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公開番号
2025018326
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023121926
出願日
2023-07-26
発明の名称
系統安定化システム
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
H02J
3/24 20060101AFI20250130BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】系統事故発生時の脱調防止に必要な電制量を補正して脱調を未然に防止することである。
【解決手段】系統安定化システムの安定度評価モデル生成部は、事故発生前に、電力系統に含まれる一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値を推定するためのモデル定義情報と、発電機の脱調有無の判別に用いる判別基準値とを準備しておく。系統安定化システムの補正用係数生成部は、事故発生前に、発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値の推定に必要な補正値を求めるための補正準備情報を準備しておく。系統安定化システムの追加電制実行部は、事故発生後に、電力系統の計測値に基づいて判別基準値を調整し、事故発生前後の電力系統の計測値と、モデル定義情報と、補正準備情報から予測した位相角偏差の将来値と、調整した後の判別基準値とに基づいて、発電機が脱調すると判別された場合に、追加電制発電機を選定して電制する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電力系統を構成する送電線の有効・無効電力を少なくとも含む系統情報を収集して系統モデルを構築し、想定事故条件の過渡安定度計算を事前に実施することで、想定事故条件ごとに発電機の脱調を防止するための第1の電制発電機を事前に選定しておき、系統事故が発生した場合に、予め選定しておいた第1の電制発電機を解列することで脱調を防止する系統安定化システムであって、
事故発生前に、前記電力系統に含まれる一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値を推定するためのモデル定義情報と、前記一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる判別基準値とを、直前の前記過渡安定度計算の結果に基づいて準備しておく安定度評価モデル生成部と、
事故発生前に、前記電力系統に含まれる一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値の推定に必要な補正値を求めるための補正準備情報を準備しておく補正用係数生成部と、
事故発生後に、前記電力系統の計測値に基づいて、前記安定度評価モデル生成部で準備しておいた前記判別基準値を調整し、事故発生前後の前記電力系統の計測値と、前記モデル定義情報と、前記補正準備情報から予測した位相角偏差の将来値と、前記調整した後の判別基準値とに基づいて、前記電力系統に含まれる発電機が脱調すると判別された場合に、追加電制発電機を選定して電制する追加電制実行部と、
を備える系統安定化システム。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記追加電制実行部は、
前記事故発生前後の、各発電機の有効電力、連系点と各発電機間の位相角差、連系点の電圧、及び連系線の有効電力を少なくとも含む前記電力系統の計測値を、前記系統情報よりも高速な刻み幅で収集する高速情報収集部と、
前記補正用係数生成部で準備しておいた前記補正準備情報に基づいて、発電機状態を推定する際に用いる補正値及び/又は係数を求める発電機状態補正部と、
前記安定度評価モデル生成部で準備しておいた前記モデル定義情報と、前記高速情報収集部が収集した前記事故発生前後の一定期間の計測値と、前記発電機状態補正部で求めた前記補正値及び/又は前記係数に基づいて、前記電力系統に含まれる一以上の発電機を1台に換算した統合発電機モデルの位相角偏差を計算又は推定する発電機状態計算部と、
前記第1の電制発電機及び前記追加電制発電機の解列による前記統合発電機モデルの有効電力偏差の変化分を推定する出力変化推定部と、
前記高速情報収集部が収集した前記連系点と各発電機間の位相角差に基づいて、前記判別基準値を調整する判別基準調整部と、
前記発電機状態計算部で計算又は推定された前記統合発電機モデルの位相角偏差と、前記判別基準調整部で調整された前記判別基準値とに基づいて、脱調有無を判別する安定度判別部と、
前記安定度判別部が脱調有りと判定した場合に、前記追加電制発電機を選定する追加電制機選定部と、
を備える、
請求項1に記載の系統安定化システム。
【請求項3】
前記補正用係数生成部は、不安定の前記過渡安定度計算の結果から求めた前記統合発電機モデルの前記有効電力偏差と前記位相角偏差とに基づいて、前記有効電力偏差の推定に用いる係数の算出に必要な比率を求める安定限界補正比率計算部、を備え、
前記発電機状態補正部は、前記安定限界補正比率計算部で求めた前記比率と、前記統合発電機モデルの前記有効電力偏差と前記位相角偏差とに基づいて、位相角の正弦値変化量から前記有効電力偏差を求めるための第2の係数を求める位相角偏差第2係数算出部、を備え、
前記発電機状態計算部は、前記位相角偏差の増加に伴って前記有効電力偏差が増加して最大となった以降を対象に、前記有効電力偏差を推定する計算式の係数を前記位相角偏差第2係数算出部で求めた前記第2の係数に変更して、前記位相角偏差を計算する、
請求項2に記載の系統安定化システム。
【請求項4】
前記補正用係数生成部は、前記過渡安定度計算の結果から計算した前記有効電力偏差と電気トルク偏差との関係性に基づいて、前記有効電力偏差と前記電気トルク偏差の差異を計算する近似関数の係数を求める電気トルク換算値関数算定部、を備え、
前記発電機状態補正部は、前記電気トルク換算値関数算定部で求めた前記近似関数の係数と、前記統合発電機モデルの前記有効電力偏差及び/又は位相角偏差から、前記有効電力偏差を前記電気トルク偏差とするための第1の補正値を算出する電気トルク換算補正値算出部、を備え、
