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公開番号2025010137
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024160995,2024089114
出願日2024-09-18,2024-05-31
発明の名称カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液、およびそれを用いた二次電池、ならびにカーボンナノチューブの製造方法
出願人artience株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/168 20170101AFI20250109BHJP(無機化学)
要約【課題】高い分散性および貯蔵安定性を有するカーボンナノチューブを提供すること。また、カーボンナノチューブ分散液の流動性および分散安定性に優れ、活物質と混合した際も分散性がよい合材スラリーを提供すること。さらに詳しくは、集電体との密着性に優れた電極膜であり、高出力、高容量、高寿命な二次電池およびこれに用いられる電極膜を提供すること。
【解決手段】かさ密度Xが0.095g/cm3以上0.125g/cm3以下、Zr含有量が5ppm以上500ppm以下、かつ下記式(5)で定義されるカーボンナノチューブの最大溶媒吸収能Yが8.0以上である、カーボンナノチューブである。
Y=W/V ・・・式(5)
(式(5)において、Vはカーボンナノチューブの質量(g)であり、Wは25℃環境下でV(g)のカーボンナノチューブにN-メチル-2-ピロリドンを滴下したときに、カーボンナノチューブに吸収されるN-メチル-2-ピロリドンの最大の質量(g)である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
かさ密度Xが0.095g/cm

以上0.125g/cm

以下、Zr含有量が5ppm以上500ppm以下、かつ下記式(5)で定義されるカーボンナノチューブの最大溶媒吸収能Yが8.0以上である、カーボンナノチューブ。
Y=W/V ・・・式(5)
(式(5)において、Vはカーボンナノチューブの質量(g)であり、Wは25℃環境下でV(g)のカーボンナノチューブにN-メチル-2-ピロリドンを滴下したときに、カーボンナノチューブに吸収されるN-メチル-2-ピロリドンの最大の質量(g)である。)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
かさ密度X(g/cm

)と、カーボンナノチューブの最大溶媒吸収能Yが、下記式(1)~式(4)を全て満たす、請求項1記載のカーボンナノチューブ。
Y≦-200X+37・・・式(1)
Y≧200X-17 ・・・式(2)
Y≧-200X+27・・・式(3)
Y≦200X+7 ・・・式(4)
【請求項3】
平均繊維長が0.2μm以上1.1μm以下である、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項4】
平均繊維長が0.2μm以上1.0μm以下であり、Zr含有量が15ppm以上200ppm以下である、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項5】
請求項1または2記載のカーボンナノチューブと、分散剤と、非水分散媒とを含む、カーボンナノチューブ分散液。
【請求項6】
下記式(I)で表わされる回帰直線の決定係数R

が0.85以上であり、傾きaが2≦a<20、かつy切片bが-5≦b<10である、請求項5記載のカーボンナノチューブ分散液。
y=ax+b ・・・式(I)
(式(1)は、静置保管温度と日数がそれぞれ、40℃1日、40℃7日、40℃14日であるカーボンナノチューブ分散液を用いて測定した、xを横軸に、yを縦軸にプロットした散布図から最小二乗法により求められる回帰直線であり、
静置保管により経過した日数がi、静置保管温度が40℃であるときの二次電池用樹脂組成物の、25℃、ずり速度1.0s
-1
におけるせん断粘度をη

