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公開番号
2025010003
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024103917
出願日
2024-06-27
発明の名称
ナノシリコン、ナノシリコン含有スラリー、二次電池用活物質、ナノシリコン含有スラリーの製造方法、及び二次電池用活物質の製造方法
出願人
DIC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
33/02 20060101AFI20250109BHJP(無機化学)
要約
【課題】本発明が解決しようとする課題は、シリコン材料中に分散するナノシリコンの酸化度を低く制御することにより、電池容量、初回効率、サイクル維持率が全体的に高く、またそれらのバランスも優れており、高性能負極活物質として有用であるナノシリコン、ナノシリコン含有スラリー、その製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明のナノシリコンは、
29
Si-NMRにおいて、-75~-85ppmの範囲にあるピークの面積(i)と、-110~-100ppmの範囲にあるピークの面積、-75~-65ppmの範囲にあるピーク面積、-40~-30ppmの範囲にあるピーク面積、-10~0ppmの範囲にあるピーク面積、及び-20~-10ppmの範囲にあるピーク面積の合計のピーク面積(ii)の比[(i)/(ii)比]が0.4以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
29
Si-NMRにおいて、-75~-85ppmの範囲にあるピークの面積(i)と、-110~-100ppmの範囲にあるピークの面積、-75~-65ppmの範囲にあるピーク面積、-40~-30ppmの範囲にあるピーク面積、-10~0ppmの範囲にあるピーク面積、及び-20~-10ppmの範囲にあるピーク面積の合計のピーク面積(ii)の比[(i)/(ii)比]が0.4以上であるナノシリコン。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のナノシリコンの焼成後の
29
Si-NMRにおいて、
-110~-100ppmの範囲にあるピークの面積(iii)と、-75~-85ppmの範囲にあるピーク面積、-95~-85ppmの範囲にあるピーク面積の合計のピーク面積(iv)の比[(iii)/(iv)比]が0.4以下であるナノシリコン。
【請求項3】
前記ナノシリコンの外表面に有する酸化膜の一部がアモルファスであり、前記酸化膜の厚みの最大値が20nm未満である請求項1に記載のナノシリコン。
【請求項4】
(111)面の結晶配向度が0.25以上である請求項1に記載のナノシリコン。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のナノシリコンと、分散液とを含むナノシリコン含有スラリー。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のナノシリコンを含む二次電池用活物質。
【請求項7】
シリコン原料を湿式粉砕してナノシリコン含有スラリーを得るナノシリコン含有スラリーの製造方法であって、前記湿式粉砕に0.5mm以下のビーズを使用し、前記湿式粉砕時の重量当たりの積算投入動力が7500kWh/t以上であるナノシリコン含有スラリーの製造方法。
【請求項8】
前記湿式粉砕をビーズ径を変えることにより2回以上の多段階に分けて行い、初回のビーズ径D1と2回目以降のビーズ径D2のビーズ径の比(D1/D2)が1.5以上である請求項7に記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
【請求項9】
前記シリコン原料の比表面積が30m
2
/g以下である請求項7又は8に記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
【請求項10】
前記ビーズの真密度が6.5g/cm
3
以下である請求項7又は8に記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノシリコン、ナノシリコン含有スラリー、二次電池用活物質、ナノシリコン含有スラリーの製造方法、及び二次電池用活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯電子機器の普及に伴い、小型・高容量二次電池の需要が高まっている。その中でもリチウムイオン電池(LIBと表記する場合がある)などの二次電池は、電気自動車(EV)への急速展開が進められており、産業上の利用範囲が広がっている。このような二次電池の負極材として、炭素類の黒鉛活物質(天然、人工)が広く用いられているが、黒鉛の理論容量密度が低く(372mAh/g)、電池構成技術の進歩により、電池容量は理論的な限界に近い。
【0003】
リチウムイオン二次電池の高容量・高エネルギー密度化のため、リチウムイオンと合金化される珪素およびそれらの酸化物を用いた珪素系材料からなる活物質が検討されている。その中、シリコンオキシカーバイド(以下、SiOCと表記する場合がある)は、SiとOとCからなるセラミックス骨格とフリー炭素から構成される材料であり、他種の高容量活物質に比べて優れた充放電のサイクル特性を有することで注目されている。例えば、特許文献1は、微粒子形態のSiOC複合材料であって、前記微粒子が前記SiOCマトリックスの総重量に基づき20~60重量%の範囲のSiと、20~40重量%のOと、10~50重量%の範囲のCとを有する非晶質SiOCマトリックスで形成され、シリコン粒子が前記SiOCマトリックスの中に埋め込まれ、前記微粒子が前記非晶質SiOCマトリックスで形成され、かつ少なくとも1種の非晶質炭素層でコーティングされたコアを有するコア/コーティング構造を有する、SiOC複合材料である。特許文献2は、少なくとも1つのシリコン系微粒子と、少なくともSiとOとCとを構成元素として含有するSiOCコート層によって被覆されており、BET比表面積が20m
2
