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公開番号2025024736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023128959
出願日2023-08-08
発明の名称内燃機関の燃料供給装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類F02M 69/54 20060101AFI20250214BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】弁の開閉駆動回数を多くすることなく、燃料圧力を可変とすることができる内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料供給配管に配設された遮断弁6にパイロットバルブ82およびメインバルブ83を備えさせ、電磁ソレノイドの電磁力を比較的小さくすることによるパイロットバルブ82のみの開弁と、電磁ソレノイドの電磁力を比較的大きくすることによるメインバルブ83の開弁とを切り替えることを可能にしている。つまり、少なくとも2段階で供給燃料圧力を変化させることができるようにしている。このため、バルブ82,83の開閉駆動回数を多くすることなしに供給燃料圧力を可変とすることができ、内燃機関の運転状態に適した燃料供給量を得ることができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
高圧タンク内の燃料を減圧手段によって減圧した後、この燃料を、燃料供給配管を経て内燃機関の燃料噴射弁に向けて供給する燃料供給装置であって、
前記燃料供給配管には、前記燃料噴射弁に向けて供給する燃料の圧力を可変とする圧力可変装置が配設されており、
前記圧力可変装置は、
内蔵された電磁ソレノイドへの通電によって発生する電磁力によって開弁し、その開弁状態において前記燃料を前記燃料噴射弁に向けて供給するパイロットバルブと、
前記パイロットバルブが開弁する電磁力よりも大きな電磁力を前記電磁ソレノイドから発生させた場合に前記パイロットバルブの移動に連動して開弁し、その開弁状態において、前記パイロットバルブのみが開弁する場合に比べて前記燃料噴射弁に向けての燃料供給量を増大させるメインバルブとを備えていることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記メインバルブは、前記パイロットバルブが開弁方向に所定量を超えて移動した際に、当該パイロットバルブから開弁方向への作動力を受けて開弁を開始することを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
【請求項3】
請求項2記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記圧力可変装置は、前記高圧タンクに接続された上流側燃料供給配管に繋がる燃料導入空間と、前記燃料噴射弁に向けて延在する下流側燃料供給配管に繋がる燃料導出空間とを備えており、
前記メインバルブには、一端側が前記燃料導入空間に他端側が前記燃料導出空間にそれぞれ連通可能な燃料通路と、前記パイロットバルブの先端部が挿入されるパイロットバルブ挿入部とを備えており、
前記メインバルブの閉弁状態にあっては、当該メインバルブの先端部が、前記燃料導出空間の開口縁部に当接することで前記燃料導入空間と前記燃料導出空間とを遮断しており、
前記パイロットバルブの閉弁状態にあっては、前記パイロットバルブ挿入部に挿入された前記パイロットバルブの前記先端部が、前記メインバルブの前記燃料通路の開口縁部に当接することで前記燃料導入空間と前記燃料通路とを遮断しており、
前記メインバルブの前記パイロットバルブ挿入部には前記パイロットバルブの移動方向に対して直交する方向に延在するピン挿通孔が設けられており、
前記パイロットバルブの前記先端部には、前記ピン挿通孔に挿通されるピンが一体的に設けられており、
前記ピン挿通孔における前記移動方向に沿う方向での内径寸法は、前記ピンにおける前記移動方向に沿う方向での外径寸法よりも大きく設定されていて、前記メインバルブおよび前記パイロットバルブが共に閉弁状態にある際には、前記ピンの外面であって前記電磁ソレノイドへの通電に伴う前記パイロットバルブの移動方向側を向く外面と該外面に対向する前記ピン挿通孔の内面との間に前記所定量の間隔が設けられていることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記圧力可変装置は、前記高圧タンクに接続された上流側燃料供給配管に繋がる燃料導入空間と、前記燃料噴射弁に向けて延在する下流側燃料供給配管に繋がる燃料導出空間とを備えており、
前記メインバルブには、一端側が前記燃料導入空間に他端側が前記燃料導出空間にそれぞれ連通可能な燃料通路と、前記パイロットバルブの先端部が挿入されるパイロットバルブ挿入部とを備えており、
前記メインバルブの閉弁状態にあっては、当該メインバルブの先端部が、前記燃料導出空間の開口縁部に当接することで前記燃料導入空間と前記燃料導出空間とを遮断しており、
前記パイロットバルブの閉弁状態にあっては、前記パイロットバルブ挿入部に挿入された前記パイロットバルブの前記先端部が、前記メインバルブの前記燃料通路の開口縁部に当接することで前記燃料導入空間と前記燃料通路とを遮断しており、
