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公開番号
2025019970
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-07
出願番号
2023135463
出願日
2023-08-23
発明の名称
熱画像アレイ画素の動的補正方法
出願人
高爾科技股ふん有限公司
代理人
弁理士法人服部国際特許事務所
主分類
G01J
5/48 20220101AFI20250131BHJP(測定;試験)
要約
【課題】画素抵抗が不均一であるという課題を解決し、歩留まりを向上させ、読み出しチップのダイナミックレンジを拡大する、熱画像アレイ画素の動的補正方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる、ボロメーターの出荷時の補正に適用される熱画像アレイ画素の動的補正方法は、下記の工程を含む。基準温度において、順次に基準電流を画像センシングアレイにおけるすべての画素中のサーミスターに提供し、対応する抵抗アレイ値を測定して、メモリに記録する、個別抵抗の計算工程。抵抗アレイ値及び所定電圧値に基づいて、電流アレイ値をそれぞれ計算して、メモリに記録する、個別電流パラメータの計算工程。基準温度において、画像センシングアレイの個別画素電圧値を読み出す時、電流アレイ値に基づいて各画素に対応する個別電流パラメータを提供し、所定電圧値との一致性を確認する、所定電圧値の確認工程。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ボロメーターの出荷時の補正に適用される熱画像アレイ画素の動的補正方法であって、
基準温度において、順次に基準電流を画像センシングアレイにおけるすべての画素中のサーミスターに提供し、対応する抵抗アレイ値を測定して、メモリに記録する、個別抵抗の計算工程と、
該抵抗アレイ値及び所定電圧値に基づいて、電流アレイ値をそれぞれ計算して、該メモリに記録する、個別電流パラメータの計算工程と、
該基準温度において、該画像センシングアレイの個別画素電圧値を読み出す時、該電流アレイ値に基づいて各画素に対応する個別電流パラメータを提供し、該所定電圧値との一致性を確認する、所定電圧値の確認工程と、
を含む熱画像アレイ画素の動的補正方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
該メモリは、フラッシュメモリ又はマイクロコントローラーに内蔵された不揮発性メモリから選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱画像アレイ画素の動的補正方法。
【請求項3】
ボロメーターの出荷後の温度測定に適用される熱画像アレイ画素の動的補正方法であって、
所定の時間内で、画像センシングアレイを制御して対象物の温度をセンシングする、センシング工程と、
読み出しチップでメモリに貯蔵された電流アレイ値を読み出し、順次に該画像センシングアレイの画素に対応する個別電流パラメータに基づいて、個別電流を出力し、且つ対応する該画素の測定電圧値を読み出して、測定電圧アレイを得る、読み出し工程と、
順次に該測定電圧値と所定電圧値との差に基づいて、該画素で探知された温度を計算して、測定温度アレイを得る、温度計算工程と、
を含む熱画像アレイ画素の動的補正方法。
【請求項4】
該メモリは、フラッシュメモリ又はマイクロコントローラーに内蔵された不揮発性メモリから選択されることを特徴とする請求項3に記載の熱画像アレイ画素の動的補正方法。
【請求項5】
レンズバルブを有するボロメーターに適用される熱画像アレイ画素の動的補正方法であって、
起動と、
該レンズバルブを閉止するよう制御し、環境温度値を測定して、メモリに記録する、環境温度の測定と、
該レンズバルブを閉止するよう制御し、順次に基準電流を画像センシングアレイにおける画素中のサーミスターに提供し、対応する抵抗アレイ値を測定して、該メモリに記録する、個別抵抗の計算工程と、
該抵抗アレイ値及び所定電圧値に基づいて、電流アレイ値をそれぞれ計算して、該メモリに記録する、個別電流パラメータの計算工程と、
該レンズバルブを閉止するよう制御し、該環境温度を基準温度として、該画像センシングアレイの個別画素電圧値を読み出し、該電流アレイ値に基づいて各画素に対応する個別電流パラメータを提供し、該所定電圧値との一致性を確認する、所定電圧値の確認工程と、
