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公開番号2025023691
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-17
出願番号2023128041
出願日2023-08-04
発明の名称高分子分散型液晶組成物及び調光素子
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09K 19/38 20060101AFI20250207BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本発明は、基材との密着性、信頼性、耐熱性、加熱後の透過率、電圧ON時の透明性、低温域での高速応答性に優れた、高分子分散型液晶組成物、液晶素子、及び調光素子を提供する。
【解決手段】本発明の高分子分散型液晶組成物は、重合性化合物(MA)と非重合性液晶化合物(LB)とを含有する。前記重合性化合物(MA)が、第1成分として、鎖状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有し、第2成分として、環状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有する。前記重合性化合物(MA)のコポリマーTgが-10℃以下である。前記色素(CR)は、少なくとも1種類の青色色素化合物と、少なくとも1種類の赤色色素化合物と、少なくとも1種の黄色色素化合物と、を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重合性化合物(MA)と、非重合性液晶化合物(LB)と、色素(CR)と、を含有する高分子分散型液晶組成物であって、
前記重合性化合物(MA)が、第1成分として、鎖状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有し、第2成分として、環状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有し、
前記重合性化合物(MA)のコポリマーTgが-10℃以下であり、
前記色素(CR)は、少なくとも1種類の青色色素化合物と、少なくとも1種類の赤色色素化合物と、少なくとも1種の黄色色素化合物と、を含有する高分子分散型液晶組成物。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記第1成分の前記鎖状単官能重合性化合物のうち少なくとも1種のホモポリマーTgの値が-30℃以下である、請求項1に記載の高分子分散型液晶組成物。
【請求項3】
前記第2成分の環状単官能重合性化合物のうち少なくとも1種のホモポリマーTgの値が40℃以下である、請求項1又は請求項2に記載の高分子分散型液晶組成物。
【請求項4】
前記非重合性液晶化合物(LB)のネマチック-アイソトロピック相転移点(Tni)が110℃以上180℃以下である、請求項1又は請求項2記載の高分子分散型液晶組成物。
【請求項5】
一対の透明電極基板と、
前記透明電極基板の間に配された、ポリマーネットワークと液晶化合物とを含む液晶高分子複合体を有する調光素子であって、
前記ポリマーネットワークが、請求項1又は2に記載の高分子分散型液晶組成物に含まれる前記重合性化合物(MA)由来のポリマーネットワークであり、
前記液晶化合物が、請求項1又は2に記載の高分子分散型液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物(LB)である、調光素子。
【請求項6】
前記一対の透明電極基板が可撓性材料からなる、請求項5記載の調光素子。
【請求項7】
直進透過光の前方散乱光の検出角依存性を測定・解析する方法に依った散乱度が1.5以下である、請求項5に記載の調光素子。
【請求項8】
JIS K7136(プラスチック・透明材料のヘーズの試験方法)による拡散透過率が20%以下である、請求項5に記載の調光素子。
【請求項9】
全光線透過率TTのコントラスト比[TT(透明状態)/TT(遮光状態)]が2.0以上である、請求項5に記載の調光素子。
【請求項10】
電圧を印加しないとき遮光状態、電圧を印加したとき透明状態に切り替わる、請求項5に記載の調光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子分散型液晶組成物、該高分子分散型液晶組成物を用いて得られた液晶素子、及び液晶素子を用いた調光素子に関する。調光素子は、スマートウィンドウ、住宅やビル等建築物の窓ガラス、ドア、パーティション、プライベートガラス等に使用される調光素子;自動車や鉄道車両、船舶、航空機等に使用されるガラス窓、鏡、屋根等に使用される調光素子;デジタルカメラやスマートフォン等の調光に使用される光シャッター、ディスプレイ用光源の光散乱板、導光板、反射型ディスプレイや透明ディスプレイの反射板等に使用される調光素子を含む。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
運輸や建築の分野において、空間の快適性と利便性向上のため、外光の透過度合いを調節するスマートウィンドウやスマートガラスとして、高分子分散型液晶(PDLC)、ゲストホスト液晶(GHLC)、エレクトロクロミック(EC)、浮遊粒子デバイス(SPD)など各種の調光方式が応用されるようになった。その中でも液晶材料がポリマーマトリックス中へ粒子状に分散している高分子分散型液晶素子(PDLC)や液晶材料がポリマーネットワーク空隙に連続相として介在している高分子ネットワーク型液晶素子(PNLC)は、調光層(相分離液晶層)によって、光の透過/散乱度合いを、印加電圧のオンオフによって切り替えることが可能である。さらに調光層を、プラスチックフィルムなど可撓性に優れた透明基板に直接形成することが可能である。ここで、調光層(相分離液晶層)には、基材への密着性が高く、十分な耐候性や耐熱性を持ち、高温から低温まで幅広い環境温度域で、機能低下することなく動作することが要求される
また、スマートウィンドウには、快適性向上の目的や使用環境によっては、遮光性が求められる。調光フィルム・調光体に遮光機能を付与するために、調光体に遮光層や着色層を別途積層して設けた調光素子が実用化されているが、散乱状態の遮光性と透明状態の透過性とのバランスが、市場の要求に対して十分ではなかった。また従来の、調光層に色素を含有した遮光色の高分子分散型液晶調光素子においては、散乱(遮光)状態における、透過光の高い遮光度合いの実現や、散乱状態の遮光性と透明状態の透過性とのコントラスト、プライバシー性の高さが、市場の要求に対して十分とは言えなかった。
【0003】
