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公開番号2025028554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133450
出願日2023-08-18
発明の名称無方向性電磁鋼板、鉄心、鉄心の製造方法、モータ、およびモータの製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250221BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】モータの鉄心材料として用いる、磁束密度、鉄損特性、および打ち抜き性に優れる無方向性電磁鋼板を提供する。
【解決手段】母材鋼板を、切断方向が板厚方向と平行な切断面で見たとき、母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Al濃度が、板厚1/4部のAl濃度と比較して1.5質量%以上高く、且つ板厚1/2部のAl濃度と比較して3.0質量%以上高く、母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Si濃度が、板厚1/4部のSi濃度と比較して0.5質量%以上低く、且つ板厚1/2部のSi濃度と比較して1.0質量%以上低い無方向性電磁鋼板を採用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
母材鋼板と、絶縁被膜とを備える無方向性電磁鋼板において、
前記母材鋼板が、化学組成として、質量%で、
Si:1.0%以上5.0%以下、
Al:1.0%以上10.0%以下、
Sn:0%以上10.000%以下、
C :0%以上0.005%以下、
Mn:0%以上3.0%以下、
P :0%以上0.30%以下、
S :0%以上0.010%以下、
N :0%以上0.010%以下、
Zn:0%以上0.100%以下、
Sb:0%以上0.100%以下、
Ca:0%以上0.010%以下、
Cr:0%以上10.0%以下、
Ni:0%以上5.0%以下、
Cu:0%以上5.0%以下、
Ce:0%以上0.100%以下、
B :0%以上0.100%以下、
O :0%以上0.100%以下、
Mg:0%以上0.100%以下、
Ti:0%以上0.100%以下、
V :0%以上0.100%以下、
Zr:0%以上0.100%以下、
Nd:0%以上0.100%以下、
Bi:0%以上0.100%以下、
W :0%以上0.100%以下、
Mo:0%以上0.10%以下、
Nb:0%以上0.100%以下、
Y :0%以上0.100%以下、
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
前記母材鋼板の板厚が、0.10mm以上0.35mm以下であり、
前記母材鋼板を、切断方向が板厚方向と平行な切断面で見たとき、
前記母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Al濃度が、
板厚1/4部のAl濃度と比較して1.5質量%以上高く、且つ
板厚1/2部のAl濃度と比較して3.0質量%以上高く、
前記板厚1/4部の前記Al濃度が、
前記板厚1/2部の前記Al濃度と比較して1.5質量%以上高く、
前記母材鋼板の前記表面から板厚1/10までの領域の平均Si濃度が、
板厚1/4部のSi濃度と比較して0.5質量%以上低く、且つ
板厚1/2部のSi濃度と比較して1.0質量%以上低く、
前記板厚1/4部の前記Si濃度が、
前記板厚1/2部の前記Si濃度と比較して0.5質量%以上低い
ことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記化学組成として、質量%で、
Cr:0.50%以上10.0%以下、
を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
【請求項3】
母材鋼板と、絶縁被膜とを備える無方向性電磁鋼板において、
前記母材鋼板が、化学組成として、質量%で、
Si:1.0%以上5.0%以下、
Al:0%以上10.0%以下、
Sn:1.0%以上10.000%以下、
C :0%以上0.005%以下、
Mn:0%以上3.0%以下、
P :0%以上0.30%以下、
S :0%以上0.010%以下、
N :0%以上0.010%以下、
Zn:0%以上0.100%以下、
Sb:0%以上0.100%以下、
Ca:0%以上0.010%以下、
Cr:0%以上10.0%以下、
Ni:0%以上5.0%以下、
Cu:0%以上5.0%以下、
Ce:0%以上0.100%以下、
B :0%以上0.100%以下、
O :0%以上0.100%以下、
Mg:0%以上0.100%以下、
Ti:0%以上0.100%以下、
V :0%以上0.100%以下、
Zr:0%以上0.100%以下、
Nd:0%以上0.100%以下、
Bi:0%以上0.100%以下、
W :0%以上0.100%以下、
Mo:0%以上0.10%以下、
Nb:0%以上0.100%以下、
Y :0%以上0.100%以下、
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
前記母材鋼板の板厚が、0.10mm以上0.35mm以下であり、
前記母材鋼板を、切断方向が板厚方向と平行な切断面で見たとき、
前記母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Sn濃度が、
