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公開番号2025012970
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116194
出願日2023-07-14
発明の名称塗装用治具の塗料洗浄装置
出願人株式会社中農製作所
代理人弁理士法人岡田特許事務所
主分類B08B 3/02 20060101AFI20250117BHJP(清掃)
要約【課題】マスキングゴム等の塗装用治具全体の洗浄を確実に短時間で行うことができ、装置自体の小型化も可能となり、且つ、環境上の問題がなく、ランニングコストの低い塗装用治具の塗料洗浄装置およびそれを用いた塗料洗浄方法を提供することである。
【解決手段】被塗装物のマスキング部分をマスキングするマスキング治具102に付着した塗料を洗浄する塗装用治具の塗料洗浄装置であって、マスキング治具102が収納された洗浄容器70を保持する洗浄容器保持部と、洗浄容器保持部の上方に配置され、マスキング治具102に水を高圧で噴射する噴射ノズル部とを含み、洗浄容器70は、筒状部72と、筒状部72の軸方向の一方側に配設されるボウル部74と、筒状部72の半径方向に胴部72aを貫通する複数の胴部貫通孔73を含むことを特徴とする、塗料洗浄装置である。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
被塗装物のマスキング部分をマスキングするマスキング治具に付着した塗料を洗浄する塗装用治具の塗料洗浄装置であって、
前記マスキング治具が収納された洗浄容器を保持する洗浄容器保持部、
前記洗浄容器保持部の上方に配置され、前記マスキング治具に水を高圧で噴射する噴射ノズル部を含み、
前記洗浄容器は、
筒状部、
前記筒状部の軸方向の一方側に配設されるボウル部、および
前記筒状部の半径方向に前記筒状部の胴部を貫通する複数の胴部貫通孔を含むことを特徴とする、塗料洗浄装置。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記ボウル部は、前記ボウル部の周面および底部の両方またはいずれか一方に配設され、当該周面および底部の両方またはいずれか一方を貫通する複数のボウル部貫通孔をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の塗料洗浄装置。
【請求項3】
前記筒状部の前記複数の胴部貫通孔の開口面積の総和をXとし、前記ボウル部の前記複数のボウル部貫通孔の開口面積の総和をYとしたき、X>Yとなるように設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の塗料洗浄装置。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の塗料洗浄装置を用いた塗装用治具の塗料洗浄方法であって、前記噴射ノズル部から噴射された前記水を前記洗浄容器内に貯留させた状態で前記マスキング治具に噴射して洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする、塗料洗浄方法。
【請求項5】
前記洗浄工程は、
前記筒状部と前記ボウル部との境界およびその近傍を上限として、前記マスキング治具を前記洗浄容器に収納する工程、および
前記噴射ノズル部から噴射された前記水を、前記洗浄容器内において、前記筒状部と前記ボウル部との境界およびその近傍を上限として貯留させた状態で、前記マスキング治具に噴射して洗浄する工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載の塗料洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用治具の塗料洗浄装置に関し、エンジカバー,ステアリングシャフト,ブレーキ部品,ワイパーブレード,足回り部品等の自動車部品、換気扇,換気扇のカバー,ドア,ノブの取っ手,住宅設備機器、モータ,減速機,油圧配管の端部,機械カバー,フレームの連結部等の建設機器等のマスキング部分にマスキングする、特にたとえば、マスキングゴムに付着した塗料を洗浄・除去するのに好適な塗装用治具の塗料洗浄装置に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
種々の工業製品、特にたとえば自動車部品の製造工程では、当該部品にウレタン系やシリコン系の塗料を塗装する塗装工程において使用されるマスキング治具は、被塗装品(塗装される製品)の所望する特定部位にだけ塗料を付着させるために、被塗装品の塗装部位以外の領域を被覆するように設置されて、塗料が付着しないようにする治具である。
このマスク治具は、シリコンゴム等合成樹脂材料で、被塗装品の塗装部位の形状に対応する形態に成型されている。被塗装品に対応するマスキング治具が選択されて塗装工程に供され、当該塗装工程で付着した塗料を洗浄することによって、繰り返し使用されるものである。この場合、具体的には、塗装工程で被塗装品の所望の塗装部位に塗布された塗料は、塗装部位の周辺にも飛散等するため、マスキング治具の表面、とりわけ塗装部位と近接するエッジ部分に塗料が付着してしまうので、塗装工程後には、マスキング治具から塗料を洗い落とすための洗浄工程が必要となっている。
