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公開番号2025026812
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-26
出願番号2023131735
出願日2023-08-13
発明の名称精製装置、精製装置の制御方法、および精製装置の制御プログラム
出願人エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 53/04 20060101AFI20250218BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高純度酸素ガスから超高純度酸素ガスを精製する工程におけるランニングコストを削減するための技術を提供する。
【解決手段】酸素製造装置によって製造された原料酸素ガスの純度を上げる精製装置は、原料酸素ガスに含まれている炭化水素類を炭酸ガスに変化させる触媒を有する触媒筒と、触媒筒を通過した原料酸素ガスから炭酸ガスを吸着することが可能な第1、第2吸着塔と、第1、第2吸着塔に送り込まれる前において原料酸素ガスの流量を検出する流量センサと、第1吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で第2吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態と、第2吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で第1吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態との間で、第1、第2吸着塔に連通する配管の接続状態を交互に切り替えることが可能な制御部とを備える。制御部は、上記流量が少ないほど、接続状態の切り替え頻度を少なくする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸素製造装置によって製造された原料酸素ガスの純度を上げるための精製装置であって、
前記原料酸素ガスは、炭化水素類と、炭酸ガスとを含み、
前記原料酸素ガスに含まれている前記炭化水素類を炭酸ガスに変化させるための触媒を有する触媒筒と、
前記触媒筒を通過した前記原料酸素ガスから炭酸ガスを吸着することが可能な第1、第2吸着塔と、
前記第1、第2吸着塔に送り込まれる前において前記原料酸素ガスの流量を検出するための流量センサと、
前記第1吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第2吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態と、前記第2吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第1吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態との間で、前記第1、第2吸着塔に連通する配管の接続状態を交互に切り替えることが可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記流量が少ないほど、前記接続状態の切り替え頻度を少なくする、精製装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記流量センサは、前記原料酸素ガスが前記触媒筒を通過する気流の方向において当該触媒筒よりも上流側に配置されている、請求項1に記載の精製装置。
【請求項3】
前記精製装置は、前記流量の積算量が予め定められた量に達する度に前記接続状態を切り替える、請求項1または2に記載の精製装置。
【請求項4】
前記精製装置は、さらに、前記原料酸素ガスが前記触媒筒を通過した後で、かつ前記原料酸素ガスが前記第1、第2吸着塔に送り込まれる前において、当該原料酸素ガスに含まれる炭酸ガスの濃度を検出するための濃度センサを備え、
前記制御部は、前記濃度が低いほど前記切り替え頻度を少なくする、請求項1または2に記載の精製装置。
【請求項5】
前記精製装置は、さらに、前記配管の内圧を検出するための圧力センサを備え、
前記制御部は、前記内圧が高いほど前記切り替え頻度を少なくする、請求項1または2に記載の精製装置。
【請求項6】
前記触媒筒の通過前における前記原料酸素ガスに含まれる酸素ガスの濃度は、99.5%以上である、請求項1または2に記載の精製装置。
【請求項7】
前記触媒は、貴金属を含む、請求項1または2に記載の精製装置。
【請求項8】
酸素製造装置によって製造された原料酸素ガスの純度を上げるための精製装置の制御方法であって、
前記原料酸素ガスは、炭化水素類と、炭酸ガスとを含み、
前記精製装置は、
前記原料酸素ガスに含まれている前記炭化水素類を炭酸ガスに変化させるための触媒を有する触媒筒と、
前記触媒筒を通過した前記原料酸素ガスから炭酸ガスを吸着することが可能な第1、第2吸着塔と、
前記第1、第2吸着塔に送り込まれる前において前記原料酸素ガスの流量を検出するための流量センサとを備え、
前記制御方法は、
前記流量センサから前記流量を取得するステップと、
前記第1吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第2吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態と、前記第2吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第1吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態との間で、前記第1、第2吸着塔に連通する配管の接続状態を交互に切り替えるステップとを備え、