該レンズバルブを開放し、所定の時間内で、該画像センシングアレイを制御して対象物の温度をセンシングする、センシング工程と、
読み出しチップで該メモリに貯蔵された該電流アレイ値を読み出し、順次に該画像センシングアレイの該画素に対応する個別電流パラメータに基づいて、個別電流を出力し、且つ対応する該画素の測定電圧値を読み出して、測定電圧アレイを得る、読み出し工程と、
順次に該測定電圧値と該所定電圧値との差に基づいて、該画素で探知された温度を計算して、測定温度アレイを得る、温度計算工程と、
を含む熱画像アレイ画素の動的補正方法。
【請求項6】
該メモリは、フラッシュメモリ又はマイクロコントローラーに内蔵された不揮発性メモリから選択されることを特徴とする請求項5に記載の熱画像アレイ画素の動的補正方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱画像アレイ画素の補償技術に関し、特に、熱画像アレイ画素の動的補正方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、ボロメーター(Bolometer)は、赤外線熱画像装置に応用された場合、赤外線センシングのアーキテクチャとしてマイクロアレイの構造を採用する。チップの作製において、ボロメーター画像アレイ(Bolometer Focal Plane Array - Bolometer FPA)は、読み出しチップ(Read-out IC - ROIC)の上方に作製され、半導体製造工程で複数層の微小電気機械システム(MEMS)構造を作り出すものである。そのうち、画像アレイ上の各画素(Pixel)は、1つの単独のサーミスターとなり、その熱画像を撮る基本原理は、MEMS構造に含まれる化合物フィルムのサーミスターを利用して、そこに定電流を流す。被測定物の温度が変動する時、それに応じてサーミスターの抵抗値が変化するため、出力電圧も変化する。適宜のゲインアンプ(Gain Amplifier)を利用して、これらの電圧変化値(ΔV)を出力すれば、温度変化値(ΔT)を逆推計することができ、画像アレイ上のすべてのサーミスターの温度変化値を計算すれば、被測定物の温度分布が得られ、最後に、画像処理によって被測定物の熱画像イメージを組み合わせることができる。
【0003】
そのうち、ボロメーターアレイのサーミスターを構成する化合物フィルム材料は、一般的に、アモルファスシリコン(Amorphous Silicon)、酸化バナジウム(VOx)、ヒ化インジウム(InAsx)、酸化亜鉛(ZnOx)・・・などがある。感度の理由で、なかでも、最も広く使用されている材料は酸化バナジウムであり、その次はアモルファスシリコンであり、他の材料は商品化されたボロメーターには滅多に見られない。
【0004】
各画素中のサーミスターは、化合物材料フィルムで形成されたため、フィルム形成の半導体コーティング工程において、1つ1つの画素のフィルム組成を完全に同一にすることができず、その誤差は工程の安定性に左右される。酸化バナジウム材料を例として、VOx中のx(VとOの割合)は、スパッタリング(sputtering)又は蒸着(evaporation)の工程で制御する。コーティング工程においてできるだけ各Pixelが同一の(極めて同一に近い)xを有するよう制御して同一の材料特性を有すると見なされても、各画素位置のフィルム厚さ、面積を完全に一致させることはできない。これにより、物理的電気的性質上、定電流を流した後、各画素が示す電圧値が大きく違ってくる。現在、補正の過程を用いて、この不均一性(Non-Uniformity)を軽減することは多い。補正の過程において、個別画素同士の特性の差が大きすぎるため、ボロメーターの適用される温度範囲が往々にして限られ、且つ画素同士の特性の差が大きすぎるため、効果的に製品の歩留まりを大幅に向上させられないことがよく見られる。したがって、市販のボロメーターアレイチップは往々にして、異なるセンシング温度範囲に分けて出荷され、販売価格が高いままである。
【0005】