/g以下であり、累積10%粒径(D10)、及び50%粒径(D50)、及び90%粒径(D90)が1nm≦D50≦990μm、かつD90/D10≦13.0の条件を満たすSiOC構造体についてである。また、特許文献3は、平均粒径(D50)が0.01~0.6μm、平均粒径(D90)が0.01~1.0μmであり、BET法によるBET比表面積が40~300m
2
/g、酸素含有量が10重量%以上20重量%未満であることを特徴とするSiまたはSi合金についてである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2018-502029号公報
国際公開第2020/179409号パンフレット
特開2021-180124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1から3では、シリコンオキシカーバイド複合体において、Si含有量を多くすると維持率が低くなってしまい高性能化に課題があり、シリコン粒子における酸化度を十分に低減させることができず、初期容量が高いものの維持率が低く、低寿命という問題がある。
【0006】
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、シリコン材料中に分散するナノシリコンの酸化度を低く制御することにより、電池容量、初回効率、サイクル維持率が全体的に高く、またそれらのバランスも優れており、高性能二次電池用活物質として有用であるナノシリコン、ナノシリコン含有スラリー、二次電池用活物質、その製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するため、ナノシリコン製造時における湿式粉砕の機械的な手段を改善してナノシリコンの酸化度を低減させることで、二次電池用活物質としたときに優れた充放電特性を発揮することを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]
29
Si-NMRにおいて、-75~-85ppmの範囲にあるピークの面積(i)と、-110~-100ppmの範囲にあるピークの面積、-75~-65ppmの範囲にあるピーク面積、-40~-30ppmの範囲にあるピーク面積、-10~0ppmの範囲にあるピーク面積、及び-20~-10ppmの範囲にあるピーク面積の合計のピーク面積(ii)の比[(i)/(ii)比]が0.4以上であるナノシリコン。
[2] [1]に記載のナノシリコンの焼成後の
29
Si-NMRにおいて、-110~-100ppmの範囲にあるピークの面積(iii)と、-75~-85ppmの範囲にあるピーク面積、-95~-85ppmの範囲にあるピーク面積の合計のピーク面積(iv)の比[(iii)/(iv)比]が0.4以下であるナノシリコン。
[3] 前記ナノシリコンの外表面に有する酸化膜の一部がアモルファスであり、前記酸化膜の厚みの最大値が20nm未満である[1]または[2]に記載のナノシリコン。
[4] (111)面の結晶配向度が0.25以上である[1]~[3]のいずれか1つに記載のナノシリコン。
[5] [1]~[4]のいずれか1つに記載のナノシリコンと、分散液とを含むナノシリコン含有スラリー。
[6] [1]~[4]のいずれか1つに記載のナノシリコンを含む二次電池用活物質。
[7] シリコン原料を湿式粉砕してナノシリコン含有スラリーを得るナノシリコン含有スラリーの製造方法であって、前記湿式粉砕に0.5mm以下のビーズを使用し、前記湿式粉砕時の重量当たりの積算投入動力が10000kWh/t以上であるナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[8] 前記湿式粉砕をビーズ径を変えることにより2回以上の多段階に分けて行い、初回のビーズ径D1と2回目以降のビーズ径D2のビーズ径の比(D1/D2)が1.5以上である[7]に記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[9] 前記シリコン原料の比表面積が30m
2
/g以下である[7]又は[8]に記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[10] 前記ビーズの真密度が6.5g/cm
3
以下である[7]~[9]のいずれか1つに記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[11] 前記湿式粉砕においてビーズミル内のビーズの体積充填率が50~95%である[7]~[10]のいずれか1つに記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[12] 前記湿式粉砕におけるビーズミル周速が20m/s未満である[7]~[11]のいずれか1つに記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[13] 前記湿式粉砕を単位シリコン原料量あたりのビーズミル積算投入動力が7500kWh/t~45000kWh/tの範囲内で行う[7]~[12]のいずれか1つに記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法。
[14] [7]~[13]のいずれか1つに記載のナノシリコン含有スラリーの製造方法で得られたナノシリコンと、樹脂とを含有する混合物を乾燥し、不活性ガス雰囲気下で焼成して二次電池用活物質を得る二次電池用活物質の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のナノシリコンは、負極活物質として用いたとき、電池容量、初回効率、サイクル維持率が全体的に高く、またそれらのバランスも優れている。また、本発明のナノシリコン含有スラリーの製造方法は、上記本発明のナノシリコンを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例1のナノシリコン乾燥物1の
29
Si-NMRスペクトルのチャートである。
図2は、実施例1のナノシリコン乾燥物1のX線回折法による結晶構造解析(XRD)のチャートである。
図3は、実施例1の電極膜におけるHR-TEM画像である。
図4は、実施例2の電極膜におけるHR-TEM画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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