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公開番号2025022466
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023127077
出願日2023-08-03
発明の名称ガス燃料噴射弁
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F02M 21/02 20060101AFI20250206BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ガス燃料の噴射性能を確保しつつ、シール部材の保護を図る。
【解決手段】燃料噴射弁において、ノズルボディ12は、上流側及び下流側の各燃料通路P1,P2を区画する端板部33を有し、端板部33には、燃料通路P1,P2を連通する連通孔34が設けられている。燃料噴射弁には、上流側から連通孔34を開閉する上段開閉弁13と、下流側から連通孔34を開閉する下段開閉弁14と、上段開閉弁13及び端板部33の間において連通孔34をシールするシール部材27とが設けられている。上段開閉弁13は、コイル25により開弁駆動される一方、下段開閉弁14は、連通孔34内の圧力が第2バネ45の付勢力よりも高くなることに伴い開弁される。また、燃料噴射弁は、下段開閉弁14の開弁に伴い連通孔34から流出し断熱膨張したガス燃料を、端板部33から下流側に向けて延びる延出部に衝突させ、延出部を冷却させる構成を有する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の燃焼室にガス燃料を直接噴射するガス燃料噴射弁(10)であって、
筒状をなし、内部に燃料通路を有するとともに先端部に噴孔(15)を有する本体部(11,12)を備え、
前記本体部は、前記燃料通路を上流側の第1燃料通路(P1)と下流側の第2燃料通路(P2)とに区画する区画部(33)を有し、前記区画部には、前記第1燃料通路と前記第2燃料通路とを連通する連通孔(34)が設けられており、
前記本体部内には、前記第1燃料通路側から前記連通孔を開閉する第1開閉弁(13)と、前記第2燃料通路側から前記連通孔を開閉する第2開閉弁(14)と、前記第1開閉弁及び前記区画部の間において前記連通孔の開口周りをシールするシール部材(27)とが設けられており、
前記第1開閉弁は、駆動部(25)により開弁駆動される一方、前記第2開閉弁は、前記連通孔内の圧力が、当該第2開閉弁を閉弁側に付勢する付勢部材(45)の付勢力よりも高くなることに伴い開弁されるものとなっており、
前記第2開閉弁の開弁に伴い前記連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料を、前記区画部から下流側に向けて延びる延出部(35,38)に衝突させ、当該延出部を冷却させる構成を有する、ガス燃料噴射弁。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記本体部は、前記区画部の外周部から下流側に向けて延び、前記第2燃料通路を形成する周壁部(35)と、前記区画部の下流側端面において前記周壁部の径方向内側となる位置で下流側に向けて突出する突出部(38)とを有し、これら周壁部及び突出部が前記延出部であり、
前記区画部には、前記周壁部と前記突出部との間に前記連通孔が設けられており、
前記第2開閉弁は、前記連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料を径方向外側及び径方向内側に向けてそれぞれ案内し、前記周壁部及び前記突出部に衝突させる案内部(42)を有する、請求項1に記載のガス燃料噴射弁。
【請求項3】
前記本体部は、前記区画部の外周部から下流側に向けて延び、前記第2燃料通路を形成する周壁部(35)を有し、前記周壁部が前記延出部であり、
前記第2開閉弁は、前記連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料を径方向外側に向けて案内し、前記周壁部に衝突させる案内部(42)を有する、請求項1に記載のガス燃料噴射弁。
【請求項4】
前記本体部において前記第2燃料通路の最上流部分とその下流側とで通路径寸法が異なり、前記最上流部分において通路径寸法が拡張されることで円環状の拡張スペース(S1)が形成されており、
前記第2開閉弁の前記案内部は、前記連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料を径方向外側に向けて案内し、前記拡張スペースに導入させる、請求項2又は3に記載のガス燃料噴射弁。
【請求項5】
前記第2開閉弁は、前記本体部の内周面に対して摺動可能となっている円筒部(41)を有し、当該円筒部の径方向外側に前記拡張スペースが形成されており、
前記円筒部は、前記拡張スペースとその径方向内側の内側スペースとを連通する開口部(43)を有する、請求項4に記載のガス燃料噴射弁。
【請求項6】
前記拡張スペースには、前記第2開閉弁を閉弁側に付勢する付勢部材(45)が設けられている、請求項4に記載のガス燃料噴射弁。
【請求項7】
前記区画部に設けられた前記複数の連通孔の全容積が、前記第1開閉弁の閉弁後、次に第1開閉弁が開弁するまでの間において前記第1開閉弁の下流側に残留する残留ガス容積となっている、請求項1に記載のガス燃料噴射弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、ガス燃料噴射弁に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