ボロメーターアレイチップの撮像原理は、基本的に、サーミスターアレイを用いて、環境又は物体の温度分布を測定して、イメージングするものである。しかし、サーミスターの特性は、異なる温度において、その抵抗値が変化する。理想的には、各画素におけるサーミスターの特性が完全に同一であり、ボロメーターアレイチップを出荷する前に、いくつかの特定の温度について各サーミスターの抵抗を測定すれば、実用において良好な撮像と温度測定を実現することができる。しかし、現実的には、いかなる精密な半導体製造工程にも、依然として製造工程のズレが存在する。そのため、ボロメーターアレイチップのサーミスター分布は、図1Aに示されたように、ボロメーターアレイ10には、M×N個の画素がある。各画素は作製された時、抵抗がいずれも特定のものであり、例えば、画素11-0-0、画素11-0-2、画素11-0-M、画素11-N-2、画素11-N-Mなどは、対応する抵抗R(0,0)、抵抗R(0,2)、抵抗R(0,M)、抵抗R(N,2)、抵抗R(N、M)がそれぞれ異なる可能性がある。
【0006】
画素アレイにおいて、各画素のサーミスターは抵抗値が異なる。そのため、周知技術のやり方では、画素アレイ抵抗値の基準温度における分布図に基づいて、分布が最も大きい(数が最も多い)抵抗値を、基準抵抗として、この基準抵抗を利用して電流源が提供すべき適切な電流値(固定電流値)を計算する。V=IR(電圧=電流×抵抗)の式によって、この固定の電流値を用いて各P画素の出力電圧を計算し、更に異なる温度及び基準温度での電圧変化量の比較に基づいて、温度変化を計算し、且つ後続のイメージングを行う。この周知技術のやり方によって、定電流を出力した後、ボロメーターアレイチップは特定の温度で、画素アレイの出力電圧が図1Bに示されたように、ボロメーターアレイ10のM×N個の画素において、画素11-0-0、画素11-0-2、画素11-0-M、画素11-N-2、画素11-N-Mなどは、対応する抵抗が異なる可能性があるため、定電流を提供した後に対応する電圧V(0,0)、電圧V(0,2)、電圧V(0,M)、電圧V(N,2)、電圧V(N,M)がそれぞれ異なる可能性がある。
【0007】
図1Bから分かるように、この周知技術の問題点は、基準抵抗との差が大きすぎる抵抗値を有する画素では、下記の結果になってしまう点である。出力電圧が高すぎる画素は、パワーアンプのゲイン(gain)が少しでも高い場合に過飽和となって、いわゆる輝点となりやすい。逆に、電圧出力が低すぎる画素では、ゲインが少しでも低い時、十分な温度変化シグナルを受け取れず、いわゆる暗点となりやすい。これによって、設定に使用できるゲイン範囲が非常に狭いため、ボロメーターの歩留まり及び感度表現が大きく損なわれる。これらの過飽和になりやすい又は出力が低すぎる画素は、デッドピクセル/ウィークピクセル(Dead pixel、weak pixel)又はブラインドピクセル(Blind pixel)と呼ばれることがある。
【0008】
多くの周知技術は、特にブラインドピクセルに対して読み出し後の補償を行って、ブラインドピクセル(Blind pixel)をブラインドでなくなるようにするものである。例えば、特許CNA-101980283Aには、ブラインドピクセル近傍の画素の値を用いて、ブラインドピクセルを補償する、動的ブラインドピクセルの補償方法が開示されている。このような補償技術の多くは、輝点又は暗点の部分のみに対して補償するものであり、以上の製造工程による画素抵抗不均一の課題を解決できない。
【0009】
そこで、ボロメーターアレイチップの製造工程による画素抵抗の不均一の問題点を解決し、更に読み出しチップ(Read out IC、ROIC)のダイナミックレンジを拡大し、且つ生産歩留まりを向上させる(使用できるチップを増やす)ことができるものの開発は、現在の巨大な市場需要において、各メーカーが果たしたい技術的目標となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このことに鑑み、本発明は、熱画像アレイ画素の動的補正方法を提案する。基準温度の際に、個別画素の異なる抵抗値に異なる電流を提供し、各画素が出力する電圧を同一にすると、単一の画素の補正という目的を達成する。これは、製造工程によるマトリックスにおける画素抵抗不均一の課題を解決し、且つ十分な歩留まりの向上及び読み出しチップのダイナミックレンジの拡大を達成するといった複数の特別な技術的効果を奏し得る。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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