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公開番号2025018676
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122606
出願日2023-07-27
発明の名称炭化珪素半導体装置およびその製造方法
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類H10D 30/66 20250101AFI20250130BHJP()
要約【課題】製造工程が増加することを抑制しつつ、大型化することを抑制する。
【解決手段】第1不純物領域14は、イオン注入層であり、第2不純物領域15は、第1導電型の不純物を含むイオン注入層としての打ち返し層であり、第1導電型の不純物濃度よりも第2導電型の不純物濃度が高くされることで第2導電型とされ、第1不純物領域14と電極20との界面に沿った面を基準面として基準面からの半導体基板10の深さ方向において、第2不純物領域15における第2導電型の不純物濃度が最も高くなる第2ピーク位置は、第1不純物領域14における第1導電型の不純物濃度が最も高くなる第1ピーク位置よりも深い位置となるようにし、電極20は、SiCとの化合物であって半導体基板10と当接する金属シリサイド層21を含んで構成されるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化珪素で構成される炭化珪素半導体装置であって、
炭化珪素で構成され、一面(10a)および前記一面と反対側の他面(10b)を有する半導体基板(10)と、
前記半導体基板の一面側に形成された第1導電型の第1不純物領域(14)と、
前記半導体基板の一面側に形成され、前記第1不純物領域と当接する部分を有する第2導電型の第2不純物領域(15)と、
前記第1不純物領域および前記第2不純物領域と電気的に接続される電極(20)と、を備え、
前記第1不純物領域は、イオン注入層であり、
前記第2不純物領域は、前記第1導電型の不純物を含むイオン注入層としての打ち返し層であり、前記第1導電型の不純物濃度よりも前記第2導電型の不純物濃度が高くされることで前記第2導電型とされ、
前記第1不純物領域と前記電極との界面に沿った面を基準面として前記基準面からの前記半導体基板の深さ方向において、前記第2不純物領域における第2導電型の不純物濃度が最も高くなる第2ピーク位置(P2)は、前記第1不純物領域における前記第1導電型の不純物濃度が最も高くなる第1ピーク位置(P1)よりも深い位置とされており、
前記電極は、前記炭化珪素との化合物であって前記半導体基板と当接する金属シリサイド層(21)を含んで構成されている炭化珪素半導体装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記半導体基板は、前記一面側に凹部(16)が形成されており、
前記第2不純物領域は、前記半導体基板の一面に対する法線方向において、前記凹部と重なる位置に形成されている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項3】
前記第1ピーク位置および前記第2ピーク位置は、前記金属シリサイド層との界面に位置している請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項4】
炭化珪素で構成され、一面(10a)および前記一面と反対側の他面(10b)を有する半導体基板(10)と、
前記半導体基板の一面側に形成された第1導電型の第1不純物領域(14)と、
前記半導体基板の一面側に形成され、前記第1不純物領域と当接する部分を有する第2導電型の第2不純物領域(15)と、
前記第1不純物領域および前記第2不純物領域と電気的に接続される電極(20)と、を備え、
前記第1不純物領域は、イオン注入層であり、
前記第2不純物領域は、前記第1導電型の不純物を含むイオン注入層としての打ち返し層であり、前記第1導電型の不純物濃度よりも前記第2導電型の不純物濃度が高くされることで前記第2導電型とされ、
前記第1不純物領域と前記電極との界面に沿った面を基準面として前記基準面からの前記半導体基板の深さ方向において、前記第2不純物領域における第2導電型の不純物濃度が最も高くなる第2ピーク位置(P2)は、前記第1不純物領域における前記第1導電型の不純物濃度が最も高くなる第1ピーク位置(P1)よりも深い位置とされており、
前記電極は、前記炭化珪素との化合物であって前記半導体基板と当接する金属シリサイド層(21)を含んで構成されている炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板を用意することと、
前記半導体基板の一面側から第1導電型の第1不純物をイオン注入して第1導電型領域(30)を形成することと、
前記半導体基板の一面側に、前記第2不純物領域の形成予定領域が開口したマスク(40)を配置すること、
前記半導体基板の一面側から第2導電型の第2不純物をイオン注入し、前記第1導電型領域の一部を打ち返して前記第2不純物領域を形成すると共に、前記第1導電型領域のうちの前記第2不純物領域と異なる領域を前記第1不純物領域とすることと、
前記第2不純物をイオン注入することの後、前記半導体基板の一面側に金属層を配置すると共に前記金属層を半導体基板と反応させて前記電極を構成する前記金属シリサイド層を形成することと、を行い、