前記流量が少ないほど、前記切り替えるステップの実行頻度は少ない、制御方法。
【請求項9】
酸素製造装置によって製造された原料酸素ガスの純度を上げるための精製装置の制御プログラムであって、
前記原料酸素ガスは、炭化水素類と、炭酸ガスとを含み、
前記精製装置は、
前記原料酸素ガスに含まれている前記炭化水素類を炭酸ガスに変化させるための触媒を有する触媒筒と、
前記触媒筒を通過した前記原料酸素ガスから炭酸ガスを吸着することが可能な第1、第2吸着塔と、
前記第1、第2吸着塔に送り込まれる前において前記原料酸素ガスの流量を検出するための流量センサとを備え、
前記制御プログラムは、前記精製装置に、
前記流量センサから前記流量を取得するステップと、
前記第1吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第2吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態と、前記第2吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で前記第1吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態との間で、前記第1、第2吸着塔に連通する配管の接続状態を交互に切り替えるステップとを実行させ、
前記流量が少ないほど、前記切り替えるステップの実行頻度は少ない、制御プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、精製装置、精製装置の制御方法、および精製装置の制御プログラムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
特開2014-113594号公報(特許文献1)は、原料ガスから酸素と窒素とを分離するための技術を開示している。当該分離は、前処理装置と、空気分離装置とによって実現されている。
【0003】
より具体的には、前処理装置は、空気中の炭酸ガスを除去するための第1吸着塔および第2吸着塔と、吸着塔を通過する前のガス中の炭酸ガスの濃度を測定するセンサと、吸着塔を通過したガスの量を計測するガス量計とを備える。そして、当該前処理装置は、測定された炭酸ガスの濃度と、計測されたガスの量とに基づいて、吸着塔を通過した炭酸ガスの総量を積算し、当該総量が所定値に達する以前に吸着塔における吸着と再生とを切り替える。
【0004】
これにより、上記前処理装置は、吸着能力が吸着塔に十分に残っている状態で吸着と再生との切り替えないように吸着材を有効に利用し、過剰な再生エネルギーの消費を抑える(段落[0010]参照)。
【0005】
上記工程により、前処理装置は、空気から水、炭酸ガスおよび亜酸化窒素を除去した原料ガスを生成し、当該原料ガスを空気分離装置に供給する(段落[0024]参照)。当該空気分離装置は、冷式の空気分離装置であり、前処理装置より供給される原料ガスを冷却して液化し、酸素と窒素とを沸点差を利用して蒸留分離する(段落[0025]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-113594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
深冷分離方式により製造された高純度酸素ガスには、微量の不純物が含まれている。半導体の製造工程などでは、このような不純物が極めて少ない超高純度酸素ガスが望まれている。特に、近年では、分析技術の向上に伴い、求められる酸素ガスの純度がより高くなっている。
【0008】
高純度酸素ガスから超高純度酸素ガスを精製する工程では、たとえば、吸着分離法が応用される。吸着分離法では、高純度酸素ガス中の不純物が第1,第2吸着塔において交互に吸着される。第1,第2吸着塔での吸着の切り替えが過剰に行われると、ランニングコストが高くなる。この点に鑑み、高純度酸素ガスから超高純度酸素ガスを精製する工程におけるランニングコストを削減するための技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一例では、酸素製造装置によって製造された原料酸素ガスの純度を上げるための精製装置が提供される。上記原料酸素ガスは、炭化水素類と、炭酸ガスとを含む。上記精製装置は、上記原料酸素ガスに含まれている上記炭化水素類を炭酸ガスに変化させるための触媒を有する触媒筒と、上記触媒筒を通過した上記原料酸素ガスから炭酸ガスを吸着することが可能な第1、第2吸着塔と、上記第1、第2吸着塔に送り込まれる前において上記原料酸素ガスの流量を検出するための流量センサと、上記第1吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で上記第2吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態と、上記第2吸着塔が炭酸ガスを吸着する一方で上記第1吸着塔が前回に吸着した炭酸ガスを脱離する状態との間で、上記第1、第2吸着塔に連通する配管の接続状態を交互に切り替えることが可能な制御部とを備える。上記制御部は、上記流量が少ないほど、上記接続状態の切り替え頻度を少なくする。
【0010】
本開示の一例では、上記流量センサは、上記原料酸素ガスが上記触媒筒を通過する気流の方向において当該触媒筒よりも上流側に配置されている。
(【0011】以降は省略されています)

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