間である第1実行時間を計測し、
予め設定される排水時間から前記第1実行時間を減算することにより、前記第2排水モードでの排水の実行時間である第2実行時間を決定し、
前記第2実行時間の間、前記第2排水モードでの排水を実行する、燃料電池システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックに冷却媒体を供給する冷媒供給ポンプを備え、
前記制御装置は、前記第1排水モードでの排水の実行時における前記冷媒供給ポンプの回転数を、前記第2排水モードでの排水の実行時における前記冷媒供給ポンプの回転数より小さくする、燃料電池システム。
【請求項9】
酸化剤ガスと燃料ガスとによって発電する複数の発電セルを備える燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給器と、
前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスが流通する供給路と、
前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスが流通する排出路と、
前記燃料電池スタックの温度であるスタック温度を検出する温度センサと、
前記酸化剤ガス供給器を制御する制御装置と、
を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記制御装置は、
発電停止の指示を取得してから所定の条件が満たされるまで前記発電セルによる発電を継続する停止時発電を行い、
前記停止時発電前の前記スタック温度を取得し、
取得した前記停止時発電前の前記スタック温度に少なくとも基づいて、前記燃料電池スタックが湿潤状態であるか否かを判定し、
前記停止時発電中に、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに第1流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第1排水モードでの排水と、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに前記第1流量より少ない第2流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第2排水モードでの排水とのいずれか一方を選択的に実行可能であり、
前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であると判定した場合には、前記停止時発電中に、前記第1排水モードでの排水を実行し、
前記燃料電池スタックが前記湿潤状態でないと判定した場合には、前記停止時発電中に、前記第2排水モードでの排水を実行する、
燃料電池システムの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保するために、エネルギーの効率化に貢献する燃料電池に関する研究開発が行われている。
【0003】
燃料電池スタックを備えた発電システムを燃料電池システムと称する。燃料電池スタックは、複数の発電セルを備える。発電セルは、燃料ガス(水素含有ガス)と酸化剤ガス(酸素含有ガス)との電気化学反応により発電する。発電セルによる発電時には水が生成される。生成された水は、燃料電池スタック等に滞留する。低温環境において燃料電池システムの運転を停止すると、燃料電池スタック等に滞留する水が凍結する虞がある。燃料電池システム等で水が凍結すると、ガスの流れが阻害されるため、燃料電池スタックは発電できなくなる。
【0004】
特許文献1には、燃料電池システムの運転終了時に、掃気を行うことが開示される。掃気とは、燃料電池スタックから水、窒素等の不純物を排出する処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-180076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
燃料電池スタックからの排水を適切に行うことが望まれる。
【0007】
本発明は上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとによって発電する複数の発電セルを備える燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給器と、前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスが流通する供給路と、前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスが流通する排出路と、前記燃料電池スタックの温度であるスタック温度を検出する温度センサと、前記酸化剤ガス供給器を制御する制御装置と、を備える燃料電池システムであって、前記制御装置は、発電停止の指示を取得してから所定の条件が満たされるまで前記発電セルによる発電を継続する停止時発電を行う制御部と、前記停止時発電前の前記スタック温度を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記スタック温度に少なくとも基づいて、前記燃料電池スタックが湿潤状態であるか否かを判定する判定部と、を備え、前記制御部は、前記停止時発電中に、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに第1流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第1排水モードでの排水と、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに前記第1流量より少ない第2流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第2排水モードでの排水とのいずれか一方を選択的に実行可能であり、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であると前記判定部により判定された場合には、前記制御部は、前記停止時発電中に、前記第1排水モードでの排水を実行し、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態でないと前記判定部により判定された場合には、前記制御部は、前記停止時発電中に、前記第2排水モードでの排水を実行する。
【0009】
第2発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとによって発電する複数の発電セルを備える燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給器と、前記燃料電池スタックに供給される前記酸化剤ガスが流通する供給路と、前記燃料電池スタックから排出される前記酸化剤ガスが流通する排出路と、前記燃料電池スタックの温度であるスタック温度を検出する温度センサと、前記酸化剤ガス供給器を制御する制御装置と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記制御装置は、発電停止の指示を取得してから所定の条件が満たされるまで前記発電セルによる発電を継続する停止時発電を行い、前記停止時発電前の前記スタック温度を取得し、取得した前記停止時発電前の前記スタック温度に少なくとも基づいて、前記燃料電池スタックが湿潤状態であるか否かを判定し、前記停止時発電中に、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに第1流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第1排水モードでの排水と、前記酸化剤ガス供給器から前記燃料電池スタックに前記第1流量より少ない第2流量の前記酸化剤ガスを供給することにより前記燃料電池スタックに滞留する水を排水する第2排水モードでの排水とのいずれか一方を選択的に実行可能であり、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態であると判定した場合には、前記停止時発電中に、前記第1排水モードでの排水を実行し、前記燃料電池スタックが前記湿潤状態でないと判定した場合には、前記停止時発電中に、前記第2排水モードでの排水を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、燃料電池スタックからの排水を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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