板厚1/4部のSn濃度と比較して1.5質量%以上高く、且つ
板厚1/2部のSn濃度と比較して3.0質量%以上高く、
前記板厚1/4部の前記Sn濃度が、
前記板厚1/2部の前記Sn濃度と比較して1.5質量%以上高く、
前記母材鋼板の前記表面から板厚1/10までの領域の平均Si濃度が、
板厚1/4部のSi濃度と比較して0.5質量%以上低く、且つ
板厚1/2部のSi濃度と比較して1.0質量%以上低く、
前記板厚1/4部の前記Si濃度が、
前記板厚1/2部の前記Si濃度と比較して0.5質量%以上低い
ことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
【請求項4】
前記化学組成として、質量%で、
Cr:0.50%以上10.0%以下、
を含有する
ことを特徴とする請求項3に記載の無方向性電磁鋼板。
【請求項5】
母材鋼板と、絶縁被膜とを備える無方向性電磁鋼板において、
前記母材鋼板が、化学組成として、質量%で、
Si:1.0%以上5.0%以下、
Al:1.0%以上10.0%以下、
Sn:1.0%以上10.000%以下、
C :0%以上0.005%以下、
Mn:0%以上3.0%以下、
P :0%以上0.30%以下、
S :0%以上0.010%以下、
N :0%以上0.010%以下、
Zn:0%以上0.100%以下、
Sb:0%以上0.100%以下、
Ca:0%以上0.010%以下、
Cr:0%以上10.0%以下、
Ni:0%以上5.0%以下、
Cu:0%以上5.0%以下、
Ce:0%以上0.100%以下、
B :0%以上0.100%以下、
O :0%以上0.100%以下、
Mg:0%以上0.100%以下、
Ti:0%以上0.100%以下、
V :0%以上0.100%以下、
Zr:0%以上0.100%以下、
Nd:0%以上0.100%以下、
Bi:0%以上0.100%以下、
W :0%以上0.100%以下、
Mo:0%以上0.10%以下、
Nb:0%以上0.100%以下、
Y :0%以上0.100%以下、
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
前記母材鋼板の板厚が、0.10mm以上0.35mm以下であり、
前記母材鋼板を、切断方向が板厚方向と平行な切断面で見たとき、
前記母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Al濃度と平均Sn濃度の合計が、
板厚1/4部のAl濃度とSn濃度との合計と比較して1.5質量%以上高く、且つ
板厚1/2部のAl濃度とSn濃度との合計と比較して3.0質量%以上高く、
前記板厚1/4部の前記Al濃度と前記Sn濃度との前記合計が、
前記板厚1/2部の前記Al濃度と前記Sn濃度との前記合計と比較して1.5質量%以上高く、
前記母材鋼板の前記表面から板厚1/10までの領域の平均Si濃度が、
板厚1/4部のSi濃度と比較して0.5質量%以上低く、且つ
板厚1/2部のSi濃度と比較して1.0質量%以上低く、
前記板厚1/4部の前記Si濃度が、
前記板厚1/2部の前記Si濃度と比較して0.5質量%以上低い
ことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
【請求項6】
前記母材鋼板が、前記化学組成として、質量%で、
Cr:0.50%以上10.0%以下、
を含有する
ことを特徴とする請求項5に記載の無方向性電磁鋼板。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の無方向性電磁鋼板を含む鉄心。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の無方向性電磁鋼板を積層する工程を有する鉄心の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の鉄心を含むモータ。
【請求項10】
請求項1~6の何れか一項に記載の無方向性電磁鋼板を積層して鉄心を得る工程と、請求項7に記載の鉄心を組み立ててモータを得る工程とを有するモータの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無方向電磁鋼板、鉄心、鉄心の製造方法、モータ、およびモータの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、磁束密度が高く、鉄損特性に優れ、且つ打ち抜き性にも優れる無方向性電磁鋼板、鉄心、鉄心の製造方法、モータ、およびモータの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化ガスを削減する必要性から、工業分野では消費エネルギーの少ない製品が開発されている。例えば、自動車分野では、ガソリンエンジンとモータとを組み合わせたハイブリッド駆動自動車、モータ駆動の電気自動車等の低燃費自動車がある。これら低燃費自動車に共通した技術はモータであり、モータの小型化や高効率化が重要な技術となっている。
【0003】
例えば、ハイブリッド駆動自動車や電気自動車の駆動モータは、設置スペースの制約および重量減による燃費低減のために、小型化の需要が高まっている。モータを小型化するには、モータを高トルク化する必要がある。そのため、モータの鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板には、磁束密度をさらに高めることが求められている。
【0004】
