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公開番号
2025011858
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114230
出願日
2023-07-12
発明の名称
自動車用鋼板のめっき種類識別方法、装置及びプログラム
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
主分類
G01N
21/17 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約
【課題】自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別する自動車用鋼板のめっき種類識別方法、装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る自動車車体のめっき種類識別方法は、自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別するものであって、車体構成部品から鋼板を採取して鋼板を含む試験体を作製し、作製した試験体における板厚方向の鋼板断面の光学顕微鏡写真を撮像し、撮像した光学顕微鏡写真のグレースケール画像を取得する鋼板断面グレースケール画像取得工程S1と、取得した鋼板断面のグレースケール画像における板厚方向のグレースケール階調変化を抽出するグレースケール階調変化抽出工程S3と、抽出した板厚方向におけるグレースケール階調変化に基づいて、鋼板に施されためっきの種類を識別するめっき種類識別工程S5と、を含むことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別する自動車用鋼板のめっき種類識別方法であって、
前記車体構成部品から鋼板を採取して該鋼板を含む試験体を作製し、該作製した試験体における板厚方向の鋼板断面の光学顕微鏡写真を撮像し、該撮像した光学顕微鏡写真のグレースケール画像を取得する鋼板断面グレースケール画像取得工程と、
該取得した前記鋼板断面のグレースケール画像における前記鋼板の板厚方向のグレースケール階調変化を抽出するグレースケール階調変化抽出工程と、
該抽出した前記鋼板の板厚方向におけるグレースケール階調変化に基づいて、前記鋼板に施されためっきの種類を識別するめっき種類識別工程と、を含むことを特徴とする自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
前記めっき種類識別工程は、
予め種類が既知のめっきが施された標準鋼板の断面を含む部位を撮像した光学顕微鏡写真のグレースケール画像における板厚方向のグレースケール階調変化を標準パターンとして、種々のめっきについて取得するグレースケール階調変化標準パターン取得ステップと、
前記鋼板断面グレースケール画像取得工程において抽出した前記鋼板の板厚方向における前記グレースケール階調変化を種々のめっきについて取得した前記標準パターンと照合し、前記鋼板に施されためっきの種類を判定するめっき種類照合判定ステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項3】
前記グレースケール階調変化標準パターン取得ステップにおいては、
前記標準パターンを、前記板厚方向の位置を独立変数とし、前記板厚方向の各位置におけるグレースケール階調を従属変数とする関数として取得し、
前記めっき種類照合判定ステップにおいては、
前記鋼板の板厚方向におけるグレースケール階調変化と、前記標準パターンの関数と、の類似度に基づいて、前記鋼板に施されためっきの種類を判定する、ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項4】
前記めっき種類識別工程は、
前記グレースケール階調変化抽出工程において抽出した前記鋼板の板厚方向の前記グレースケール階調変化を、前記板厚方向の位置を独立変数とし、前記板厚方向の各位置におけるグレースケール階調を従属変数とする関数として近似するグレースケール階調変化関数近似ステップと、
該近似した前記鋼板の板厚方向におけるグレースケール階調変化の関数の係数に基づいて、前記鋼板に施されためっきの種類を判定するめっき種類判定ステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項5】
前記グレースケール階調変化関数近似ステップにおいては、前記グレースケール階調変化抽出工程において抽出した前記鋼板の板厚方向の前記グレースケール階調変化のそれぞれについて、シグモイド型関数を組み合わせた以下の式(1)を用いて関数近似する、ことを特徴とする請求項4に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
TIFF
2025011858000009.tif