前記メインバルブの前記先端部および前記パイロットバルブの前記先端部は共にゴム製のシール材を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はガスエンジンに代表される内燃機関に備えられる燃料供給装置に係る。特に、本発明は、供給燃料圧力を可変とするための改良に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1や特許文献2に開示されているように、水素等のガスを燃料とするガスエンジンにあっては、燃料供給系における燃料タンクからデリバリパイプに亘る燃料供給配管に、開閉可能な弁が備えられている。特許文献1には、燃料噴射弁に向けての燃料(水素ガス)の供給を停止する際に閉弁される遮断弁を燃料供給配管に備えさせた構成が開示されている。また、特許文献2には、燃料噴射弁に向けて供給する燃料の圧力(以下、供給燃料圧力という場合もある)を低減するための減圧弁を燃料供給配管に備えさせた構成が開示されている。一般に、この減圧弁はメカ式であり、供給燃料圧力が一定値に固定されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-180751号公報
特開2021-139321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、減圧弁によって供給燃料圧力が一定値に固定されるものにあっては以下の課題がある。つまり、減圧弁によって固定される供給燃料圧力を、燃焼室内への燃料噴射量が最大噴射量となる場合(所謂WOT時)に適した圧力(比較的高い圧力)として規定した場合には、最小噴射量となる際(所謂アイドリング時)における燃料噴射量の精度を十分に高めることが困難になってしまう。一方、減圧弁によって固定される供給燃料圧力を、前記最小噴射量となる場合に適した圧力(比較的低い圧力)として規定した場合には、前記最大噴射量が要求された際の燃料噴射量が十分に得られない虞がある。このため、燃焼室内への燃料噴射量が最大噴射量となる際と最小噴射量となる際とのそれぞれについて適正な燃料噴射量を得るためには供給燃料圧力を可変とすることが好ましい。
【0005】
この要求を満たすための手段として、燃料供給配管に電磁弁を備えさせ、この電磁弁の開閉切り替え(全開状態と全閉状態とを交互に切り替えること)によって供給燃料圧力を調整することが考えられる。図5(b)は、この電磁弁を使用した場合における、電磁ソレノイドに対する供給電流(電磁弁の開閉を切り替えるための励磁電流)の変化と、それに伴うデリバリパイプの内部圧力(以下、デリバリ圧と呼ぶ)の変化との一例を示している。具体的に、この図5(b)では、車両の通常走行(図中における期間T1)から減速期間(図中における期間T2)を経た後、アイドリング運転に移行し(図中における期間T3)、その後、加速期間(図中における期間T4)を経て、通常走行に復帰した(図中における期間T5)場合の例を示している。
【0006】
前述した電磁弁を備えさせた構成の場合、アイドリング運転では、電磁弁の全開状態と全閉状態とが短時間の間に交互に切り替えられてデリバリ圧を所定の範囲(アイドリング運転に適したデリバリ圧であって図中のP1)に調整するようにしている。
【0007】
このように電磁弁を備えさせた場合にあっては、単位時間当たりの電磁弁の開閉駆動回数(全開状態と全閉状態とが繰り返される回数)が多くなってしまうばかりでなく、燃料の流量調整が難しくなることから、改良の余地があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、弁の開閉駆動回数を多くすることなしに供給燃料圧力を可変とすることができる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、高圧タンク内の燃料を減圧手段によって減圧した後、この燃料を、燃料供給配管を経て内燃機関の燃料噴射弁に向けて供給する燃料供給装置を対象とする。そして、この燃料供給装置は、前記燃料供給配管に、前記燃料噴射弁に向けて供給する燃料の圧力を可変とする圧力可変装置が配設されており、前記圧力可変装置は、内蔵された電磁ソレノイドへの通電によって発生する電磁力によって開弁し、その開弁状態において前記燃料を前記燃料噴射弁に向けて供給するパイロットバルブと、前記パイロットバルブが開弁する電磁力よりも大きな電磁力を前記電磁ソレノイドから発生させた場合に前記パイロットバルブの移動に連動して開弁し、その開弁状態において、前記パイロットバルブのみが開弁する場合に比べて前記燃料噴射弁に向けての燃料供給量を増大させるメインバルブとを備えていることを特徴とする。
【0010】
この特定事項により、電磁ソレノイドへの通電を制御することによって、パイロットバルブのみが開弁することによる比較的小流量とした燃料噴射弁に向けての燃料供給と、メインバルブが開弁することによる比較的大流量とした燃料噴射弁に向けての燃料供給とを切り替えることができる。つまり、燃料供給量を比較的小流量とすることによって供給燃料圧力を比較的低くする状態と、燃料供給量を比較的大流量とすることによって供給燃料圧力を比較的高くする状態との少なくとも2段階で供給燃料圧力を変化させることができる。このため、前述した電磁弁を備えさせた場合に比べて、バルブの開閉駆動回数を多くすることなしに供給燃料圧力を可変とすることができ、内燃機関の運転状態に適した燃料供給量を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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