加えて、自動車に搭載できる電池容量には制限があることから、駆動モータに対して高効率化の需要が高まっている。モータを高効率化するには、エネルギー損失を低減する必要がある。そのため、モータの鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板には、さらなる低鉄損化が求められている。特に、ハイブリッド駆動自動車や電気自動車のモータでは、小型化に伴うトルク低下を補うために、モータの回転速度を高めることが試みられている。そのため、無方向性電磁鋼板には、商用周波域から高周波域における鉄損をさらに低減することが求められている。
【0005】
加えて、モータでは、その内部構造として固定子(ステータ)と回転子(ロータ)との間の隙間が小さいほど、モータとしての性能が向上する。モータの各部材は、形状精度が高いことが必要となる。そのため、モータの鉄心材料として用いる無方向性電磁鋼板は、鋼板の打ち抜き性にも優れることが求められている。
【0006】
例えば、特許文献1には、高周波鉄損の改善を目的として、鋼板表層のSi濃度が鋼板の板厚中心部のSi濃度よりも高い珪素鋼板が開示されている。
また、特許文献2には、高周波鉄損の改善を目的として、厚み方向でAlの濃度勾配を有する無方向性電磁鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、磁気特性の改善を目的として、厚み方向でAlの濃度勾配を有する無方向性電磁鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-293422号公報
国際公開第2009/072394号
特開平8-60310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献1~3の技術を用いれば、高周波鉄損がある程度は向上する。しかし、これらの技術では、商用周波鉄損が十分に考慮されているとは言えない。加えて、上記した特許文献1、2の技術では、Siなどの元素を鋼板表層に偏析させることに起因して、鋼板の打ち抜き性が低下しやすく、磁束密度の向上も十分に考慮されているとは言えない。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされた。本発明は、磁束密度、鉄損特性(商用周波鉄損および高周波鉄損)、並びに打ち抜き性に優れる無方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。加えて、本発明は、この無方向性電磁鋼板を含む鉄心および鉄心の製造方法、並びに、この鉄心を含むモータおよびモータの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一態様にかかる無方向性電磁鋼板は、母材鋼板と、絶縁被膜とを備え、
前記母材鋼板が、化学組成として、質量%で、
Si:1.0%以上5.0%以下、
Al:1.0%以上10.0%以下、
Sn:0%以上10.000%以下、
C :0%以上0.005%以下、
Mn:0%以上3.0%以下、
P :0%以上0.30%以下、
S :0%以上0.010%以下、
N :0%以上0.010%以下、
Zn:0%以上0.100%以下、
Sb:0%以上0.100%以下、
Ca:0%以上0.010%以下、
Cr:0%以上10.0%以下、
Ni:0%以上5.0%以下、
Cu:0%以上5.0%以下、
Ce:0%以上0.100%以下、
B :0%以上0.100%以下、
O :0%以上0.100%以下、
Mg:0%以上0.100%以下、
Ti:0%以上0.100%以下、
V :0%以上0.100%以下、
Zr:0%以上0.100%以下、
Nd:0%以上0.100%以下、
Bi:0%以上0.100%以下、
W :0%以上0.100%以下、
Mo:0%以上0.10%以下、
Nb:0%以上0.100%以下、
Y :0%以上0.100%以下、
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
前記母材鋼板の板厚が、0.10mm以上0.35mm以下であり、
前記母材鋼板を、切断方向が板厚方向と平行な切断面で見たとき、
前記母材鋼板の表面から板厚1/10までの領域の平均Al濃度が、
板厚1/4部のAl濃度と比較して1.5質量%以上高く、且つ
板厚1/2部のAl濃度と比較して3.0質量%以上高く、
前記板厚1/4部の前記Al濃度が、
前記板厚1/2部の前記Al濃度と比較して1.5質量%以上高く、
前記母材鋼板の前記表面から板厚1/10までの領域の平均Si濃度が、
板厚1/4部のSi濃度と比較して0.5質量%以上低く、且つ
板厚1/2部のSi濃度と比較して1.0質量%以上低く、
前記板厚1/4部の前記Si濃度が、
前記板厚1/2部の前記Si濃度と比較して0.5質量%以上低い
ことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の無方向性電磁鋼板では、前記化学組成として、質量%で、Cr:0.50%以上10.0%以下、を含有してもよい。
(3)本発明の他の態様にかかる無方向性電磁鋼板は、母材鋼板と、絶縁被膜とを備える無方向性電磁鋼板において、
前記母材鋼板が、化学組成として、質量%で、
Si:1.0%以上5.0%以下、
Al:0%以上10.0%以下、
Sn:1.0%以上10.000%以下、
C :0%以上0.005%以下、
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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