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公開番号2025016860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023119614
出願日2023-07-24
発明の名称細胞サイズリポソーム、細胞サイズリポソームを利用したカプロン酸エチル相対濃度推定方法、およびカプロン酸エチル濃度測定方法
出願人地方独立行政法人青森県産業技術センター
代理人個人
主分類G01N 33/14 20060101AFI20250129BHJP(測定;試験)
要約【課題】低コストで行うことのできる、GC(ガスクロマトグラフィー)での精密分析を行うサンプルを選ぶための予備分析、スクリーニングのような形の簡易なカプロン酸エチル分析手法を提供すること。
【解決手段】細胞サイズリポソーム110は、一種または二種以上の不飽和リン脂質12に加え、一種または二種以上の飽和リン脂質13が用いられてなる脂質成分系と、およびカプロン酸エチル濃度推定対象の試料もしくはカプロン酸エチル18とによって構成される細胞サイズリポソームであって、カプロン酸エチル18の濃度により異なる相分離ドメイン生成パターンを生じ、これにより相分離ドメイン生成パターンからのカプロン酸エチル濃度推定に用いられる構成とする。細胞サイズリポソーム110の脂質成分系には、コレステロール等のステロール系脂質を含めてもよい。
【選択図】図1-3
特許請求の範囲【請求項1】
一種または二種以上の不飽和リン脂質が用いられてなる脂質成分系と、および
カプロン酸エチル濃度推定対象の試料もしくはカプロン酸エチルと
から構成される細胞サイズリポソームであって、
カプロン酸エチル濃度により異なる相分離ドメイン生成パターンを生じ、
これにより相分離ドメイン生成パターンからのカプロン酸エチル濃度推定に用いられることを特徴とする、細胞サイズリポソーム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記脂質成分系には一種または二種以上の飽和リン脂質が含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項3】
前記脂質成分系には一種または二種以上のステロール系脂質が含まれていることを特徴とする、請求項2に記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項4】
前記脂質成分系が、不飽和リン脂質である1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine(DOPC)、および飽和リン脂質であるDipalmitoylphosphatidylcholine(DPPC)から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項5】
前記脂質成分系が、不飽和リン脂質である1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine(DOPC)、飽和リン脂質であるDipalmitoylphosphatidylcholine(DPPC)、およびステロール系脂質であるコレステロールから構成されることを特徴とする、請求項1に記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項6】
室温で用いる場合において、前記脂質成分系中の不飽和リン脂質と飽和リン脂質のモル濃度組成が、不飽和リン脂質:飽和リン脂質=75~10:25~90 であることを特徴とする、請求項2、3、4、5のいずれかに記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項7】
室温で用いる場合において、前記脂質成分系中の不飽和リン脂質と飽和リン脂質のモル濃度組成が等量であることを特徴とする、請求項2、3、4、5のいずれかに記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項8】
相分離ドメイン検出用の蛍光試薬が添加されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項9】
前記蛍光試薬として、固体秩序相(So相)染色用、液体無秩序相(Ld相)染色用、またはステロール系脂質染色用の中から一または複数が用いられることを特徴とする、請求項8に記載の細胞サイズリポソーム。
【請求項10】