直噴式ガスエンジンに用いられるガス燃料噴射弁として、例えば特許文献1に記載のガス調量弁が知られている。このガス調量弁では、アクチュエータ駆動式の弁部材にエラストマー製のシール部材を設けることでガス燃料の漏れを抑制する一方、ガスエンジンの燃焼時に生じる熱や圧力によるシール部材の損傷を抑制すべく、弁部材のシール位置を燃料の流出開口から大きく離すようにしている。また、ガス調量弁において、アクチュエータ駆動式の弁部材と流出開口との間に、上流側及び下流側の圧力差により開弁する逆止弁(受動型開閉弁)を設けることにより、燃焼室内の火炎や燃焼圧がシール部材まで伝播することを抑制するものとしている。これにより、エラストマー製のシール部材が有効に保護されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2023-513065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、シール部材が設けられた弁部材とその下流側の逆止弁との隔たりを大きくしたものであり、これら弁部材と逆止弁との間の容積が大きくなっている。そのため、上流側の弁部材が閉弁した際における逆止弁の閉弁応答性が低いことが考えられ、その応答性低下に起因して燃料噴射弁でのガス漏れが生じ、ひいてはガスエンジンでの異常燃焼の発生が懸念される。ただしその反面、シール機能を有する上流側の弁部材を逆止弁に近づけて設置すると、弁部材のシール部材において熱による破損が懸念される。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガス燃料の噴射性能を確保しつつ、シール部材の保護を図ることができるガス燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
内燃機関の燃焼室にガス燃料を直接噴射するガス燃料噴射弁であって、
筒状をなし、内部に燃料通路を有するとともに先端部に噴孔を有する本体部を備え、
前記本体部は、前記燃料通路を上流側の第1燃料通路と下流側の第2燃料通路とに区画する区画部を有し、前記区画部には、前記第1燃料通路と前記第2燃料通路とを連通する連通孔が設けられており、
前記本体部内には、前記第1燃料通路側から前記連通孔を開閉する第1開閉弁と、前記第2燃料通路側から前記連通孔を開閉する第2開閉弁と、前記第1開閉弁及び前記区画部の間において前記連通孔の開口周りをシールするシール部材とが設けられており、
前記第1開閉弁は、駆動部により開弁駆動される一方、前記第2開閉弁は、前記連通孔内の圧力が、当該第2開閉弁を閉弁側に付勢する付勢部材の付勢力よりも高くなることに伴い開弁されるものとなっており、
前記第2開閉弁の開弁に伴い前記連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料を、前記区画部から下流側に向けて延びる延出部に衝突させ、当該延出部を冷却させる構成を有する。
【0007】
上記構成の燃料噴射弁では、筒状をなす本体部において区画部の上流側が第1燃料通路、下流側が第2燃料通路となっており、第1燃料通路と第2燃料通路とは連通孔により連通されている。そして、駆動部による第1開閉弁の開弁駆動に伴い第1燃料通路側から連通孔が開放されるとともに、その第1開閉弁の開弁により連通孔内の圧力が上昇すると、受動型の第2開閉弁が開弁され、第2燃料通路側においても連通孔が開放される。連通孔が上流側及び下流側で開放されると、燃料噴射弁においてガス燃料が噴射される。この場合、第1開閉弁と区画部との間には、連通孔の開口周りをシールするシール部材が設けられており、第1開閉弁の閉弁状態下において第1開閉弁と区画部とが直接接触する構成と比べて、ガスシール性を高めることが可能になっている。
【0008】
また、第2開閉弁の開弁に伴い連通孔からガス燃料が流出する際には、ガス燃料の断熱膨張が生じ、その断熱膨張により温度低下したガス燃料により区画部が冷却される。すなわち、第2開閉弁の開弁に伴い連通孔から流出し断熱膨張したガス燃料が、区画部から下流側に向けて延びる延出部に衝突することで、延出部が冷却され、さらに延出部の冷却に伴い区画部が冷却される。そして、区画部の冷却に伴い、区画部を挟んで第2開閉弁の逆側(第1開閉弁の側)に設けられたシール部材が冷却される。この場合、シール部材は、第2開閉弁に対して区画部を隔てただけの比較的近い位置に設けられているが、シール部材の過剰な温度上昇が抑制される。また、上流側及び下流側の各開閉弁は区画部を挟んで比較的近い位置に設けられているため、受動型の第2開閉弁において応答性低下が抑制される。その結果、ガス燃料の噴射性能を確保しつつ、シール部材の保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
燃料噴射弁の縦断面図。
第2筒部の斜視図。
ノズルボディ及び下段開閉弁を拡大して示す縦断面図。
図3における4-4線の横断面図。
下段開閉弁の斜視図。
燃料噴射弁が開弁した状態を示す縦断面図。
別例においてノズルボディ及び下段開閉弁を拡大して示す縦断面図。
別例において燃料噴射弁の構成を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係るガス燃料噴射弁を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態のガス燃料噴射弁は、ガス燃料として水素、CNG(Compressed Natural Gas)、LNG(Liquefied Natural Gas)のいずれかを使用する直噴式ガスエンジン(内燃機関)に適用されるものとなっており、ガス燃料噴射弁によりガスエンジンの燃焼室内にガス燃料が直接噴射される。ガスエンジンは、例えば車載エンジンである。本実施形態の燃料噴射システムは、数MPa程度に圧縮されたガス燃料が燃料噴射弁から燃焼室内に噴射される、いわゆる低圧直噴システムとなっている。
(【0011】以降は省略されています)

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