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公開番号
2025012716
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115770
出願日
2023-07-14
発明の名称
穀物の特性を評価する方法及び装置
出願人
独立行政法人酒類総合研究所
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
G01N
33/10 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約
【課題】現場でも簡便に実施できる穀物の酒造適性の評価方法を提供する。
【解決手段】本発明は、穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法であって、評価穀物及び溶媒を接触させる接触工程、前記接触工程により前記評価穀物を膨潤させる膨潤工程、前記膨潤工程後の前記評価穀物の体積Aを測定する第1体積測定工程、前記評価穀物に熱を加える加熱工程、前記加熱工程において、前記評価穀物の体積Bを測定する第2体積測定工程、前記体積Bを前記体積Aで除することにより前記評価穀物の加熱膨潤率を算出する加熱膨潤率算出工程、並びに前記加熱工程における前記評価穀物の温度及び前記加熱膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程を含む方法に関する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法であって、
評価穀物及び溶媒を接触させる接触工程、
前記接触工程により前記評価穀物を膨潤させる膨潤工程、
前記膨潤工程後の前記評価穀物の体積Aを測定する第1体積測定工程、
前記評価穀物に熱を加える加熱工程、
前記加熱工程において、前記評価穀物の体積Bを測定する第2体積測定工程、
前記体積Bを前記体積Aで除することにより前記評価穀物の加熱膨潤率を算出する加熱膨潤率算出工程、並びに
前記加熱工程における前記評価穀物の温度及び前記加熱膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程
を含む方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記評価工程は、所定の前記温度における前記加熱膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記評価工程は、所定の前記加熱膨潤率に至るまでの前記温度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記評価工程は、前記加熱膨潤率が上昇を開始する前記温度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒は、水である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記評価穀物は白米であり、前記評価工程は、前記加熱膨潤率が120%に至るまでの前記温度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程であり、
前記評価工程において、
前記温度が58℃未満である場合に前記白米中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価し、
前記温度が58℃以上63℃未満である場合に前記白米中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が普通であると評価し、
前記温度が63℃以上である場合に前記白米中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が長いと評価する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記評価穀物は2以上であり、
前記評価工程は、所定の前記温度におけるそれぞれの加熱膨潤率を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記加熱膨潤率が大きいほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記評価穀物は2以上であり、
前記評価工程は、所定の前記加熱膨潤率に至るまでのそれぞれの温度を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記温度が低いほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記評価工程は、前記加熱膨潤率が上昇を開始するそれぞれの温度を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記温度が低いほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶媒は、水である、請求項7に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物の特性を評価する方法及び装置、より具体的には、穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法、及びデンプンの老化性、米の糊化温度、蒸米の酵素消化性、蒸米の老化性、及び米の酒造時の蒸米溶解性を評価する方法、及び穀物の含水率又は吸水率を評価する方法、並びに当該方法を実施するための装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
清酒は、アルコール発酵と原料米の糖化(蒸米の酵素消化)がもろみ中で同時に起こる並行複発酵形式で製造される。当該製造において蒸米の酵素消化の度合いは原料利用率や味の濃淡に影響を及ぼすため、清酒醸造における清酒の製造管理において収穫された原料米の溶解性(蒸米の酵素消化性)は重要である。
【0003】
この原料米の溶解性は、元来原料米が有する特性に加え、原料米の前処理における吸水量や製造工程の品温調整などによっても変化させることが可能である。したがって、原料米の溶解性を予め知ることにより、清酒醸造時での所望する蒸米の酵素消化性を得るために、原料米の前処理や製造条件を事前に調整することができる。さらに、原料米の吸水速度や吸水率に影響を及ぼす吸水前の白米の含水率(白米の水分含有量又は白米水分ともいう)や吸水後の吸水率も製造管理において重要な醸造適性指標である。
【0004】
蒸米の酵素消化性を左右する要因として、原料米中のデンプンの糊化及び老化に関する性質が重要であることが明らかになっている(非特許文献1)。
【0005】
原料米中のデンプンの性質はデンプン中に含まれるアミロペクチンの側鎖構造に密接に関連する。そのため、デンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造が蒸米の酵素消化性の指標になる(非特許文献1、2)。
【0006】
一方で、アミロペクチン側鎖構造及びデンプンの老化特性は解析が困難で手間がかかるため、アミロペクチンの側鎖構造に密接に関連する指標が報告されている。アミロペクチン側鎖構造変化に係る酵素消化性の評価には、イネ栽培時の気象条件による推定方法(非特許文献2及び3)や示差走査熱量計(DSC)及びラピッド・ビスコ・アナライザー(RVA)といった熱分析によるデンプン糊化特性解析による方法(非特許文献4)が報告されている。
【0007】
さらに、例えば、蒸米の酵素消化性の推定法及び簡便なデンプンの性質の推定法として、米粒をアルカリ液に浸漬した際の崩壊性試験が報告されている(非特許文献5)。また、非特許文献5の方法は定量性が乏しいため、この方法を基に溶解性推定の定量化も検討されている。例えば、米粒が崩壊するアルカリ及び尿素溶液の濃度を判定することで、原料米の溶解性について低コストで簡単に定量評価できることが報告されている(特許文献1及び非特許文献6)。
【0008】
一方で、白米の含水率は、高温乾燥法(135℃3時間常圧乾燥法、105℃5時間常圧乾燥法)や電気抵抗式水分計などで測定される。なお、白米の含水率は、吸水時の最大吸水量に影響を及ぼすことが報告されている(非特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特表2014-534052号公報
【非特許文献】
【0010】
Okuda,M.、Aramaki,I.、Koseki,T.、Inouchi,N.及びHashizume,K.、「Structural and retrogradation properties of rice endosperm starch affect enyme digestibility of steamed milled-rice grains used in sake production」、Cereal Chem、2006年、83巻、143頁~151頁
奥田将生、橋爪克己、沼田美子代、上用みどり、後藤奈美、三上重明著、「気象データと原料米酒造適性との関係」、日本醸造協会誌、2009年、104巻、699頁~711頁
奥田将生、橋爪克己、上用みどり、沼田美子代、後藤奈美、三上重明著、「イネ登熟期気温と酒造用原料米のデンプン特性の年次・産地間変動」、日本醸造協会誌、2010年、105巻、97頁~105頁
Okuda,M.、Hashizume,K.、Aramaki,I.、Numata,M.、Joyo,M.、Goto-Yamamoto,N.及びMikami,S.、「Influence of starch characteristics on digestibility of steamed rice grains under sake making conditions, and rapid estimation methods of digestibility by physical analysis」、J.Appl.Glycosci.、2009年、56巻、185頁~192頁
奥田将生、上用みどり、高橋圭、後藤奈美、高垣幸男、池上勝、鍋倉義仁著、「イネ登熟期が記録的な猛暑となった平成22年産米のデンプン特性及び蒸米酵素消化性」、日本醸造協会誌、2013年、108巻、368頁~376頁
奥田将生、上用みどり、福田央著、「酒造用原料米のアルカリ及び尿素崩壊性による蒸米酵素消化性の推定法」、日本醸造協会誌、2018年、113巻、315頁~330頁
熊谷知栄子、黒柳嘉弘、野白喜久雄著、「清酒原料米の吸水に関する研究(第1報)清酒原料白米の水分と吸水率の関係」、日本醸造協会誌、1976年、71巻、718頁~722頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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