静置水和法により作製されることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の細胞サイズリポソーム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は細胞サイズリポソーム、細胞サイズリポソームを利用したカプロン酸エチル相対濃度推定方法、およびカプロン酸エチル濃度測定方法に係り、特に、清酒等に含まれるカプロン酸エチルの相対濃度を、低コストかつ比較的短時間に推測することのできる技術に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
酵母においては、生体膜を形成するために脂質鎖が長い長鎖脂肪酸が必要であるが、副生成物として、短い脂質鎖を持つカプロン酸などができるとされている。このカプロン酸から生成するカプロン酸エチルは、酢酸イソアミルとともに清酒における主要な吟醸香成分である。清酒の吟醸香成分は商品価値を高めるため、高カプロン酸エチル生産酵母の需要が従来から存在する。また、同じ酵母を用いても、発酵中の温度条件等の違いによって、生産された清酒中のカプロン酸エチル濃度は異なるものとなる。
【0003】
以上のことに鑑み、清酒の商品価値を高めることを目的として、酵母の違いや製造試験条件の違いがどのようにカプロン酸エチル濃度に影響するか等をテーマとして、試験・研究が行われている。
【0004】
カプロン酸エチル濃度測定試験ではGC(ガスクロマトグラフィー)が使用されているが、この装置は、購入時において非常に高価であるだけでなく、測定毎に分析用の高純度ガスを用いるため、ランニングコストが高いという欠点がある。また、装置の立ち上げには数時間を要する上、標準試料を複数流して検量線を作成し、それからようやく濃度測定を行うものであるため、相当の時間がかかっている。
【0005】
カプロン酸エチルの測定技術については従来、特許出願等もなされている。たとえば後掲特許文献1には、清酒中のカプロン酸エチルを精度良く測定できる定量方法として、アシル活性化酵素を用いた遊離脂肪酸発色剤を使い、濃度に応じた発色の濃淡を吸光光度法により定量するという技術が開示されている。さらに、本願発明者による非特許文献1では、細胞サイズリポソームを作製する際に、脂質フィルムを調整する段階で清酒を加えて、相分離ドメインの状態を観察することによって、濃度を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-157349号公報「清酒に含まれるカプロン酸エチルの濃度の簡易測定方法」
【非特許文献】
【0007】
Chemistry & Biodiversity (2023)Vol.22,p. e202200750
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、清酒に含まれるカプロン酸エチルは清酒の商品価値を高めるため、測定方法さえ簡易なものであれば、迅速なかつ低コストでの製造条件検討の実施が期待できる。しかし、カプロン酸エチル測定に用いるGCは初期コストもランニングコストも高価な上、相当の手間や時間を要するという問題点があった。また、上記特許文献1による開示技術は、比較的安価な吸光光度計を用いる手法ではあるものの、測定時に酵素や発色剤など複数の試薬の準備を要するという欠点がある。そこで、極力低コストで行うことのできる、GCでの精密分析を行うサンプルを選ぶための予備分析、つまり、いわゆるスクリーニングのような形の簡易な分析手法があれば便利である。
【0009】
ところで、最も単純化された生体膜モデルとして多くの実験・研究に利用されているリポソームは、親水性部分と疎水性脂肪鎖の双方を備えているリン脂質が親水性部分を外側に向けて自己集合して脂質二重膜となり、これが袋状に閉じることで形成されている。リポソームのうち直径が数μm~数十μmのものは、生きた細胞とほぼ同じサイズであり、細胞サイズリポソーム(ジャイアントリポソーム)と呼ばれる。細胞サイズリポソームは、光学顕微鏡で直接観察できること、細胞を模した実験モデルの作製に利用できること等の利点によって、生体膜の制御機構の解明等の研究に有用である。
【0010】
また、細胞膜上には飽和脂質やコレステロールが豊富な相分離ドメイン(ラフトドメイン)が存在し、信号伝達等の機能を担っていることが明らかになっているが、ラフトドメインは細胞間の信号伝達等に伴ってくっついたり離れたりしながら動いているとされる。脂質から人工的に作製されたリポソームでも同様のドメイン構造が観察されることが分かっており、この方面の研究も盛んに行われている。生体モデル膜(人工細胞膜)およびヒト由来細胞を用いたこれらの研究により、膜の三次元ダイナミクス・二次元(ドメイン構造)の集積ダイナミクスと細胞内カルシウムイオンを指標とした信号伝達が関わっていること、脂質やステロール類の構造を変化させるとドメイン構造の温度応答が変化することなどが明らかにされている。
(【0011】以降は省略されています)

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