75
165
【請求項6】
前記グレースケール階調変化抽出工程においては、
前記鋼板断面のグレースケール画像における前記鋼板の複数箇所で板厚方向のグレースケール階調変化を抽出し、
該複数箇所で抽出した板厚方向のグレースケール階調変化のそれぞれについて前記式(1)を用いて関数近似し、
前記めっき種類判定ステップにおいては、
前記複数箇所で抽出した板厚方向のグレースケール階調変化のそれぞれについて関数近似した式(1)の領域の総数nがいずれも3である場合、前記鋼板に施されためっき種は電気亜鉛めっき又は溶融亜鉛めっきのいずれかであると判定し、
前記複数箇所で抽出した板厚方向の前記グレースケール階調変化のそれぞれを式(1)で関数近似して算出された係数b
3
と係数b
1
との差b
3
-b
1
のばらつきと、係数b
1
のばらつきと、を比較し、
b
3
-b
1
のばらつきがb
1
のばらつきよりも大きい場合、前記鋼板に施されためっきは溶融亜鉛めっきであると判定し、
b
3
-b
1
のばらつきがb
1
のばらつきよりも小さい場合、前記鋼板に施されためっきは電気亜鉛めっきであると判定する、ことを特徴とする請求項5に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項7】
前記めっき種類判定ステップにおいては、
前記鋼板の複数箇所で抽出した板厚方向の前記グレースケール階調変化のそれぞれを関数近似した式(1)の領域の総数nが3及び5の場合、前記鋼板に施されためっきの種類は合金化溶融亜鉛めっきであると判定し、
前記鋼板の複数箇所で抽出した板厚方向の前記グレースケール階調変化をそれぞれ関数近似した式(1)の領域の総数nが5及び7の場合、前記鋼板に施されためっきの種類は溶融アルミニウム系めっきであると判定する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項8】
前記鋼板に施されためっきは、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき又は溶融アルミニウム系めっき、のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動車用鋼板のめっき種類識別方法。
【請求項9】
自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別する自動車用鋼板のめっき種類識別装置であって、
前記車体構成部品から採取した鋼板を含む試験体における板厚方向の鋼板断面を撮像した光学顕微鏡写真のグレースケール画像を取得する鋼板断面グレースケール画像取得部と、
該取得した前記鋼板断面のグレースケール画像における前記鋼板の板厚方向のグレースケール階調変化を抽出するグレースケール階調変化抽出部と、
該抽出した前記鋼板の板厚方向におけるグレースケール階調変化に基づいて、前記鋼板に施されためっきの種類を識別するめっき種類識別部と、を備えたことを特徴とする自動車用鋼板のめっき種類識別装置。
【請求項10】
自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別する自動車用鋼板のめっき種類識別プログラムであって、
コンピュータを、
前記車体構成部品から採取した鋼板を含む試験体における板厚方向の鋼板断面を撮像した光学顕微鏡写真のグレースケール画像を取得する鋼板断面グレースケール画像取得部と、
該取得した前記鋼板断面のグレースケール画像における前記鋼板の板厚方向のグレースケール階調変化を抽出するグレースケール階調変化抽出部と、
該抽出した前記鋼板の板厚方向におけるグレースケール階調変化に基づいて、前記鋼板に施されためっきの種類を識別するめっき種類識別部と、として機能させることを特徴とする自動車用鋼板のめっき種類識別プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車車体の車体構成部品に用いられる鋼板に施されためっきの種類を識別する自動車用鋼板のめっき種類識別方法、装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車車体を構成する車体構成部品の素材として適用される様々な種類の鋼板は、年代とともに変化を続けており、高強度化と薄肉・軽量化が進んでいる。特に、自動車の衝突安全基準の厳格化、要求性能の向上、燃費向上及びCO
2
排出量低減等の要請から、車体骨格強度の増強と質量低減という相反する性能を達成する必要があり、車体構成部品への高強度鋼板の使用は継続的に増加している。
【0003】
車体構成部品は、生産効率が高く、大量生産及び低コストでの製造が可能な鋼板の冷間プレス成形により製造されることが多い。しかし、鋼板の高強度化に伴ってプレス成形性は低下するため、プレス成形時のわれ(破断)やしわ発生、形状・寸法精度不良等の不具合が生じやすくなっている。このため、自動車車体の設計段階から、プレス成形工法や車体構成部品の形状・金型形状に技術的な工夫を織り込み、プレス成形時の不具合を回避することが必要である。