(Pa・s)、動的粘弾性測定により求めた、25℃、周波数1Hzにおける複素弾性率をG


(Pa)としたとき、
xは、25℃、ずり速度1.0s
-1
における上記せん断粘度η

(Pa・s)の自然対数(ln(η

))、
yは、25℃、周波数1Hzにおける上記複素弾性率G


(Pa)であり、
iは、カーボンナノチューブ分散液の製造日を0日とし、1、7、および14である。)
【請求項7】
請求項5記載のカーボンナノチューブ分散液と、バインダー樹脂とを含む、カーボンナノチューブ樹脂組成物。
【請求項8】
請求項5記載のカーボンナノチューブ分散液と、バインダー樹脂と、活物質とを含む、合材スラリー。
【請求項9】
請求項8記載の合材スラリーから形成されてなる電極膜。
【請求項10】
正極および負極を備える二次電池であって、正極および負極の少なくとも一方が、請求項9記載の電極膜を有する、二次電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノチューブの製造方法に関する。
さらに詳しくは、カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ分散液とバインダー樹脂とを含むカーボンナノチューブ樹脂組成物、カーボンナノチューブ分散液とバインダー樹脂と活物質とを含む合材スラリー、合材スラリーから形成してなる電極膜、および該電極膜を備える二次電池に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、黒鉛層を円筒状にした構造を有し、化学的に安定であり、導電性および機械的強靭性を備えることから、電子材料、構造材料、塗料等の各種用途に用いられている。カーボンナノチューブの用途としては、具体的には、電子材料、半導体材料、フィラー材料、顕微鏡用短針プローブ、吸着材料、フィルター材料等が挙げられる。
なかでも、カーボンナノチューブを用いる電極材料は、導電性に優れることから、二次電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ等への応用が期待されている。
【0003】
電気自動車の普及、携帯電話の小型軽量化および高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で高エネルギー密度、高電圧という特徴から非水系電解液を用いる非水電解質二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
【0004】
二次電池の電極は、正極活物質または負極活物質、導電材、バインダー樹脂等を含む合材スラリーを集電体に塗工して作製される。導電剤としては、カーボンブラック、グラフェン、微細炭素材料等が使用されているが、導電性をさらに改善して電池の容量を改善する目的で、微細炭素繊維の一種であるカーボンナノチューブを用いることが検討されている。例えば、正極にカーボンナノチューブを添加することにより、電極膜の導電性を改善して電極抵抗を低減することができる。中でも、外径数nm~数10nmの多層カーボンナノチューブは比較的安価であり、実用化が進んでいる。平均外径が小さく繊維長が大きいカーボンナノチューブを用いると、少量でも効率的に導電ネットワークを形成することができ、二次電池の高容量化を図ることができる。一方で、これらの特徴を有するカーボンナノチューブは凝集力が強く、カーボンナノチューブ分散液の分散性をより一層高めることが難しくなる。
【0005】
特許文献1には、カーボンナノチューブの質量に対し、吸収された溶媒の質量である濡れ性指数を特定することで、カーボンナノチューブを2質量%以上含む高濃度かつ低粘度なカーボンナノチューブ分散体を提供することが提案される。特許文献1では、金属ボールまたはセラミックスボールを含むミリング装置を用いてカーボンナノチューブを乾式粉砕して濡れ性指数を制御しており、具体例では、アトリッションミルを用いて10~140分間のバッチ式乾式粉砕を行っている。また、特許文献2には、平均外径と表面酸素濃度を特定したカーボンナノチューブを用いて、樹脂成形体や自動車の車体等に漆黒性および光沢性を付与するカーボンナノチューブ塗料を提供することが提案されている。特許文献2では、未処理カーボンナノチューブを、粉砕メディアを用いて液状媒体を介在させないで粉砕処理することで、カーボンナノチューブの表面酸素濃度を制御している。
【0006】
特許文献3には、特定の共重合体を含む分散剤と、導電材と、分散媒とを含む導電材分散体が開示されている。特許文献3では、導電材分散体の動的粘弾性測定による周波数1Hzでの位相角が所定の範囲となるよう分散状態を適切にコントロールすることで、高濃度の炭素繊維でも分散媒に良好に分散した導電材分散体を提供することが提案される。また、特許文献4には、導電材と、分散剤と、アミド系有機溶媒とを含む導電材分散体が開示されている。特許文献4では、導電材分散体のpHと、動的粘弾性測定による周波数1Hzでの位相角および複素弾性率が所定の範囲となるよう分散状態を適切にコントロールすることで、良好な分散性、安定性、ハンドリング性、これら全てを共立できる導電材分散体を提供することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
韓国特許第10-2125933号公報
特開2020-029372号公報
特開2022-042689号公報
特開2022-042691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
分散媒中にカーボンナノチューブを分散させる場合、カーボンナノチューブは高アスペクト比であり、ファンデルワールス力により相互に強固に物理結合するため、カーボンナノチューブ同士の絡まりや束の解しにくさによって分散媒中での広がりの困難さをもたらす。
また、分散媒中にカーボンナノチューブを分散させることで分散液は高粘度化するため、均一に分散された高濃度のカーボンナノチューブを含む分散液を得ることは困難であり、特に、流動性と貯蔵安定性を両立する高濃度分散液を得ることは困難を極める。カーボンナノチューブ固有の高アスペクト比による難分散を解消すべく、特許文献1や特許文献2のように粉砕メディアを用いてカーボンナノチューブを乾式処理することで、カーボンナノチューブの溶媒に対する濡れ性を向上させ、カーボンナノチューブを2質量%以上で含む高濃度でも低粘度なカーボンナノチューブ分散液を得る技術が開示されている。しかし、カーボンナノチューブを用いた電極膜において、カーボンナノチューブ固有の高アスペクト比に由来する発達した導電ネットワークを十分に形成するには、まだ検討の余地があった。
【0009】
特許文献3と特許文献4には、導電材分散体の組成(分散剤種等)やpHに加えて、位相角や複素弾性率といった導電材分散体の物性をコントロールすることで導電材であるカーボンナノチューブを高濃度に分散させる技術が開示されているが、カーボンナノチューブ自体の処理方法や導電材分散体の経時安定性については検討の余地があった。
【0010】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、高い分散性および貯蔵安定性を有するカーボンナノチューブを提供することであり、また、カーボンナノチューブ分散液の流動性および分散安定性に優れ、活物質と混合した際も分散性がよい合材スラリーを提供することである。さらに詳しくは、集電体との密着性に優れた電極膜であり、高出力、高容量、高寿命な二次電池およびこれに用いられる電極膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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