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公開番号2025018559
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122363
出願日2023-07-27
発明の名称ハイブリッド基板
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H05K 3/46 20060101AFI20250130BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】特定の熱可塑性樹脂が分散したポリアリーレンスルフィド樹脂系樹脂フィルムからなるプリント配線板を用いることで、金属層やエポキシガラスクロス積層板との密着、及びリフロー耐性、に優れることを特徴とする高周波用ハイブリッド基板を提供することにある。
【解決手段】エポキシガラスクロス積層板と金属層によるプリント配線板の片面または両面に、主成分のポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とガラス転移温度200℃以上、または融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の樹脂組成物からなる樹脂層を低誘電材料層としたプリント配線板を積層した高周波用ハイブリッド基板で、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成させるに至った。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エポキシガラスクロス積層板で形成された絶縁層を備えるプリント配線板(1)の片面または両面に、低誘電材料を絶縁層としたプリント配線板(2)が積層された高周波用ハイブリッド基板であって、
前記低誘電材料が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度200℃以上、または融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の樹脂組成物からなることを特徴とする高周波用ハイブリッド基板。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ガラス転移温度200℃以上、または融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)とガラス転移温度200℃以上、または融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の合計量100質量%に対して、3~49質量%の範囲である請求項1に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項3】
前記ガラス転移温度200℃以上、または融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)が、平均分散径が5μm以下の分散相である請求項1または2に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項4】
前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)が少なくともポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる一つ以上である請求項1または2に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項5】
前記低誘電材料の誘電率が3.4以下である請求項1または2に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項6】
更に、低誘電材料の樹脂組成物に反応性基が付与された変性エラストマー(C)が含有した請求項1または2に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項7】
前記変性エラストマー(C)が少なくともエポキシ基、酸無水物基から選ばれる官能基を有するオレフィン系重合体からなる、請求項6に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項8】
前記変性エラストマー(C)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、及び変性エラストマー(C)の合計100質量%に対して、1~15質量%含有した請求項6に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項9】
前記変性エラストマー(C)のα-オレフィン含有率が、前記変性エラストマーの総質量に対して、50~95質量%である請求項6に記載の高周波用ハイブリッド基板。
【請求項10】
更に、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤(D)を0.01~5質量%含む請求項6に記載の高周波用ハイブリッド基板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシガラスクロス積層板で形成された絶縁層を備えるプリント配線板(1)の片面または両面に、低誘電材料を絶縁層としたプリント配線板(2)が積層された高周波用ハイブリッド基板に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
高速大容量通信(5G)や車載ミリ波レーダーなどの分野において、高周波をもちいても伝送損失の少ない低誘電材料と金属配線による高周波基板が求められている。しかし低誘電材料は高価であるため、表層のアンテナ部や高周波伝送部のみでそれを用い、制御や電源用の低周波用配線を比較的安価な一般材であるエポキシガラスクロス積層板で形成された絶縁層によるプリント配線板(1)を用いた高周波用ハイブリッド基板が開発されてきている。またさらには高周波用ハイブリッド基板において、表層のプリント配線板(2)の高周波配線層を3層以上の多層で形成することで、より高機能化を図る用途の増加が見込まれている
【0003】
高周波用ハイブリッド基板に係る技術としては、例えば引用文献1が挙げられる。プリント配線板(1)とプリント配線板(2)の接続を半田や導電ペーストを用いて生産性良く製造できるという利点があるが、その場合は金属箔やめっき層で導通をとるのに比べ、導電性が下がるという欠点もある。また、高周波基板としてガラス布基材の低誘電材料を用いているため、低誘電層でのガラス布による材料不均一性が生じることが問題である。
【0004】
引用文献2には、汎用の絶縁層を備えるプリント配線板(1)と低誘電材料を絶縁層としたプリント配線板(2)を有する非対称構成の多層プリント配線板において、例えばコア層であるエポキシガラスクロス積層板で形成された絶縁層によるプリント配線板の片面に接着層で高周波基板を積層し、その反対の面に同じ接着層による樹脂層を単独で形成することで、低反り性に優れる多層プリント配線板を製造する手法が提案されている。しかし、反りを抑えるために接着層による樹脂層を追加する必要があるため、設計自由度が減ることや工程が煩雑になるという問題がある。引用文献3においてはプリント配線板(1)をコア層に用いることでドリル加工性の優れた高周波用ハイブリッド基板を得ているが、低誘電材料を絶縁層としたプリント配線板(2)をガラス布基材の低誘電材料を用いているため、面内で材料不均一性が生じるという問題がある。
【0005】
表層のプリント配線板(2)は低誘電材料と金属配線(導電材)からなる。低誘電材料としては、上述のようにガラス布基材の低誘電材料が用いられる場合もある。しかしその場合、ガラス布の網目による絶縁材料の不均一性が電気特性のばらつきの要因になることや、ガラス布の網目の存在によって絶縁材料表面に凹凸が誘起されやすいことから、ガラス布を使用しない低誘電材料を使用することが求められている。
【0006】
ガラス布無しの低誘電材料によるプリント配線板(2)を、プリント配線板(1)の表層に形成するために、低誘電材料の溶液を塗布してから乾燥・硬化させて低誘電材料層を形成する手法がある。しかし溶剤の乾燥工程による煩雑さがあることや、乾燥過程で表面の平滑性が悪化するという課題がある。そのため低誘電材料のフィルム(以下、低誘電フィルムと略す)をプリント配線板(1)に張り付ける手法が、工程が簡便で、かつ平滑な表面を得やすいため好ましい。
【0007】
低誘電フィルムの素材としてフッ素系樹脂、液晶ポリマー(以下、「LCP」と称することがある。)、環状オレフィン(以下、「COP」と称することがある。)、モディファイドポリイミド(以下、「MPI」と称することがある。)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)に代表されるポリアリーレンスルフィド系樹脂(以下、「PAS系樹脂」と称することがある。)などが知られている。その中で、フッ素系樹脂は誘電特性が非常に優れているが、高価であることや、密着性に劣るために積層や銅配線の密着が容易でないという課題がある。LCPも誘電特性に優れるが、高価であることや、層状に剥離しやすいためにプリント配線板(2)の積層が困難であるいう課題がある。またCOPも密着性、耐熱性が劣る。MPIは吸湿しやすいために高湿度下での誘電特性に劣るという課題がある。
【0008】
ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS)を用いた低誘電フィルムは、誘電特性も良く、耐熱性や難燃性、低吸湿性に優れているため高周波用ハイブリッド基板の低誘電材料として適しているが、低疎度銅箔への密着性が不充分であることや耐リフロー性が不充分であるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2020-174115号公報
特開2016-40797号公報
特開平6-5998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特定の熱可塑性樹脂が分散したポリアリーレンスルフィド系樹脂からなるフィルム(以下、PAS系フィルムと略す場合がある)を絶縁層としたプリント配線板を用いることで、該プリント配線板のエポキシガラスクロス積層板で形成された絶縁層との密着、及びリフロー耐性、に優れることを特徴とする高周波用ハイブリッド基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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