【0004】
しかしながら、車体軽量化を目的として車体構成部品の板厚を低減すると、車体構成部品の剛性あるいは自動車車体全体の剛性が低下してしまう。そのため、全ての車体構成部品を一律に高強度化・薄肉化することはできない。自動車車体のどの部位を強化し、あるいは薄肉化するか、さらには鋼板強度に応じて車体構成部品の最適な形状をいかにデザインするかは、自動車車体を設計する技術者の経験と車両の製造会社が培ってきた技術の蓄積から決定されている。このため、販売されている自動車車体の調査を通じて、各製造会社が製造する自動車車体のデザインにみられる工夫や革新的な技術や新しい素材の使用方法及び工法等を学習・吸収することが一般的に行われている。
【0005】
このような調査では、自動車車体を車体構成部品同士の接合部で解体して車体構成部品単位に分離し、車体構成部品の素材である鋼板の一部を採取(サンプリング)して、硬度や板厚、組織の顕微鏡観察により鋼板の素性を特定したり、比較分析が行われる。鋼板素性の特定としては、例えば、車体構成部品から採取した鋼板を樹脂モールド材に埋め込んで試験体を作製し、当該試験体に埋め込まれた鋼板の断面を鏡面研磨して、鋼板の板厚とマイクロビッカース法による硬度の測定が行われる。さらに、測定した硬度から換算式を用いて鋼板の引張強度(TS)を求めることも行われる。そして、これらの数値を製造規格に照合することで、車体構成部品に使用されている鋼板の素性(規格等)を特定することが可能となる。
【0006】
自動車車体は1台あたりの車体構成部品が300~500点にも及び、車両毎に各車体構成部品の素材はデータベース化され、材料データベースに格納される。そして、材料データベースは、車体構成部品の様々な分析調査のベースとして使用される。
車両毎のデータベース化に関して、例えば特許文献1には、販売されている車両を分解し、その車両に使用されている部品の材質(強度、板厚、重量、寸法、表面処理有無、めっき層厚、下地種類(熱延ベースか冷延ベースか)等)、スポット溶接数、部品の画像等のデータを保存する技術が開示されている。
当該技術では、部品に関するデータを保存する際に、車両の製造会社又は車種の異なる複数の車両間で統一した基準により分類された部位に付されたグループ名と、部品の機能に基づいて付されて複数の車両間で統一した部品機能名と、により分類を行うこととしている。これにより、車両の製造会社又は車種の異なる複数の車両間においても、比較すべき部品を短時間に抽出し、比較を容易に行うことが可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5151380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
自動車車体の車体構成部品には、表面処理が施されていない鋼板(裸材、JIS規格SPC、SPH等)や、めっき処理を施した表面処理鋼板(日本鉄鋼連盟規格SEC、SGC等)が用いられる。そして、表面処理鋼板に施されためっきには、溶融亜鉛めっき(GI)、合金化溶融亜鉛めっき(GA)、電気亜鉛めっき(EG)等の亜鉛めっき系や、溶融アルミニウム系めっきであるアルミシリコンめっき(Al-Si)等のアルミニウムめっき系、等がある。
これらの表面処理鋼板は、防錆仕様やプレス成形性、塗装外観等の要求仕様、部位毎あるいは車両製造会社毎の採用ポリシーに応じて適宜選択されている。そして、日本国内の車両製造会社では、冷間プレス部品の大部分にGA、熱間プレス部品にAl-Siを用いる例が大半であるが、海外の車両製造会社では冷間プレスにGI又はEG、熱間プレスにAl-Siを用いる例が多い。
【0009】
特許文献1に開示されている技術のように、車両毎のデータベース化においては、表面処理鋼板のめっきの種類を部品の材質に関するデータとして保存することが考えられる。そのためには、車体構成部品毎にサンプルとして鋼板を採取し、その鋼板に施されているめっきの種類を識別することが必要である。
【0010】
鋼板に施されているめっきの種類を識別するには、めっき層中の成分を湿式分析により定量する方法や、めっき層中の元素分布を分光分析により同定する方法が用いられている。
めっき層を湿式分析する方法としては、鋼板のめっき層をアルカリ溶液等で剥離溶解して分析する方法が挙げられる。
また、めっき層を分光分析する方法としては、めっき層断面をXPS(X線光電子分光法)やEPMA(電子プローブマイクロアナライザー)といったX線分光分析、又は、GDS(グロー放電発光分光法)等のスパッタリング分光分析、等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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