そこで、本発明の背景となるマスク治具の洗浄方法としては、て、有機塩素系溶剤であるジクロロメタンを洗浄剤として用いる方法やシンナー系溶剤に浸漬させて、塗料を溶解する方法、高沸点溶剤を使用して塗料を溶解する方法等が挙げられる。
一方、本発明の背景となる従来のマスク治具の洗浄装置としては、当該装置内部に塗料が付着した被洗浄物であるマスク治具を供給する洗浄容器と、この洗浄容器内に設けられたマスク治具に向けて洗浄液を噴射するノズル体と、このノズル体とマスク治具の間隔を調整することができる制御機構とを具備したことを特徴とするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の本発明の背景となる従来の塗装用マスク治具に付着した塗料の洗浄装置には、洗浄液が注入されている洗浄槽と、リンス剤が注入されているリンス槽と、スチーム又はエアーの噴射手段を備えていて、スチーム洗浄及びエアー乾燥するための槽と、洗浄槽、リンス槽及びスチーム洗浄及びエアー乾燥するための槽間にわたり塗装用マスク治具を水平に搬送し、かつそれを各槽に挿入できるように昇降可能となった搬送装置とを備えていて、洗浄液が、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート及びヘキシレングリコールのうち少なくとも一つである85~95重量%の第1成分と、液状炭化水素である炭素数8~18のα-オレフィン5~15重量%の第2成分とで構成されており、リンス剤が水溶性のグリコール類、水溶性のグリコールエーテル化合物及び水溶性アルコール類の少なくとも一つから構成されている洗浄装置がある(例えば、特許文献2参照。)。
この洗浄装置では、洗浄槽が、洗浄槽内の洗浄液を加熱するための手段、洗浄液から気泡を発生させるためのエアーレーション手段を備えていて、搬送装置が、塗装用マスク治具が洗浄槽の洗浄液に浸漬された状態でこれを上下動させて塗料を洗い落とし、リンス槽のリンス剤に浸漬された状態でこれを上下動させて洗浄液とリンス剤を置換するための上下動手段を有していることが好ましいものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-99799号公報
特許第4488681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したジクロロメタンを洗浄剤として使用する従来の洗浄方法では、ジクロロメタンが発ガン性物資である点が指摘されており、作業者の健康面での問題や地下水汚染等の環境問題を抱えている。しかも、洗浄剤中にマスク治具から洗い落とされた塗料が溶解して、洗浄力を急速に失ってしまうので、洗浄液の交換を定期的に行わなければならないので、手間がかかるとともに、洗浄液のランニングコストが高くなる。
また、上記したシンナー系溶剤にマスク治具を浸漬させて、付着塗料を溶解する方法では、塗料の溶解を促進させるために、浸漬槽内でのマスク治具を揺動させる作業が必須となるとともに、洗浄工程に時間がかかる。
さらに、上記した塗料を高沸点溶剤で溶解して洗浄する方法では、洗浄液自体のコストが高くなる、洗浄液をハンドリングするための設備のコストが高くなる、高沸点溶剤の使用が環境上問題となる、などの技術的な問題点がある。
さらに、上記した例えば特許文献1に開示されている洗浄装置では、マスク治具全体に洗浄液を吹き付けるという点、特に、たとえばマスク治具の屈曲形成されたエッジ部分に付着する塗料を確実に洗い落とすという点に関し、洗浄液のノズル吹き付け方法に改善の余地を残している。
また、上記した例えば特許文献2に開示されている洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法では、洗浄液が注入されている洗浄槽と、リンス剤が注入されているリンス槽と、スチーム又はエアーの噴射手段を備えていてスチーム洗浄及びエアー乾燥するための槽と、洗浄槽、リンス槽及びスチーム洗浄及びエアー乾燥するための槽間にわたり塗装用マスク治具を水平に搬送し、かつ各槽に挿入できるように昇降可能となった搬送装置とを備え、塗装用マスク治具が洗浄槽の洗浄液に浸漬された状態で、これを上下動させて塗料を洗い落とし、リンス槽のリンス剤に浸漬された状態で上下動させて洗浄液とリンス剤を置換するための上下動手段を有しているため、洗浄作業に必要な洗浄設備が大型のものとなっている。
また、この洗浄装置を用いた洗浄方法では、洗浄液で塗装用マスク治具に付着した塗料を洗浄する第1工程と、塗装用マスク治具に付着した洗浄液を、水溶性のグリコール、水溶性のグリコールエーテル化合物及び水溶性アルコールの少なくとも一つから構成されているリンス剤で置換する第2工程と、塗装用マスク治具に付着した前記リンス剤をスチームで洗浄する第3工程と、塗装用マスク治具を圧縮エアーにより乾燥する第4工程とを含んでいるため、工程数が多く且つ作業時間も掛かるものとなっているので、作業効率の悪いものであった。
【0005】