前記第2不純物をイオン注入することでは、前記第1ピーク位置より深い位置に前記第2ピーク位置が位置するように、前記第2不純物をイオン注入する炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2不純物をイオン注入することでは、前記半導体基板の一面のうちの前記第2不純物領域を形成する領域に凹部(16)を形成することと、前記凹部の底面に対して前記第2不純物をイオン注入することと、を行う請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記凹部を形成することでは、前記第2不純物領域の形成予定領域が開口したマスク(40)を配置して前記凹部を形成し、前記第2不純物をイオン注入することでは、前記マスクをそのまま利用して前記凹部の底面から前記第2不純物をイオン注入する請求項5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2不純物領域をイオン注入することでは、前記第1不純物をイオン注入する際の加速電圧よりも高い加速電圧で前記第2不純物をイオン注入することにより、前記第2ピーク位置を前記第1ピーク位置より深い位置とする請求項4に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記金属シリサイド層を形成することでは、前記金属シリサイド層と前記半導体基板との界面に、前記第1ピーク位置および前記第2ピーク位置が位置するように、前記金属シリサイド層の厚さを調整する請求項4ないし7のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化珪素(以下では、単にSiCともいう)で構成され、第1不純物領域と第2不純物領域とを有するSiC半導体装置およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、SiCで構成され、第1不純物領域と第2不純物領域とを有するSiC半導体装置が提案されている。例えば、特許文献1には、SiCで構成される半導体基板にMOSFETを形成したSiC半導体装置が提案されている。具体的には、このSiC半導体装置は、第1不純物領域としてのn型のソース領域と、第2不純物領域としてのp型のコンタクト領域と、ソース領域およびコンタクト領域と接続される電極とを有する構成とされている。なお、MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略である。
【0003】
このようなSiC半導体装置におけるソース領域およびコンタクト領域は、次のように形成される。すなわち、ソース領域は、ソース領域の形成予定領域が開口されたマスクを用いて半導体基板にn型不純物をイオン注入することで形成される。コンタクト領域は、コンタクト領域の形成予定領域が開口されたマスクを用いて半導体基板にp型不純物をイオン注入することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5408248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにソース領域およびコンタクト領域を形成する場合、ソース領域を形成するためのマスクとコンタクト領域を形成するためのマスクとを別々に用意しなければならず、製造工程が増加し易い。また、上記のようにソース領域およびコンタクト領域を形成する場合、ソース領域を形成するためのマスクとコンタクト領域を形成するためのマスクとを別々に用意するため、各マスクの位置ずれを考慮する必要があり、SiC半導体装置が大型化し易い。
【0006】
このため、本発明者らは、次のようにSiC半導体装置を製造することを検討している。すなわち、まず、n型のソース領域をマスクを形成せずに半導体基板に形成する。そして、ソース領域の一部が露出するマスクを配置し、p型不純物をイオン注入してソース領域の一部をp型のコンタクト領域に打ち返すことでSiC半導体装置を製造することを検討している。これによれば、マスクとしてコンタクト領域を形成するためのものを用意すればよく、ソース領域を形成するためのマスクとコンタクト領域を形成するためのマスクとを別々に用意しなくてもよくなる。
【0007】
しかしながら、このようにSiC半導体装置を製造する場合、ソース領域における不純物濃度が最も高くなる位置と、コンタクト領域における不純物濃度が最も高くなるピーク位置が同じとされていると、ダメージが大きくなる可能性がある。詳しくは、各領域のピーク位置が同じである場合、ソース領域の一部をコンタクト領域に打ち返す際に多量のp型不純物をイオン注入する必要があるため、イオン注入によるダメージが大きくなる可能性がある。この場合、このダメージによってSiC半導体装置の特性変動が発生する可能性がある。
【0008】
本開示は、製造工程が増加することを抑制しつつ、大型化することを抑制でき、さらに特性変動が発生することを抑制できるSiC半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の1つの観点によれば、SiC半導体装置は、SiCで構成され、一面(10a)および一面と反対側の他面(10b)を有する半導体基板(10)と、半導体基板の一面側に形成された第1導電型の第1不純物領域(14)と、半導体基板の一面側に形成され、第1不純物領域と当接する部分を有する第2導電型の第2不純物領域(15)と、第1不純物領域および第2不純物領域と電気的に接続される電極(20)と、を備え、第1不純物領域は、イオン注入層であり、第2不純物領域は、第1導電型の不純物を含むイオン注入層としての打ち返し層であり、第1導電型の不純物濃度よりも第2導電型の不純物濃度が高くされることで第2導電型とされ、第1不純物領域と電極との界面に沿った面を基準面として基準面からの半導体基板の深さ方向において、第2不純物領域における第2導電型の不純物濃度が最も高くなる第2ピーク位置(P2)は、第1不純物領域における第1導電型の不純物濃度が最も高くなる第1ピーク位置(P1)よりも深い位置とされており、電極は、SiCとの化合物であって半導体基板と当接する金属シリサイド層(21)を含んで構成されている。
【0010】
これによれば、第2不純物領域は、第1導電型の不純物を含む打ち返し層である。このため、第1不純物領域を形成する際のマスクを不要にでき、製造工程が増加することを抑制できる。また、第1不純物領域を形成する際のマスクを不要にできるため、1つのマスクの位置ずれのみを考慮すればよく、SiC半導体装置が大型化することを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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