前記発電機状態計算部は、前記有効電力偏差から前記位相角偏差を計算する際に、前記電気トルク換算補正値算出部で算出した前記第1の補正値を前記有効電力偏差に加算する、
請求項2または請求項3に記載の系統安定化システム。
【請求項5】
前記補正用係数生成部は、前記過渡安定度計算の結果から求めた前記有効電力偏差に基づいて、時間経過に伴う前記有効電力偏差の変動を反映するための第2の補正値を求める近似関数の係数を算出する有効電力偏差補正値関数算定部、を備え、
前記発電機状態補正部は、
前記有効電力偏差補正値関数算定部で算出した前記近似関数の係数を用いて、前記有効電力偏差に対する前記第2の補正値を求める有効電力偏差補正値計算部と、
前記統合発電機モデルの前記有効電力偏差、及び前記有効電力偏差補正値計算部で求めた前記第2の補正値を用いて、前記位相角偏差の推定値を再計算する位相角偏差再推定部と、
を備え、
安定度判別部は、前記位相角偏差再推定部で再計算した前記位相角偏差の推定値を用いて、前記脱調有無を判別する、
請求項2または請求項3に記載の系統安定化システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、系統安定化システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
電力系統の安定化を目的とした系統安定化システムでは、系統において事故が発生した場合に備えて、事故が発生する前の電力の状態に基づいて事故が発生した場合における過渡安定度計算を周期的に実行し、事故に応じて解列(以下、遮断、或いは電制とも称する)の対象とする発電機(以下、電制機とも称する)を選択する方法が行われている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
上述した系統安定化システムにおいては、1分などの周期で電力系統の情報を反映した系統モデルの過渡安定度計算で系統事故発生時の脱調防止に必要な電制機を選定するため、過渡安定度計算の周期の間に再生可能エネルギー電源の出力急変などで電力系統の状態が変化した場合、脱調防止に必要な電制機が不足して脱調が防止できない可能性がある。
【0004】
また、電力系統の安定化を目的とした系統安定化システムには、系統安定化に必要な電制機を選定する一定周期間の電力系統の状態変化などに起因する、系統安定化に必要な電制の変化に備え、系統事故発生後の計測値などを使って第2の電制を実施するものもある。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
上述した第2の電制を実施する系統安定化システムは、第1の電制後に発電機が脱調するか否か、すなわち、電力系統が安定か不安定かを判別の上、不安定の場合は第2の電制を追加した場合の安定判別を行い、必要な第2の電制を選定している。その際、第2の電制を実施する系統安定化システムでは、推定計算した発電機一機相当の位相角偏差で安定判別しているが、位相角偏差の計算に用いる発電機有効電力偏差は正弦関数(sin関数)で近似できる前提としているため、真の有効電力偏差が近似したsin関数の値から逸脱する場合には、安定判別結果に誤差が生じる可能性がある。また、第2の電制を実施する系統安定化システムでは、位相角偏差の計算に用いる状態量も有効電力偏差で代用しているため、安定判別結果に誤差が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7034978号公報
特開2022-038125号公報
【非特許文献】
【0007】
“付録2 脱調未然防止リレーシステム事例”,平成12年10月,電気学会技術報告,第801号,p.153-154
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、電力系統の安定化に必要な電制量を選定する際の安定判別精度を高め、再生可能エネルギー電源の出力急変などで電力系統の状態が変化した場合でも、系統事故発生時の脱調防止に必要な電制量を補正して脱調を未然に防止することができる系統安定化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の系統安定化システムは、電力系統を構成する送電線の有効・無効電力を少なくとも含む系統情報を収集して系統モデルを構築し、想定事故条件の過渡安定度計算を事前に実施することで、想定事故条件ごとに発電機の脱調を防止するための第1の電制発電機を事前に選定しておき、系統事故が発生した場合に、予め選定しておいた第1の電制発電機を解列することで脱調を防止する。系統安定化システムは、安定度評価モデル生成部と、補正用係数生成部と、追加電制実行部とを持つ。安定度評価モデル生成部は、事故発生前に、前記電力系統に含まれる一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値を推定するためのモデル定義情報と、前記一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる判別基準値とを、直前の前記過渡安定度計算の結果に基づいて準備しておく。補正用係数生成部は、事故発生前に、前記電力系統に含まれる一以上の発電機の脱調有無の判別に用いる位相角偏差の将来値の推定に必要な補正値を求めるための補正準備情報を準備しておく。追加電制実行部は、事故発生後に、前記電力系統の計測値に基づいて、前記安定度評価モデル生成部で準備しておいた前記判別基準値を調整し、事故発生前後の前記電力系統の計測値と、前記モデル定義情報と、前記補正準備情報から予測した位相角偏差の将来値と、前記調整した後の判別基準値とに基づいて、前記電力系統に含まれる発電機が脱調すると判別された場合に、追加電制発電機を選定して電制する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態に係る系統安定化システムが適用される電力供給システムの構成の一例を示すブロック図。
安定限界補正比率計算部が行う処理において用いる計算結果の一例を示す図。
有効電力偏差補正値関数算定部が行う処理の一例を説明する図。
有効電力と電気トルクの差分の一例を説明する図。
追加電制実行部が行う処理の流れの一例を示すフローチャート。
追加電制実行部が行う処理の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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