それゆえに、本発明の主たる目的は、マスキングゴム等の塗装用治具全体の洗浄を確実に短時間で行うことができ、装置自体の小型化も可能となり、且つ、環境上の問題がなく、ランニングコストの低い塗装用治具の洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、被塗装物のマスキング部分をマスキングするマスキング治具に付着した塗料を洗浄する塗装用治具の塗料洗浄装置であって、マスキング治具が収納された洗浄容器を保持する洗浄容器保持部と、洗浄容器保持部の上方に配置され、マスキング治具に水を高圧で噴射する噴射ノズル部とを含み、洗浄容器は、筒状部と、筒状部の軸方向の一方側に配設されるボウル部と、筒状部の半径方向に筒状部の胴部を貫通する複数の胴部貫通孔とを含むことを特徴とする、塗料洗浄装置である。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、ボウル部は、ボウル部の周面および底部の両方またはいずれか一方に配設され、当該周面および底部の両方またはいずれか一方を貫通する複数のボウル部貫通孔をさらに含むことを特徴とする、塗料洗浄装置である。
請求項3に係る本発明は、請求項2に係る発明に従属する発明であって、筒状部の複数の胴部貫通孔の開口面積の総和をXとし、ボウル部の複数のボウル部貫通孔の開口面積の総和をYとしたき、X>Yとなるように設定されていることを特徴とする、塗料洗浄装置である。
請求項4に係る本発明は、請求項1または請求項3に記載の塗料洗浄装置を用いた塗装用治具の塗料洗浄方法であって、噴射ノズル部から噴射された水を洗浄容器内に貯留させた状態でマスキング治具に噴射して洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする、塗料洗浄方法である。
請求項5に係る本発明は、請求項4に係る発明に従属する発明であって、洗浄工程は、筒状部とボウル部との境界およびその近傍を上限として、マスキング治具を洗浄容器に収納する工程と、噴射ノズル部から噴射された水を、洗浄容器内において、筒状部とボウル部との境界およびその近傍を上限として貯留させた状態で、マスキング治具に噴射して洗浄する工程とを含むことを特徴とする、塗料洗浄方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の塗装用治具の洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法によれば、マスキングゴム等の塗装用治具全体の洗浄を確実に短時間で行うことができ、装置自体の小型化も可能となり、且つ、環境上の問題がなく、ランニングコストの低い塗装用治具の洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法が得られるという効果がある。
【0008】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る塗装用治具の塗料洗浄装置の実施の形態の一例を示す正面図解図である。
図1の左側面図解図である。
図1の平面図解図である。
図1,図2および図3に図示した塗装用治具の塗料洗浄装置に適用される洗浄容器を保持する洗浄容器保持部の一例を示す正面図解図である。
図4の底面図解図である。
図4の左側面図解図である。
図1,図2および図3に図示した塗装用治具の塗料洗浄装置に適用される洗浄容器の正面図解図である。
図7の平面図解図である。
図1,図2および図3に図示した塗装用治具の塗料洗浄装置により洗浄されるマスキング治具(ワーク)の一例およびその使用例を示す斜視図解図である。
図1,図2および図3に図示した塗装用治具の塗料洗浄装置によりマスキング治具(ワーク)を洗浄するときの作用・効果を示す説明図解図である。
図1,図2および図3に図示した塗装用治具の塗料洗浄装置によりマスキング治具(ワーク)を洗浄した後の状態を示す説明図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明に係る塗装用治具の塗料洗浄装置の実施の形態の一例を示す正面図解図であり、図2は図1の左側面図解図であり、図3図1の平面図解図である。
この塗料洗浄装置10は、概略的に言うと、主として、その下端側にキャスター14が備えられたハウジング(筐体)12、ハウジング12内の上部に配設された洗浄ブース18、その内部に洗浄ワークとしてのマスキング治具(例えば、マスキングプラグ)102が収納され、洗浄ブース18に配置される洗浄容器70、洗浄ブース18の上方に配設され、洗浄容器70内のマスキング治具102に高圧の水を噴射する噴射ノズル部34、ハウジング12内の下部に配設され、マスキング治具(例えば、マスキングプラグ)102を洗浄した後のマスキング治具102から除去された塗料カス(マスキング治具から剥離・除去された塗装膜)を含んだ洗浄水を集水して下方に流下させる集水部80、集水部80から流下された塗料カスを含んだ洗浄水から塗料カスをろ過するろ過部82等の構成要件を含むものである。この塗料洗浄装置10では、洗浄水として、たとえば水道水が用いられている。
(【0011】以降は省略されています)

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