特に、上記スマートガラスやスマートウィンドウ(SW)に展開する場合、高分子分散型液晶素子や高分子分散型液晶素子全面の調光を行うことから、一般的には、順に「透明基板、透明電極層、相分離液晶層(調光層)、透明電極層、透明基板」のような単純な構成で、全面に電圧を印加することになる。スマートウィンドウ等に使用する場合は、散乱状態では、向こう側の様子をわからなくするため高い散乱性が望まれており、透明状態では、なにもないような高い透明性が求められる。また、それらの状態間を電気的に切り替えることから、液晶素子を低い駆動電圧で動作することができ、それにより調光素子の消費電力が低いことが望まれている。また、前記液晶素子は、生産性の観点から、ロールtoロール方式で、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリカーボネート(PC)フィルムのような可撓性プラスチック基材に直接形成可能なことが重要である。ロールtoロール方式で生産するためには、基材と相分離液晶層との密着性(接着性)が重要な特性となる。また、スマートウィンドウ等は屋外等で用いられることがあるため、高い耐光性や高い耐熱性も求められている。
【0004】
特許文献1では、特定のモノマー化合物を用いて低電圧駆動を実現した例が示されているが、密着性が不十分という問題があった。また、特許文献2には、耐光性を改善するために特定の液晶化合物を使用しており、耐光性には一定の効果がみられたものの光散乱性が不十分であるという問題があった。特許文献3には密着性を改善するために特定の重合性化合物を使用しており、密着性には一定の効果がみられたものの、駆動電圧が高いという問題を抱えていた。このように、散乱性、駆動電圧、密着性をバランスよく改善する方法が求められていた。
【0005】
さらに、自動車や鉄道車両、船舶、航空機等に使用されるガラス窓などに用いられるスマートウィンドウ等の場合には、真夏の灼熱下から真冬の極寒の気温下まで、問題なく調光動作するよう、駆動温度範囲が広いことが求められる。特許文献4では、耐候性を高めた液晶調光素子を作製することができる、液晶組成物と重合性化合物とからなる液晶複合体が提案されているが、外光に対する耐久性の向上に一定の効果がみられたものの、低温域(例えば-10℃~-30℃)での駆動性と高速応答性は、検討の対象とはなっていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-208107号公報
特開2007-91850号公報
特開2011-026526号公報
特開2021-066875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、とりわけ建築物の窓のように外気と接する場所に設置される用途や、自動車や鉄道車両、船舶、航空機等のように真夏の灼熱下から真冬の極寒の気温下までを含む広範な温度環境下での使用が前提となる用途においては、調光素子が幅広い温度範囲で動作する必要があった。すなわち、散乱状態での散乱性、透明状態での透明性、実用上問題のない応答時間での駆動性などの特性を、実用上の高温から低温まで幅広い温度帯で満たすことが必要であり、中でも、低温域においての散乱性、透明性、応答性を優れた水準で達成する必要があった。低温での応答性に優れるためには、低温での駆動電圧を低く維持する必要があった。
【0008】
従って、本発明が解決しようとする課題は、散乱(遮光)状態の遮光性、透明状態の透明性、実用の温度範囲における高速応答性、耐光性に優れた、液晶調光素子を作製することができる高分子分散型液晶組成物を得ると共に、これを用いた液晶素子、及び調光素子を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のコポリマーTgを示す重合性化合物(MA)を用いることで、低温域において透過状態における透明性が高く、駆動電圧が低く、低温応答性及び密着性に優れた液晶調光素子を作製することができる高分子分散型液晶組成物を得ると共に、これを用いた液晶素子、及び調光素子を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の高分子分散型液晶組成物及び液晶素子、調光素子を提供する。
【0010】
[1] 重合性化合物(MA)と、非重合性液晶化合物(LB)と、色素(CR)と、を含有する高分子分散型液晶組成物であって、
前記重合性化合物(MA)が、第1成分として、鎖状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有し、第2成分として、環状単官能重合性化合物を1種または2種以上含有し、
前記重合性化合物(MA)のコポリマーTgが-10℃以下であり、
前記色素(CR)は、少なくとも1種類の青色色素化合物と、少なくとも1種類の赤色色素化合物と、少なくとも1種の黄色色素化合物と、を含有する、高分子分散型液晶組成物。
[2] 前記第1成分の前記鎖状単官能重合性化合物のうち少なくとも1種のホモポリマーTgの値が-30℃以下である、[1]に記載の高分子分散型液晶組成物。
[3] 前記第2成分の環状単官能重合性化合物のうち少なくとも1種のホモポリマーTgの値が40℃以下である、[1]又は[2]に記載の高分子分散型液晶組成物。
[4] 前記非重合性液晶化合物(LB)のネマチック-アイソトロピック相転移点(Tni)が110℃以上180℃以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の高分子分散型液晶組成物。
[5] 一対の透明電極基板と、
前記透明電極基板の間に配された、ポリマーネットワークと液晶化合物とを含む液晶高分子複合体を有する調光素子であって、
前記ポリマーネットワークが、[1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散型液晶組成物に含まれる前記重合性化合物(MA)由来のポリマーネットワークであり、
前記液晶化合物が、[1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散型液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物(LB)である、調光素子。
[6] 前記一対の透明電極基板が可撓性材料からなる、[5]記載の調光素子。
[7] 直進透過光の前方散乱光の検出角依存性を測定・解析する方法に依った散乱度が1.5以下である、[5]に記載の調光素子。
[8] JIS K7136(プラスチック・透明材料のヘーズの試験方法)による拡散透過率が20%以下である、[5]に記載の調光素子。
[9] 全光線透過率TTのコントラスト比[TT(透明状態)/TT(遮光状態)]が2.0以上である、[5]に記載の調光素子。
[10] 電圧を印加しないとき遮光状態、電圧を印加したとき透明状態に切り替わる、[3]に記載の調光素子。
[11] [5]記載の調光素子を含む窓。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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